セキュリティエンジニアとは?仕事内容・年収・必要なスキルや資格を解説
インフラや開発の現場で脆弱性への対応やアクセス権限の見直しを任される機会が増え、セキュリティエンジニアという職種が気になりはじめた方もいるでしょう。
ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃の被害が続くなか、企業はシステムと情報を守る専門の人材を求めています。一方で、セキュリティエンジニアの仕事は監視や脆弱性診断、クラウドの防御、社内ルールづくりまで幅広く、同じ職種名でも担当する範囲は企業によって異なります。そのため、まずは仕事の全体像をつかみ、自分の経験がどの分野につながるのかを知ることが、キャリアを考えるはじめの一歩です。
この記事では、以下の内容を解説します。
- セキュリティエンジニアの役割と、インフラエンジニア・開発エンジニアとの違い
- 6つの仕事内容と5つの専門分野
- 公的統計と転職市場で見る平均年収
- 必要なスキルと、仕事に役立つ資格
- 現職別に見るセキュリティエンジニアへのルート
インフラ・開発・運用などの経験を活かしてセキュリティエンジニアを目指したい方に、職種の全体像と目指し方をお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

著者
串田 聡太
(Kushida Sota)
明治大学卒業後、富士通株式会社にて、自社製品に加えSAPやSalesforce導入、DX提案などを経験。その後、パーソルキャリア株式会社にて、ITエンジニアの転職支援を担当。業界トップクラスの実績を有する。
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監修者
伊東 光雄
(Ito Mitsuo)
専門学校卒業後、約12 年間IT サービス事業会社にてシステム開発、インフラ運用管理、自社製品の新規開拓営業に従事。その後、2014 年に株式会社ワークポートに就業しキャリアアドバイザーとして転職相談にお越し頂く求職者に対し、キャリアに関する相談業務~求人企業のご紹介~内定・入社までのサポート及び、入社後のアフターフォロー業務全般に従事。
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目次
CONTENTS
セキュリティエンジニアとは?企業の情報資産を守る専門職
セキュリティエンジニアとは、企業のサーバーやネットワーク、システムをサイバー攻撃や情報漏えいから守る、情報セキュリティの専門職です。監視や脆弱性診断、インシデント対応、社内ルールの策定まで、システムの企画から運用までのあらゆる段階でセキュリティを担います。
この職種を理解するうえで押さえたいポイントは、次の3つです。
- サイバー攻撃や情報漏えいから企業のシステムを守る
- インフラエンジニア・開発エンジニアとは守る対象と視点が違う
- 攻撃の増加とDXの進展で企業からの重要性が高まっている
ここからは、守る対象と他の職種との違いを順に確認します。
サイバー攻撃や情報漏えいから企業のシステムを守る
セキュリティエンジニアの役割は、企業が持つ情報とシステムを、外部からの攻撃や内部からの漏えいから守ることです。守る対象は、顧客の個人情報や取引データ、業務システム、公開しているWebサービスなど多岐にわたります。
守り方は、大きく次の3つの場面に分かれます。
- システムを作る段階で、攻撃されにくい設計を組み込む
- 運用中のシステムを監視し、不審な動きを早く見つける
- 攻撃を受けたときに被害を抑え、原因を調べて復旧する
さらに、監視の対象はサーバーやネットワーク機器に限りません。社員が使うパソコンやスマートフォン、工場のIoT機器まで、ネットワークにつながるものすべてが守る範囲に入ります。事故が起きない状態を当たり前に保ち続けることが、セキュリティエンジニアの仕事です。
インフラエンジニア・開発エンジニアとは守る対象と視点が違う
セキュリティエンジニアとインフラエンジニア、開発エンジニアの違いは、システムを見るときの視点です。インフラエンジニアや開発エンジニアは、システムが正しく、安定して動くかを基準に判断します。これに対してセキュリティエンジニアは、攻撃者がシステムをどう悪用できるかを基準に考えます。
| 職種 | 主な目的 | 判断の基準 |
|---|---|---|
| インフラエンジニア | システムを安定して動かす | 止まらずに動き続けるか |
| 開発エンジニア | 必要な機能を作る | 仕様どおりに動くか |
| セキュリティエンジニア | 攻撃や漏えいを防ぐ | 悪用される余地がないか |
ただし、3つの職種の仕事ははっきり分かれているわけではありません。ファイアウォールの設定やアクセス権限の管理、入力値のチェックなど、インフラや開発の現場ではすでにセキュリティの一部を担っています。今の業務の中にあるセキュリティ対応は、セキュリティエンジニアを目指すときにそのまま活かせる経験です。

串田 聡太
Kushida Sota
求人票の職種名が同じセキュリティエンジニアでも、監視が中心の求人もあれば、設計やコンサルティングが中心の求人もあります。応募先を比べるときは、職種名よりも業務内容の欄を確認しましょう。

インフラエンジニアとは?仕事内容・年収と未経験から入る現実的なルート
攻撃の増加とDXの進展で企業からの重要性が高まっている
セキュリティエンジニアの重要性が高まっている背景には、サイバー攻撃による被害の増加があります。警察庁によると、2026年上半期のランサムウェアの被害報告件数は123件で、半期として過去最多でした。
被害が増えている理由のひとつは、企業のシステムが社外へ広がったことです。DXの進展により、次のような変化が起きています。
- 業務システムをクラウドへ移す
- 社外から社内システムに接続して働く
- 取引先とシステムやデータをつなぐ
こうした変化によって、攻撃者が入り込める入口も増えました。ランサムウェアに感染して受注や生産が長期間止まり、取引先にまで影響が及んだ事例も報告されています。そのため、セキュリティは情報システム部門だけの問題ではなく、事業を続けるための経営の課題として扱われるようになりました。
参考元:警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
セキュリティエンジニア(インフラ)の求人情報
(インフラ)「新領域開拓×急成長」活気あふれるエンジニアチームを強力に後押しするインフラエンジニアを募集|現年収以上確約・フレックス制
想定年収
700~1,500万円
勤務地
東京都(品川区)
業務内容
Combositeや共創プラットフォームのインフラにかかわることを仕事としています。 【具体的な業務内容】 ●コスト管理・最適化 ●CI/CD環境の整備 ●セキュリティ対策(Webアプリ、API) ●障害対応・トラブルシューティング ●モニタリング・ログ管理 ●新規要件によるクラウド環境やネットワークの設計 ●新機能のPoc、実装 ●DevOps 【技術スタック】 使用言語:HCL, TypeScript, ShellScript 開発環境:Cursor クラウドサービス:GCP, AWS データベース:firestore,Elasticsearch, Amazon Aurora PostgreSQL ツール等:GitHub, Terraform (GCP, AWS), Serverless Framework, firebase-tools, GitHub Actions, CloudBuild, CodePipeline, Nx Cloud, Flagxs, slack, Notion
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関東_インフラ・プロダクトエンジニア_SE(FY26)
想定年収
402~654万円
勤務地
東京都(千代田区)
業務内容
用立ち上げまでを担当します。中心となる製品はTanium(資産可視化・パッチ管理)とRubrik(バックアップ・ ランサムウェア対策)です。 単なるサービス導入ではなく、端末とデータを「把握し、守り続けられる状態」にすることを顧客ごとに設計します。Taniumは実績を積み重ねており、Rubrikはこれからチームを立ち上げ・拡大します。型を一緒に作る時期です。 【想定している主な業務内容】 ・独力またはエンジニアと連携し、要件定義・基本設計・詳細設計・構築・テスト・引き渡し ・システム導入のプリセールス(提案書・見積書の作成、顧客提案、顧客折衝)の補助(ご経験に応じて主担当) ・導入後の利活用支援、運用サービスの企画・立ち上げ ・ご経験に応じて、PM/PLとしてプロジェクト推進 ※当社には営業部がありません。「エンジニアファーストの会社を創りたい」という代表の考えのもと、顧客と直接対話するのはエンジニアです。そのため、提案から技術選定、体制構築までをエンジニアが担います。特定ベンダーの資本や取扱製品の制約もないため、顧客の課題に対して最適な技術を当社主導で選定できます。 ●Tanium・Rubrikの経験は不問です 必須としているのは、ITインフラ領域での実務経験3年以上(社内IT・情シス・運用保守を含みます)と、IT資産管理/EDR/バックアップ/Windows・Linuxサーバーのいずれかの経験です。製品固有の知識は入社後に身につけていただきます。 【変更の範囲:会社の定める業務】
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【紹介会社/東京】IT/セキュリティエンジニア
想定年収
360~630万円
勤務地
東京都
業務内容
あなたにお任せしたいお仕事は、セキュリティ方針の策定や、セキュリティ・バイ・デザイン導入、セキュリティ機器構築などといったセキュリティエンジニア業務のお仕事になります。 • 企業のセキュリティ方針(ISMSなど)の策定や、リスク評価、対策の立案。 • クライアントや経営層へのセキュリティシステム・体制の提案。 • 設計(セキュリティ・バイ・デザイン) └要件定義に基づき、OS、ファイアウォール、認証システム、クラウド等のセキュリティ設計書を作成。 └ネットワークやサーバー、アプリケーション全体の脆弱性を考慮した構造を検討。 • 実装・構築 └ファイアウォールやセキュリティ機器の設置・設定。 └データの暗号化、アクセス権限(IAM等)の管理、セキュアなコーディングや環境構築。 • テスト(脆弱性診断・ペネトレーションテスト) └構築したシステムや既存のWebアプリケーションに対し、疑似攻撃を行って脆弱性がないかを検査。 └ソースコードの静的・動的解析。 • 運用・保守(監視・インシデント対応) └SOC(セキュリティオペレーションセンター)での24時間365日の通信監視・ログ解析。 └OSやソフトウェアのアップデート、パッチ管理。 └サイバー攻撃や情報漏洩が発生した際のCSIRT(緊急対応チーム)としての原因究明と復旧作業。 リクルートグループ、楽天グループ、サイバーエージェントグループなど、WEB業界を牽引するトップ企業含め様々な企業と安定的な取引を行っております。 当社社員は、プロダクションカンパニーの一員として各社クライアントのプロジェクトに参画し、1つの会社に長年いては実現できない多彩なスキルやノウハウを身に付けることができます!
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【PG】セキュリティスペシャリスト 巨大社会インフラの最前線を守る
想定年収
500~1,200万円
勤務地
愛知県(名古屋市)
業務内容
●業務概要 情報セキュリティ技術のエキスパートとして、情報セキュリティ管理業務全般をお任せします。 (1)情報系・制御系システムのセキュリティマネジメント (2)セキュリティ基盤整備 (3)セキュリティに関する各種施策の企画・実施、モニタリング (4)その他会社の命ずる業務 など ●業務内容詳細 ・セキュリティ対策の企画・立案・制定と継続的なセキュリティ運用の推進 ・情報セキュリティへの効果的で具体的なセキュリティ施策の推進 ・セキュリティ教育、脆弱性診断、BCP訓練などの計画作成 ・担当部門との協働による内部監査 ・セキュリティログ・アラートの確認、インシデント対応 ・システム変更や新設備導入に伴うリスク評価 ・役員・従業員へのセキュリティスキル向上施策の推進 ・社内各部門からのセキュリティ問い合わせ対応 ●配属組織のミッション 中部電力3社(中部電力、中部電力パワーグリッド、中部電力ミライズ)は、「電気事業の強靭化」、「カーボンニュートラルへの貢献」、「新しい収益の柱の確立と地域社会への価値提供」の実現に向けて取り組んでいます。 その中でシステム部 総括グループは、パワーグリッド全社で利用する情報システム・制御システムの情報セキュリティを推進する部署です。情報セキュリティに関わる方針策定、対策の実施、セキュリティ教育のほか、情報セキュリティマネジメントを推進します。また、情報セキュリティ対応機能(Security Incident Response Team)としての役割を担います。
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社内SE|セキュリティリード
想定年収
1,100~1,300万円
勤務地
東京都(千代田区)
業務内容
全社・グループ横断のセキュリティ方針を踏まえ、セキュリティ施策の設計・実行、アーキテクチャや基盤の改善、組織マネジメント、インシデント対応まで幅広く担っていただきます。 当ポジションでは、まず技術・アーキテクチャの視点から現場や既存の仕組みを深く理解し、関係部門と連携しながらセキュリティ課題の解決をリードしていただきます。そのうえで、組織マネジメントや全社・グループ横断のセキュリティ戦略・ガバナンスへと段階的に責任範囲を広げ、将来的にはCISOを含むセキュリティリーダーとしての役割を担っていただくことを期待しています。 【具体的な業務】 ●セキュリティ戦略・ロードマップの具体化と実行 ・全社方針に基づいた施策の設計・優先順位付け・実行リード ・プロダクト・コーポレートIT・事業部門等と連携した、組織横断でのセキュリティ課題の解決 ・経営層(CISO・事業責任者を含む)に対する、リスク分析に基づく提言および意思決定支援 ●セキュリティアーキテクチャ・基盤の設計・改善 ・複数プロダクト・IT環境を俯瞰したセキュリティアーキテクチャ、ガイドラインの設計・改善 ・セキュリティソリューション・ツールの選定、技術評価、導入および運用改善のリード ・開発・SRE・コーポレートIT等と連携した、実効性のあるセキュリティ対策の設計・実装推進 ●インシデントレスポンス・CSIRT運用の高度化 ・インシデント発生時の調査・封じ込め・復旧リードおよび再発防止策の推進 ・関係部門・外部パートナーと連携したインシデント対応のリード ・重大インシデント発生時の状況整理、エスカレーションおよびCISO・経営の意思決定支援 ・CSIRTの運用プロセスやインシデント対応体制の継続的な強化 ●チーム・組織マネジメント ・セキュリティチームの目標設定、採用、評価、育成等のピープルマネジメント ・組織構造や業務プロセスの最適化と改善 ・外部パートナー・専門家・監査法人等との折衝・連携 ・業務の変更の範囲:会社の指定する全ての業務
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セキュリティエンジニアの仕事内容6つ
セキュリティエンジニアの仕事は、システムを企画する段階から運用、社内教育まで、次の6つに分けられます。
| 仕事内容 | 主な業務 |
|---|---|
| 企画・提案 | リスクを分析し対策を立案する |
| 設計・構築 | 防御の仕組みを設計し導入する |
| 実装(セキュアコーディング) | 脆弱性のないコードを書く |
| 脆弱性診断・テスト | 弱点がないかを検査する |
| 運用・監視(SOC・CSIRT) | 攻撃を監視し事故に対応する |
| 社内教育・セキュリティルールの策定 | ルールを作り社員に伝える |
小さな企業では1人が複数の工程を担い、大きな組織では工程ごとに担当が分かれます。以下、それぞれの仕事で具体的に何をするのかを見ていきます。
企画・提案
企画・提案は、企業が抱えるセキュリティ上のリスクを洗い出し、どこにどんな対策を打つかを決める仕事です。守るべき情報資産を整理し、攻撃を受けた場合の影響と起こりやすさから、対策の優先順位をつけます。
たとえば、顧客情報を扱うECサイトなら、不正ログインやカード情報の漏えいへの対策が優先されるでしょう。予算には限りがあるため、すべてを同じ水準で守るのではなく、被害が大きい部分から守る判断が求められます。 経営層や事業部門に、対策の必要性を説明する場面も多い仕事です。
設計・構築
設計・構築は、企画で決めた方針をもとに、システムを守る仕組みを形にする仕事です。具体的には、次のような機器やソフトウェアを選び、設定します。
- ファイアウォール
- IDS・IPS
- WAF
- 認証基盤とアクセス管理の仕組み
- SIEM
IDSとIPSは不正な通信を検知・遮断する仕組みで、WAFはWebアプリケーションへの攻撃を防ぐ仕組みです。SIEMは、さまざまな機器のログを集めて分析する仕組みを指します。
設計では、守りを強くしすぎて業務が回らなくなる事態も避けなければなりません。使いやすさと安全性のバランスを取ることが、設計の腕の見せどころです。 ネットワークやサーバーの構築経験がある人は、この工程で経験を活かしやすいでしょう。
実装(セキュアコーディング)
実装では、脆弱性を作り込まないようにプログラムを書く、セキュアコーディングを担います。代表的な対策は次のとおりです。
- 入力値を検証し、SQLインジェクションを防ぐ
- 出力をエスケープし、クロスサイトスクリプティングを防ぐ
- パスワードや鍵を安全な方法で保管する
また、開発チームのコードをレビューし、危険な書き方を指摘する役割を持つこともあります。開発の早い段階からセキュリティを組み込むDevSecOpsという考え方も広がり、開発エンジニアとセキュリティエンジニアの距離は近づいています。
脆弱性診断・テスト
脆弱性診断は、システムに攻撃者が悪用できる弱点がないかを検査する仕事です。診断ツールで設定の不備や既知の脆弱性を洗い出すほか、手作業で攻撃を試して、ツールでは見つからない問題を探します。
攻撃者と同じ手口で実際に侵入を試みる検査は、ペネトレーションテストです。どちらも、システムを壊したりサービスを止めたりしないよう、事前に範囲と方法を決めてから進めます。診断の結果は報告書にまとめ、どの弱点をどの順番で直すべきかを依頼元に提案するところまでが仕事です。
運用・監視(SOC・CSIRT)
運用・監視は、稼働中のシステムを見張り、攻撃の兆候を早く見つけて対応する仕事です。この仕事を担う組織には、主に次の2つがあります。
| 組織 | 役割 |
|---|---|
| SOC | ログを監視し不審な通信を見つける |
| CSIRT | 事故が起きたときに対応を指揮する |
SOCではセキュリティ機器のログを24時間365日監視し、異常があれば分析して報告します。インシデントが起きると、CSIRTが原因の特定や被害の封じ込め、復旧、社内外への連絡までを取りまとめます。監視は交代制の勤務が多いため、夜間や休日の対応が発生しやすい点も知っておきましょう。
社内教育・セキュリティルールの策定
社内教育とルールの策定は、社員一人ひとりが安全に行動できる環境を作る仕事です。どれだけ強い防御の仕組みを入れても、社員が不審なメールの添付ファイルを開けば、そこから攻撃者に侵入されます。
そのため、セキュリティエンジニアが進める取り組みは次のとおりです。
- 情報の扱い方を定めたセキュリティポリシーを作る
- 標的型メールの訓練を実施する
- 新しい攻撃の手口を社内に周知する
仕組みと人の両方を整えて、はじめて守りが完成します。 技術の知識だけでなく、相手に伝わる言葉で説明する力も求められる仕事です。
セキュリティエンジニアの専門分野5つ
セキュリティエンジニアの仕事は幅が広いため、実際の求人や組織では専門分野ごとに役割が分かれています。代表的な分野は、次の5つです。
| 専門分野 | 主な仕事 | 近い現職 |
|---|---|---|
| SOCアナリスト | ログの監視と分析 | 運用・監視 |
| CSIRT・インシデントレスポンス | 事故対応の指揮 | インフラ・運用 |
| 脆弱性診断・ペネトレーションテスト | 弱点の検査 | Web開発・ネットワーク |
| クラウドセキュリティ | クラウドの安全な設計 | クラウド・インフラ |
| セキュリティコンサルタント・GRC | 体制とルールの整備 | 社内SE・PM |
分野によって求められる経験が異なるため、自分の経験に近い分野から目指すと転職の難しさを抑えられます。以下、それぞれの分野の仕事と特徴を見ていきます。
SOCアナリスト
SOCアナリストは、SOCでセキュリティ機器のログを監視し、攻撃かどうかを見極める分野です。アラートの多くは誤検知のため、本当に危険な通信を見逃さずに選び出す判断力が求められます。
不審な通信を見つけたら、影響の範囲を調べて顧客や社内に報告します。一人前の目安は、3年程度の経験です。経験者の入口として選ばれやすい一方で、交代制の勤務が多い分野でもあります。監視で経験を積み、分析や事故対応へと進むのが典型的な流れです。
CSIRT・インシデントレスポンス
CSIRTは、インシデントが起きたときに対応を指揮する専門チームです。インシデントレスポンスでは、次の流れで被害を抑えます。
- 影響の範囲を特定する
- 被害の拡大を止める
- 原因を調べ、システムを復旧する
- 社内外の関係者に報告する
有事には経営層や法務、広報とも連携するため、技術に加えて調整力が求められます。平時は、対応手順の整備や訓練を担当します。緊急時に冷静な判断を積み重ねられる人が、力を発揮しやすい分野です。
脆弱性診断・ペネトレーションテスト
この分野では、Webアプリケーションやネットワーク、クラウド環境に対して、攻撃者の視点で弱点を探します。ツールによる検査と手作業での検証を組み合わせ、見つけた弱点の危険度を評価します。
とくに手作業の診断では、HTTPの仕組みやWebアプリケーションの実装を理解していることが欠かせません。そのため、Web開発の経験がある人にとっては、攻撃の仕組みを理解しやすい分野です。 診断を専門にする会社やセキュリティベンダーが主な活躍の場で、CTFと呼ばれる競技で腕を磨く人もいます。
クラウドセキュリティ
クラウドセキュリティは、AWSやAzure、Google Cloudなどのクラウド環境を安全に設計し、運用する分野です。クラウドでは、設定を1つ誤るだけで、保存したデータが外部から見える状態になります。
主な仕事は次のとおりです。
- アクセス権限を必要な範囲に絞る
- 設定の不備を自動で検出する仕組みを作る
- ログを集めて不審な操作を監視する
クラウドへの移行が進むなかで、需要が伸びている分野でもあります。クラウドの構築経験がある人は、その知識をそのまま活かせます。

AWSエンジニアとは?仕事内容・年収・必要スキルとインフラ経験からのなり方
セキュリティコンサルタント・GRC
セキュリティコンサルタントは、企業のセキュリティ体制を評価し、改善策を提案する分野です。GRCはガバナンス・リスク管理・コンプライアンスの頭文字をとった言葉で、組織としてセキュリティを管理する仕組みづくりのことです。
具体的には、ISMSなどの認証取得の支援や、セキュリティポリシーの策定、委託先のリスク評価を担います。技術の知識に加えて、法律やガイドラインを読み解き、経営層に説明する力が求められます。技術者として現場を知っている人ほど、実行できる提案をしやすい分野です。 年収の水準が高いため、キャリアの後半に選ぶ人も多くいます。
セキュリティエンジニアの平均年収
セキュリティエンジニアの年収は、どのデータを見るかによって水準が変わります。ここでは、公的統計と転職市場の求人の2つから年収の目安を確認します。
- 公的統計では運用・管理職と同じ区分で平均609.8万円となっている
- 転職市場の求人では平均800万円台が提示されている
- 専門分野と担当する工程によって年収に差が出る
以下、それぞれのデータの読み方を解説します。
公的統計では運用・管理職と同じ区分で平均609.8万円となっている
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、セキュリティエキスパート(オペレーション)の平均年収は609.8万円です。この数値は令和7年賃金構造基本統計調査を加工したもので、集計の対象者の平均年齢は42.2歳です。
ただし、統計はITシステム運用管理者などの区分で集計されており、セキュリティの専門職だけの数値ではありません。運用や監視を担う職種と同じ区分のため、設計やコンサルティングを担うセキュリティ人材の年収は、この数値に表れにくい点に注意しましょう。 公的統計は、職種全体のおおよその水準をつかむ目安として使うとよいでしょう。
参考元:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「セキュリティエキスパート(オペレーション)」
転職市場の求人では平均800万円台が提示されている
エンジニア特化の転職エージェント「テックゴー」が保有する求人情報では、セキュリティエンジニアの求人の平均年収は約812万円です。公的統計より200万円ほど高く、転職市場では経験者の採用が中心であることが表れています。
インフラ系の職種の求人と比べると、次のとおりです。
| 職種 | 求人の平均年収 |
|---|---|
| 社内SE | 約623万円 |
| 運用保守 | 約646万円 |
| ネットワークエンジニア | 約670万円 |
| インフラエンジニア | 約676万円 |
| セキュリティエンジニア | 約812万円 |
インフラ系の職種より130万円以上高く、同じインフラ領域の経験でも、セキュリティを専門にすると評価される年収の水準が変わります。
※各職種の平均年収については「テックゴー」が保有する求人情報より算出しています。

串田 聡太
Kushida Sota
求人の年収は、同じ職種でも企業の業種や担当範囲によって幅があります。テックゴーでの転職による平均年収アップ金額は144万円です。今の経験でどの水準の求人を狙えるか、一度確かめてみましょう。
年収交渉はアドバイザーが代行
セキュリティエンジニア(インフラ)の求人情報
(インフラ)「新領域開拓×急成長」活気あふれるエンジニアチームを強力に後押しするインフラエンジニアを募集|現年収以上確約・フレックス制
想定年収
700~1,500万円
勤務地
東京都(品川区)
業務内容
Combositeや共創プラットフォームのインフラにかかわることを仕事としています。 【具体的な業務内容】 ●コスト管理・最適化 ●CI/CD環境の整備 ●セキュリティ対策(Webアプリ、API) ●障害対応・トラブルシューティング ●モニタリング・ログ管理 ●新規要件によるクラウド環境やネットワークの設計 ●新機能のPoc、実装 ●DevOps 【技術スタック】 使用言語:HCL, TypeScript, ShellScript 開発環境:Cursor クラウドサービス:GCP, AWS データベース:firestore,Elasticsearch, Amazon Aurora PostgreSQL ツール等:GitHub, Terraform (GCP, AWS), Serverless Framework, firebase-tools, GitHub Actions, CloudBuild, CodePipeline, Nx Cloud, Flagxs, slack, Notion
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関東_インフラ・プロダクトエンジニア_SE(FY26)
想定年収
402~654万円
勤務地
東京都(千代田区)
業務内容
用立ち上げまでを担当します。中心となる製品はTanium(資産可視化・パッチ管理)とRubrik(バックアップ・ ランサムウェア対策)です。 単なるサービス導入ではなく、端末とデータを「把握し、守り続けられる状態」にすることを顧客ごとに設計します。Taniumは実績を積み重ねており、Rubrikはこれからチームを立ち上げ・拡大します。型を一緒に作る時期です。 【想定している主な業務内容】 ・独力またはエンジニアと連携し、要件定義・基本設計・詳細設計・構築・テスト・引き渡し ・システム導入のプリセールス(提案書・見積書の作成、顧客提案、顧客折衝)の補助(ご経験に応じて主担当) ・導入後の利活用支援、運用サービスの企画・立ち上げ ・ご経験に応じて、PM/PLとしてプロジェクト推進 ※当社には営業部がありません。「エンジニアファーストの会社を創りたい」という代表の考えのもと、顧客と直接対話するのはエンジニアです。そのため、提案から技術選定、体制構築までをエンジニアが担います。特定ベンダーの資本や取扱製品の制約もないため、顧客の課題に対して最適な技術を当社主導で選定できます。 ●Tanium・Rubrikの経験は不問です 必須としているのは、ITインフラ領域での実務経験3年以上(社内IT・情シス・運用保守を含みます)と、IT資産管理/EDR/バックアップ/Windows・Linuxサーバーのいずれかの経験です。製品固有の知識は入社後に身につけていただきます。 【変更の範囲:会社の定める業務】
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【紹介会社/東京】IT/セキュリティエンジニア
想定年収
360~630万円
勤務地
東京都
業務内容
あなたにお任せしたいお仕事は、セキュリティ方針の策定や、セキュリティ・バイ・デザイン導入、セキュリティ機器構築などといったセキュリティエンジニア業務のお仕事になります。 • 企業のセキュリティ方針(ISMSなど)の策定や、リスク評価、対策の立案。 • クライアントや経営層へのセキュリティシステム・体制の提案。 • 設計(セキュリティ・バイ・デザイン) └要件定義に基づき、OS、ファイアウォール、認証システム、クラウド等のセキュリティ設計書を作成。 └ネットワークやサーバー、アプリケーション全体の脆弱性を考慮した構造を検討。 • 実装・構築 └ファイアウォールやセキュリティ機器の設置・設定。 └データの暗号化、アクセス権限(IAM等)の管理、セキュアなコーディングや環境構築。 • テスト(脆弱性診断・ペネトレーションテスト) └構築したシステムや既存のWebアプリケーションに対し、疑似攻撃を行って脆弱性がないかを検査。 └ソースコードの静的・動的解析。 • 運用・保守(監視・インシデント対応) └SOC(セキュリティオペレーションセンター)での24時間365日の通信監視・ログ解析。 └OSやソフトウェアのアップデート、パッチ管理。 └サイバー攻撃や情報漏洩が発生した際のCSIRT(緊急対応チーム)としての原因究明と復旧作業。 リクルートグループ、楽天グループ、サイバーエージェントグループなど、WEB業界を牽引するトップ企業含め様々な企業と安定的な取引を行っております。 当社社員は、プロダクションカンパニーの一員として各社クライアントのプロジェクトに参画し、1つの会社に長年いては実現できない多彩なスキルやノウハウを身に付けることができます!
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【PG】セキュリティスペシャリスト 巨大社会インフラの最前線を守る
想定年収
500~1,200万円
勤務地
愛知県(名古屋市)
業務内容
●業務概要 情報セキュリティ技術のエキスパートとして、情報セキュリティ管理業務全般をお任せします。 (1)情報系・制御系システムのセキュリティマネジメント (2)セキュリティ基盤整備 (3)セキュリティに関する各種施策の企画・実施、モニタリング (4)その他会社の命ずる業務 など ●業務内容詳細 ・セキュリティ対策の企画・立案・制定と継続的なセキュリティ運用の推進 ・情報セキュリティへの効果的で具体的なセキュリティ施策の推進 ・セキュリティ教育、脆弱性診断、BCP訓練などの計画作成 ・担当部門との協働による内部監査 ・セキュリティログ・アラートの確認、インシデント対応 ・システム変更や新設備導入に伴うリスク評価 ・役員・従業員へのセキュリティスキル向上施策の推進 ・社内各部門からのセキュリティ問い合わせ対応 ●配属組織のミッション 中部電力3社(中部電力、中部電力パワーグリッド、中部電力ミライズ)は、「電気事業の強靭化」、「カーボンニュートラルへの貢献」、「新しい収益の柱の確立と地域社会への価値提供」の実現に向けて取り組んでいます。 その中でシステム部 総括グループは、パワーグリッド全社で利用する情報システム・制御システムの情報セキュリティを推進する部署です。情報セキュリティに関わる方針策定、対策の実施、セキュリティ教育のほか、情報セキュリティマネジメントを推進します。また、情報セキュリティ対応機能(Security Incident Response Team)としての役割を担います。
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社内SE|セキュリティリード
想定年収
1,100~1,300万円
勤務地
東京都(千代田区)
業務内容
全社・グループ横断のセキュリティ方針を踏まえ、セキュリティ施策の設計・実行、アーキテクチャや基盤の改善、組織マネジメント、インシデント対応まで幅広く担っていただきます。 当ポジションでは、まず技術・アーキテクチャの視点から現場や既存の仕組みを深く理解し、関係部門と連携しながらセキュリティ課題の解決をリードしていただきます。そのうえで、組織マネジメントや全社・グループ横断のセキュリティ戦略・ガバナンスへと段階的に責任範囲を広げ、将来的にはCISOを含むセキュリティリーダーとしての役割を担っていただくことを期待しています。 【具体的な業務】 ●セキュリティ戦略・ロードマップの具体化と実行 ・全社方針に基づいた施策の設計・優先順位付け・実行リード ・プロダクト・コーポレートIT・事業部門等と連携した、組織横断でのセキュリティ課題の解決 ・経営層(CISO・事業責任者を含む)に対する、リスク分析に基づく提言および意思決定支援 ●セキュリティアーキテクチャ・基盤の設計・改善 ・複数プロダクト・IT環境を俯瞰したセキュリティアーキテクチャ、ガイドラインの設計・改善 ・セキュリティソリューション・ツールの選定、技術評価、導入および運用改善のリード ・開発・SRE・コーポレートIT等と連携した、実効性のあるセキュリティ対策の設計・実装推進 ●インシデントレスポンス・CSIRT運用の高度化 ・インシデント発生時の調査・封じ込め・復旧リードおよび再発防止策の推進 ・関係部門・外部パートナーと連携したインシデント対応のリード ・重大インシデント発生時の状況整理、エスカレーションおよびCISO・経営の意思決定支援 ・CSIRTの運用プロセスやインシデント対応体制の継続的な強化 ●チーム・組織マネジメント ・セキュリティチームの目標設定、採用、評価、育成等のピープルマネジメント ・組織構造や業務プロセスの最適化と改善 ・外部パートナー・専門家・監査法人等との折衝・連携 ・業務の変更の範囲:会社の指定する全ての業務
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専門分野と担当する工程によって年収に差が出る
年収の差がつく主な要因は、専門分野と担当する工程です。ITスキル標準(ITSS)は、IT人材のスキルを7段階で示した指標です。job tagでは、運用・保守に携わる人の年収がスキルレベル別に掲載されています。
| スキルレベル | 年収の範囲 |
|---|---|
| ITSSレベル1〜2 | 420.0万〜700.0万円 |
| ITSSレベル3 | 450.0万〜700.0万円 |
| ITSSレベル4 | 510.0万〜800.0万円 |
| ITSSレベル5以上 | 667.5万〜1,086.0万円 |
※金額は第一四分位から第三四分位の範囲を示しています。
加えて、テックゴーの求人情報では、セキュリティコンサルタントの平均年収は約1,037万円です。監視や運用から、設計やコンサルティングへと担当する工程が上がるほど、年収の上限も上がる傾向があります。
※セキュリティコンサルタントの平均年収については「テックゴー」が保有する求人情報より算出しています。
参考元:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「セキュリティエキスパート(オペレーション)」

セキュリティエンジニアの平均年収は?年収相場や年収アップの方法も解説
セキュリティエンジニアに必要な8つのスキル
セキュリティエンジニアに求められるスキルは、インフラの基礎知識から説明する力まで幅広くあります。代表的なものは、次の8つです。
- ネットワーク・サーバー・OSの知識
- 攻撃手法と脆弱性対策の知識
- クラウドセキュリティの知識
- プログラミング・スクリプトのスキル
- セキュリティ監視の設計・構築スキル
- AIの活用とAIへの攻撃に関する知識
- セキュリティポリシーの策定・運用スキル
- 経営層や他部署に説明するコミュニケーションスキル
インフラや開発の経験がある人は、すでに身についているスキルも多いはずです。以下、それぞれのスキルが仕事のどの場面で使われるのかを解説します。
ネットワーク・サーバー・OSの知識
サイバー攻撃の多くはネットワークを通じて届き、サーバーやOSの弱点を狙います。そのため、TCP/IPの仕組みやWindows・Linuxの設定、サーバーの構築方法の理解が、すべての分野の前提になります。
たとえば、ログに残った通信が正常なものか攻撃なのかは、普段の通信の流れを知らなければ判断できません。インフラエンジニアとしての経験は、そのままセキュリティの基礎として評価されます。
攻撃手法と脆弱性対策の知識
守る側も、攻撃者がどのような手口を使うかを知らなければ対策を立てられません。代表的な攻撃手法は、次のとおりです。
- SQLインジェクション
- クロスサイトスクリプティング
- 標的型メール攻撃
- ランサムウェア
- DDoS攻撃
加えて、新しい脆弱性が公開されたときに、自社のシステムに影響があるかを素早く判断する力も求められます。脆弱性の情報は日々更新されるため、情報を追い続ける習慣そのものがスキルの一部です。
クラウドセキュリティの知識
業務システムのクラウド移行が進み、クラウド環境を守る知識の重要性が増しています。クラウドでは、事業者と利用者が守る範囲を分担する責任共有モデルという考え方が前提です。
利用者側の責任にあたる、アクセス権限の設定やデータの暗号化、ログの監視を正しく設計できる人材が求められています。AWSやAzureの構築経験があれば、セキュリティの視点を加えるだけで、市場で評価されやすい人材になれます。
プログラミング・スクリプトのスキル
セキュリティエンジニアにとって、プログラミングは開発のためだけのスキルではありません。PythonやPowerShell、シェルスクリプトを使えると、次のような作業を効率よく進められます。
- 大量のログから不審な記録を抽出する
- 定型の調査作業を自動化する
- 脆弱性を確かめる検証用のコードを書く
また、脆弱性診断やセキュアコーディングの分野では、Webアプリケーションのコードを読む力が欠かせません。自分で書けなくても、他人のコードを読んで危険な箇所を見つけられるだけで、仕事の幅が広がります。
セキュリティ監視の設計・構築スキル
監視の仕組みは、機器を導入するだけではうまく働きません。攻撃に気づけるかどうかは、どのログを集め、どんな条件でアラートを出すかの設計で決まります。
具体的な作業は、ファイアウォールやサーバー、クラウドのログをSIEMに集めて、検知のルールを作ることです。アラートが多すぎると担当者が対応しきれず、少なすぎると攻撃を見逃すため、運用しながらルールを調整し続ける力が求められます。 監視の運用経験がある人は、現場の悩みを知っている分、設計の段階で強みを発揮できるでしょう。
AIの活用とAIへの攻撃に関する知識
AIは、セキュリティの現場で守るための道具であると同時に、守るべき対象でもあります。守る側の例は、ログの分析や攻撃の検知にAIを使い、監視の負担を減らす取り組みです。
一方で、攻撃者もAIを使ってフィッシングメールの文面を作ったり、攻撃の手順を効率化したりしています。さらに、社員が生成AIに機密情報を入力して漏えいするリスクや、AIを組み込んだサービスそのものを狙う攻撃への対策も欠かせません。AIを使う力と、AIを安全に使わせる力の両方が、これからのセキュリティエンジニアに求められます。
セキュリティポリシーの策定・運用スキル
セキュリティポリシーは、組織として情報をどう守るかを定めたルールです。ポリシーを作るときは、自社の業務を理解したうえで、守るべき情報と許可する操作の範囲を決めます。
ただし、厳しすぎるルールは守られず、形だけのものになりがちです。社員が実際に守れる内容にするために、現場の声を聞きながら見直しを続けます。ルールを作ることより、守られる状態を保つことのほうが難しい仕事です。 監査への対応や、ISMSなどの認証の取得でもこのスキルが使われます。
経営層や他部署に説明するコミュニケーションスキル
セキュリティ対策には予算がかかり、社員の業務にも制限が生まれます。そのため、対策の必要性を経営層や他部署に納得してもらう説明力が欠かせません。
たとえば経営層には、技術の詳細ではなく、被害が起きたときの損失や事業への影響で説明すると伝わりやすくなります。インシデントの発生時に、状況を正確かつ短い言葉で関係者に伝えることも大切な役割です。専門用語を使わずに説明できるかどうかで、セキュリティエンジニアとしての評価は大きく変わります。
セキュリティエンジニアの仕事に役立つ7つの資格
セキュリティエンジニアに必須の資格はありませんが、知識を客観的に示す手段として、資格は転職で役立ちます。主な資格を位置づけと向いている人で整理すると、次のとおりです。
| 資格 | 位置づけ | 向いている人 |
|---|---|---|
| 基本情報技術者試験・応用情報技術者試験 | IT全般の国家試験 | ITの基礎を固めたい人 |
| 情報セキュリティマネジメント試験 | セキュリティ管理の国家試験 | 管理の基礎を学びたい人 |
| 情報処理安全確保支援士 | セキュリティの国家資格 | 専門性を示したい人 |
| CompTIA Security+ | 国際的な入門資格 | 実務の基礎を示したい人 |
| シスコ技術者認定(CCNA・CCNP Security) | ネットワークの資格 | ネットワーク経験者 |
| CISSP | 国際的な上級資格 | 管理職を目指す人 |
| クラウドセキュリティの資格(CCSP・AWS Certified Security) | クラウドの専門資格 | クラウド経験者 |
以下、それぞれの資格の特徴と、取得を考えたい人を解説します。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は、IPAが実施するIT全般の国家試験です。セキュリティの分野も出題範囲に含まれ、ネットワークやデータベース、開発の知識まで幅広く出題されます。
実務経験がある人なら、応用情報技術者試験から挑戦するとよいでしょう。セキュリティ専門の資格を目指す前に、IT全般の知識を体系的に整理できる資格です。
なお、IPAは2027年度から試験制度を見直す案を公表しており、応用情報技術者試験は高度試験とあわせて再編される予定です。受験を計画するときは、IPAの最新情報を確認しましょう。
参考元:IPA「プレス発表 情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)について」
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、組織の情報セキュリティを管理する人に向けた国家試験です。技術よりも、情報資産の管理やリスクへの対応、社内ルールの運用といった管理の知識を中心に出題されます。
試験はCBT方式で通年実施されており、自分の都合に合わせて受験できます。難易度は高くないため、セキュリティを学ぶはじめの一歩として取り組みやすい資格です。社内SEや情報システム担当として、ルールづくりに関わる人にも向いています。GRCやコンサルタントを将来目指す場合にも、管理の考え方を学ぶ入口になります。
情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリティの専門家であることを示す国家資格です。試験に合格したあと登録すると、情報処理安全確保支援士を名乗れます。難易度は情報処理技術者試験の高度試験と同じ水準で、合格には実務に近い知識が求められます。
2026年度はCBT方式で前期・後期に実施され、2027年度からは新しい試験制度に移る予定です。新制度ではマネジメント分野が強化される見込みのため、技術と管理の両方の知識を示せる資格へと変わっていきます。セキュリティエンジニアの求人で、歓迎条件に挙げられることが多い資格です。

串田 聡太
Kushida Sota
選考では、資格そのものより、資格で学んだ知識を実務でどう使ったかを聞かれる場面が多くあります。職務経歴書には、資格名とあわせて、担当したセキュリティ対応の内容も書いておきましょう。
CompTIA Security+
CompTIA Security+は、IT業界団体のCompTIAが提供する国際的なセキュリティ資格です。脅威の分析やリスク管理、インシデント対応など、実務の基礎となる知識が出題されます。
推奨される経験は、CompTIA Network+の取得と、セキュリティやシステム管理の職務での2年間です。試験は日本語でも受けられ、外資系企業や海外拠点のある企業では、国際的に通じる資格として評価されやすい資格です。 現行の試験は2027年に配信を終える予定のため、受験のときは最新の出題範囲を確認しましょう。
シスコ技術者認定(CCNA・CCNP Security)
シスコ技術者認定は、ネットワーク機器大手のシスコシステムズが提供するベンダー資格です。CCNAはネットワークの基礎を扱い、CCNP Securityはファイアウォールなどの防御技術を扱う上位の資格です。さらに2026年2月には、監視や脅威への対応を扱うCCNA CybersecurityとCCNP Cybersecurityが整備されました。
| 目指す分野 | 選びたい資格 |
|---|---|
| ネットワークの基礎を固めたい | CCNA |
| 防御の仕組みを設計したい | CCNP Security |
| 監視や事故対応を担いたい | CCNA Cybersecurity・CCNP Cybersecurity |
ネットワークエンジニアとしての経験を、資格で形にしやすい分野です。
CISSP
CISSPは、ISC2が認定する情報セキュリティの国際資格です。技術だけでなく、リスク管理や運用、法律まで8つの分野を幅広く扱う、管理職やコンサルタント向けの上級資格です。
認定を受けるには、試験の合格に加えて、8分野のうち2分野以上で計5年以上の実務経験が求められます。経験が足りない場合は、合格後にアソシエイトとして登録し、経験を積んでから正式に認定を受ける方法もあります。セキュリティ部門の責任者やCISOを目指すなら、早い段階から取得を計画したい資格です。
クラウドセキュリティの資格(CCSP・AWS Certified Security)
クラウドセキュリティの資格としては、ISC2のCCSPと、AWSのAWS Certified Security – Specialtyが代表的です。CCSPは特定のクラウドに依存しない設計や運用の知識を、AWS Certified SecurityはAWS環境での具体的な防御の方法を扱います。
AWS Certified Securityは2025年12月に試験が改訂され、生成AIや機械学習のセキュリティも出題範囲に加わりました。クラウドの構築経験がある人は、セキュリティの資格を加えることで、クラウドセキュリティ分野の求人に応募しやすくなります。

AWS認定資格は転職で有利になる?資格の種類・難易度とあわせて取得順や勉強法についても解説
セキュリティエンジニアに向いている人の4つの特徴
セキュリティエンジニアの仕事は、技術の知識だけでなく、物事への向き合い方でも向き不向きが出ます。向いている人の特徴は、次の4つです。
- 小さな異変や設定の違和感に気づける
- 攻撃者の立場で弱点を考えるのが苦にならない
- 新しい技術や脅威の情報を追い続けられる
- トラブル時も冷静に優先順位をつけられる
小さな異変や設定の違和感に気づける
セキュリティの仕事では、大量のログや設定の中から、普段と違う小さな変化を見つける場面が多くあります。たとえば、深夜に普段使われないアカウントでログインがあった、設定ファイルの1行が変わっていた、といった変化です。
こうした違和感を放置せずに確かめられる人は、攻撃の兆候を早い段階で見つけられます。 細かい確認作業を苦にしない人ほど、監視や診断の分野で力を発揮しやすいでしょう。
攻撃者の立場で弱点を考えるのが苦にならない
システムを守るには、作る側の視点だけでは足りません。「自分が攻撃者なら、どこから入り込むか」と考えることで、設計の段階では見えなかった弱点に気づけます。
たとえば、入力欄に想定外の文字を入れたらどうなるか、権限のないユーザーが別の画面に進めないかを試す発想です。システムの仕組みを分解して、抜け道を探すことを楽しめる人は、脆弱性診断の分野でとくに強みを発揮できます。
新しい技術や脅威の情報を追い続けられる
攻撃の手口は日々変わり、新しい脆弱性も毎日のように公開されます。昨日までの対策が今日も通用するとは限らないため、学び続ける姿勢が欠かせません。
情報を追うといっても、特別なことをする必要はありません。次のような習慣を続けられるかどうかで、差がつきます。
- セキュリティ関連のニュースを毎日確認する
- 公開された脆弱性の情報に目を通す
- 新しい技術を検証環境で試す
学ぶことを負担ではなく楽しみと感じられる人は、長く活躍できます。
トラブル時も冷静に優先順位をつけられる
インシデントが起きると、限られた時間の中で多くの判断を迫られます。被害の拡大を止めるのか、原因の調査を優先するのか、どの部署に先に連絡するのかを、状況を見ながら決めなければなりません。
慌てて手当たり次第に動くと、証拠となるログを消してしまうなど、かえって被害を広げることもあります。焦る場面でも手順に沿って優先順位をつけられる人は、CSIRTやインシデント対応の分野で頼りにされる存在です。
現職別に見るセキュリティエンジニアへの4つのルート
セキュリティエンジニアへの転職は、近い職種の経験を活かすほうが進めやすいです。現職ごとに目指しやすい分野と、活かせる経験を整理すると次のとおりです。
| 現職 | 目指しやすい分野 | 活かせる経験 |
|---|---|---|
| インフラ・ネットワークエンジニア | 設計構築・クラウド | ネットワークの構築 |
| 運用・監視エンジニア | SOC・CSIRT | ログ監視と障害対応 |
| Web・アプリケーション開発エンジニア | 脆弱性診断 | コードを読む力 |
| 社内SE・情報システム担当 | コンサル・GRC | 社内ルールの運用 |
まずは自分の現職に近いルートで、どの経験をアピールできるかを確認しましょう。
インフラ・ネットワークエンジニア
インフラエンジニアやネットワークエンジニアは、セキュリティエンジニアへの転職で経験を活かしやすい職種です。ファイアウォールの設定やVPNの構築、アクセス制御の経験は、セキュリティの設計・構築の仕事と大きく重なります。
目指しやすいのは、防御の仕組みを設計するポジションや、クラウドセキュリティの分野です。応募の際は、構築したネットワークの規模や、セキュリティを考慮して設計した経験を具体的に伝えましょう。同じインフラの知識を使いながら、より年収の水準が高い職種へ移る選択肢になります。

インフラエンジニアのキャリアパスは何がある?9つのキャリアパスと選び方
運用・監視エンジニア
運用・監視エンジニアは、SOCアナリストへの転身を目指しやすい職種です。サーバーやネットワークの監視、障害時の一次対応、手順書に沿った作業の経験は、SOCでのログ監視と共通する部分が多くあります。
ただし、決められた手順をこなした経験だけでは評価されにくい点に気をつけましょう。障害の原因を自分で調べた経験や、手順書を改善した経験があれば、分析力を示す材料になります。今の監視の仕事に、原因を調べる工程を自分から加えていくことが、転身の準備になります。
Web・アプリケーション開発エンジニア
Webアプリケーションの開発経験がある人は、脆弱性診断やアプリケーションセキュリティの分野を目指しやすいです。Webサービスへの攻撃の多くは実装の不備を狙うため、作る側の知識がそのまま診断に活きます。具体的にアピールにつながる経験は、次のとおりです。
- 入力値の検証や認証機能を実装した
- コードレビューで脆弱性を指摘した
- 脆弱性診断の結果をもとに修正した
開発の現場に残りながらセキュリティを担うDevSecOpsのポジションもあり、開発の仕事を手放さずに専門性を広げる道も選べます。
社内SE・情報システム担当
社内SEや情報システム担当は、セキュリティコンサルタントやGRCの分野と相性のよい職種です。社内ルールの運用やアカウントの管理、委託先とのやりとりの経験は、組織としてセキュリティを管理する仕事と重なります。
とくに、社内のセキュリティポリシーを作った経験や、インシデントの報告をまとめた経験は、管理側のスキルとして評価されます。一方で、技術の深さが求められる診断や監視の分野へ進む場合は、ネットワークやクラウドの知識を補っておきましょう。事業と現場の両方を知っている強みは、経営層に説明する場面で活きます。

串田 聡太
Kushida Sota
自分の経験がセキュリティのどの分野で評価されるかは、職務経歴を整理してみないと判断しにくいものです。テックゴーには元エンジニアやITコンサル出身のアドバイザーが多く在籍しているので、経験の棚卸しから一緒に進めましょう。

セキュリティエンジニアが転職を成功させるには?キャリアアップ・年収アップのコツ
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セキュリティエンジニアのキャリアパス4つ
セキュリティエンジニアとして経験を積んだあとは、技術を深める道と、設計や組織づくりへ広げる道に分かれます。代表的なキャリアパスは、次の4つです。
| キャリアパス | 主な仕事 | 求められる力 |
|---|---|---|
| スペシャリスト(ホワイトハッカー・フォレンジック) | 高度な攻撃の分析 | 深い技術力 |
| セキュリティアーキテクト | 全体の防御の設計 | 幅広い技術の知識 |
| セキュリティコンサルタント | 体制の評価と提案 | 説明力と業務の理解 |
| CISO・セキュリティ部門の管理職 | 戦略と組織の統括 | 経営の視点 |
どの道を選ぶかで、これから身につけるべきスキルも変わります。
スペシャリスト(ホワイトハッカー・フォレンジック)
スペシャリストは、特定の技術領域を極めて、高度な攻撃の分析や調査を担うキャリアです。ホワイトハッカーは、攻撃者と同じ技術を使ってシステムの弱点を見つけ、守る側に活かす技術者を指します。フォレンジックは、攻撃を受けた機器に残った痕跡を調べ、何が起きたのかを明らかにする仕事です。
どちらも、深い技術力と継続的な学習が求められる分野です。管理職にならず、現場の技術者として評価を高めたい人に向いています。
セキュリティアーキテクト
セキュリティアーキテクトは、企業のシステム全体を見渡し、セキュリティの仕組みを設計する役割です。ネットワークやクラウド、アプリケーションをまたいで、どこにどんな防御を置くかを決めます。
社内外を問わず、すべてのアクセスを確認するゼロトラストという考え方を取り入れる企業も増えています。個別の技術だけでなく全体の構成を描く力が求められるため、インフラ経験の幅が広い人ほど目指しやすいキャリアです。
セキュリティコンサルタント
セキュリティコンサルタントは、顧客企業のセキュリティ体制を評価し、改善策を提案するキャリアです。リスク評価やポリシーの策定支援、セキュリティ投資の計画づくりまで、経営に近い立場で関わります。
技術の現場を経験した人がコンサルタントに転じると、実行できる提案ができるため評価されやすくなります。年収の水準も高く、上流工程に関わりたい人に向いているキャリアです。

セキュリティエンジニアのキャリアパスを徹底解説|年収・将来性・必要スキルまで完全ガイド
上流案件・ITコンサル領域に強い
CISO・セキュリティ部門の管理職
CISOは最高情報セキュリティ責任者のことで、企業のセキュリティ戦略に責任を持つ経営層の役職です。セキュリティ部門の管理職を経て、CISOに就く人が多くいます。
主な仕事は、セキュリティへの投資の判断や、インシデント発生時の経営としての対応、取締役会への報告です。技術の知識に加えて、事業の戦略やリスクを経営の言葉で説明する力が求められます。セキュリティ人材の不足が続くなかで、技術と経営の両方がわかる人材の価値は高まっています。
セキュリティエンジニアの将来性
セキュリティエンジニアは、今後も需要が伸び続ける職種と考えられます。その理由は、次の3つです。
- サイバー攻撃の高度化で専門人材の不足が続いている
- クラウドとAIの普及で守る範囲が広がっている
- 法規制やガイドラインの強化で企業の対策が求められている
サイバー攻撃の高度化で専門人材の不足が続いている
サイバー攻撃は年々増え続けており、手口も巧妙さを増しています。情報通信研究機構(NICT)の観測では、2025年のサイバー攻撃に関連する通信は約7,010億パケットに達し、観測を始めてから最も多い数となりました。
一方で、攻撃の増加に対して、守る側の人材は追いついていません。セキュリティの専門人材は常に不足しているとされ、企業は社内での育成と経験者の採用を同時に進めています。経験を積んだセキュリティエンジニアは、転職市場で選ばれやすい立場にあります。
参考元:国立研究開発法人情報通信研究機構「NICTER観測レポート2025」
クラウドとAIの普及で守る範囲が広がっている
クラウドの普及により、企業のシステムは社内のサーバーだけでなく、複数のクラウドサービスにまたがるようになりました。守るべき範囲が広がり、設定の不備による情報漏えいのような、新しい種類のリスクも生まれています。
さらに、IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威として「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が3位に初めて選ばれました。生成AIへの機密情報の入力や、AIを悪用した攻撃への対策は、多くの企業にとって取り組みはじめたばかりの課題です。新しい技術が広がるほど、それを安全に使うための専門家の出番も増えます。
参考元:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026 組織編」
法規制やガイドラインの強化で企業の対策が求められている
国も、サイバー攻撃への対策を強めています。2025年5月に成立したサイバー対処能力強化法は2026年10月1日に一部が施行され、電力や通信、金融などの基幹インフラ事業者にはインシデントの報告が義務づけられました。関連する制度は、2027年11月までに順次施行される予定です。
直接の対象は基幹インフラ事業者ですが、その影響はサプライチェーンを通じて取引先の企業にも及ぶと考えられています。法律に沿った体制づくりを担える人材は、今後さらに求められるでしょう。
参考元:内閣府「サイバー安全保障(サイバー対処能力強化法)」
セキュリティエンジニアへのキャリアチェンジならテックゴー
セキュリティエンジニアへの転職では、今の経験がどの専門分野で評価されるのかを最初に見極めることが大切です。同じインフラや開発の経験でも、伝え方しだいで応募できる分野や提示される年収が変わります。エンジニア特化の転職エージェント「テックゴー」では、元エンジニアやITコンサル出身のアドバイザーが、これまでの経験とセキュリティ職の求人を照らし合わせながら、目指す分野の整理から支援します。
- 元エンジニアのアドバイザーに、経験が活きる分野を相談できる
- 上流案件・ITコンサル領域に強く、コンサル職も目指せる
- 年収交渉はアドバイザーが代行し、条件面を任せられる
- 平均年収アップ金額は144万円で、年収を上げる転職の実績がある
- 面接対策は回数無制限で、技術面接の準備も納得いくまで進められる
登録は1分で完了するので、まずは今の経験でどのセキュリティ分野を目指せるかを確かめるところからはじめましょう。
面接対策は回数無制限
まとめ
この記事では、セキュリティエンジニアの役割と仕事内容、専門分野、年収、スキル、資格、現職別のルートを解説しました。セキュリティエンジニアとは、企業の情報資産をサイバー攻撃から守る専門職で、監視や脆弱性診断、クラウドの防御、ルールづくりまで仕事の幅が広い職種です。サイバー攻撃の増加や法規制の強化を受けて、今後も需要は伸びると考えられます。
インフラや開発、運用の経験は、セキュリティエンジニアを目指すときにそのまま活かせます。まずは今の経験がどの専門分野に近いかを整理し、その分野で求められるスキルや資格から身につけていきましょう。
今の経験を活かしてセキュリティエンジニアへの転職を考えているなら、エンジニア特化の転職エージェント「テックゴー」への相談がおすすめです。元エンジニアやITコンサル出身のアドバイザーが、経験の棚卸しから求人選び、年収交渉まで支援します。
年収アップ成功率86%
よくある質問
セキュリティエンジニアがやめとけ・きついと言われるのはなぜですか?
セキュリティエンジニアがやめとけ・きついと言われるのは、主に次の負担があるためです。
・インシデント対応で夜間や休日に呼ばれる ・攻撃の変化に合わせて学び続ける ・問題がない状態が当たり前で成果が見えにくい ・事故が起きたときの責任が重い
ただし、負担の大きさは担当する分野や勤務先によって変わります。交代制の監視が中心の職場もあれば、設計やコンサルティングが中心で夜間の対応が少ない職場もあります。きつさの原因を分けて考え、自分に合う分野と働き方を選びましょう。
IT未経験からセキュリティエンジニアになれますか?
IT未経験からセキュリティエンジニアに直接転職するのは、簡単ではありません。セキュリティの仕事は、ネットワークやサーバー、開発の知識を前提にしているためです。
未経験から目指すなら、次の順番で経験を積む道が現実的です。
・インフラや運用・監視の職種に就く ・現場でネットワークやサーバーの経験を積む ・セキュリティに関わる業務を担当する ・資格で知識を補い、セキュリティ職に応募する
一部には、監視の業務から未経験者を採用する企業もあります。まずはITの実務経験を積み、セキュリティに関わる業務を少しずつ増やしていきましょう。
セキュリティエンジニアは独学で目指せますか?
セキュリティの基礎知識は、独学でも身につけられます。資格の教材や検証環境を使えば、費用を抑えながら学習を進められます。
独学で取り組みやすい方法は、次のとおりです。
・情報セキュリティマネジメント試験の勉強をする ・自宅に検証環境を作り、攻撃と防御を試す ・CTFの練習問題に挑戦する
なお、攻撃を試すのは、自分で用意した環境だけにしましょう。他人のシステムに無断で試すと、不正アクセス禁止法などの法律に触れる可能性があります。
ただし、独学だけで転職するのは難しく、採用では実務でセキュリティに関わった経験が重視されます。学んだ内容を今の業務で使い、実務の経験として説明できる形にしておきましょう。
セキュリティエンジニアとホワイトハッカーの違いは何ですか?
ホワイトハッカーは、攻撃者と同じ技術を使ってシステムの弱点を見つけ、守る側に活かす技術者のことです。セキュリティエンジニアという大きな職種の中で、攻撃の視点に特化した役割と考えるとわかりやすいでしょう。
一方で、セキュリティエンジニアの仕事には、次のような守る側の業務も多く含まれます。
・防御の仕組みを設計・構築する ・ログを監視して攻撃を見つける ・社内のルールを作り、教育する
ホワイトハッカーとして働く人の多くは、脆弱性診断やペネトレーションテストを担当しています。攻撃の技術を深めたい人は、診断の分野から目指すとよいでしょう。
