ITエンジニアの職務経歴書の書き方完全ガイド|評価される構成と実例を徹底解説
2025年11月27日更新
ITエンジニアの転職では、職務経歴書の出来が選考を左右するといっても過言ではありません。同じ経験・スキルを持つエンジニアでも、まとめ方次第で「実力が伝わる職務経歴書」と「何をしてきたのか分からない職務経歴書」に大きく分かれます。特に、プロジェクトの成果をどう表現するか、技術スタックをどう整理するかは、多くのエンジニアがつまずくポイントです。
本記事では、「ITエンジニア 職務経歴書」の基本構成から、採用担当が評価する書き方、職種別サンプル、未経験者向けのコツまでを徹底解説します。これからITエンジニアへの転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
著者

蓬田 和己
Yomogita Kazuki
早稲田大学卒業後、レバレジーズ株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして開発、データ職種のエンジニアの方の支援に従事。歴代最速で事業部内単月支援者数、売上1位を獲得し、組織目標の達成に大きく貢献。社内での異動、キャリアアップ、転職もどれが良いのか単純には決められないので、お客様にとって最善の選択肢を一緒に考えていきたいという思いから、MyVisionに参画。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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ITエンジニアの職務経歴書とは
職務経歴書は、これまで関わってきた業務内容やスキル、成果を採用担当に伝えるための重要な書類です。プロジェクトで何を担当し、どのような成果を上げてきたのかを明確に示すことで、あなたの強みや活躍できる領域が伝わりやすくなります。
ここでは、職務経歴書がどんな役割を持ち、なぜ転職活動で重要視されるのかについて詳しくみていきましょう。
職務経歴書の目的と履歴書との違い
職務経歴書は、あなたがどんな業務に携わり、どのように成果を上げてきたのかを具体的に伝えるための書類です。
ITエンジニアの場合、使用技術や担当工程、チーム規模など、経験の内容によってスキルの深さが大きく異なります。そのため採用担当は、職務経歴書から「強み」「再現性」「プロジェクト貢献度」を読み取り、入社後の活躍をイメージしています。
一方、履歴書は氏名・住所・学歴・職歴などの基本情報を整理する書類で、フォーマットがほぼ固定されているのが特徴です。
以下の表に、両者の違いをわかりやすく整理しました。
| 項目 | 職務経歴書 | 履歴書 |
|---|---|---|
| 目的 | 実務経験・スキル・成果を詳細に伝え、適性を判断してもらう | 基本情報や経歴の概要を伝える |
| 書き方 | 自由形式(構成・表現に工夫できる) | 定型フォーマット(形式が決まっている) |
| 内容の深さ | プロジェクト内容・役割・技術・成果を具体的に記載 | 学歴・職歴を簡潔に記載 |
| 評価されるポイント | スキル再現性・成果の裏づけ・担当範囲の明確さ | 経歴の基礎情報・誤字脱字の有無 |
| ITエンジニア採用での重要度 | 高い(スキル判断の中心となる) | 中程度(書類確認の入り口) |
| アピール方法 | 実績を数値化し、強みをストーリーとして伝えられる | 形式に沿って淡々と記載 |
このように、履歴書と職務経歴書は役割が大きく異なります。特にITエンジニアの採用では、職務経歴書は「実力やスキルをどれだけ正確に伝えられるか」をアピールする重要な書類として位置付けられています。
採用担当が職務経歴書で見ているポイント
採用担当が職務経歴書で最も重視しているのは、「入社後にどのように活躍できる人材なのか」が具体的にイメージできるかどうかです。
その判断材料となるのが、プロジェクト経験の書き方や、実績・スキルの整理方法です。特にITエンジニアの場合は、同じ職種でも担当フェーズや使用技術によって強みが大きく異なるため、以下のポイントが重要視されます。
| 職務経歴書で重要視されるポイント | 内容 |
|---|---|
| プロジェクトの概要・担当範囲が明確か | 以下の情報からスキルレベルを判断する / ・どのフェーズ担当したのか(要件定義、設計、実装、運用など)・チーム規模や役割・使用した技術 |
| 再現性のある成果が示されているか | 数字や指標として成果を示すことで、エンジニアとしての再現性を伝える強力な材料となる。(例)レスポンスタイムを30%改善・運用工数を月20時間削減・問い合わせ対応件数を50%削減など |
| 技術スタックが整理されているか | 使用した技術を並べるだけでなく、「どのプロジェクトで、何を、どのように使ったか」を具体的に記載しているかがポイント。 |
| 業務の進め方や役割がイメージできるか | コミュニケーション能力や報連相のスタイル、プロジェクトの進め方なども、書き方から判断される。特に、以下のような役割や行動レベルで記載しておくと評価されやすくなる。 / リーダーとして進行管理を担当・顧客折衝や要件調整を担当・レビュー体制の改善を実施など |
これらのポイントを押さえて職務経歴書を作成することで、採用担当が知りたい「あなたがどのように価値を発揮できるか」が明確に伝わります。特にITエンジニアは、担当フェーズや技術力だけでなく、課題解決力やプロジェクトへの貢献度が選考評価に直結するといえるでしょう。
まず押さえるべき基本構成とフォーマット
職務経歴書は、読み手があなたの経歴を短時間で理解できるよう、情報を整理してまとめることが重要です。
特にITエンジニアはプロジェクト経験や技術スタックなど伝える内容が多いため、構成が分かりやすいほど評価につながりやすくなります。まずは、一般的な基本構成と選ぶべきフォーマットを確認しておきましょう。
職務経歴書の基本構成
| 基本構成 | 内容 |
|---|---|
| 職務要約 | 経験の全体像を数行でまとめ、読み手に“あなたの強み”の第一印象を伝える部分。 |
| 職務経歴(プロジェクト・担当業務) | 企業名・在籍期間・担当した業務、プロジェクト内容、役割、成果を具体的に記載する。 |
| 活かせる経験・スキル | プログラミング言語、フレームワーク、インフラ、クラウド、ツールなどを整理する。 |
| 資格・自己PR | 実務で活かせる資格や、業務の進め方・コミュニケーションなどの強みを記載する。 |
| ポートフォリオ・GitHub | Web・アプリ系のエンジニアは特に、実例として効果的。 |
フォーマットの種類と特徴
| フォーマットの種類 | 特徴 |
|---|---|
| 逆編年体形式 | 最新の経験からまとめるタイプ。直近のプロジェクトを強調でき、ITエンジニアに最も一般的。 |
| 編年体形式 | 古い経験からまとめるタイプ。キャリアの流れを丁寧に見せたい場合に効果的。 |
| プロジェクト形式 | 複数のプロジェクトを担当していた場合や、扱う技術が多いエンジニアでも、経験を整理して読みやすくまとめられる形式。 |
これらの構成とフォーマットを押さえておくことで、あなたの経験が整理され、採用担当が知りたい情報をスムーズに読み取ってもらえる職務経歴書になります。特にITエンジニアはプロジェクトごとの役割や使用技術が多岐にわたるため、適切な形式を選ぶだけでも伝わりやすくなるでしょう。
採用担当者の評価につながる職務経歴書の書き方
魅力的な職務経歴書を作るためには、単に経験を並べるのではなく、各項目を「読み手が知りたい順」に整理して書くことが大切です。
特にITエンジニアの場合は、プロジェクトの概要や担当範囲、使用技術、成果など多くの情報をまとめる必要があるため、構成ごとに書き方のポイントを押さえておくと伝わりやすさが大きく変わります。
ここでは、職務経歴書の主要項目をどのようにまとめれば採用担当の評価につながるのかについて詳しくみていきましょう。
職務要約の書き方
職務要約は、これまでの経験や強みを短くまとめるパートであり、職務経歴書の最初に読まれる部分です。このパートで経歴の全体像を伝えることで、採用担当はその後の詳細にも目を通しやすくなります。読み手がスムーズに内容を理解できるよう、簡潔で伝わりやすいまとめ方が大切です。
職務要約をまとめる際のポイントは、次のとおりです。
職務要約をまとめるポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 文字数・行数を適切に | 目安として3〜5行(約200~300字)が推奨されている。文章が長すぎると、読み飛ばされる恐れあり。 |
| 応募先にマッチする内容を優先する | 自身の経歴のなかでも、応募する企業や職種で活かせる経験・スキルを要約部分で先に示すことが大切。 |
| 客観的な実績・数字を交えて具体的にまとめる | 担当プロジェクトの規模や使用技術や改善した数値など、簡潔に示すことで信頼性が高まる。 |
| 自分の強み・役割が伝わる構成を意識する | 単に経歴を並べるのではなく、「何をしてきたか」「その経験がどんな強みに繋がるか」をひとことで伝えるのが効果的。 |
要約はあくまで「キャリアの見える化」をするための前提です。経歴の流れや得意分野が簡潔に整理されていることで、読み手はあなたのスキルや適性を早い段階でつかみやすくなります。まずは全体像を分かりやすく示すことを意識してまとめてみましょう。
業務内容の書き方
業務内容は、これまで携わったプロジェクトを通して「どんな役割を担い、どんな成果を出してきたのか」を最も具体的に示すパートです。採用担当はこの項目から、あなたのスキルの深さや実務レベル、プロジェクトでの立ち位置を確認します。そのため、業務内容は「プロジェクト単位で整理して書く」ことが重要です。
プロジェクト単位でまとめるメリットは、次のとおりです。
業務内容をプロジェクト単位でまとめるメリット
- 関わった業務の全体像が分かりやすい
- 担当工程や役割を明確に示せる
- 技術スタック・成果を紐づけて説明できる
- 採用担当が「この人は何ができるのか」を判断しやすくなる
また、プロジェクトごとに次の項目を整理して書くと読みやすくなります。
プロジェクトごとに整理すべき項目
- プロジェクト名・期間
- 案件の目的・概要
- チーム体制
- 担当フェーズ・役割
- 使用技術・環境
- 成果・改善実績
業務内容を書く際は、長文にならないよう箇条書きで要点を整理し、自分が担当した範囲を明確に示すことが大切です。成果は数字を添えると説得力が増し、使用技術はプロジェクトごとに紐づけて記載することで実務レベルのスキルがより正確に伝えられるでしょう。
スキル・技術スタックの効果的な記載方法
スキルや技術スタックは、ITエンジニアの職務経歴書で特に注目される項目です。ただキーワードを並べるだけでは実務レベルが伝わらず、採用担当が「どこまで扱える技術なのか」を判断しづらくなります。
どの技術を、どのプロジェクトで、どんな目的で使ったのかを整理しながら記載することが重要です。
以下の点を意識すると、技術力が伝わる構成になります。
スキル・技術スタックを記載する際のポイント
- 実務で使用した技術を優先する
- プロジェクトと紐づけて書く
- 習熟度(レベル感)を明記する
- 領域ごとに整理する
スキル欄を効果的に見せるには、まず得意分野や強みとなる技術を上部に配置し、最新プロジェクトで使用した技術を優先的に記載することがポイントです。
また、単なるキーワードの羅列ではなく、どの業務でどのように活用し、どんな成果につながったのかも併せて示すことで、実務レベルがより明確に伝わりやすくなるでしょう。
実績・成果を数字で見せる書き方
ITエンジニアの職務経歴書では、成果を数字で示すことで説得力が大きく高まります。数値化されている実績は、採用担当があなたのスキルを客観的に判断するための重要な材料です。改善率や削減時間、利用者数など、成果をできるだけ具体的な指標で示していきましょう。
具体的なポイントは、次のとおりです。
| ポイント | 内容・具体例 |
|---|---|
| できる限り定量化して記載する | レスポンス 1.5秒 → 0.9秒に改善・障害対応件数を25%削減など |
| 成果だけでなく「自分の行動」もセットで示す | APIの最適化を担当し、処理速度を30%改善・バッチ処理の見直しを担当し、処理時間を60%短縮など |
| プロジェクト全体の成果ではなく、自分の役割を限定してまとめる | 何を担当し、どれだけ貢献したのかが伝わる形にする。 |
| ビジネスインパクトを添える | 工数削減、チームの稼働効率向上・問い合わせ削減、運用負荷の軽減など |
数字で成果を示すことで、あなたの貢献度や実務レベルが客観的に伝わりやすくなります。改善内容や担当業務を具体的な指標とセットで記載することで、採用担当は活躍イメージを持ちやすくなり、書類選考の評価にもつながるでしょう。
自己PR・志望動機の整理方法
ITエンジニアの選考では、技術力だけでなく「その企業でどのように活躍したいか」を示すことが重要です。そのため、自己PRと志望動機を整理し、それぞれの役割を明確にした上で効果的に伝えることが求められます。
自己PRと志望動機の役割と、整理する際のポイントを押さえましょう。
自己PRの定義とポイント
| 定義 | 自分がこれまでに経験したことで、「他の人より優れていること」を明確にする。 |
| ポイント | 強みを裏付ける具体的なエピソードや成果を付け加える。・技術だけでなく、課題発見・解決・学び続ける姿勢などの行動・思考力を伝える。 |
志望動機の定義とポイント
| 定義 | なぜその企業・業界で働きたいのか、理由が論理的に整っているかを示す。 |
| ポイント | あなたの強み・経験が、その企業の事業や求める人物像にどう貢献できるかを明確にする。 ・将来的なキャリアビジョンを交え、「入社後どう成長したいか」を語る。 |
自己PRと志望動機は、どちらも「あなたが企業にどんな価値を提供できるか」を示すための重要な要素です。強み・経験・入社後の展望を一貫したストーリーで伝えることで、活躍のイメージを採用担当に持ってもらいやすくなり、選考通過の可能性が高まります。
職種別の職務経歴書サンプル
ITエンジニアといっても、担当する領域や業務内容は職種によって大きく異なります。そのため、採用担当が重視するポイントや、評価されやすい実績の見せ方も職種ごとに変わります。
ここでは、「Webエンジニア」「インフラエンジニア」「SIer・社内SE」の3つの職種別に、押さえるべき書き方のポイントを紹介します。
Webエンジニア向け
Webエンジニアは、プロダクトの改善スピードやユーザーへの価値提供が重視されるため「どのような技術を使って、具体的に何を改善したか」が明確に伝わるようにまとめなければなりません。機能開発やパフォーマンス改善、UI・UX向上などの具体的な成果を数字とセットで示すと、スキルの再現性が伝わります。
Webエンジニア向けテンプレート
【プロジェクト名】 Webサービス新規開発・既存サービス改善(期間:2023/04〜2024/03)
【担当フェーズ】 要件定義・基本設計・詳細設計・実装・テスト・リリース後保守
【業務内容】 ・新機能(〇〇機能)の実装 ・既存ページのパフォーマンス改善 ・API刷新およびデータ最適化 ・UI・UX改善の提案〜実装
【技術スタック】 言語:JavaScript・TypeScript FW:React・Next.js・Node.js DB:MySQL その他:Docker・GitHub・AWS(EC2 / RDS)
【成果】 ・表示速度を「1.8 秒 → 0.9 秒」に改善 ・売上貢献機能のCVRを15%向上 ・コードレビュー導入で品質向上に寄与
インフラエンジニア向け
インフラエンジニアは、安定稼働の維持や障害対応、運用改善の取り組みが評価ポイントになります。サーバー構築、ネットワーク設計、監視体制の改善などに加え、「ダウンタイム削減」「運用工数削減」「障害件数減少」などの実績を示すと説得力を高められるでしょう。
インフラエンジニア向けテンプレート
【プロジェクト名】 社内インフラ基盤刷新プロジェクト(期間:2022/10〜2024/01)
【担当フェーズ】 要件定義・設計・構築・運用・監視改善
【業務内容】 ・AWS環境(EC2, ALB, RDS)の設計・構築 ・Zabbix を用いた監視設定の最適化 ・バックアップ運用フローの改善 ・障害一次対応から原因分析・再発防止策の実施
【技術スタック】 AWS・Linux・Nginx・MySQL・Terraform・Docker
【成果】 ・障害件数を年間「12件」から「3件」に削減 ・運用工数を月15時間削減 ・監視精度向上により誤検知90%減少
SIer・社内SE向け
SIerや社内SEは、上流工程の比重が大きく「要件定義・仕様調整・ベンダー管理」などのコミュニケーション力や調整力が求められます。担当フェーズ、関係者の規模、調整して解決した課題などを具体的に記載し、プロジェクト推進力をアピールすることが重要です。
SIer・社内SE向けテンプレート
【プロジェクト名】 基幹システム刷新プロジェクト(期間:2021/04〜2023/12)
【担当フェーズ】 要件定義・仕様調整・ベンダー管理・進行管理・テスト
【業務内容】 ・各部門ヒアリングから要件取りまとめ ・ベンダーとの仕様調整・工数交渉 ・プロジェクト進捗管理(最大10名) ・受け入れテスト設計から実施
【成果】 ・リリース遅延リスクを事前調整で回避 ・業務フロー改善により処理時間を20%短縮 ・関係部署との定例化により情報共有を標準化
このように、担当領域や強みが最も伝わる形式でまとめることで、採用担当は活躍イメージを描きやすくなります。まずは、自分の職種に合った構成に基づいて、自身の経験やスキルを整理してみましょう。
未経験・経験浅めエンジニアの職務経歴書
未経験・経験が浅いエンジニアの場合、「書ける職務経歴がないから不利なのでは」と不安に感じる方も多いでしょう。
しかし、職務経歴書でアピールできるのは実務経験だけではありません。学習実績やポートフォリオ、スクール・資格で身につけたスキル、そして学び続けている姿勢も立派な強みになります。
ここからは、未経験や経験浅めのエンジニアの方に向けて職務経歴書のまとめ方を詳しくみていきましょう。
学習実績やポートフォリオを中心に構成する
未経験・経験浅めのエンジニアの場合、実務経験よりも「学習量」と「アウトプット」が評価されます。職務経歴書には、次のポイントを整理して記載しましょう。
学習実績として書くべき内容
- 学習した言語・フレームワーク
- 学習期間・学習時間の目安
- 使用した教材(スクール、Udemy、Progateなど)
- 学んで身についたスキル・理解度
- GitHubのコミットログや学習の継続状況
ポートフォリオで示すべき内容
- 作品の概要(どんな課題を解決するアプリか)
- 使用技術(言語・FW・DB・クラウドなど)
- 実装した主要機能(例:CRUD、ログイン、検索)
- 工夫した点・技術的なこだわり
- 公開URL・GitHubリポジトリ
- 作成を通じて得た学びや改善点
これらを整理して記載することで、未経験でも「実務に近い経験」を具体的にアピールできます。
「なぜエンジニアを目指したのか」をストーリー化する
未経験の場合、志望動機のなかでも特に重視されるのが「なぜエンジニアを目指したのか」というストーリーです。
採用担当はここから、あなたの目的意識・継続力・成長意欲を読み取ります。単に「興味があったから」「安定しているから」ではなく、経験や課題意識と結びついた理由を示すことで、説得力のある志望動機になります。
ストーリー化する際は、次の流れを意識すると伝わりやすくなるでしょう。
ストーリーを組み立てる3ステップ
| ステップ | 具体的な内容 |
|---|---|
| きっかけ(興味を持った理由) | 業務でITツールに触れ、効率化に興味を持った・個人でサイトを作ったことが楽しかったなど |
| 行動(学び始めたプロセス) | 学習サイトで勉強を開始した・毎日GitHubにコミット、アプリを1つ完成させたなど |
| 気づき・目標(エンジニアを目指した理由) | コードを書く中で課題解決の喜びを感じた・開発に携わることで事業に貢献したいなど |
上記3つのステップを一貫した流れでまとめることで、未経験でも「目的が明確で、入社後も学び続けられる人材」であるとしっかり伝えられるでしょう。
スクール・資格・学習継続力をアピールする
未経験・経験浅めのエンジニアにとって、スクールでの学習や資格取得、継続的な学習習慣は大きなアピール材料になります。
採用担当は、実務経験が少なくても「自走力があるか」「学び続けられるか」を重視しています。そのため、学習のプロセスを具体的に示すことで、成長意欲や再現性の高さを効果的に伝えられるでしょう。
スクールや資格をアピールする際のポイントは、次のとおりです。
スクール・資格のアピールポイント
| アピールポイント | 具体的な内容 |
|---|---|
| スクールで学んだ内容や制作物 | Webアプリ開発コース修了・チーム開発経験ありなど |
| 学習の成果として取得した資格 | 基本情報技術者・Java Silver・AWS認定資格など |
| 学習期間・達成度を数字で示す | 3ヶ月で300時間の学習を実施・週20時間の学習を継続など |
スクールでの学習内容や資格の取得は、「計画的に学び、成果を出せる人材」であることを示す大きな材料です。取り組みのプロセスと成果をセットで伝えることで、未経験でも入社後に着実に成長できる姿を採用担当にアピールできるでしょう。
また、学習継続力をアピールする際は、ポイントを押さえた「見せ方」を意識することが重要です。
学習継続力のアピールポイント
- GitHubの継続コミット
- Note・Qiita・ブログ等で学びのアウトプット
- 自主制作アプリ・個人開発の改善履歴
- 学びながら改善する習慣を示す行動記録
GitHubの継続コミットや、Qiita・ブログでのアウトプット、個人開発の改善履歴など、「学びを積み重ねている証拠」を見せることが欠かせません。これらの取り組みは、未経験であっても「自ら成長し続けられる人材」であることを強くアピールでき、採用担当に安心感を与えるポイントにもつながるでしょう。
エンジニアの職務経歴書でよくあるNG例と改善ポイント
エンジニアの職務経歴書は、記載する内容だけでなく「どのように伝えるか」も評価を左右します。しかし、多くの応募者が同じようなNGパターンに陥りがちです。ここでは、採用担当が実際によく指摘するポイントと、その改善方法を分かりやすく紹介します。
職務内容の羅列になっている
職務経歴書で最も多いNG例として「担当した業務をただ時系列に並べているだけ」というパターンが挙げられます。作業内容の羅列だけでは、あなたがどの工程を担当し、どのように価値を発揮したのかが採用担当に伝わりません。
NG例にありがちな特徴
- 「〜の開発を担当」「〜の運用を実施」など、作業だけを書いている
- 成果・工夫・役割が書かれていない
- プロジェクト全体の説明に埋もれて自分の貢献が見えない
改善するには、以下のポイントを意識することが大切です。
改善ポイント
- 「担当した内容」ではなく、「どう取り組み、何を改善したか」を書く
- 「課題」「対応」「成果」の流れでまとめる
- 工夫した点や数字で示せる成果があればセットで記載する
例えば、次のようなイメージでまとめるのがおすすめです。
改善の具体例
- 改善前: ECサイトの運用保守を担当
- 改善後: ECサイトの不具合調査から改修を担当し、問い合わせ件数を30%削減
単なる業務の羅列を避け、「自分ならではの価値」が伝わる形にすることで、書類選考の通過率が大きく向上するでしょう。
技術キーワードを詰め込みすぎている
エンジニアの職務経歴書でよくあるNG例が、扱った技術キーワードを必要以上に羅列してしまうことです。
「触れたことがある技術を全部書く=アピールになる」と考えがちですが、実際には逆効果になるケースが少なくありません。
NG例にありがちな特徴
- 実務でほとんど使っていない技術まで記載している
- 関連の薄い技術を大量に並べ、どれが得意なのか判断できない
- 経験の浅い技術を多く書いてしまい、スキルの信頼性が下がる
- プロジェクトの内容よりも、キーワードが先に目立ってしまう
採用担当が技術キーワードの羅列を見たときにまず感じるのは、「この技術をどのレベルで扱えるのかが分からない」という不安です。実務で継続的に利用した経験なのか、学習中に一度触れただけなのかが判断できない場合、「単に触れた程度では?」と受け取られてしまいがちです。
改善ポイント
- 使えるレベルの技術に絞る(実務経験・個人開発で継続利用している技術など)
- キーワードだけでなく、どの場面でどう活用したのかをセットで書く
- 得意技術は「経験年数」「担当工程」「成果」を添えて具体化する
- 優先順位をつけて、自分の強みが一目で分かる構成にする
記載例 改善前 React・Vue・Next.js・TypeScript・Java・Spring・Go・AWSなど
改善後
- TypeScript + React を用いたフロントエンド開発を中心に担当。
- パフォーマンス改善やコンポーネント設計の最適化を行い、ページ表示速度を20%向上。
- バックエンドは Node.js(Express)で API 開発を経験。
技術キーワードは、数を並べることよりもどれだけ深く扱い、どのような場面で活用したかが重視されます。むやみに項目を増やすと強みがぼやけてしまうため、得意領域に絞って具体的な取り組みや成果とセットで記載することが大切です。そうすることで、採用担当があなたのスキルレベルや実務での再現性をイメージしやすくなるでしょう。
担当範囲が不明確で評価されにくい
エンジニアの職務経歴書では、「プロジェクト全体の説明はあるものの、自分がどこまで担当したのかが分からない」というケースがよく見られます。担当範囲が曖昧なままだと、採用担当はあなたのスキルの深さや役割を判断できず、「どの工程を任せられる人なのか」がイメージできません。
NG例にありがちな特徴
- チーム全体の実績をそのまま書き、自分の担当が不明
- どの工程を担当したのかが具体的に明記されていない
- プロジェクト規模の説明に比べて、自分の貢献が少ない
- 主体的に行った取り組みや工夫が見えない
採用担当が最も困るのは、「この人は結局、どこまでできるのか」が判断できないことです。担当業務と役割がぼやけていると、実力が正しく評価されません。
改善するためのポイントは、次のとおりです。
改善ポイント
- 自分が担当した工程を明確に書く
- 取り組んだ課題と、工夫した点・成果をセットで記載する
- 自分の与えられた役割を明示する
- チームの成果と自分の成果を分けて記載する
記載例 改善前
- ECサイトの新規開発を担当。設計から運用までをチームで実施。
改善後
- フロントエンド(React)を担当し、商品検索・商品一覧ページを設計・実装。
- サーバー負荷が高かった検索機能を改善し、レスポンス速度を30%短縮。
- バックエンド(Node.js)担当者と連携し、API仕様の調整・改善を主導。
このように、担当範囲を具体的に記載することで、役割やスキルが明確になり、採用担当があなたの強みを正しく評価できるようになります。
職務経歴書作成を効率化する方法
職務経歴書は、一度きちんと作り込めば汎用性の高い「土台」になりますが、ゼロから作成しようとすると時間も労力もかかります。効率よく質の高い書類を仕上げるには、テンプレートやフォーマットを活用することに加え、転職エージェントの添削サービスをうまく使うのがおすすめです。
ここからは、作成の手間を減らしながら選考で評価されやすい職務経歴書に仕上げるための工夫をご紹介します。
テンプレートやフォーマットの選び方
職務経歴書をスムーズに作成するためには、まず「どのようなテンプレート・フォーマットを使うか」を慎重に選ぶ必要があります。
テンプレートやフォーマットを選ぶ際のポイントは、次のとおりです。
テンプレートやフォーマットの選び方
- A4サイズ・1〜2枚以内が原則
- 見出し・段落・余白・フォントを統一して、視認性を高める
- 逆編年体(直近経験から)形式が、スピード重視・IT系にはおすすめ
- 読み手が「強み」をひと目で把握できるレイアウトを意識する
適切なフォーマットを選ぶことで、あなたの経験やスキルが整理され、読み手にとって理解しやすい職務経歴書に仕上がります。特にITエンジニアは情報量が多くなりがちなため、「どの形式なら自分の強みを最も伝えやすいか」を基準に選ぶことが大切です。
最初の段階でフォーマットを整えるだけで、その後の作成作業が大きく効率化し、完成度も自然と高まっていくでしょう。
転職エージェントの職務経歴書添削サービスを活用する
職務経歴書の質を大きく高めたい場合、転職エージェントが提供する「職務経歴書添削サービス」を活用するのもおすすめです。
プロのキャリアアドバイザーが、あなたの経験やスキル、強みを採用担当の視点で整理してくれるため、書類の通過率が大幅に向上しやすくなります。特にITエンジニアは自己流では伝わりにくいポイントが多いため、第三者の客観的なフィードバックを取り入れることが、選考を有利に進めるポイントとなるでしょう。
ITエンジニア転職を成功させるならテックゴー
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まとめ
エンジニアの職務経歴書では、これまでの経験をただ並べるのではなく、「どの業務をどこまで担当し、どの技術を使い、どんな成果につながったのか」を明確に示すことが求められます。プロジェクト単位で具体的にまとめることで、あなたのスキルレベルや強みが採用担当に伝わりやすくなり、選考通過率の向上につながるでしょう。
未経験や経験の浅いエンジニアの場合も同様、学習内容やポートフォリオ、日々の継続的なアウトプットを整理して記載することが重要です。実務経験が少なくても、学び続ける姿勢や技術への理解度を示すことで、将来性のある人材として評価されやすくなります。
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