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プロジェクトリーダー(PL)とは?仕事内容やPMとの違い・必要なスキルを解説

2026年09月28日更新

エンジニアとして経験を積み、「次はPLを任せたい」と言われたものの、具体的に何をするのかわからない方もいるでしょう。PLは開発を担当するだけでなく、チームの進捗や品質を管理し、メンバーを動かす役割を担います。

一方で、PLの責任範囲は企業やプロジェクトによって異なり、PMとの違いがわかりにくいこともあります。PLになる前に、仕事内容だけでなく「どこまで自分で判断するのか」「PMには何を相談するのか」を理解しておくことが大切です。

この記事では、以下の内容を解説します。

  • PLの役割とPMとの違い
  • PLの具体的な仕事内容
  • PLが自分で判断できる範囲
  • PLに求められるスキルと向いている人
  • PLになった後の年収とキャリア

これからPLを目指す方に向けて、役割や仕事内容から、着任後に必要となる判断やスキルまで具体的に解説します。

目次

CONTENTS

プロジェクトリーダー(PL)とは?

プロジェクトリーダー(PL)とは、システム開発の現場でチームを率い、計画どおりに成果物を仕上げる実行責任者です。PMが立てた計画をタスクに分け、メンバーを動かしながら期限までに形にしていく役割を担います。ただし、PLの責任範囲や立場は、所属する企業やプロジェクトの規模によって変わります。PLの位置づけを理解するために押さえておきたいポイントは、次の3つです。

  • PLの責任はチームの成果物とスケジュールまでに限られる
  • 多くの企業でPLは役職ではなく役割として置かれる
  • プロジェクトの規模によってPLの守備範囲が変わる

それでは、順に見ていきましょう。

PLが責任を負うのは、担当チームが作る成果物と、その作業スケジュールまでです。具体的には、割り当てられた機能を期限までに仕上げることや、成果物の品質を一定の水準に保つことがPLの仕事にあたります。

一方で、プロジェクト全体の予算や顧客との契約、スコープの変更といった判断は、PLの責任範囲には含まれません。これらは、プロジェクト全体に責任を持つPMが担う領域です。PLとPMの責任範囲を整理すると、次のとおりです。

項目PLの責任範囲PMの責任範囲
成果物担当チームの成果物プロジェクト全体の成果物
スケジュールチームの作業スケジュールプロジェクト全体の納期
予算・契約含まれない含まれる
スコープの変更PMに相談して判断を仰ぐ最終的に判断する

責任の範囲を区切っておくと、PLは担当チームの作業に集中でき、判断に迷う内容はPMへすぐ上げられます。自分の責任がどこまでかを把握しておくことが、PLとしてチームを回すはじめの一歩です。

こちらの記事では、PMの役割と仕事内容を、エンジニアがPMを目指す前に知るべき知識として解説しています。PLの一段上でどこまで責任範囲が広がるのかを確かめたい方におすすめです。

プロジェクトマネージャーの役割と仕事内容とは?エンジニアがPMを目指す前に知るべき全知識

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PLは、課長や主任のような社内の役職とは別に、プロジェクトごとに任命される役割として置かれるのが一般的です。そのため、同じエンジニアがある案件ではPLを務め、別の案件ではメンバーとして参加するケースもよくあります。公的な統計を見ても、厚生労働省の賃金構造基本統計調査や職業情報提供サイト(job tag)には、PLという職種の区分が設けられていません。

役割として置かれることには、気をつけたい点もあります。PLに任命されても役職や等級が変わらなければ、責任だけが増えて給与はそのままという状態になりかねません。役職の有無によって年収の扱いは大きく変わるため、詳しくは後半の年収の章で解説します。

一方で、転職市場では役職名よりも、何人のチームを率いてどのような成果を出したかという実績が評価されます。PLという肩書きが社内の役職でなくても、その経験は職務経歴書で十分にアピールできる材料です。

こちらの記事では、エンジニアの市場価値がどう決まるのかと、高める方法を解説しています。肩書きではなく実績で評価される仕組みを知っておきたい方におすすめです。

エンジニアの市場価値はどう決まる?高める方法と将来性を徹底解説

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PLが担う仕事の範囲は、プロジェクトの規模によって大きく変わります。規模ごとの体制と、PLの守備範囲の目安は次のとおりです。

規模人数の目安体制の例PLの守備範囲
小規模数名PMとPLを1人が兼ねる計画づくりから顧客対応、実装まで幅広く担う
中規模10〜20名程度PMの下にPLを1〜2名置くチームの進捗管理とレビューが中心になる
大規模50名以上PMの下に複数のPLやサブリーダーを置く担当機能のチーム運営と他チームとの調整を担う

小規模な案件では、PLがPMの役割まで兼ねることも多く、スケジュールの作成や顧客とのやり取りまで任されます。反対に大規模な案件では、PLは担当する機能のチームに集中し、他チームのPLやPMとの調整に多くの時間を使います。

同じPLという呼び名でも、求められる仕事が案件ごとに異なる点が特徴です。IPAのITスキル標準(ITSS)でも、プロジェクトマネジメントはひとつの職種として定義され、個人の能力や実績に基づいて7段階のレベルが設けられています。PLとして評価される経験を積むには、どの規模のプロジェクトでどこまで任されたのかを意識しておきましょう。 転職の場面でも、チームの人数や担当範囲を具体的に説明できると、経験の中身が伝わりやすくなります。

参考:ITスキル標準(ITSS)(独立行政法人情報処理推進機構)

プロジェクトマネージャー(PM)との違い

PLとPMは、どちらもプロジェクトを前に進める立場ですが、担う役割は同じではありません。両者の違いは、次の3つの点に表れます。

  • 責任を負う対象が違う
  • 意思決定できる範囲が違う
  • 報告する相手が違う

それでは、順に見ていきましょう。

PMが責任を負う対象は、プロジェクト全体の成功です。品質・コスト・納期の3つを計画どおりに収め、顧客や経営層が期待する成果を出せたかどうかで評価が決まります。これに対して、PLが責任を負う対象は担当チームの作業とその成果物です。決められた期限と品質の水準を守り、チームとして成果物を仕上げられたかどうかで評価されます。

プロジェクトマネジメントの分野では、この違いを実行責任と説明責任という言葉で整理すると理解しやすいです。作業ごとに責任の所在を決めるRACIという手法では、2つの責任を次のように区別します。

区分意味主に担う人
実行責任(Responsible)作業を実際に進めるPL
説明責任(Accountable)結果について最終的に説明するPM

PLは担当チームの作業を進める実行責任を、PMはプロジェクトの結果に対する説明責任を持つ、と覚えておくと違いがはっきりします。

参考:PMBOK Guide(PMI)

こちらの記事では、PMの年収や種類、キャリアアップの方法を解説しています。PLの次のステップとしてPMを具体的に検討したい方におすすめです。

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PMとPLでは、自分の判断で決められる範囲も異なります。PMは、プロジェクト全体の予算や納期、スコープ、要員の配置を変更する権限を持ち、顧客との合意内容に関わる判断も担います。一方で、PLが決められるのは担当チームのなかで完結する内容が中心です。

判断の内容PLPM
チーム内のタスクの割り振り決められる必要に応じて確認する
チーム内の作業順の入れ替え決められる必要に応じて確認する
納期やマイルストーンの変更PMに相談する決められる
仕様やスコープの変更PMに相談する決められる
メンバーの追加や交代PMに相談する決められる

判断の線引きは、その変更がプロジェクト全体に影響するかどうかで決まります。たとえば、納期の延長は顧客との契約やほかのチームの作業に影響するため、PLの判断だけでは進められません。PMBOKでも、スコープや納期、コストに関わる変更は、変更要求として正式に承認を得たうえで反映する流れが示されています。PLに求められるのは、チームの外に影響する判断を抱え込まず、判断材料をそろえてPMに上げることです。

参考:PMBOK Guide(PMI)

報告する相手と報告する内容も、PMとPLでは異なります。PLの主な報告先はPMです。担当チームの進捗や発生している課題、今後のリスクを日次や週次でPMに共有し、判断が必要な内容を上げます。これに対してPMは、顧客や経営層、プロジェクトの発注元に対して、プロジェクト全体の状況を報告します。報告の違いを整理すると、次のとおりです。

項目PLPM
主な報告先PM顧客・経営層・発注元
報告の内容チームの進捗、課題、リスク全体の進捗、コスト、品質、リスク
報告の頻度の目安日次から週次週次から月次

加えて、PLはPMから受け取った方針を、メンバーにわかりやすく伝える役目も担います。PLは、現場の状況をもっとも早く把握できる立場です。PMが正しい判断を下せるかどうかは、PLから上がってくる情報の早さと正確さに左右されます。遅れや問題の兆しに気づいたら、小さなうちにPMへ伝えることが、PLとして信頼を得るための第一歩です。

プロジェクトリーダーの仕事内容

PLの仕事は、PMが立てた計画を現場で動かし、チームの成果物を期限までに仕上げることです。日々の業務は多岐にわたりますが、主な仕事は次の6つに分けられます。

  • 計画をタスク単位に分解する
  • 進捗を見える形にしてスケジュールを調整する
  • メンバーにタスクを割り振る
  • 成果物をレビューして品質を守る
  • 現場の問題を解決し、リスクに先手を打つ
  • 他チームやPMと調整して情報をつなぐ

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

PLの最初の仕事は、PMが作ったプロジェクト計画を、メンバーが実際に手を動かせる作業の単位まで分解することです。計画の段階ではログイン機能の開発のように大きな単位で書かれている作業を、設計・実装・テストといった具体的なタスクに分けていきます。このとき使われるのが、WBS(Work Breakdown Structure)という手法です。WBSはプロジェクトで必要な作業を階層的に分解して整理するもので、PMBOKでもプロジェクトマネジメントの代表的な手法として紹介されています。

タスクに割り戻すときの手順は、次のとおりです。

  • PMが作った上位の作業項目を確認する
  • 機能や工程ごとにタスクを分ける
  • タスクごとに完了の条件を決める
  • タスク同士の前後関係を整理する
  • 各タスクの工数を見積もる

タスクの粒度は、1人が数日以内で終えられる大きさを目安にすると、進捗の遅れに気づきやすくなります。完了の条件があいまいなタスクは、終わったかどうかを誰も判断できず遅れの原因になりやすいため、分解の段階で決めておきましょう。

参考:PMBOK Guide(PMI)

タスクを割り振ったあとは、チーム全体の進捗を誰が見てもわかる形で管理します。進捗が一部のメンバーの頭のなかにしかない状態では、遅れに気づいたときにはすでに手遅れという事態になりがちです。進捗を見える形にする代表的な方法は、次のとおりです。

方法特徴向いている開発手法
ガントチャートタスクの期間と前後関係を横棒で表すウォーターフォール開発
バーンダウンチャート残りの作業量の推移をグラフで表すアジャイル開発
EVM(アーンド・バリュー・マネジメント)計画に対する作業の達成度を数値で測る中規模から大規模の開発

遅れが見つかったら、まずはチームのなかで調整できるかを検討しましょう。チーム内でできる調整には、次のような方法があります。

  • 作業の順番を入れ替える
  • 手の空いているメンバーに一部を任せる
  • あらかじめ確保した予備日を使う

こうした調整でも吸収できない遅れはマイルストーンに影響するため、早めにPMへ相談しましょう。進捗管理の目的は遅れを責めることではなく、手を打てるうちに遅れを見つけることです。

タスクが洗い出せたら、誰にどの作業を任せるかを決めます。割り振りを考えるときは、メンバーのスキルだけでなく、今抱えている作業量や本人の成長も考えに入れましょう。タスクを割り振るときの主な観点は、次の3つです。

観点確認すること
スキルそのタスクをこなせる技術や経験があるか
作業量ほかの作業と重なって負担が偏っていないか
成長本人が次に身につけたい領域と合っているか

とくに気をつけたいのが、できる人に仕事が集中してしまう状態です。特定のメンバーにしかわからない作業が増えると、その人が休んだり抜けたりしたときにチーム全体が止まってしまいます。経験の浅いメンバーにも少し背伸びが必要なタスクを任せ、レビューや相談の機会でフォローすれば、チームとして対応できる範囲が広がります。

割り振りは一度決めて終わりにせず、進捗や負担を見ながら随時見直しましょう。

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PLは、メンバーが作った成果物を確認し、チームとして出す成果物の品質を守る役割も担います。主なレビューの対象は、次のとおりです。

レビューの対象主に確認すること
設計書要件を満たしているか、無理のない構成か
ソースコード読みやすさ、不具合の有無、規約に沿っているか
テスト仕様書確認すべきケースに漏れがないか
テスト結果不具合の件数や傾向に異常がないか

不具合は、後の工程で見つかるほど修正にかかる手間が大きくなります。設計やコードの段階でレビューをおこない、早めに問題を見つけることが、品質とスケジュールの両方を守る確実な方法です。

ただし、PLがすべての成果物を1人で細かく確認しようとすると、レビューが滞り、チームの作業が止まる原因になります。レビューの観点をチェックリストにまとめたり、メンバー同士で確認し合う仕組みを作ったりして、PLが見るべき箇所を絞りましょう。PLの役割は、自分で不具合を見つけることよりも、不具合が出にくいチームの仕組みを整えることです。

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開発の現場では、仕様の食い違いや技術的な問題、メンバーの体調不良など、計画どおりに進まない出来事が日々起こります。PLは、こうした問題に対応する課題管理と、まだ起きていない問題に備えるリスク管理の両方を担います。課題とリスクの違いは、次のとおりです。

区分意味PLの対応
課題すでに起きている問題原因を確かめ、解決策と担当者を決める
リスクこれから起きるかもしれない問題起きる可能性と影響を見積もり、事前に手を打つ

課題が起きたときは、まず影響の範囲を確かめ、チームのなかで解決できるかを判断しましょう。チームの外に影響する問題や、PLの権限を超える判断が必要な問題は、1人で抱え込まずにPMへ上げます。

一方で、リスク管理では問題が起きる前の備えが中心です。たとえば、特定の技術に詳しいメンバーが1人しかいないなら、ほかのメンバーにも知識を共有しておくことで、休職や離任による作業の停止を避けられます。PMBOKでも、リスクを洗い出し、分析し、対応策を計画して監視する流れが、リスクマネジメントの進め方として示されています。問題が起きてから動くのではなく、週に一度でもリスクを見直す時間を設けておきましょう。

参考:PMBOK Guide(PMI)

PLは、担当チームの外とのやり取りも受け持ちます。大規模なプロジェクトほど複数のチームが並行して作業を進めるため、チーム同士の調整が欠かせません。PLの主な調整相手と調整の内容は、次のとおりです。

調整相手主な調整の内容
チームのメンバーPMの方針や決定事項を伝え、作業に落とし込む
他チームのPL機能の受け渡しやAPIの仕様、作業の順番をすり合わせる
インフラやテストの担当チーム環境の準備やテストの日程を調整する
PM進捗や課題を報告し、判断が必要な内容を相談する

調整でとくに気をつけたいのが、決まった内容を関係者全員に伝えきることです。他チームとの打ち合わせで仕様が変わったのに自分のチームのメンバーに伝わっていなければ、手戻りが発生してしまいます。決定事項は議事録やチャットの記録に残し、誰がいつ何を決めたのかを後から確認できるようにしておきましょう。

PLは、チームの代表として外と話し、外で決まったことをチームに持ち帰る、情報の通り道です。

こちらの記事では、エンジニアが抱えやすい人間関係の悩みについて、原因の診断方法と対処法を解説しています。チーム内外の調整に負担を感じている方におすすめです。

PLが自分で決めてよいこと・PMに上げるべきこと

PLとして動き出すと、この判断は自分で決めてよいのか、PMに相談すべきなのかと迷う場面が何度も訪れます。判断を抱え込みすぎるとプロジェクト全体に影響が広がり、反対に何でもPMに上げるとチームの作業が止まってしまいます。迷わないために押さえておきたい線引きは、次の3つです。

  • PLが自分の判断で決めてよいことがわかる
  • PMに上げるべきことと上げ方がわかる
  • 着任前にPMと決めておくべきグレーゾーンがわかる

それでは、順に見ていきましょう。

PLが自分の判断で決めてよいのは、影響が担当チームのなかで閉じる内容です。判断に迷ったときは、次の3つの条件をすべて満たすかを確認しましょう。

  • 担当チームの外に影響しない
  • 納期・コスト・顧客との合意に変更がない
  • 間違っていても後から修正できる

この条件を満たす判断の例は、次のとおりです。

判断の例具体的な場面
タスクの割り振り誰にどの作業を任せるかを決める
作業順の入れ替えマイルストーンを動かさない範囲で順番を変える
実装の進め方チームで決めた設計の範囲内で方針を決める
レビューの進め方誰がどの成果物を確認するかを決める
予備日の範囲での調整チームで確保した予備日のなかで遅れを吸収する

これらはPLに任されている領域なので、PMの確認を待たずに決めてかまいません。判断を先延ばしにするとメンバーの手が止まり、かえってチームの進捗に響きます。

ただし、自分で決めた内容も、定例の報告でPMに共有しておきましょう。決める権限があることと、黙って決めてよいことは別だと考えておくと、PMとの信頼関係を保ちやすくなります。

PMに上げるべきなのは、影響が担当チームの外に広がる内容や、PLの権限では決められない内容です。代表的なものは、次のとおりです。

上げるべき内容PMに上げる理由
マイルストーンや納期の変更顧客との約束やほかのチームの予定に関わるため
仕様やスコープの変更契約や見積もりの前提が変わるため
予算や工数の超過プロジェクト全体のコストに影響するため
メンバーの追加や交代要員の配置はPMが決める領域であるため
顧客との合意内容の変更顧客との窓口はPMが担うため

PMBOKでも、スコープや納期、コストに関わる変更は、変更要求として正式な承認を経て反映する流れが示されています。

PMに上げるときは、「困っています」と伝えるだけでなく、PMがすぐ判断できる材料をそろえましょう。報告に含めたい内容は、次の4つです。

  • 何が起きているか
  • どこに影響が出るか
  • 取れる対応策は何か
  • PLとしてどの案を勧めるか

悪い知らせほど、影響が小さいうちに上げれば取れる手が多く残ります。 報告が遅れるほどPMが打てる手は減り、結果として影響が大きくなりがちです。

参考:PMBOK Guide(PMI)

PLとPMの権限の線引きは企業やプロジェクトによって異なり、明文化されていないことも多いです。そのため、どちらが決めるのかがあいまいな領域では、判断が遅れたり、PLとPMの認識がずれたりしがちです。こうしたグレーゾーンは、PLに着任する前にPMとすり合わせておきましょう。すり合わせておきたい主な項目は、次のとおりです。

項目決めておく内容の例
予備日の使い方何日までの遅れならPLの判断で吸収してよいか
軽微な仕様変更どの程度の変更ならPLが受けてよいか
顧客とのやり取りPLが顧客と直接連絡を取ってよい範囲はどこまでか
メンバーの残業や休日出勤誰の判断で指示するか
報告のタイミング定例以外に、どのような事態ですぐ連絡するか

たとえば、予備日の使い方を決めておけば、2日程度の遅れなら自分の判断で吸収し、それを超える場合はすぐPMに相談するといった動き方ができます。

取り決めた内容は口頭で済ませず、簡単なメモに残してPMと共有しておきましょう。途中でPMが代わったり状況が変わったりしたときにも、判断の基準に立ち返れます。着任前にグレーゾーンを話し合っておくことが、プロジェクト中の迷いを減らす一番の近道です。

開発業務との兼務はどう回すのか

PLの多くは、実装を担当しながらチームを率いる兼務の状態で働いています。開発とPL業務の両方を抱えるとどちらも中途半端になりやすく、残業が増える原因にもなります。兼務をうまく回すために押さえておきたいポイントは、次の3つです。

  • PL業務に取られる時間を見積もる
  • クリティカルパス上の実装を自分で持たない
  • 着任前に手放す作業を決めておく

それでは、順に見ていきましょう。

PLに絞って業務時間の配分を調べた公的な調査は見当たりませんが、管理職全般のデータから兼務の実態がうかがえます。産業能率大学総合研究所が企業の人事担当者に尋ねた2023年の調査では、プレイヤー業務とマネジメント業務が分かれている企業は約2%にとどまり、残りの約98%では課長が何らかの形でプレイヤー業務を兼ねていました。同大学が部長を対象におこなった2019年の調査でも、担当業務のおよそ4割がプレイヤーとしての仕事でした。さらに、プレイヤーの役割を持つ課長の約6割は、その業務がマネジメントの妨げになっていると感じています。

PLも同じように、実装とチーム運営の両方を抱える働き方です。目安として、チームの人数が増えるほどPL業務に取られる時間は増えていきます。

チームの人数PL業務に取られる時間の目安
3〜5名業務時間の2〜3割程度
6〜10名業務時間の半分前後
10名以上業務時間の大半

打ち合わせやレビュー、メンバーからの相談は、予定表に表れないまま1日のなかに細かく入り込みます。PL業務は想定よりも時間を取られるため、実装の予定は少なめに見積もっておきましょう。

参考:ミドルマネジャーの人事実態調査2023(学校法人産業能率大学 総合研究所)

参考:部長職の9割以上がプレイングマネージャー。上場企業に勤める部長の実態を調査(HRプロ)

参考:プレイングマネジャーの時間の使い方(HRプロ)

こちらの記事では、エンジニアが疲れを感じたときの対処法とキャリアの選択肢を解説しています。兼務による負荷が限界に近いと感じている方におすすめです。

エンジニアに疲れたと感じたら?燃え尽きる前に試すべき対処法とキャリア選択

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兼務で最も気をつけたいのが、自分が担当する実装がプロジェクト全体の遅れにつながるケースです。クリティカルパスとは、プロジェクトの開始から完了までをつなぐ作業のうち、最も時間がかかる一連の作業の流れを指します。この流れにある作業が1日遅れると、プロジェクト全体の完了も1日遅れます。

PLは、打ち合わせや障害対応、メンバーからの相談で作業が中断されやすい立場です。そのPLがクリティカルパス上の実装を担当すると、PL業務に時間を取られたぶんだけ全体の納期が後ろにずれてしまいます。PLが担当する実装は、次のような条件に当てはまる作業を選ぶのがおすすめです。

  • 遅れても全体の納期に影響しない
  • ほかの作業の前提になっていない
  • 途中で中断しても再開しやすい

反対に、重要度の高い作業や難しい作業は、自分でやりたくなってもメンバーに任せましょう。PLが実装を手放すのは技術を捨てるためではなく、チーム全体の納期を守るためです。 任せた作業にはレビューで関われるので、技術面の判断には引き続き責任を持てます。

参考:PMBOK Guide(PMI)

PLに着任してから手放す作業を考えはじめると、目の前の業務に追われて、結局すべてを抱えたままになりがちです。PLの役割を引き受ける段階で、これまで担当していた作業のうち何を手放すかを決めておきましょう。手放す作業は、次の4ステップで決めていきます。

  • 今担当している作業をすべて書き出す
  • 作業ごとにPLが続けるべきかを判断する
  • 手放す作業の引き継ぎ先を決める
  • 引き継ぎの時期と方法をPMと合意する

判断の目安は、次のとおりです。

区分作業の例
手放す作業クリティカルパス上の実装、自分しか担当者がいない定常作業
続ける作業設計のレビュー、技術的な判断、難しい不具合の調査の支援

とくに、自分しか内容を知らない作業は引き継ぎに時間がかかります。手順書を残したり、しばらくペアで作業したりして、少しずつ移していきましょう。

手放す作業を決めずにPLを引き受けると、開発とPL業務の両方で残業が増えるだけの状態になりかねません。 引き継ぎ先がいない場合は、要員の追加も含めてPMに相談しましょう。

こちらの記事では、PLを辞めたいと感じたときの対処法と、その後のキャリアの選択肢を解説しています。兼務の負荷を抱えたまま続けるか迷っている方におすすめです。

プロジェクトリーダーを辞めたい?限界を迎える前の対処法とキャリアの選択肢

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プロジェクトリーダーに求められるスキル

PLに求められるのは、エンジニアとしての技術力に、チームを動かす力を掛け合わせたスキルです。プロジェクトマネジメントの国際的な団体であるPMIも、プロジェクトに携わる人材に必要な力を、仕事の進め方、対人関係の力、ビジネスの理解という3つの領域で示しています。PLとして欠かせないスキルは、次の6つです。

  • 設計や実装の良し悪しを判断できる
  • メンバーを動かす対話や交渉ができる
  • 方針を示してチームを引っ張れる
  • 遅延や品質低下の兆しを先に察知できる
  • 止まった現場を前に進められる
  • 計画をタスクに割り戻せる

それでは、それぞれのスキルを確認していきます。

PLに求められる技術力は、誰よりも速くコードを書く力ではありません。メンバーが作った設計やコードを見て、問題がないか、もっとよい方法がないかを判断できる力です。この力がなければ、レビューで指摘できずに品質を守れず、メンバーの見積もりが妥当かどうかも判断できません。PLに必要な技術力の中身は、次のとおりです。

技術力PLとして使う場面
設計を読み解く力設計のレビューで無理や漏れを見つける
コードの品質を見極める力コードレビューで不具合や保守しにくい書き方を指摘する
工数を見積もる力メンバーの見積もりが妥当かを判断する
技術の選択肢を比べる力実装方針に迷うメンバーに判断材料を示す

AIによるコード生成が広がるほど、この判断する力の価値は高まります。IPAの「DX動向2026」でも、企業のAI活用は業務の効率化や迅速化が中心で、新たな価値の創出にはまだ広がっていないと報告されています。AIが書いたコードでも、採用してよいかを最終的に判断するのは人であり、その判断を担うのがPLの役割です。

参考:DX動向2026(独立行政法人情報処理推進機構)

こちらの記事では、テックリードの仕事内容や年収、必要なスキルを解説しています。マネジメントではなく技術の側でチームを引っ張る道と比べたい方におすすめです。

テックリードとは?仕事内容・必要なスキル・年収とキャリアパスを詳しく解説

テックリードとは?仕事内容・必要なスキル・年収とキャリアパスを詳しく解説

PLは、メンバー、PM、他チームといった立場の違う相手と日々やり取りをします。相手によって求められるコミュニケーションは異なります。相手ごとに求められる力は、次のとおりです。

相手求められる力
メンバー話を聞き、作業の背景や目的まで伝える力
他チーム仕様や日程の利害を調整し、落としどころを探る力
PM現場の状況を短く正確に伝え、判断を仰ぐ力

なかでも欠かせないのが交渉力です。たとえば、他チームから急な仕様変更を頼まれたとき、そのまま受けるとチームの納期が危うくなります。変更による影響を具体的に示し、優先度の低い作業を後ろに回す、対応時期をずらすといった代替案を出せれば、双方が納得しやすくなります。

交渉は相手を言い負かすことではなく、チームの作業を守りながら全体の目的に沿う答えを探すことです。 メンバーとの間でも、指示を出すだけでなく、困りごとを早めに話してもらえる関係を作っておきましょう。

PLに求められるリーダーシップは、強い言葉で人を従わせることではありません。チームが何を目指し、どの順番で進めるのかを示し、メンバーが迷わず動ける状態を作ることです。PMBOK第7版でも、プロジェクトを進めるうえでの原理・原則のひとつとして、リーダーシップを発揮することが挙げられています。PLがリーダーシップを発揮したい場面は、次のとおりです。

  • 優先順位が揺れたときに方針を決めて伝える
  • メンバーの意見を聞いたうえで最終的な判断を下す
  • 問題が起きたときに率先して状況を整理する
  • チームの成果を周囲に伝え、メンバーの頑張りを認める

方針があいまいなままだと、メンバーはそれぞれの解釈で動き、手戻りが増えます。判断に自信がないときでも、現時点での方針を示し、状況が変われば見直すと伝えておけば、チームは前に進めます。迷ったときに方向を示すことこそ、PLに求められるリーダーシップです。

参考:PMBOK Guide(PMI)

こちらの記事では、PLのやりがいやマネジメントの魅力、キャリア上のメリットを解説しています。役割を前向きに引き受ける材料がほしい方におすすめです。

プロジェクトリーダーのやりがいとは?マネジメントの魅力やキャリアのメリット

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PLのリスク管理で大切なのは、遅延や品質の低下が表面化する前に、その兆しに気づくことです。遅れや不具合は突然起きるように見えても、たいていは事前に小さなサインが出ています。注意しておきたいサインは、次のとおりです。

サイン考えられるリスク
進捗の報告が「ほぼ終わった」のまま数日続く見積もりが甘く、遅延につながる
レビューでの指摘が特定の箇所に集中している設計の問題が後から大きな手戻りになる
メンバーの残業が続いている疲労による品質の低下や離脱が起きる
他チームからの回答が遅れている前提となる仕様が決まらず作業が止まる

サインに気づいたら、影響が大きくなる前に手を打ちましょう。見積もりが甘いと感じたらタスクを分け直し、指摘が集中している箇所は設計から見直すといった対応が考えられます。

リスク管理力とは、数字や報告の裏にある違和感を見逃さない力です。 定例の報告だけに頼らず、メンバーと気軽に話す時間も持っておくと、数字に表れない変化に気づきやすくなります。

開発の現場では、原因のわからない不具合や仕様の解釈の違い、作業の行き詰まりなど、チームの手が止まる場面が必ず訪れます。PLには、止まった現場を前に進めるための問題解決力が求められます。問題を解決するときの流れは、次のとおりです。

  • 何が起きているのか事実を集める
  • 影響の範囲と緊急度を見極める
  • 原因の候補を挙げて絞り込む
  • 対応策を決め、担当者と期限を割り当てる
  • 同じ問題が起きないよう再発防止策を決める

とくに気をつけたいのが、原因の追究にこだわりすぎて対応が遅れることです。緊急度が高い問題は、まず暫定的な対応で影響を止め、原因の調査はそのあとに進めましょう。

PLに求められるのは、自分で答えを出すことよりも、チームが次に何をすればよいかを決めることです。 自分だけで解決できない問題なら、詳しいメンバーや他チームの力を借りるのも立派な解決策になります。

PLには、計画を実行できるタスクに落とし込み、進捗を管理するためのマネジメントの知識も必要です。経験や勘だけに頼ると、見積もりや進捗の判断がぶれやすくなります。PLが押さえておきたい主な知識は、次のとおりです。

知識内容
WBS作業を階層的に分解して整理する手法
クリティカルパス全体の納期を左右する作業の流れを把握する手法
EVM計画に対する進み具合を数値で測る手法
リスクマネジメントリスクを洗い出し、分析し、対応策を決める手順

これらの知識は、PMBOKやIPAのプロジェクトマネージャ試験の出題範囲として体系的にまとめられています。いきなり試験の合格を目指さなくても、参考書で全体像をつかんでおくだけで、PMとの会話や計画の読み解きが進めやすくなります。

知識を学ぶ目的は資格を取ることではなく、現場での判断に根拠を持たせることです。 将来PMを目指すなら、PLの段階から体系的な知識に触れておくと、次の役割に移りやすくなるでしょう。

参考:プロジェクトマネージャ試験(PM)(独立行政法人情報処理推進機構)

プロジェクトリーダーに向いている人・向いていない人

PLに向いているかどうかは、技術力の高さだけでは決まりません。優秀なエンジニアほど、自分で手を動かしたほうが早いと考えてしまい、PL業務で苦労するケースもあります。向き不向きを見極めるポイントは、次の5つです。

  • 仕事を人に任せられる
  • 悪い報告を早い段階で上げられる
  • 割り込みが入っても作業を切り替えられる
  • 技術的な理想と納期を天秤にかけられる
  • メンバーの状況に関心を持てる

今の時点で当てはまらない項目があっても、多くは意識と経験で身につけられます。自分に当てはめながら読み進めてみましょう。

PLに向いているのは、自分でやったほうが早い仕事でも、メンバーに任せられる人です。PLが作業を抱え込むと、PL業務に使う時間がなくなり、進捗管理やレビューが後回しになります。さらに、メンバーが経験を積む機会も失われ、いつまでもPLに頼る体制から抜け出せません。

向いている人向いていない人
任せた作業の品質はレビューで守ると割り切れる他人の成果物に満足できず自分で直してしまう
任せる前に目的と完了の条件を伝えられる作業だけを渡し、後から細かく口を出す
メンバーの失敗を成長の機会と捉えられる失敗を恐れて難しい作業を渡せない

任せるのが苦手な人は、まず小さなタスクから任せ、完了の条件と途中で確認するタイミングを決めて渡すことからはじめましょう。任せることは手を抜くことではなく、チームの力を最大限に引き出すためのPLの仕事です。

こちらの記事では、マネジメントを望まないエンジニアが取れるキャリア戦略を解説しています。人を動かす役割に負担を感じる方におすすめです。

マネジメントをやりたくないエンジニアが知っておくべきキャリア戦略

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PLには、遅れや問題を小さなうちにPMへ伝えられる素直さが求められます。システム開発では、計画どおりに進まないこと自体がよくある出来事です。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査2025」でも、2015〜2024年度の10年間で、すべてのプロジェクト規模において予定どおりに完了する割合が下がる傾向にあると報告されています。遅れそのものよりも問題になるのは、報告が遅れて手を打てる時間がなくなることです。

向いている人向いていない人
遅れの兆しの段階でPMに共有できる自分で取り戻せると考えて報告を先延ばしにする
事実と影響、対応策をセットで伝えられる状況がはっきりするまで報告を控える
失敗を個人の問題ではなくチームの課題として扱える報告すると評価が下がると考えてしまう

報告をためらってしまう人は、悪い知らせほど先に伝えるというルールをPMと決めておくと動きやすくなります。早い報告は弱さではなく、プロジェクトを守るための判断です。

参考:企業IT動向調査2025(2024年度調査)(一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会)

こちらの記事では、PLが辛いと感じる原因と、乗り越える対処法やキャリアの選択肢を解説しています。報告のプレッシャーで消耗していると感じる方におすすめです。

プロジェクトリーダーが辛いと感じる原因は?乗り越える対処法とキャリアの選択肢

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PLの1日は、計画どおりには進みません。メンバーからの相談や障害の連絡、PMからの急な確認など、作業の途中で割り込みが何度も入ります。ひとつの作業に長時間集中したい人にとっては、この働き方が大きなストレスになりやすいです。

向いている人向いていない人
割り込みに応じたあと、元の作業にすぐ戻れる中断されると元の作業に戻るまで時間がかかる
急ぎかどうかを判断して対応の順番を決められるすべての依頼にその場で応じてしまう
集中したい作業の時間をあらかじめ確保できる予定を組まずに割り込みに振り回される

切り替えが苦手な人は、相談を受ける時間帯を決めたり、集中したい作業を午前中にまとめたりして、割り込みの入り方を自分で整えましょう。PLが担当する実装をクリティカルパスから外しておけば、中断されても全体への影響を抑えられます。割り込みをなくすことはできなくても、割り込みに振り回されない仕組みは作れます。

エンジニアとして優秀な人ほど、よりよい設計や美しいコードを追い求めたくなるものです。しかし、PLはチームの成果物を期限までに仕上げる責任を持つため、技術的な理想と納期のバランスを取る判断が欠かせません。理想を優先しすぎると納期に間に合わず、納期を優先しすぎると後から大きな手戻りを生みます。

向いている人向いていない人
今回やることと後回しにすることを決められるすべてを理想の形で作ろうとする
妥協した点を記録し、後で直す計画を立てられる妥協した点をそのまま放置する
判断の理由をメンバーに説明できる自分のこだわりで方針を決めてしまう

判断に迷ったときは、品質やセキュリティに関わるかどうか、後から直せるかどうかという2つの観点で考えましょう。後から直せるものは期限を優先し、直すのが難しいものは時間をかけてでも作り込むという考え方が役立ちます。PLに求められるのは、完璧を目指すことではなく、どこで妥協するかを根拠を持って決めることです。

PLに向いているのは、タスクの進み具合だけでなく、メンバー一人ひとりの状況に目を向けられる人です。体調や家庭の事情、仕事への不安といった状況は、作業の進み方や品質に直接影響します。メンバーの変化に気づけないと、ある日突然の休職や退職で作業が止まる事態にもつながりかねません。

向いている人向いていない人
普段の様子との違いに気づける進捗の数字だけでメンバーを判断する
困っていることを話しやすい雰囲気を作れる相談されるまで状況を聞かない
メンバーの得意なことや目指す方向を知っている誰に何を任せても同じだと考えている

人に関心を持つのが苦手な人でも、週に一度の短い面談や作業の合間の声かけを習慣にするだけで、チームの状況は見えやすくなります。メンバーへの関心は、優しさのためだけではなく、チームの成果を守るためのリスク管理でもあります。

こちらの記事では、PMに向いていない人の特徴と、つらいときの対処法やおすすめのキャリアパスを解説しています。管理側の役割が自分に合うか見極めたい方におすすめです。

PMが向いてない人の特徴は?つらい時の対処法とおすすめキャリアパスを紹介

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こちらの記事では、エンジニアのキャリア相談先を4種類に分けて比較し、失敗しない選び方を解説しています。向き不向きを一人で判断しきれない方におすすめです。

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プロジェクトリーダーになると年収とキャリアはどう変わるのか

PLになると責任は大きく増えますが、年収がそれに見合って上がるとは限りません。一方で、PLとしての経験は、次のキャリアで年収を大きく伸ばすための材料になります。PLになったあとの年収とキャリアについて、押さえておきたいポイントは次の5つです。

  • 昇格だけでは年収が大きく変わらないことが多い
  • 年収が上がるかどうかは役職がつくかで決まる
  • 役割だけ増えて年収が変わらないケースがある
  • PL経験は3種類の資産として積み上がる
  • 上流・ITコンサル領域がPL経験を高く評価する

それでは、順に見ていきましょう。

公的な統計にはPLという区分がないため、PLだけの平均年収は示されていません。そこでPLの前後にあたる職種の年収を比べると、次のとおりです。

職種平均年収平均年齢
システムエンジニア(受託開発)578.5万円37.1歳
プロジェクトマネージャ(IT)889万円38.3歳

開発を担うSEとPMのあいだには、約310万円の差があります。PLはこの中間に位置する役割ですが、PLに任命された時点でこの差が一気に縮まるわけではありません。

厚生労働省のjob tagに掲載されているスキルレベル別の年収でも、同じITSSレベル4で比べると、システムエンジニア(設計・構築)は500万〜780万円、プロジェクトマネージャは675万〜950万円でした。年収が大きく上がるのは、PLに任命されたときではなく、PMとして役職や責任の範囲が変わったときです。PLへの昇格だけでは、年収が大きく変わらないケースが多いです。PLへの昇格は年収の大きな転機ではなく、PMや上流工程に進むための通過点と考えましょう。

参考:職業情報提供サイト(job tag)システムエンジニア(受託開発)(厚生労働省)

参考:職業情報提供サイト(job tag)プロジェクトマネージャ(IT)(厚生労働省)

こちらの記事では、PLの年収相場と給与を上げる方法、キャリアパスを解説しています。いまの待遇が責任の重さに見合っているか確かめたい方におすすめです。

プロジェクトリーダーの年収相場は?給与を上げる方法やキャリアパスを解説

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こちらの記事では、PMの年収相場を年代別のデータで整理し、1,000万円に届くための条件を解説しています。PLの先にある年収水準を具体的に知りたい方におすすめです。

プロジェクトマネージャーの年収相場は?年代別データと1000万円への道

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PLになって年収が上がるかどうかは、PLという役割に社内の役職がつくかどうかで決まります。多くの企業では、給与は役割ではなく等級や役職にひもづいているためです。厚生労働省のjob tagでも、PMはシステムエンジニアから課長クラスに昇進して就くのが一般的で、その結果として給与水準が高い傾向にあると説明されています。つまり、年収を押し上げているのは役職そのものです。

パターン年収の変化
PLに任命されるだけで役職は変わらない変わらないことが多い
PLへの任命とあわせて主任や係長に昇格する役職手当や等級の分だけ上がる
PLの実績が評価され課長級に昇格する管理職の給与水準に上がる

そのため、PLを打診されたときは、役職や等級、手当がどう変わるのかを人事評価の面談で確認しましょう。評価制度が実装の成果を中心にしている企業では、PLとしての働きが給与に反映されにくい場合もあります。PLの経験を年収につなげるには、その経験を役職や等級で評価してくれる環境に身を置くことが大切です。

参考:職業情報提供サイト(job tag)プロジェクトマネージャ(IT)(厚生労働省)

PLを任されても、年収が変わらない、あるいは実質的に下がるケースもあります。よくあるケースは、次のとおりです。

ケース年収が変わらない理由
役職がつかないままPLを任される給与の等級が据え置かれる
管理職扱いになり残業代が出なくなる手当の増加分より残業代の減少分が大きい
評価制度が個人の成果物を基準にしているチームを回す働きが評価の対象になりにくい
SESや客先常駐でPLを担う案件の単価が上がっても給与に反映されにくい

とくに注意したいのが、管理職になって残業代がなくなるケースです。産業能率大学総合研究所の2023年の調査では、課長の給与が残業代を含めた非管理職の給与よりも高い水準にあると答えた課長は37.6%にとどまりました。反対に、18.6%は非管理職より低い水準にあると回答しています。管理職ですらこの状況なので、役職がつかないPLではなおさら年収に反映されにくいでしょう。

今の会社で役割だけが増え続けているなら、PLの経験を正当に評価してくれる企業への転職も選択肢に入れましょう。

参考:第7回 上場企業の課長に関する実態調査(学校法人産業能率大学 総合研究所)

こちらの記事では、エンジニアが評価されない原因と、現状を打破する方法や環境を変える判断基準を解説しています。成果が評価につながっていないと感じる方におすすめです。

エンジニアが評価されない原因とは?現状を打破する方法や環境を変える基準

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こちらの記事では、SESで正当に評価されない理由と、評価される行動や転職を判断する基準を解説しています。客先常駐でPLを担っている方におすすめです。

SESで評価されないのはなぜ?正当に評価される行動と転職判断の基準

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年収にすぐ反映されなくても、PLとしての経験は、次のキャリアで評価される資産として積み上がります。PL経験から得られる資産は、次の3つに分けられます。

資産具体的な中身評価される場面
マネジメントの実績率いた人数、プロジェクトの規模、出した成果PMやエンジニアリングマネージャーへの応募
上流工程の経験計画づくり、見積もり、リスク管理、PMとの折衝上流工程やPMOへの応募
調整と課題解決の経験他チームや顧客との調整、トラブルの収束ITコンサルタントや顧客折衝の多い職種への応募

厚生労働省のjob tagでも、PMの仕事として実行計画の作成や進捗・コストの管理、関係者との意見の調整が挙げられており、PLとして日々担っている仕事の延長線上にある内容です。ただし、資産として評価されるには、経験を具体的に説明できることが条件です。

何人のチームで、どの規模の案件を、どのような成果とともに進めたのかを、数字で振り返っておきましょう。PLの経験は、数字で説明できるようにしておくほど、転職の場面で価値が伝わりやすくなります。

参考:職業情報提供サイト(job tag)プロジェクトマネージャ(IT)(厚生労働省)

こちらの記事では、PLの職務経歴書の書き方を例文付きで解説しています。チーム規模や担当範囲をどう言語化するか迷っている方におすすめです。

プロジェクトリーダーの職務経歴書の書き方は?例文付きでポイントを解説

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PL経験をもっとも高く評価するのは、PMやITコンサルタントといった上流・ITコンサル領域の職種です。これらの職種では、プロジェクトを計画どおりに進めた経験が、そのまま仕事の中身に直結するためです。厚生労働省のjob tagでも、PMは実績を重ねたあとに、IT分野のコンサルタントのような役割を担う場合があると紹介されています。同じjob tagのスキルレベル別の年収では、プロジェクトマネージャはITSSレベル5以上で700万〜1,100万円と、同じレベルのシステムエンジニア(設計・構築)の600万〜950万円を上回る水準です。

PLの経験を持つ人がこの領域に進めば、同じ経験でも年収の評価が大きく変わります。ただし、上流・ITコンサル領域の選考では、PL経験をどのように言葉にして伝えるかで評価が分かれます。PL経験の価値を最大限に活かすには、上流・ITコンサル領域の求人を扱い、経験の伝え方まで支援してくれる相談先を選ぶことが大切です。

参考:職業情報提供サイト(job tag)プロジェクトマネージャ(IT)(厚生労働省)

参考:職業情報提供サイト(job tag)システムエンジニア(受託開発)(厚生労働省)

こちらの記事では、PMの転職先を職種別・業界別に整理し、それぞれの年収相場を解説しています。PL経験を活かせる進路を一覧で比べたい方におすすめです。

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上流・ITコンサル領域へのキャリアならテックゴー

社内でPLを任されても役職がつかず、年収が変わらない状況に悩んでいるなら、PL経験を正しく評価してくれる企業に目を向けるのがひとつの方法です。テックゴーは、エンジニア・ITコンサル領域に特化した転職エージェントとして、PMやITコンサルタントといった上流領域の求人を多数保有しています。元エンジニア出身のアドバイザーが、PLとして積み上げてきた経験を整理し、どの職種や企業で高く評価されるのかを一緒に考えます。

  • エンジニア・ITコンサル領域に特化し、上流案件の求人が豊富にある
  • 平均年収アップ金額は138万円と、収入アップの実績が豊富にある
  • 年収交渉の成功率は100%で、交渉をすべて代行してもらえる
  • 元エンジニア・ITコンサル出身のアドバイザーに、PL経験の価値を現場目線で判断してもらえる
  • 面接対策は回数無制限で、マネジメント経験の伝え方まで準備できる

今の評価に疑問を感じている方や、PMやITコンサルタントへの挑戦を考えている方は、まず無料相談でPL経験の市場価値を確かめてみましょう。

まとめ

この記事では、プロジェクトリーダー(PL)の役割やPMとの違い、仕事内容、求められるスキル、年収とキャリアの変化について解説しました。PLは担当チームの成果物とスケジュールに責任を持つ現場の実行責任者で、多くの企業では役職ではなくプロジェクトごとの役割として置かれています。そのため、PLになっただけでは、年収が大きく変わらないケースが多いです。

ただし、PLとして積み上げたマネジメントの実績や上流工程の経験は、PMやITコンサルタントといった上流領域で高く評価される資産です。 今の職場で役割だけが増えて評価が変わらないと感じるなら、経験を正しく評価してくれる環境への転職を早めに検討しておきましょう。

PL経験を活かして年収アップや上流領域への挑戦を考えているなら、テックゴーへの相談がおすすめです。上流案件・ITコンサル領域に強く、元エンジニア出身のアドバイザーが、PLとしての経験をどの企業で活かせるのかを現場感覚に基づいてアドバイスします。

よくある質問

プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーはどちらが上ですか?

一般的な体制では、PMがプロジェクト全体の責任者であり、PLはPMの下で担当チームを率いる立場です。ただし、両者の違いは上下関係というより、プロジェクト全体を見るか、担当チームを見るかという責任範囲の違いにあります。小規模な案件では、1人がPMとPLを兼ねることもあります。

プロジェクトリーダーになるのは何年目からですか?

PLになる年次に決まりはありませんが、開発経験を3〜5年ほど積んだころに任されるケースが多いです。厚生労働省のjob tagでも、システムエンジニアは5年目ころに基本設計を含めた開発全体を担えるようになり、その後チームのリーダーとして管理も担うようになると紹介されています。 年数よりも、設計やレビューを任せられる技術力と、周囲と調整できる力が身についているかどうかで判断されます。

プロジェクトリーダーはきついと言われるのはなぜですか?

PLがきついと言われる主な理由は、開発との兼務で業務量が増えることと、PMとメンバーの間で板挟みになりやすいことです。 さらに、責任は増えても役職がつかず年収が変わらないケースもあるため、負担に見合わないと感じやすくなります。着任前に手放す作業や判断の範囲をPMとすり合わせておくと、負担を減らせます。

プロジェクトリーダーになるのに資格は必須ですか?

PLになるために必須の資格はありません。ただし、IPAのプロジェクトマネージャ試験やPMIのPMPは、マネジメントの能力を証明する資格として厚生労働省のjob tagでも紹介されており、将来PMを目指すときの評価材料になります。 まずは応用情報技術者試験で体系的な知識を身につけ、現場の経験と組み合わせていきましょう。