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マネジメントをやりたくないエンジニアが知っておくべきキャリア戦略

2026年07月31日更新

「そろそろマネジメントを打診されそうだけれど、正直気が進まない」と感じたことはないでしょうか。

実際に、現在の会社で管理職になりたいと答えた人は、全体のおよそ2割にとどまるという調査データがあります。この10年で管理職を望む人の割合は下がり続けており、とくに20代の若手ほどその傾向が強いというのが実情です。マネジメントを避けたいという気持ちは、甘えや逃げではなく、多くの人が同じように抱えている自然な感覚だと言えます。

この記事では、以下の内容を解説します。

  • マネジメントをやりたくない理由をタイプ別に整理する自己診断
  • マネジメントに向いている人・向いていない人の違い
  • 管理職を引き受けるメリットと見落としがちなデメリット
  • マネジメントを避けながら年収を上げるための交渉術と働き方
  • テックリードやスペシャリストなど、管理職以外のキャリアパス

マネジメントの打診にどう向き合うか迷っているエンジニアの方に、後悔しないキャリアの選び方をお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

目次

CONTENTS

エンジニアの「マネジメントをやりたくない」はもう少数派の悩みではない

「自分だけがマネジメントに気が進まないのでは」と感じている方も多いかもしれませんが、実際はそうではありません。ここでは、管理職を望まない人がどれくらい増えているのか、そしてその背景にある構造の変化を解説します。

  • 管理職を望む人の割合がどれくらい減っているか
  • 「収入」と「出世」への関心が別々のものになりつつある実態
  • 終身雇用の崩れと専門職市場の広がりという構造的な背景

それでは、順に見ていきましょう。

「出世してこそ一人前」という価値観は、いま急速に薄れています。日本能率協会マネジメントセンターが2023年に実施した調査では、一般社員の77.3%が「管理職になりたくない」と回答しました。

別の調査でも同じ傾向が見られます。現在の会社で管理職になりたいと答えた人はおよそ17%にとどまり、数年前の調査時点から7ポイント近く下がっています。とくに20代の若手に限ると、その割合は3割を下回りました。

新入社員の段階では、管理職を目指したいと答える人が6割近くにのぼるという調査もあるため、入社後の数年間で「やりたくない」という気持ちが強まっていく人が多いと考えられるでしょう。

つまり、管理職を避けたいという感覚は、一部の変わり者が抱くものではありません。すでに多数派に近づきつつある、ごく自然な感覚だと言えます。

参考:日本能率協会マネジメントセンター「管理職の実態に関するアンケート調査」(2023年)

「年収を上げたい」という気持ちと、「管理職になりたい」という気持ちは、必ずしも一致しません。新入社員を対象にした調査でも、管理職を目指したくない理由として「自分には適性がなさそうだから」という回答が上位に挙がっており、収入面への不満よりも、役割そのものへの違和感が理由になっているケースが多く見られます。

実際、多くの人がキャリアの中で望んでいるのは、収入や評価が上がることであり、部下を管理する立場に就くことそのものではありません。かつては管理職に就くことが昇給の唯一のルートでしたが、今はそう考える人ばかりではありません。

「出世したくない」と「稼ぎたくない」はまったく別の話です。この違いを整理しないまま「マネジメントをやりたくない=上昇志向がない」と受け取ってしまうと、本人の意図とは違うキャリアの選び方をしてしまう恐れがあります。

参考:東京商工会議所「2025年度 新入社員意識調査

こうした変化の背景には、日本型雇用の構造そのものが変わりつつあるという事情があります。経済産業省の資料でも、個人のニーズに応じて多様なキャリアパスを歩めるようにする必要性が指摘されており、日本型雇用システムを見直す動きが進んでいるところです。

終身雇用や年功序列を前提にした時代には、昇進して管理職になることが、収入を上げるほぼ唯一の方法でした。しかし、専門性を軸に評価される働き方が広がるにつれて、管理職を経由しなくても、スキルや実績で評価される道が現実的な選択肢として広がっています。

とくにIT業界では、専門技術を持つ人材への需要が高く、管理職にならなくてもキャリアを積み上げられる環境が整いつつあります。マネジメントを避けたいという気持ちを、キャリアの停滞と結びつけて考える必要はなくなってきていると言えるでしょう。

参考:経済産業省 産業構造審議会「『人材』について

【自己診断】あなたの「やりたくない」の中心はどこにある?

「マネジメントをやりたくない」と一口に言っても、その中身は人によって違います。原因を取り違えたまま行動すると、対処法もずれてしまいます。

ここでは、代表的な4つのパターンから、自分の「やりたくない」がどこから来ているのかを確認していきましょう。

  • 今の職場やチーム特有の事情が原因になっているパターン
  • 技術に向き合う時間や裁量を失うことへの不安が中心にあるパターン
  • マネジメント未経験からくる漠然とした不安が先に立っているパターン
  • 待遇面の条件が引っかかっているパターン

それでは、順に確認していきましょう。

マネジメントそのものではなく、今の会社やチームに固有の事情が「やりたくない」の正体になっているケースがあります。たとえば、尊敬できる管理職のロールモデルが社内にいない、評価制度が不透明で頑張っても報われない、人手不足で管理職に本来の仕事以外の雑務まで集中しているといった状況です。

このパターンに当てはまる場合、問題の本質はマネジメントという役割ではなく、環境の側にあります。同じマネジメント業務でも、体制の整った会社であれば前向きに引き受けられる可能性があります。今の職場だけを基準に「マネジメント全般が向いていない」と判断してしまうのは、早計だと言えるでしょう。

まずは、自分が見てきた管理職の姿が、その会社特有の悪条件と結びついていないかを振り返ってみましょう。

管理職になると、コードを書く時間や技術的な意思決定への裁量が減るのではないかという不安から、マネジメントを避けたいと感じる人も多くいます。この場合の「やりたくない」は、環境の問題ではなく、自分が仕事において何にやりがいを感じているかという価値観そのものに根ざしているケースです。

技術力を磨き続けることに強い充実感を持つタイプの人にとって、管理業務に時間を取られることは、単なる負担ではなく、自分のアイデンティティに関わる喪失感につながることもあります。

このパターンに当てはまる場合は、無理にマネジメントを引き受けるよりも、技術を軸にしたキャリアパスを検討したほうが、長期的な満足度は高くなりやすいでしょう。

「向いていないかもしれない」という漠然とした不安から、マネジメントを避けたいと感じているケースもあります。この場合、実際にマネジメント業務を経験したうえでの拒否感ではなく、未経験だからこそ抱く想像上の不安であることが多いです。

部下の評価や面談、対人関係の調整といった業務は、たしかに未経験者にとってハードルが高く見えます。しかし、実際にやってみると、想像していたほど負担ではなかったと感じる人もいます。

このパターンに当てはまる場合は、避け続けるのではなく、小さな範囲からマネジメント業務に触れてみることで、自分の適性を具体的に判断できるようになるでしょう。

管理職としての仕事内容そのものには抵抗がなく、給与や役職に見合った待遇が用意されていない点だけが引っかかっているケースもあります。責任や業務量が増えるにもかかわらず、収入面での上乗せが少ない、あるいは残業代の扱いが変わることで実質的な収入が下がるといった懸念です。

このパターンに当てはまる場合、「マネジメントをやりたくない」というより、今提示されている条件そのものに納得できていないというのが実態に近いでしょう。

待遇面の懸念は、会社との交渉によって解消できる可能性がある部分でもあります。まずは何が具体的に引っかかっているのかを整理し、条件面の話として切り分けて考えることが大切です。

エンジニアのマネジメントに向いている人・向いていない人の特徴

マネジメントへの抵抗感を整理できたら、次は客観的な適性を確認してみましょう。向き不向きは、性格の良し悪しではなく、何にやりがいを感じるかという価値観の違いによって決まります。

マネジメントに向いている人は、自分自身が手を動かして成果を出すことよりも、メンバーの成長やチームの成果を通じて達成感を得られるタイプです。部下の相談に乗ったり、うまくいかない状況を整理したりする過程そのものに、やりがいを感じられる人だと言えます。

また、成果が出るまでに時間がかかることや、自分の貢献が数字として直接見えにくいことに、それほどストレスを感じません。むしろ、チームが目標を達成した瞬間を、自分ごととして喜べる人が向いています。

技術力の高さよりも、周囲の状況を把握し、必要な調整をおこなう力に自然と関心が向く人は、マネジメントとの相性がよいタイプだと考えられます。

一方で、マネジメントに向いていない人は、自分の手で技術的な課題を解決すること自体に、もっとも大きなやりがいを感じるタイプです。コードを書く、設計を組み立てる、障害の原因を突き止めるといった作業に没頭している時間が、もっとも充実していると感じます。

このタイプの人にとって、部下の育成や評価、対人関係の調整に時間を使うことは、技術と向き合う時間を奪われる負担として感じられやすい傾向があります。

チームの成果よりも、自分自身の技術的な成長や達成を優先したいという価値観自体は、否定されるべきものではありません。マネジメントに向いていないというより、別の方向に強みがあると捉えるほうが正確でしょう。

エンジニアがマネジメントを引き受ける4つのメリット

マネジメントを引き受けることには、負担だけでなく、確かなメリットもあります。ここでは、代表的な4つのメリットを解説します。

  • 年収や役職の上限が上がる仕組み
  • 経営層に近い情報や視座に触れられる機会
  • 組織づくりを通じて得られる達成感
  • 転職市場での評価が上がりやすくなる理由

それでは、順に見ていきましょう。

日本の企業の多くでは、いまも管理職になることが、年収の上限を引き上げる主要なルートです。

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」のデータでは、システムエンジニア(基盤システム)やプロジェクトマネージャ(IT)、ITコンサルタントを含む区分の平均年収は889万円で、45〜49歳の年齢層では1,226万円に達しています。

一方、受託開発やWebサービス開発などを担うシステムエンジニアやプログラマーを含む区分の平均年収は578.5万円にとどまり、両者には300万円以上の差があります。

エンジニア特化の転職エージェント「テックゴー」の求人データベースから、テックゴー編集部が算出した年収でも、同様の傾向が見られます。

職種平均年収
インフラエンジニア676万円
開発エンジニア710万円
PL763万円
PM890万円
ITコンサルタント997万円
エンジニアリングマネージャー1,070万円

マネジメント系の職種は、開発エンジニアやインフラエンジニアと比べて、平均で100万円から300万円ほど高い水準の求人が多く見られます。収入の伸びしろという観点では、マネジメントへの転向は依然として有力な選択肢だと言えます。

参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査

マネジメントを担う立場になると、現場だけでは得られない情報に触れる機会が増えます。経営会議や部門横断の打ち合わせに参加する機会が増え、事業全体の方向性や、他部署が抱えている課題を把握しやすくなるでしょう。

現場のエンジニアとして働いているだけでは見えにくい、会社の意思決定プロセスそのものを間近で見られる点も、マネジメント職ならではの経験です。

こうした視座の広がりは、技術力だけでは得にくい種類の成長につながります。将来的に経営に近いポジションを目指す場合、この経験は大きな土台になるでしょう。

マネジメントの魅力は、個人の成果だけでなく、チーム全体の成果を作り上げていく過程にもあります。メンバーが成長し、以前はできなかった仕事を任せられるようになっていく様子を間近で見られることは、個人プレーでは味わえない達成感につながります。

採用や育成、評価制度の設計など、組織そのものを作り上げていく仕事に関われる点も、マネジメント職ならではのやりがいです。

自分ひとりの技術力の枠を超えて、組織の成果に貢献できる実感を得られる点は、マネジメントの大きな魅力だと言えるでしょう。

マネジメント経験は、転職市場においても評価されやすい経歴のひとつです。とくに、チームや案件を任された経験は、技術力だけでは示しにくい再現性のあるスキルとして扱われる傾向があります。実際に、求人票でマネジメント経験を歓迎条件として挙げる企業は多く見られます。

マネジメントの経験は、技術力に加えてもうひとつの武器になり、キャリアの選択肢を広げてくれるでしょう。

エンジニアがマネジメントを引き受ける4つのデメリット

マネジメントには相応の負担も伴います。ここでは、引き受ける前に知っておきたい4つのデメリットを解説します。

  • 技術力や現場感覚が失われていくリスク
  • 精神的な負担や対人ストレスの増加
  • 成果が見えにくく、評価に反映されにくい構造
  • 残業代がなくなることによる実質的な収入減少

それでは、順に見ていきましょう。

マネジメント業務が増えると、コードを書く時間や、最新技術に触れる時間はどうしても減っていきます。とくにIT業界は技術の移り変わりが速く、現場を離れる期間が長くなるほど、最新のツールや開発手法との距離が広がりやすくなります。

気づいたときには、以前は当たり前にできていた設計判断や実装の勘所が鈍っていた、という状況も珍しくありません。

技術者としての感覚は、使い続けなければ少しずつ失われていく性質のものです。数年後に現場へ戻りたいと考えている場合は、この点をあらかじめ想定しておきましょう。

マネジメント職に就くと、部下の評価や面談、チーム内外の調整など、対人関係にまつわる業務が一気に増えます。タレントインテリジェンス総研が部下を持つ管理職を対象に実施した調査では、72.5%が「精神的な負荷が高い」と回答し、68.6%が「業務量が膨大だ」と回答しました。

技術的な問題であれば自分の知識や経験で解決できますが、人間関係の問題は正解がひとつではなく、気力を削られやすいという特徴があります。とくに、上司と部下の板挟みになる場面や、評価に対する部下の不満に向き合う場面は、精神的な負担が大きくなりやすいでしょう。

参考:タレントインテリジェンス総研「7割近くが認識する業務過多と精神的負荷~ミドルマネジメント層の危機的状況~」(2025年7月)

マネジメントの成果は、開発した機能の数やコードの品質のように、直接目に見える形では表れにくいという性質があります。チームの生産性向上や離職防止、メンバーの成長といった成果は、実感としては大きくても、数字だけで説明するのが難しい領域です。

その結果、頑張っているのに評価されている実感を持ちにくいという状態に陥りやすくなります。とくに、成果を定量的な指標で評価する文化が根強い会社ほど、マネジメント業務の価値が正当に評価されにくい傾向があります。

管理職になると、労働基準法上の「管理監督者」として扱われ、残業代の支払い対象外になる場合があるので注意しましょう。管理監督者は、経営者と一体的な立場にある従業員を指し、労働時間や休憩、休日に関する規定の適用から外れるため、法定労働時間を超えて働いても残業代は発生しません。

そのため、昇進前は残業代を含めて受け取っていた収入が、昇進後は基本給や役職手当だけになり、実質的な手取りが減ってしまうケースもあります。実際に、一般社員の給与のほうが管理職の給与よりも高くなる「逆転現象」が起きるケースもあり、この場合は管理監督者としての待遇自体が適切かどうかが問題になります。

エンジニアがマネジメントを避けたい場合の4つの対処法

マネジメントを避けたいと思ったとき、実際にできる対処法はひとつではありません。ここでは、代表的な4つのアプローチを紹介します。

  • 会社に自分の希望を明確に伝える方法
  • マネジメントの「種類」を分解してずらす交渉のしかた
  • 一時的に引き受けて交渉材料に変える考え方
  • マネジメント業務がない環境へ転職するという選択肢

それでは、順に見ていきましょう。

マネジメントを避けたいという気持ちは、黙っていても伝わりません。自分の意向をはっきりと言葉にすることが、最初の一歩です。

評価面談やキャリア面談など、意向を伝える機会を定期的に用意している会社は多くあります。そのタイミングで、「専門性を高めたい」「技術で価値を出したい」など、具体的な言葉で伝えることが大切です。

「できれば管理職は避けたい」といった曖昧な言い方では、本気度が伝わりにくく、検討の土台にも乗りにくいものです。具体的な理由と、代わりにどう貢献したいかをセットで伝えることが、交渉の説得力を高めます。

「マネジメントを丸ごと拒否する」か「丸ごと引き受ける」かの二択で考えると、交渉の余地がなくなってしまいます。実際には、マネジメントという言葉の中に複数の要素が含まれているため、自分が拒否したい部分だけを分解して考えることが有効です。

たとえば、部下の育成や評価、面談、メンタルケアといった「ピープルマネジメント」は苦手でも、進捗やタスク、プロダクトの管理を担う「プロジェクトマネジメント」であれば引き受けられる、というケースは多くあります。

自分がマネジメントのどの部分に抵抗を感じているのかを言語化したうえで、「この部分は引き受けられるが、この部分は難しい」と伝えれば、会社側も落としどころを探しやすくなるでしょう。

マネジメントを全部やるか、全部やらないかではなく、要素ごとに交渉できると考えると、選択肢が大きく広がります。

状況によっては、マネジメントを一時的に引き受けることが、その後の交渉を有利に進める材料になる場合があります。「一度も経験せずに拒否している」状態と、「経験したうえで判断している」状態では、会社側の受け止め方が変わってくるためです。

たとえば、半年から1年程度の期間を区切ってマネジメントを引き受け、その経験をもとに「自分には技術に集中する働き方のほうが合っている」と伝えれば、単なる拒否よりも説得力のある交渉材料になります。

ただし、引き受ける前に、期間や終了条件をできるだけ具体的に会社側とすり合わせておくことが欠かせません。

期限を明確にしないまま引き受けてしまうと、なし崩し的にマネジメント業務が固定化してしまう恐れがあります。

社内での交渉が難しい場合や、そもそも会社の制度としてマネジメント以外のキャリアパスが用意されていない場合は、転職によって環境を変えるという選択肢もあります。

マネジメント業務のない、あるいは専門職としてのキャリアを評価する制度が整っている会社であれば、技術に集中しながらキャリアを積み上げられるでしょう。

管理職の打診を上手に断るにはどうしたらよい?

管理職の打診を受けたとき、伝え方ひとつで、その後の会社との関係性は大きく変わります。ここでは、角を立てずに意向を伝えるための4つのポイントを紹介します。

  • 伝えるタイミングと場所の選び方
  • 感謝と前向きな理由をセットで伝える工夫
  • 「保留」という選択肢の使い方
  • 対案を添えて話す重要性

それでは、順に見ていきましょう。

管理職の打診を受けたその場ですぐに断ると、感情的な反応だと受け取られやすく、上司側も落ち着いて話を聞きにくくなります。まずは「前向きに検討したいので、少し時間をいただけますか」と伝え、返答までの猶予をもらいましょう。

伝える場所も重要です。廊下での立ち話や、他のメンバーがいる場では、率直な話がしにくくなります。1on1や個別の面談など、上司と落ち着いて話せる場を選んで伝えることが望ましいです。

タイミングと場所を整えるだけで、同じ内容でも伝わり方は大きく変わります。急な打診に対しては、その場での即答を避け、準備の時間を確保しましょう。

管理職の打診は、多くの場合、会社からの期待の表れです。断る場合であっても、まずは「声をかけていただき、ありがたく思っています」と、打診されたこと自体への感謝を伝えることが大切です。

そのうえで、断る理由は「〜ができないから」ではなく、「〜に集中したいから」という前向きな言葉で伝えましょう。

たとえば、「マネジメントに自信がない」ではなく、「技術を突き詰めることに強いやりがいを感じているため、当面は専門性を高める方向に集中したい」といった伝え方です。

感謝と前向きな理由をセットにすることで、後ろ向きな印象を与えずに意向を伝えられます。ネガティブな理由が先に立つと、会社側も次の提案をしにくくなってしまいます。

きっぱりと断ることに抵抗がある場合は、「今は保留したい」という伝え方も選択肢のひとつでしょう。完全に断るわけではなく、時期を限定して先送りにする形です。

たとえば、「今のプロジェクトに区切りがつくまでは、現場の仕事に集中したい」「もう少し経験を積んでから、あらためて検討したい」といった伝え方であれば、拒否感を与えずに、判断を先延ばしにできます。

この伝え方は、将来的にマネジメントを引き受ける可能性を完全には閉ざしたくない人に向いています。ただし、先送りにした場合は、次に打診されたときにどう答えるかを、自分の中であらかじめ整理しておくことが望ましいです。

マネジメントを断るだけでは、会社側に「貢献する意欲がない」という印象を与えてしまう可能性があります。そこで有効なのが、代わりにどう貢献できるかという対案を添えることです。

たとえば、「マネジメントは難しいが、後輩の技術指導であれば積極的に担当したい」「チームの技術的な意思決定を担うテックリードの立場であれば貢献できる」といった提案です。

対案があることで、会社側も「マネジメント以外の形で組織に貢献してもらえる」と前向きに受け止めやすくなります。

断ることと、貢献する意欲がないことは、まったく別の話です。対案をセットで伝えることで、その違いを相手に正確に伝えられます。

マネジメント以外に選べるエンジニアのキャリアパス

マネジメントを避けたいと感じている場合でも、キャリアの選択肢は豊富にあります。ここでは、代表的な3つの方向性を紹介します。

  • 技術力を軸に信頼を築くテックリード・アーキテクトという道
  • セキュリティやクラウドなど、特定領域を極めるスペシャリストという道
  • 技術とビジネスの橋渡し役になる技術×ビジネス職という道

それでは、順に見ていきましょう。

チームの技術的な意思決定をリードするテックリードや、システム全体の設計方針を描くアーキテクトは、マネジメントとは異なる形でチームに貢献できるポジションです。部下の評価や労務管理を担うわけではなく、技術力そのものを武器にして、チームやプロジェクトを牽引する役割を担います。

テックゴーの求人データベースでは、テックリードとITアーキテクトの平均年収は、次のとおりです。

職種平均年収
ITアーキテクト964万円
テックリード971万円

いずれもPMの平均年収である890万円を上回る水準で、技術を極める道でも、マネジメント職と同等かそれ以上の年収を目指せることがわかります。マネジメントを経由しなくても、技術力の高さそのものが評価される市場ができつつあると言えるでしょう。

テックリードの求人情報

AI駆動開発エンジニア

想定年収

600~1,000万円

勤務地

東京都千代田区

業務内容

●ポジション概要 システム開発の実務経験を活かし、生成AIを活用した開発スタイルへキャリアを広げたいエンジニアを募集します。 AIモデル開発や機械学習の専門知識は必須ではありません。これまでのシステム開発、改修、運用・保守の経験を土台に、AIコーディング支援ツールや生成AIを活用しながら、開発生産性の高いプロジェクト推進に取り組んでいただきます。 地方在住・フルリモートでの勤務も可能です。開発エンジニアとしての専門性を活かしながら、AI時代の開発手法を実案件で身につけられるポジションです。 ●業務内容 ・生成AIを活用したシステム開発・改修 ・既存システムの運用・保守、機能追加、改善対応 ・AIコーディング支援ツールを活用した開発業務 ・Webシステム、業務システム、クラウド環境での開発・運用 ・開発プロセスの効率化、品質向上に向けた改善提案 ・必要に応じた技術調査、検証、ドキュメント作成 ※AIモデル開発や機械学習エンジニアとしての専門業務を前提としたポジションではありません。システム開発経験を活かしながら、生成AIを活用した開発スタイルへ広げていく想定です。 ※AIツールの活用については、案件ごとのセキュリティルールや顧客要件を踏まえながら、開発効率と品質向上につながる形で積極的に取り入れていきます。 ### 入社後の役割・キャリアパス 入社後は、まずこれまでの開発経験を活かせるシステム開発・改修・運用保守案件から参画いただきます。 その後、生成AIツールの活用、開発プロセスの改善、AIを組み込んだシステム開発など、経験や志向に応じて担当領域を広げていただきます。 将来的には、以下のようなキャリアを目指せます。 ・AI駆動開発を実践する開発エンジニア ・生成AIを活用した開発効率化の推進担当 ・Web/業務システム開発のリードエンジニア ・クラウド・AI・データ領域の技術リード ・開発チームを牽引するテックリード/開発リード 技術を軸に、AI時代の開発手法を実務で身につけながらキャリアを伸ばせる環境です。

【PKSHA Technology】エンジニアリングマネージャー【AI SaaS】

想定年収

-

勤務地

東京都文京区

業務内容

PKSHA Technologyは、エンタープライズ企業のコールセンターに向けた自然言語処理/機械学習/ディープラーニングを活用したテキスト・音声対話エンジン、及び昨今の働き方の変化に合わせて職場コミュニケーションの課題を支援するためのプロダクトを提供しています。 このポジションでは、エンジニアマネージャー候補として各領域専門の機械学習エンジニアとチームを組み、ソフトウェアエンジニアリングで解決できる課題を自ら手を動かしながら解決していただきます。 ・エンジニアリング組織のアウトプット最大化に向けた仕組みづくりの設計と実行 ・法人向けに提供している既存対話エンジンサービス開発のマネジメント ・機械学習モデルをコアとした新アプリケーション開発のマネジメント ・自社サービス間連携の促進 技術スタック ●利用言語 ・Python ・Ruby (Ruby on Rails) ・Golang ・JavaScript/TypeScript ●クラウド ・AWS ・Azure ●バージョン管理 ・Git (GitHub) ●CI/CD ・CircleCI ・CodeDeploy ・Github Actions ●タスク/ドキュメント管理 ・Notion ・Linear ●コミュニケーション ・Slack / MS Teams ※未経験のものがある場合でも、キャッチアップしてもらえれば問題ありません。

クライド社:【フルRW可】Flutterエンジニア/ファンクラブアプリ開発

想定年収

500~800万円

勤務地

東京都渋谷区

業務内容

【業務概要】 クリエイター向けファンコミュニティプラットフォーム「StandAlone」で提供する複数のiOS/Androidアプリについて、 Flutterを中心とした設計・開発・運用・品質改善を一気通貫で担当いただきます。 【具体的な業務内容】 ● 要件定義・設計・開発: ビジネス・プロダクトサイドとの要件整理、仕様検討、UI/UX設計、Flutter/Dartを用いた 実装・保守 ● 機能開発: 写真・テキスト投稿、ギャラリー、タイムライン、グループチャット、ライブ配信、アーカイブ、会員限定 コンテンツ、課金・サブスクリプション機能等の開発・改善 ● 連携・基盤構築: REST API、Firebase、決済サービス(Stripe等)、動画配信基盤、サードパーティAPI連携、クラウドネイティブバックエンド連携 ● 開発運用・品質改善: 状態管理・アーキテクチャ設計、コードレビュー、テスト、クラッシュ解析、パフォーマンス チューニング、CI/CDによる自動化 ● ストア運用・共通化: App Store/Google Playへの申請・リリース・モニタリング、複数ブランド・設定のアプリを 効率的に運用するための共通基盤(StandAlone Building Blocks)改善 ● 先進技術の組み込み: web3基盤技術(Portfolia)のモバイルアプリ組み込み・実証、AIを活用した開発プロセスおよびプロダクト機能の改善 ● グローバル連携: フィリピンを中心とする海外開発チームへの仕様共有、タスク明確化、技術的合意形成、コードレビュー 【取扱サービス・開発環境(技術スタック)】 ● 自社プロダクト: ファンコミュニティプラットフォーム「StandAlone」(複数クリエイター向けiOS/Androidアプリ群) ● モバイル / Web: Flutter, Dart / Next.js, Node.js ● 状態管理 / ネイティブ: BLoC/Cubit, Riverpod / Android (Java/Kotlin), iOS (Objective-C/Swift) ● バックエンド・インフラ: REST API, Java, Node.js, PHP, AWS, GCP ● 外部連携・ツール: Firebase, Stripe, Figma, Adobe XD, GitHub, App Store Connect, Google PlayConsole ● 次世代技術: Portfolia(DID/VC, モバイルブロックチェーン, Emotion Link, Edge LLM), 生成AIを活用した開発支援

テックリード/自社サイト(メディアシステム)

想定年収

620万円~

勤務地

東京都港区

業務内容

自社転職サイトの開発エンジニアのポジションです。 テックリードとしてチームを技術で牽引していただける方を採用しています。 まずは、当社のシステムやサービス、開発プロセスについてキャッチアップしていただきます。 サービス概要や技術スタックの理解から始め、チームメンバーが丁寧にサポートしますので、 安心して業務に取り組むことが可能です。 その後、実際のプロジェクトにアサインされ、 企画から運用までプロダクト開発のすべてに一貫して関わっていただきます。 ●サービス企画 要件定義の検討、ビジネスサイドからの要望を深く理解しサービスの方向性を一緒に考えます。 技術的な観点から「何ができるか」「どうすれば実現できるか」を提案し、 サービスの価値を高める機能要件を定義していきます。 ●設計・開発 要件定義に基づいて、詳細設計からプログラミング、テストまで一連の開発工程をチームで担当します。 コードレビューを通じて技術的な議論を活発に行い、 品質の高いサービスを創り上げます。 ●運用・保守 リリース後のサービス運用も大切な業務です。常にパフォーマンスをチェックし、問題があればすぐに解決します。ユーザーからのフィードバックを元にサービスをより良くしていく、サービスの成長に欠かせない役割です。 ●新技術の調査・導入 より良いサービスを創り続けるために、新しい技術やツール、開発手法を 積極的に調査・検証し、チームに提案・導入していくことができます。 【手がけるサービス】 ●type ・エンジニアに強い首都圏最大規模の転職サイト (エンジニア、営業・販売における掲載職種数で【シェアNo.1】※自社調べ) ・ユニークユーザー数100万人超 【開発環境】 言語:Java、Kotlin OS:Windows/Linux系 DB:MySQL、Oracle、OpenSearch ミドルウェア:Apache/Nginx、Tomcat、Docker クラウド:AWS 業務環境 プロジェクト管理:Redmine、Git コミュニケーションツール:Slack、GoogleChat (変更の範囲)上記を除く当社業務

【BU4】Webアプリ/PL候補~PM・テックリード※生成AI活用

想定年収

550~1,200万円

勤務地

-

業務内容

◆仕事内容 「Webアプリケーションの要件定義から技術選定・設計・実装・運用までのプライム案件を想定しております ・クライアントとの要件ヒアリング ・技術選定・アーキテクチャ設計 ・プロジェクト管理、顧客折衝 ・バックエンド設計・開発(モダンなアーキテクト・フレームワークを適用) ・生成AIも活用した開発効率化 ・チームメンバーとのコードレビューや育成 等 ◆開発環境・技術スタック(例) ・言語:Java,React,Vue.js ・インフラ:AWS, Azure,Docker, ・CI/CD:GitHub Actions, CircleCI ※その他:生成AIを議事録作成や研究会 ● 主な業務概要(共通) ・流通・EC・人事(HR)・サプライチェーン領域などのWebシステム開発に参画 ・モダンな技術×AIを活用した開発 ・要件定義~設計~実装~テスト~リリースまでの一貫した開発プロセスを担当 ・新規プロジェクトの立ち上げフェーズに参画し、設計・実装のリードやプロジェクト推進を担当 ・案件によっては自社内開発やエンドユーザーと直接関わりながら、業務理解を深めたシステム構築が可能 ・部内で立ち上げた「生成AI研究会」やAI活用施策(議事録生成など)を通じて、生成AIを実務に取り込む取り組みも推進 =================================== ●役割別の業務内容イメージ ▼ メンバー/リーダー候補 ・実装を中心に、フロントエンド・バックエンドのWeb開発に従事 ・要件定義~リリースまで一貫して担当 ・メンバーの育成やリーダー補佐 ▼ プロジェクトリーダー(PL) ・数名~10名程度のチームを取りまとめ、タスク・進行・品質管理・社員育成を実施 ・PMの補佐役として、顧客調整やプロジェクト推進も担当 ▼ プロジェクトマネージャー(PM) ・15~30名程度のプロジェクトチームのQCD(品質・コスト・納期)と収益性を責任範囲として担当 ・顧客との契約・調整、リスクマネジメント、予算管理まで幅広くカバー ▼ テックリード ・高度な技術力と専門性を活かし、技術面からプロジェクトを牽引 ・コードレビュー・標準化・技術教育などを通じ、開発品質と組織全体のスキル向上を牽引 統括プロジェクトマネージャー(SPM) ・30名以上のマネジメント業務 ・複数案件を横断的にマネジメント ・案件受注・組織マネジメントなどを担当 =================================== 【配属部門について】 今回募集する部門は、人間関係の良さが働きやすさに直結しているのが大きな特長です。 流通業界を中心に、EC・HR(人事)領域などのエンドユーザーと直接関われるプロジェクトから、サプライチェーン領域まで幅広く手がけています。 安定した経営基盤がある環境で新しい挑戦をしながらスキルアップを目指している仲間が沢山在籍しております。 【働く環境】 <部内の雰囲気> ・チーム単位では1on1や朝会・夕会を実施し、立場に関係なく意見交換ができる体制 ・部全体では月1回の部会を実施。経営方針共有やグループディスカッションに加え、懇親会など交流機会もあり、風通しの良い雰囲気 ・チーム規模:平均5~7名。PLがメンバーをしっかりフォローする体制 <部署の特徴> ・組織マネジメントに力を入れ、マネージャー陣がメンバーを直接支援 ・エンゲージメントサーベイの結果が全社でも高水準 ・多様なキャリアパス:バックエンドエンジニアからPL・PMへステップアップしたメンバー多数

セキュリティやクラウド、データといった特定領域を深く掘り下げ、その分野の専門家として評価される道もあります。テックゴーの求人データベースでは、専門家に高い年収を提示する求人が目立ちます。

職種平均年収
クラウドエンジニア743万円
セキュリティエンジニア812万円
データエンジニア813万円
データサイエンティスト874万円
SRE875万円

転職を積極的に検討している層に向けた求人ほど、専門性の高さに応じた高い水準が提示される傾向があります。

技術力を土台にしながら、事業やプロダクトの方向性に関わる仕事に軸足を移していく道もあります。

プロダクトオーナーやプロダクトマネージャーは、開発チームと事業側の間に立ち、何を作るべきかを判断する役割です。ITコンサルタントは、技術的な知見をもとに、顧客企業の課題解決を提案する役割を担います。

職種平均年収
PdM946万円
ITコンサルタント997万円
AIコンサルタント1,003万円
セキュリティコンサルタント1,037万円

いずれもエンジニアリングマネージャーの平均年収である1,070万円に迫る、あるいは並ぶ水準です。技術力に加えて、事業理解やコミュニケーション力を磨いていくことで、マネジメントとは違う形で市場価値を高められるでしょう。

マネジメントをやりたくないことを理由に転職する場合のポイント

マネジメントをやりたくないという理由で転職を考えるとき、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

ここでは、後悔しない転職活動を進めるための3つの視点を紹介します。

  • 転職によって解決できる問題と、できない問題の見極め方
  • 転職先の組織体制やキャリア制度を確認するポイント
  • スペシャリスト志向を転職活動でどう伝えるか

それでは、順に見ていきましょう。

転職を考える前に、今感じている不満が「会社特有の問題」なのか、「マネジメントという役割そのものへの適性」の問題なのかを、あらためて整理しておきましょう。ロールモデルの不在や評価制度の不透明さといった会社特有の事情が原因であれば、転職によって状況が大きく改善する可能性があります。

一方で、技術に向き合う時間そのものを重視するタイプの人にとっては、会社を変えるだけでは根本的な解決にならないケースもあります。

転職先を選ぶ基準は、今の会社の悪い部分を消去法で避けることではなく、自分の適性に合った制度や文化を積極的に選ぶことです。この視点を持たずに転職すると、環境を変えても同じ悩みを繰り返してしまう恐れがあります。

転職先を検討する際は、マネジメント以外のキャリアパスが制度として用意されているかを、面接や求人票の段階で確認しておくことが大切です。具体的には、次のような点を確認しておくとよいでしょう。

  • 管理職コースと専門職コースが分かれた複線型の人事制度があるか
  • テックリードやアーキテクトといった専門職の等級・評価基準が明確か
  • 実際にマネジメントを経験せずに昇給・昇格した社員の実例があるか

なお、複線型人事制度が「あって当然」の仕組みではありません。面接の場で、専門職としてのキャリアパスについて具体的に質問し、制度の有無だけでなく、実際の運用実態まで確認しておきましょう。

転職活動の場では、マネジメントを避けたいという気持ちを、そのままの言葉で伝えるのは得策ではありません。「管理職になりたくない」ではなく、「技術を突き詰めることで組織に貢献したい」というように、前向きな言葉に言い換えて伝えることが大切です。

職務経歴書には、これまで技術面でどのような成果を出してきたかを具体的に記載し、専門性の高さを数字や実績で裏付けましょう。面接では、将来的にどの領域を極めていきたいかというビジョンをあわせて伝えると、単なる「マネジメント拒否」ではなく、明確な意志を持ったキャリア選択として受け止めてもらいやすくなります

スペシャリスト志向は、伝え方次第で、企業側にとって魅力的な人材像として映ります。

「出世しない」という選択は、成長の放棄と言えるのか?

「出世しない」という選択をすると、まわりから「成長を諦めた」と見られるのではないかと不安に感じる人もいます。ここでは、その不安とどう向き合えばよいかを、3つの視点から整理します。

  • 「昇進=成長」という評価軸そのものが変化している背景
  • 技術を極める道が、キャリア戦略として認められ始めている実態
  • 会社によっては、まだ評価軸が変わっていない現実

それでは、順に見ていきましょう。

かつての日本企業では、昇進すること自体が、成長の証としてわかりやすく可視化される仕組みでした。役職が上がることが、能力や評価が向上している何よりの証拠として扱われてきたためです。

しかし、働き方や組織のあり方が多様化するにつれて、この価値観そのものが揺らぎ始めています。経済産業省の資料でも、個人のニーズに応じて多様なキャリアパスを歩めるようにする方向性が示されており、昇進だけが成長を測る唯一の指標ではなくなりつつあります。

成長の物差しは、役職の高さから、専門性の深さや、社会に対して生み出す価値の大きさへと広がりつつあると言えるでしょう。昇進しないことは、もはや成長を諦めた証ではありません。

参考:経済産業省 産業構造審議会「『人材』について

技術を極める道が、遠回りではなく、正当なキャリア戦略として評価される流れも生まれています。テックゴーが保有する求人データベースから編集部が調査した結果からも、専門職としてのキャリアを制度として評価する動きは着実に広がっています。

この流れは、マネジメントを避けたいという選択を、消極的な逃げではなく、戦略的なキャリア選択として位置づけられる土台になるでしょう。実際に、テックリードやアーキテクトといった専門職の年収が、マネジメント職と同等かそれ以上の水準になっている例も見られます。

ただし、すべての会社で評価軸が変わっているわけではありません。昇進した人だけを高く評価する文化が根強く残っている会社では、専門性を極める道を選んでも、正当に評価されにくい場合があります。

転職や社内でのキャリア選択を考える際は、制度としての評価軸が、自分の会社や転職先で実際に機能しているかどうかを見極めることが欠かせません。

マネジメントを避けられる転職先の紹介ならテックゴー

マネジメントを避けながら技術を極めたいと考えていても、実際にどの会社が専門職としてのキャリアを評価してくれるのかは、求人票だけでは見極めにくいものです。

テックゴーは、エンジニア・ITコンサル領域に特化した転職エージェントとして、複線型人事制度を導入している企業や、テックリード・アーキテクトとしてのキャリアを評価する企業の求人を数多く扱っています。

元エンジニア・ITコンサル出身のアドバイザーが、現在の技術力や経験と、各社の評価制度を照らし合わせたうえで、最適な求人を提案します。

  • エンジニア・ITコンサル領域に特化しており、専門職としてのキャリアを評価する企業の求人を多数保有している
  • 平均年収アップ金額は138万円で、収入アップの実績が豊富にある
  • 年収交渉の成功率は100%で、交渉をすべて代行してもらえる
  • アドバイザーは元エンジニア・ITコンサル出身者が多く、現場感覚に基づいたアドバイスを受けられる
  • 面接対策は回数無制限で、選考通過に向けて徹底サポートしてもらえる

マネジメントを避けながらキャリアを積み上げたいという思いは、決して珍しいものではありません。自分に合った制度がある会社を、ひとりで探し続けるよりも、まずは専門のアドバイザーに相談してみましょう。

まとめ

この記事では、マネジメントをやりたくないと感じるエンジニアに向けて、その感覚が少数派ではないことや、自分の「やりたくない」の正体を見極める自己診断、マネジメントを引き受けるメリット・デメリット、避けたい場合の対処法について解説しました。

管理職を望まない人が増えている背景には、終身雇用の崩れや専門職市場の広がりという構造的な変化があり、「出世しない」という選択も、成長を諦めることとは違います。

大切なのは、感情的に拒否するのではなく、自分の「やりたくない」の中身を分解し、社内での交渉、あるいは転職という手段を通じて、納得できるキャリアを選び取ることです。会社によっては、専門性を評価する制度がまだ整っていない場合もあるため、今の環境だけを基準に判断しないようにしましょう。

マネジメントを避けながら技術を極めるキャリアを目指すなら、テックゴーへの相談がおすすめです。上流案件・ITコンサル領域に強く、元エンジニア出身のアドバイザーが、専門職としてのキャリアを評価する企業を紹介しています。

よくある質問

管理職に向いていないので辞めたい場合はどうすればいいですか?

まずは、辞めたいと感じる原因が「今の会社特有の環境」なのか、「マネジメントという役割そのものへの適性」なのかを整理しましょう。 前者であれば、部署異動や転職によって状況が改善する可能性があります。 後者であれば、テックリードやスペシャリストなど、技術力を軸にしたキャリアパスを検討する方向性が向いています。 今すぐ退職を決める前に、社内でマネジメントの種類をずらす交渉ができないかも、あわせて確認しておくとよいでしょう。

マネジメントを断ると出世コースから外れますか?

会社によって扱いは異なりますが、複線型人事制度を導入している企業であれば、マネジメントを断ったからといって、出世コース全体から外れるわけではありません。専門職としての等級や評価基準が整っている会社では、技術を極める道でも、昇給や昇格を目指せます。 一方で、複線型人事制度が整っていない会社では、マネジメントを断ることが、評価やキャリアの伸びしろに影響する場合もあります。 転職を検討する際は、専門職としてのキャリアパスが制度として用意されているかを、事前に確認しておきましょう。

プロジェクトマネージャーはメンタルの負担が大きいですか?

部下の評価や対人関係の調整など、対人ストレスを伴う業務が増えるため、負担を感じやすい役職のひとつだと言えます。 タレントインテリジェンス総研の調査では、部下を持つ管理職の72.5%が「精神的な負荷が高い」と回答しており、多くの管理職が同様の悩みを抱えていることがわかります。 ただし、負担の大きさは会社の体制やチームの規模によっても変わるため、一概にすべてのプロジェクトマネージャーに当てはまるわけではありません。 マネジメントの種類を絞ったり、負担を分散できる体制を整えたりすることで、軽減できる部分もあります。