エンジニアのポートフォリオ完全ガイド|未経験・経験者別の作り方と評価されるポイント
2025年11月27日更新
エンジニア転職の合否を大きく左右する「ポートフォリオ」。
しかし「何を作れば評価されるのか」「未経験でもどこまで作るべきか」が分からず、最初の一歩でつまずく方も少なくありません。
本記事では、企業が実際の選考で重視するポイントを踏まえ、未経験・経験者別に、評価されるポートフォリオの作り方を具体的に解説します。
完成後の見せ方や改善方法まで整理しているため、転職に必要なポートフォリオ作りの全体像がつかめます。
著者

蓬田 和己
Yomogita Kazuki
早稲田大学卒業後、レバレジーズ株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして開発、データ職種のエンジニアの方の支援に従事。歴代最速で事業部内単月支援者数、売上1位を獲得し、組織目標の達成に大きく貢献。社内での異動、キャリアアップ、転職もどれが良いのか単純には決められないので、お客様にとって最善の選択肢を一緒に考えていきたいという思いから、MyVisionに参画。
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監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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エンジニアのポートフォリオとは?
まずは、ポートフォリオを作成する前に知っておくべき、下記の3点を解説します。
- 目的と役割
- 職務経歴書との違い
- 未経験者・経験者での違い
この理解があるだけで、作るべき作品の方向性を大きく間違えずに済みます。
ポートフォリオの目的と役割
ポートフォリオは、応募者が実務で再現性のあるスキルを備えているかを確認するための重要な資料です。
単なる作品の羅列ではなく、企画意図・技術選定・設計・改善履歴といった一連のプロセスを示すことで、思考力や問題解決力が明確に伝わります。
なお、SIerや保守系インフラの中途採用では職務経歴で判断されることも多く、提出が必須ではない場合もあります。
一方で、Web系・自社開発企業では「実際に作れるかどうか」が重視されるため、特に未経験者にとってポートフォリオは選考通過に直結する要素になります。
つまりポートフォリオは、応募者が「どのレベルまで対応できるエンジニアなのか」を最も正確に伝える手段といえます。
職務経歴書との違い(何が評価されるのか)
職務経歴書は経験した業務をまとめる書類ですが、ポートフォリオは「どう考え、どう作ったのか」を証明する資料です。
企業は、コードの品質や設計の妥当性、開発プロセスの理解を確認し、入社後のパフォーマンスを予測します。
たとえば「ログイン機能を実装した」と書くだけでは評価されませんが、「セキュリティ考慮のためJWTを採用し、有効期限や更新処理を設計した」と書けば、問題設定力と技術理解が伝わります。
つまり、ポートフォリオは現在のスキルの証明書として役立ちます。
未経験者と経験者で見られるポイントの違い
未経験者の場合、企業が見ているのは「自走力」と「基礎の理解」です。
要件整理から設計、実装、改善まで一連の流れを自分で考えて回せているかが重視されます。
一方で経験者は、コードの整合性、レビュー文化の理解、保守性の高い設計が評価対象です。
実務経験の有無で求められる水準は異なるものの、どちらも「自力で考えて作れる人かどうか」が重要であり、作品の規模よりプロセスの質が評価を左右します。
企業がポートフォリオで重視するポイント
ここからは、企業が実際にどこを見ているのか?を分解して解説します。
採用担当者は特定の項目を短時間でチェックするため、ここを理解すると「作るべき作品の基準」が一気に明確になります。
コードの質と設計の一貫性
企業が最初に確認するのは「読みやすさ」「設計の整合性」です。
命名が統一されているか、責務が明確に分離されているか、フォルダ構成が理解しやすいかは、瞬時に判断されます。
実務では複数人で開発するため、可読性が低いコードは大きな負担になります。
誰が見ても理解しやすい・扱いやすいコードであることが、最も実務的なスキルと見なされます。
課題設定力・問題解決プロセスの明確さ
企業は「何を、どのように解決したかったのか」を重視します。
設計するアプリの目的、選んだ技術の合理性、設計で工夫したポイントなどを明確に説明できる人は、実務でも同じ思考で開発できると判断されます。
たとえば投稿機能を実装した背景に「ユーザーの行動を分析するため」という意図があれば、設計レベルが一段高いことを示せます。
GitHubのチェックポイント(コミットログ・Issue管理など)
多くの企業担当者は、まずGitHubを見て「開発習慣」をチェックします。
コミットは小さく整理されているか、PRを使っているか、Issueで課題管理をしているかなど、実務に近い形になっているかが重要です。
特にコミットメッセージは、作業の理解度が表れるため評価対象になります。「mainに直接コミットしない」など基本ルールを守るだけでも、印象が大きく異なります。
ポートフォリオに載せるべき作品例
ここでは、採用担当者の評価が高い作品ジャンルを、未経験者・経験者に分けて具体例とあわせて紹介します。
エンジニア職は領域によって求められるアウトプットが大きく異なるため、ポートフォリオも職種に合わせて示すべき内容が変わります。
| 職種 | 示すべき内容 |
|---|---|
| Webエンジニア(フロント/バックエンド) | フロント:SPA、UI改善、状態管理・バック:API設計、DB設計、例外処理、認証基盤 |
| インフラ/クラウドエンジニア | AWS構成図、Terraformコード、可用性・冗長化の配慮 |
| データ/機械学習エンジニア | Notebook、EDA、モデル比較、評価指標の可視化 |
| アプリエンジニア(iOS/Android) | 画面遷移、UIフロー、StoreKit、Push通知など |
職種に合った成果物を用意できれば、ポートフォリオの説得力は格段に高まります。
Webアプリ(フロントエンド/バックエンド)
Webアプリは、ユーザーが実際に操作できるため、もっとも評価されやすいジャンルです。 未経験者は「CRUD(登録・更新・削除)+認証」まで作り切れれば基礎力が伝わり、経験者はアーキテクチャや設計の工夫で差別化できます。
作品の大きさよりも、ユーザー導線や課題解決を意識して作られているかが重要です。
◼️未経験者向けの例
- 家計簿アプリ(支出の分類・集計・グラフ表示) → 日常的なユースケースのため要件定義がしやすく、CRUDと集計処理の理解を示せます。
- タスク管理アプリ(期限・タグ・ステータス管理)→ シンプルな構成で、UI改善やフィルタリング機能など「使いやすさの工夫」を書きやすいテーマです。
◼️経験者向けの例
- ECサイト簡易版(カート・在庫管理・決済連携)→ レイヤー分割や依存関係の整理など、ドメイン設計・アーキテクチャの工夫をアピールしやすい題材です。
- React/Next.js の SPA + API バックエンド構成→ フロントとAPIを分離した構成にすることで、認証・エラーハンドリング・API設計の方針を説明できます。
API・バッチ・自動化スクリプト
業務効率化に直結するため、バックエンドの実務に近いジャンルとして高評価です。
ノーコード自動化ではなく、自分で要件→処理設計→ログ出力→スケジュール実行まで組み立てられることがポイントになります。
◼️経験者向けの例
- ニュース自動収集スクリプト(RSS → DB保存 → 要約表示)→ 外部データの取得、保存、一覧表示という一連の流れを通じて、バッチ処理の基礎理解を示せます。
- 天気APIの定期取得 → 通知アプリ→ 外部APIの利用と定期実行(cronなど)を組み合わせることで、実務でも頻出のパターンを表現できます。
◼️経験者向けの例
- Webhook対応の外部連携API(例:Stripe や Slack との連携)→ リトライやエラー処理、セキュリティ考慮など、実運用を意識したAPI設計力をアピールできます。
- スクレイピング+ETL(抽出→加工→保存)のミニパイプライン→ ログ設計や例外処理、スケジュール管理を含めた「小さなデータ基盤」として、業務寄りの設計を示せます。
インフラ構築・クラウドアーキテクチャ
AWSやGCPを用いた構築系のポートフォリオは、インフラ・クラウド職種で強力なアピールになります。
特にIaC(Terraform)やコンテナ技術(Docker/ECSなど)は、市場価値の高いスキルとして評価されます。重要なのは、構成図と構築理由をセットで示すことです。
◼️未経験者向けの例
- 静的サイトを S3+CloudFront で公開(HTTPS対応) → 最小構成ながら、ストレージ・CDN・証明書などクラウドの基本コンポーネント理解を示せます。
- EC2+RDS を用いた小規模Webアプリのデプロイ→ 「ローカルで動くアプリをクラウド上に載せる」経験として、インフラの入口を押さえた題材になります。
◼️経験者向けの例
- VPC設計から始める本番相当構成(ALB/ECS/Fargate等)→ ネットワーク分離や可用性、スケーラビリティなど、実運用を意識した設計方針を説明できます。
- Terraformでインフラ一式をコード化し、CI/CDでデプロイ→ IaC+自動化パイプラインまで含めることで、チーム開発を前提とした運用設計力をアピールできます。
データ分析・機械学習モデル
データ系職種では、Notebookでの探索過程・モデルの評価指標・解釈可能性の高さが重視されます。
高度なモデルを作る必要はなく、ビジネス課題から逆算してデータを扱えるかどうかが判断基準になります。
◼️未経験者向けの例
- 売上データの可視化レポート(集計・グラフ・簡単な相関分析)→ Pandasや可視化ライブラリの基礎に加え、ビジネス指標の理解がある程度伺えます。
- 公開データセットを用いたシンプルな分類モデル(例:顧客の離反予測など)→ 前処理〜学習〜評価までの一連の流れを、小さなテーマでコンパクトに示すことができます。
◼️経験者向けの例
- 機械学習モデル(分類/回帰)をAPI化し、Webアプリに組み込み→ 「モデルを作るだけでなく、業務で利用できる形に落とし込める」点が、実務に近い強みになります。
- モデル改善の比較ログ(特徴量追加・ハイパーパラメータ調整の影響を記録)→ 精度だけでなく、試行の履歴や再現性を重視していることが伝わり、実務的なデータサイエンス力を示せます。
次の章では、ここまでを踏まえた「評価されるポートフォリオ」の作り方を紹介します。
評価されるポートフォリオの作り方
企業は、作品の規模よりも「考え方」「設計の妥当性」「問題解決プロセス」が整理されているかを重視します。
ここでは、実務レベルとして評価されるための作成手順を、具体例とともに解説します。
このポイントを押さえておけば、未経験者でも自信を持って提出できるポートフォリオを構築できます。
テーマ選定と要件定義の進め方
ポートフォリオは「何を作ったか」以上に、「誰の、どんな課題を解決しようとしたのか」で評価されます。 まずは誰のどんな課題を、なぜ解決する必要があるのかを明確にし、利用シーンを具体的にイメージします。 ユーザー像(例:20代会社員・子育て中の主婦・営業職など)を一人に絞ると、課題の優先順位が整理され、実務に近い要件定義ができます。
未経験者向けのおすすめテーマ
- 日常生活の不便を解決する 例:レシートを撮影して自動で家計簿に登録したい
- 仕事でよくある手間を減らす 例:営業の日報をもっと簡単に入力したい
- 趣味や興味から課題を設定する 例:観た映画の評価を整理したい、読書ログを管理したい 規模は小さくても、ユーザーが不便に感じていることを明確にとらえる姿勢が高評価のポイントとなります。
経験者向けのおすすめテーマ
- 業務フローの改善につながるテーマ 例:問い合わせ対応を自動振り分けする機能
- データ活用が自然に入るテーマ 例:顧客行動ログを可視化し、改善施策を提案するツール
- 技術選定の妥当性を説明できるテーマ 例:スケールするAPI構成を意図したミニSaaSアプリ
一方経験者では、技術選定理由・非機能要件(セキュリティ・負荷)まで踏み込めるテーマが理想です。 いずれも、規模より課題の質が重要であり、課題が明確でさえあれば、小規模アプリでも問題ありません。
設計・技術選定理由をまとめる方法
採用担当者は、技術そのものより「なぜその技術を選んだのか」という判断プロセスを重視します。 技術選定は、下記のような実務基準で整理すると、説得力が大きく高まります。
【技術選定の判断軸】
- 目的との適合性
- 保守性
- 学習コスト
- コミュニティの充実度
- 将来の拡張性
未経験者は扱いやすさや開発コスト、経験者はスケールや非機能要件を踏まえた説明があると、思考レベルの差を正しく伝えられます。 また、設計の意図を補足するためにER図・画面設計・構成図をREADMEに添付しておくと、設計力を客観的に示せます。
なお、構成図はAWS公式のアーキテクチャ記法ガイドに沿って作成すると信頼性が高まり、技術選定理由そのものが設計力の証明になります。 参考:AWSアーキテクチャセンター
READMEに書くべき内容(背景・目的・使用技術・工夫点)
READMEはコードより先に確認される、いわば「作品の目次」であり、実務理解や整理力を判断される重要な要素です。
GitHub公式でも「READMEにはプロジェクト概要・目的・セットアップ手順を明確に記すべき」と定義されており、情報が整理されているだけで採用担当者の理解度は大きく向上します。
【READMEに必ず入れるべき内容】
- プロジェクト概要
- 背景・目的
- 使用技術
- 画面キャプチャ
- 工夫点
- 環境構築手順
- 改善予定
未経験者は、UIの一貫性改善や検索機能追加など小さな工夫を書くだけでも意図が伝わります。 経験者はパフォーマンス改善やN+1問題解消など、より専門的な工夫を示すことで実務レベルの理解をアピールできます。
これらを簡潔にまとめることで、採用担当者が短時間で全体像をつかめる「伝わるREADME」に仕上がります。
UI/UX・画面キャプチャの見せ方
UIは、採用担当者が最初に見るアプリの顔であり、1枚目の画面で「このアプリは何を解決するものか」を直感的に理解できることが重要です。 視認性を高めるために、下記のポイントに気を配ると、情報が整理されて見えます。
【良い画面キャプチャのポイント】
- 1機能1枚
- 白または淡色の背景
- テキスト説明つき・なしの2種類
- Before→Afterで改善点を可視化
未経験者であれば、フォームに入力例を入れる・スマホ版画面を併記するなど、実際に使われる場面が伝わる工夫が効果的です。 経験者の場合は、設計意図を文章で添えたり、画面遷移図やコンポーネント構成の全体像を示したりすると、実務理解の深さを示すことができます。
UI/UXは技術力だけでなくユーザー視点で考えられるかを示せる領域であり、見せ方を整えることでポートフォリオ全体の評価を大きく引き上げることができます。
NGなポートフォリオと改善ポイント
ポートフォリオで成果が伝わらない原因の多くは、ほんの些細なポイントの見落としにあります。
ここでは、採用担当者が実際の選考で感じる代表的なNG例を取り上げ、なぜ評価が下がるのか、どう改善すれば選考通過率が上がるのかを具体的に解説します。
ここで挙げるポイントは、わずかな修正でも評価が大きく変わるため、提出前に必ずチェックしておきましょう。
チュートリアル丸写しの作品になっている
企業が最も避けたいのは「設計や工夫の痕跡がない作品」であり、そのまま写しただけのポートフォリオはその典型例です。
チュートリアル通りに作られたアプリは、課題設定や設計意図が見えず、実務で自走できるかの判断材料になりません。
対策としては、独自の機能追加(タグ機能・検索・通知など)やUI改善を必ず1〜2ヶ所取り入れ、「自分で考えて作った部分」を明確に示すことが重要です。
READMEがない(説明不足)
READMEがないポートフォリオは、採用担当者が「何を作ったのか」「どう使うのか」を理解できず、作品の価値が正しく伝わりません。
説明不足は「自走できない・説明責任を果たせない」というマイナス評価につながるため、必須項目です。
改善策として、目的・使用技術・画面キャプチャ・環境構築手順などの基本項目を5〜7つに整理し、短時間で全体像を理解できるREADMEを作成しましょう。
動作しない・バグが多いアプリ
そもそもアプリが起動しない、画面遷移ができない、依存関係が壊れているといった状態は、企業から「基礎力が不足している」と判断されます。
実務では、環境変数やライブラリ更新などの細かな対応が求められるため、動作不良は大きなマイナス材料です。
提出前には、ローカルと本番環境の両方で動作確認を行うことと、発見したバグをIssue化→修正→再リリースの流れで示し、改善姿勢をポートフォリオ上で可視化することが必須です。
技術選定や設計意図が語れない
「流行っていたから」「簡単そうだったから」という理由では、採用担当者に実務思考が伝わりません。
企業は、なぜその技術が課題に適しているかをしっかり説明できる人を求めています。つまり、理由を語れないと即戦力として判断されにくくなります。
目的との適合性(例:高速レスポンス→Go)や保守性(例:チーム開発→TypeScript)など、選定基準を1〜2行で明確化し、目的に基づく技術選定力があることを示しましょう。
ポートフォリオ制作の手順テンプレート
ポートフォリオは、単にアプリを作れば良いのではなく、企画 → 設計 → 実装 → ドキュメント → 改善という全体の流れそのものが評価対象になります。
この章では、ポートフォリオ制作の正しい手順を、具体的なチェックリスト付きでテンプレート化しました。
未経験の方でも、この順番に沿うだけで、企業が評価しやすいポートフォリオに仕上げられます。
STEP1:テーマ設定と企画
ポートフォリオの質は、テーマ選定の段階で大きく差がつきます。 ユーザー像と課題が曖昧だと、何を作っても「なぜこの機能にしたのか」が説明できません。
【チェックリスト】
- 想定ユーザーが明確に1人に絞れている
- 「誰の・どんな課題を解決するか」が1文で説明できる
- 課題の優先順位をつけて、必要機能を整理できている
- 機能の足し算ではなく、MVP(最小機能)を決められている
- READMEに“企画意図”を書けるだけの整理ができている
まずは、誰のどんな課題を解決するのか?を端的にまとめ、企画の軸を固めましょう。
STEP2:設計(ER図・画面設計・構成図)
設計段階では、アプリの裏側の考え方を可視化することが重要です。
ER図やワイヤーフレーム、構成図を作ることで、採用担当者はあなたの論理的な思考プロセスを読み取れます。特にER図は、未経験者でも設計力をアピールできる効果的な資料です。
【チェックリスト】
- ER図でデータ構造が正しく整理できている
- 余計なテーブル・不要なリレーションがない
- ワイヤーフレームでユーザー導線が1つにまとまっている
- システム構成図を作り、技術ごとの役割が明確になっている
- 設計資料がREADMEに添付できるレベルで整理されている
設計が雑だと、どれだけ良い実装をしても印象が良くないとみなされます。 わかりやすい図に落とし込めているかどうかは、設計理解の大きな判断材料です。
STEP3:実装(ブランチ運用・コミットルール)
実装では、実務と同じ開発フローで進めているかがチェックされます。 ここでは、コードよりも開発ルールの有無が評価されます。ブランチ運用やコミットメッセージの粒度が整っているだけで、コード以上に「チーム開発への理解度」が伝わります。
【チェックリスト】
- mainブランチを直接変更せず、featureブランチで開発している
- PR(プルリクエスト)テンプレートを用意している
- コミットメッセージにPrefix(fix/add/refactor)がある
- コミットが大きすぎず、1つの作業ごとに分割されている
- PR→Review→Merge の流れがGitHub上に残っている
簡易的なもので構わないので、実務に近い開発ルールを導入しましょう。
STEP4:README作成
READMEは、採用担当者が最初に確認する部分です。 背景・目的・使用技術・画面キャプチャ・工夫点・環境構築手順を整理することで、短時間でも全体像が伝わります。
逆にここが整っていないと、アプリの価値が伝わらず、どれだけ良いコードでも評価されません。
【チェックリスト】
- プロジェクト概要が3〜4行で簡潔にまとまっている
- 解決したい課題(背景・目的)が明確に書かれている
- 使用技術・選定理由が一覧で整理されている
- 画面キャプチャが「1機能1枚」で読みやすい
- 工夫点が箇条書きで3〜5個まとめられている
- 環境構築手順で「誰でも再現できる」状態になっている
- 改善予定のIssueリンクがあり、継続性を示せている
READMEは話を聞いてもらうためのプレゼン資料のようなものと捉え、しっかり作り込みましょう。
STEP5:デプロイ・公開・改善
アプリを公開することで、採用担当者は、実際に動くプロダクトを確認できます。 公開後はIssueを使ってバグ管理・改善を継続し、レビュー依頼なども行うことで、より実務的な対応が可能であると示すことができます。
【チェックリスト】
- ローカルと本番環境のどちらでも動作確認済み
- バージョン管理が適切(ライブラリ依存・環境差異なし)
- バグや改善点をIssue化し、改善履歴がGitHubに残っている
- PR単位で改善を継続し、リリースログを残している
- SNSやコミュニティでレビューを依頼し、第三者の評価を得ている
アプリやUIは、もちろん「作って終わり」ではありません。 公開後どう改善したかも重視されるため、動作確認・バージョン管理・改善サイクルが示されているほど、プロとしての再現性が伝わります。
ポートフォリオ完成後にやるべきこと
ポートフォリオは「作ったら終わり」ではなく、完成後の見せ方や改善プロセスまで含めて評価されます。
とくにWeb系企業や自社開発企業では、ポートフォリオを軸に面接が進むため、提出後の準備が選考結果を大きく左右します。そのため、完成後の対応まで意識しておくことで、同じ作品でも伝わり方が大きく変わります。
ここでは、提出後にどのようなアクションを取れば評価をさらに引き上げられるのかを、実践しやすい形で整理して解説します。
面接での説明の仕方(ストーリー化)
面接では、アプリの出来栄えよりも「どのように考えて開発を進めたか」を順序立てて説明できるかが評価されます。
課題の設定から設計・実装、つまずいた点とその解決方法、そして今後の改善までを一連のストーリーとして語れると、実務での再現性が強く伝わります。
この流れはプロジェクトの進め方そのものであり、面接官にとっても理解しやすい構成です。
提出前に、自分のポートフォリオをこの流れで説明できるよう必ず準備しておきましょう。
第三者レビューの受け方(SNS・コミュニティ)
ポートフォリオは、他者の視点を取り入れることで完成度が大きく高まります。
SNSや技術コミュニティでレビューを依頼することで、コードの癖や設計の偏りに気づけるほか、面接前に改善する機会も得られます。
他者からのレビューに慣れている姿勢は、実務で求められるコミュニケーション能力の証明にもなり、企業から高く評価されるポイントです。
改善内容は必ず記録し、成長の過程も示せるようにしておきましょう。
改善サイクル(Issue → 改善 → リリース)
企業は「作り切った作品」よりも「改善を続けられる人」を求めています。
その姿勢を最もわかりやすく示すのがIssueを活用した改善サイクルで、バグや課題をIssueに残し、改善内容をPRとして記録しながらリリースを重ねる流れは、実務のプロセスと完全に一致しています。
こうした履歴がGitHub上に残ることで、「この人は実務の流れを理解している」と企業に感じてもらいやすくなります。小さく頻繁に改善を繰り返し、継続的な成長を示すことが重要です。
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特にポートフォリオは、スキル・思考力・成長力を判断される重要な資料のため、「何をどこまで整えれば評価されるのか」を誤ると、努力が成果につながらないケースが少なくありません。
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まとめ
エンジニアのポートフォリオは、現在のスキルだけでなく、課題設定・設計・実装・改善という一連のプロセスを通じて「どのように思考し、成長してきたか」を示す重要な資料です。 未経験者でも、この流れを整理し、GitHubやREADMEを適切に整えることで、企業が評価しやすいポートフォリオを十分に作成できます。
一方で、自分の作品のレベル感や方向性に迷うのは、多くの方が直面する共通の課題です。 こうした不安は、専門家の客観的なアドバイスを受けることで早期に解消でき、準備そのものが格段に効率化されます。正しい手順を踏めばポートフォリオは必ず良くなり、選考への自信にもつながります。
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