ITエンジニアの平均年収は?職種別~年代別に相場を徹底解説
2025年10月14日更新
ITエンジニアとして働く中で、「自分の年収は平均と比べて高いのか、それとも低いのか」と気になる方は少なくありません。
特に20〜30代のエンジニアは、スキルや経験がどのように給与へ反映されていくのか、また今後どのようなキャリアパスを描いて行けばいいのか、迷ってしまう方は多いです。
この記事では、最新の公的データを基にITエンジニアの平均年収を解説し、職種別・年代別の相場をわかりやすく整理します。
さらに、年収を引き上げるための具体的な方法や、キャリア形成のポイントもお伝えします。キャリアアップを検討する際の実践的な判断材料として活用して下さい。
著者

蓬田 和己
Yomogita Kazuki
早稲田大学卒業後、レバレジーズ株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして開発、データ職種のエンジニアの方の支援に従事。歴代最速で事業部内単月支援者数、売上1位を獲得し、組織目標の達成に大きく貢献。社内での異動、キャリアアップ、転職もどれが良いのか単純には決められないので、お客様にとって最善の選択肢を一緒に考えていきたいという思いから、MyVisionに参画。
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監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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ITエンジニアの平均年収は?
まずはITエンジニア全体の、平均的な年収を紹介します。
公的統計と市場データをもとに、現状と将来性を整理してみましょう。
ITエンジニア全体の平均年収は約460万円
dodaの平均年収ランキングによると、ITエンジニア全体の平均年収は462万円です。
国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、日本の給与所得者全体の平均給与は460万円と報告されています。
ITエンジニアの年収はこの水準とほぼ同程度であるものの、職種ごとに求められるスキルや役割が異なるため、実際の年収差は大きいのが現状です。
たとえばプロジェクトマネージャーやITコンサルタントは高水準の報酬が見込めますが、テストエンジニアやヘルプデスクなどは比較的低い傾向があります。
したがって、平均値だけで判断するのではなく、後ほど紹介する職種別・年代別のデータをあわせて確認することが重要です。
ITエンジニアの将来性は?
ITエンジニアの需要は、DXの推進やAI・IoTといった先端技術の普及により、今後も拡大していく見通しです。
経済産業省の調査によれば、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。
こうした人材不足の深刻化に伴い、ITエンジニアの市場価値はさらに高まり、待遇改善や年収上昇の動きが一層強まると考えられます。
特にクラウドやセキュリティ、データサイエンスといった需要の高い分野では、高収入を得られるチャンスが拡大すると見込まれます。
【職種別】ITエンジニアの年収
ITエンジニアと一口に言っても、職種ごとに求められるスキルや責任範囲が異なるため、年収には大きな差があります。
ここでは、厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)の情報を参考に、代表的な職種ごとの年収水準を整理して紹介します。
スキルや経験によってどの程度給与に幅が生じるのかも確認できるため、今後のキャリア形成を考える上で有益な指標となります。
1. プロジェクトマネージャー
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、プロジェクトマネージャー(IT)の全国平均年収は752.6万円、平均年齢は41.4歳です。
とくにITスキル標準(ITSS)でレベル5以上に到達すると、年収が1,100万円に達する例もあり、経験やスキルに応じた大幅な年収アップが期待できます。
プロジェクトマネージャーは、システムやソフトウェア開発における責任者として、実行計画の策定や人員・予算・進捗・品質の管理を担い、プロジェクトを円滑に推進します。
さらに、顧客や社内メンバーとの調整や課題解決、成果物の品質確保や運用支援までを含め、プロジェクト全体を成功に導く重要な役割を果たします。
参照:job tag
2. ITコンサルタント
ITコンサルタントの全国平均年収は752.6万円で、プロジェクトマネージャーとほぼ変わりません。
平均年齢は41.4歳です。
ITコンサルタントは、経営戦略の観点から顧客のIT活用を支援し、課題の整理や分析を行ったうえで最適な解決策を提案します。
システム構築やDX推進など幅広い領域を対象とし、客観的な立場から技術と業務の両面で助言する点が特徴です。
企業の成長や変革を支える役割を担うため、市場価値が高く評価されやすい職種です。
参照:job tag
3. データサイエンティスト
データサイエンティストの全国平均年収は573万円、平均年齢は43歳です。
さらにITスキル標準(ITSS)でレベル3の場合は600万~900万円、レベル5以上では1,000万円を超えるケースもあり、スキルや経験に応じて大きな年収差があります。
データサイエンティストは、膨大なデータを分析してビジネス課題の解決や新サービスの創出に役立てる役割を担います。
統計分析や機械学習、プログラミングのスキルを駆使し、成果が評価に直結しやすい専門性の高い職種です。
参照:job tag
4. セキュリティエンジニア
セキュリティエキスパート(オペレーション)として紹介されており、全国平均年収は628.9万円、平均年齢は43.4歳です。
セキュリティエンジニアは、システムやネットワークを常時監視し、不正アクセスや攻撃を検知・対応することで安全な運用を支えます。
インシデント発生時には原因究明や復旧対応を担い、設計段階から監視体制やアラート設定に関与することもあります。
24時間365日の体制で運用されることが多く、高度な専門性と責任の重さから、経験やスキルに応じた収入増が期待できる職種です。
参照:job tag
5. インフラエンジニア
システムエンジニア(基盤システム)として紹介されており、全国平均年収は他のITエンジニアとまとめて752.6万円、平均年齢は41.4歳です。
ITSSではレベル1~5で420万円~950万円と幅があり、これまで紹介してきた職種よりはやや低い水準にあります。
インフラエンジニアはサーバーやネットワーク、ストレージなどの基盤を設計・構築し、安定した稼働を支える役割を担います。
近年はクラウドサービスの普及により、仮想環境での設計・運用スキルが重視され、拡張性やコスト削減効果を提供できる人材の需要が高まっています。
参照:job tag
6. システムエンジニア(SE)
システムエンジニアは受託開発、組込み、IoTといった分野で紹介されており、全国平均年収は574.1万円、平均年齢は38歳です。
ソフトウェア開発では最大860万円ほどですが、設計・構築分野に進むことで900万円を超える場合もあります。
システムエンジニアは、要件定義から設計・開発・テスト・導入支援まで幅広く担当し、顧客のニーズをシステムとして実現します。
業務全体を把握し、開発チームを調整しながら成果物の品質を確保する役割を担います。
7. Webエンジニア
Webサービス開発やWeb系ソフトウェア開発のエンジニアもシステムエンジニアの一分類として紹介されており、全国平均年収は574.1万円、平均年齢は38歳です。
主にWebサイトやWebアプリケーションをチームで設計・開発し、運用や改善までを担います。
フリーランスとして業務委託契約を結び開発に参加する人や、フレックスタイム制度を活用して柔軟に働く人も多く見られます。
クラウド環境やアジャイル開発の普及により、スキルの幅によって年収やキャリアの広がりが大きく変わる職種です。
参照:job tag
8. プログラマー
プログラマーはWebサービス開発やWeb系ソフトウェア開発のエンジニアと同分類で紹介されており、全国平均年収は574.1万円、平均年齢は38歳です。
プログラマーは、システムエンジニアが作成した詳細設計に基づきプログラムをコーディングし、単体テストやデバッグを通じて品質を高めます。
業務システムやWeb、組込み、アプリなど幅広い分野で活躍し、効率的で保守性の高いプログラムを作成する専門職です。
経験初期は年収が低めですが、スキルを磨き上流工程へステップアップすることで収入向上が期待できます。
参照:job tag
9. テストエンジニア
公的データでテストエンジニアの年収は明示されていませんが、「jobtag」デバッグ作業の分類では全国平均年収は574.1万円、平均年齢は38歳とされています。
テストエンジニアは、ソフトウェアの品質保証や検証を担う専門職であり、第三者の立場からテストを繰り返して信頼性を確保します。
単体テストの一部は自動化されていますが、最終的には人による確認が不可欠であり、完全な自動化は難しいため今後も需要が見込まれます。
テスト自動化やCI/CDの導入支援など上流工程に関わることで、専門性が高まり年収改善につながる可能性があります。
参照:job tag
10. ヘルプデスク
ヘルプデスク(IT)の全国平均年収は628.9万円、平均年齢は43.4歳とされています。
ヘルプデスクは、システムや情報機器の利用時に発生する疑問やトラブルに対し、電話やメール、あるいは現地対応を行う役割を担います。
社内向けではOA機器の管理やアカウント設定、社外向けではユーザーからの問い合わせやクレーム対応など、サポート範囲は多岐にわたります。
経験を積んで顧客折衝力や技術力を高めることでキャリアの幅が広がり、英語力があれば外資系企業でのサポート業務に挑戦することも可能です。
ITエンジニアが年収を上げるための4つの方法
ITエンジニアとしてキャリアを築く中で、年収を上げるには具体的な行動が欠かせません。
スキルの習得だけでなく、働く環境や役割の選択によっても給与水準は大きく左右されます。
ここでは、収入向上を目指すうえで効果的な4つの方法を紹介します。
より上流工程の経験を積む
プログラミングやテストといった下流工程にとどまらず、要件定義や設計など上流工程の経験を積むことで市場価値を高められます。
特に顧客折衝や課題定義、要件整理のスキルはビジネスの根幹に直結し、年収アップにつながります。
情報処理推進機構(IPA)が定義するITスキル標準(ITSS)でも、上流工程スキルは高レベルの専門性として位置づけられています。
経験の幅を広げることで、より高い役職や責任ある職務へとステップアップできる可能性が広がります。
需要の高い言語やクラウドスキルを習得する
IT市場では、特定のプログラミング言語やクラウド技術が高い需要を誇るため、習得により市場価値を大きく高められます。
代表的な例としては以下のスキルが挙げられます。
- プログラミング言語:Python、Go、TypeScript
- クラウド技術:AWS、GCP、Azure
これらのスキルを身につけることで、求人の幅が広がり、待遇の良い企業からのオファーを受けやすくなります。
さらに、クラウド関連の資格取得は即戦力性を示す指標となるため、年収交渉を有利に進める大きな武器にもなるでしょう。
企業規模や業界を変える
同じスキルを持っていても、所属する企業や業界によって給与水準には大きな差があります。
特に外資系企業や金融業界、成長中のWeb系ベンチャーは高い給与テーブルを設定しているケースが多く見られます。
産業構造や事業成長性の違いが報酬に直結するため、業界を見直すことは年収アップの有効な戦略です。
自分のスキルセットが最大限に評価されやすいフィールドを選ぶことが、収入向上の鍵となります。
成果が正当に評価される企業へ転職する
年収を引き上げるには、自身の努力や成果を公正に評価してくれる環境に身を置くことも重要です。
現職で昇給や評価に不満を感じる場合、制度や文化が整った企業へ転職することでキャリアを大きく前進させられます。
評価制度が透明で、成果に応じて報酬が反映される企業では、やりがいと収入の双方を得やすいでしょう。
自分の市場価値を正しく評価してもらえる環境を選ぶことが、長期的な年収向上につながります。
ITエンジニアのキャリアパス3選
ITエンジニアとして長期的にキャリアを築くためには、将来どの方向性を選ぶかを早めに意識することが重要です。
技術を極めるか、組織を率いるか、ビジネス課題を解決するかによって求められるスキルや経験は大きく異なります。
ここでは代表的な3つのキャリアパスを紹介し、それぞれの特徴を解説します。
技術を高めてスペシャリストを目指す
AI、クラウド、サイバーセキュリティなどの先端分野で専門性を磨き、第一人者を目指すキャリアパスです。
常に最新技術を学び、深い知識と実践力を持つことで、替えの利かない人材として評価されます。
ITスペシャリストには、下記の6つの専門分野があります。
- プラットフォーム
- ネットワーク
- データベース
- アプリケーション共通基盤
- システム管理
- セキュリティ
常に最新技術を学び、深い知識と実践力を持つことで、替えの利かない人材として評価されやすくなります。
ITスキル標準(ITSS)でも高レベルの専門性は年収に直結し、レベル6・7に到達すれば1,000万円超の収入も実現可能です。
組織を率いるマネジメント力を身につける
プロジェクトマネージャー(PM)やエンジニアリングマネージャー(EM)として、チームや開発組織全体を牽引する道も選択肢の一つです。
技術的な知見に加え、メンバー育成、予算管理、経営層との調整など幅広いスキルが求められます。
大規模プロジェクトではマネジメント力が成果に直結するため、報酬水準も高い傾向にあります。
エンジニアとしての経験を基盤に、ビジネス視点を持つことが成功の鍵となります。
課題を解決するITコンサルタントを目指す
ITコンサルタントは、システム導入やIT戦略の立案を通じて企業の経営課題を解決するキャリアパスです。
論理的思考力や高いコミュニケーション力に加え、顧客企業のビジネスを深く理解する力が不可欠です。
特に外資系コンサルティングファームでは成果が報酬に直結し、20代で年収1,000万円を超えるケースも見られます。
ビジネスとテクノロジーの橋渡しを担う職種として、挑戦的で成長機会の多いキャリアを築くことが可能です。
年収アップを目指して転職するならテックゴーへ
ITエンジニアとして年収を大きく引き上げる有力な選択肢のひとつが、転職です。
テックゴーは、ITエンジニアを志望する方に特化した転職支援サービスで、メガベンチャー・大手事業会社・ITコンサルなど、幅広い求人・ITエンジニア向け求人が10,000件以上。
業界出身のキャリアアドバイザーが在籍しており、応募書類の添削や面接対策など、選考突破に直結するサポートが受けられます。
さらに、非公開求人の紹介や年収交渉の代行も行っており、自分一人では得られないキャリアアップのチャンスを広げることができます。
まとめ
ITエンジニアの平均年収や職種別・年代別の水準を理解することは、自分の市場価値を正しく把握する第一歩です。
年収アップには、スキルの習得や上流工程の経験、転職先の選び方といった具体的な行動が欠かせません。
将来のキャリアパスを明確に描き、自分に合った環境で成長を続けることが、長期的な収入向上につながります。
特に転職は、年収を大きく引き上げる有力な手段のひとつ*です。
まずはテックゴーの無料相談で、新たなキャリアの可能性を広げてみてください。
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