SESから自社開発に転職は可能?必要なスキルと選考突破の準備を徹底解説
2026年05月28日更新
SESから自社開発への転職を考えているものの、「SESだと難しい」「SESから目指すのはやめとけ」といった声を見て、不安を感じている人も多いのではないでしょうか。しかし、SES経験者でも、自社開発企業への転職に成功しているエンジニアは数多く存在します。
重要なのは、SES経験の中でどのようなスキルや実績を積み上げてきたか、そして自社開発企業が求める視点を理解したうえで転職活動を進めることです。
本記事では、SESから自社開発への転職が難しいといわれる理由や、求められるスキル、転職成功のポイントまで詳しく解説します。

著者
飯尾 洸太
(Iio Kota)
大学を卒業後、IT企業の営業職として新卒入社。1~2年目で全ての半期において優績者表彰を獲得し、2年目には全社MVPを受賞。3年目に管理職へ昇進し、組織運営や数値管理を担当。就任時は全国最下位だった支店を立て直し、5年目には全国1位へと導く。その後、仕事を通じて輝ける人を1人でも増やしたいと考えキャリアアドバイザーに転身し、技術職ならではの志向やキャリアパスを踏まえた伴走支援を徹底することでITエンジニアの転職支援を得意としている。転職を通じて志願者の方々がより豊かな生活を送れるよう、誠実かつ丁寧なサポートが信条。
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監修者
串田 聡太
(Kushida Sota)
明治大学卒業後、富士通株式会社にて、自社製品に加えSAPやSalesforce導入、DX提案などを経験。その後、パーソルキャリア株式会社にて、ITエンジニアの転職支援を担当。業界トップクラスの実績を有する。
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目次
CONTENTS
SESから自社開発を目指す転職理由
SESから自社開発への転職を目指すエンジニアは多くいます。
ここでは、SESエンジニアが自社開発企業への転職を考える主な理由について解説します。
SESは単価連動型で昇給が難しいから
SESは、エンジニアごとの客先単価をもとに利益を出すビジネスモデルであり、給与も単価に連動して決まるケースが一般的です。そのため、昇給するには、より高単価な案件へ継続的に参画していく必要があります。
しかし、SES案件には「この業務内容ならこの程度」という市場相場が存在するため、一定の経験を積むと単価が頭打ちになりやすいです。また、技術力や経験があれば必ず高単価の案件に参画できるわけではなく、自社の営業力やタイミング、商流構造などエンジニア自身ではどうすることもできない要素も関係します。
一方、自社開発企業は、自社サービスの売上や事業成長によって利益を生み出すビジネスモデルです。そのため、サービス改善やユーザー獲得など、自分の成果が事業成長へつながれば、給与や賞与へ反映される余地があります。
自社開発企業の事業成長によって評価される環境に魅力を感じ、目指すエンジニアも多く見られます。
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SESは客先常駐が基本で帰属意識が持ちにくいから
SESの働き方は、数ヶ月から数年単位でクライアント企業へ常駐するため、帰属意識を持ちにくいです。自社の上司や同僚と顔を合わせる機会が少なく、業務指示や評価を客先社員から受けるため「自分はどこの会社の社員なのか」と感じることもあります。
また、現場が変わるたびに人間関係や開発ルールも変化するため、継続的なチーム形成が難しい点もSES特有の特徴です。
こうした環境から、腰を据えて同じチームで開発に携わりたいという思いで、自社開発企業を目指すエンジニアも多く見られます。
SESはクリエイティブ性が低いから
よりクリエイティブなプロジェクトに関わりたいと、自社開発を目指す人もいます。
SESの案件は、「仕様どおりに作る」「不具合がないか確認する」といった役割を担当することが多く、クリエイティブ性を感じにくいです。とくに商流が深い場合は、システムの改善提案をできる立場ではなく、担当範囲だけを淡々と進める作業になりやすい傾向があります。
一方、自社開発では、ユーザーの反応やサービス改善を意識しながら開発を進めるため、アイデア出しや改善提案が求められる場面も多いです。自分の提案が機能改善やユーザー満足度向上につながるなど、クリエイティブなモノづくりができる点に魅力を感じ、自社開発を目指すエンジニアも見られます。
SESは希望する技術や上流工程に携わりにくいから
SESでは、自分が希望する技術や開発工程に携われず、将来のキャリア形成に不安を感じるケースもあります。
SESには、自社の営業力やその時々の案件状況によって配属先が決まる「案件ガチャ」が存在します。そのため、以下のように思いどおりの案件に関われないことも多いのが実情です。
- モダンな技術を学びたいが、レガシー環境の案件に配属された
- 上流工程に挑戦したいが、テストや保守運用の案件ばかりが続く
また、契約は企業間で結ばれるため、案件の途中で自分の意思だけで担当領域を変更することは困難です。結果として、理想のキャリアプランとのギャップに悩むエンジニアが多く見られます。
一方、自社開発企業では、自社サービスの改善や継続運用を前提としているため、企画から開発、運用まで横断的に経験を積める環境が豊富です。自分が主導権を握り、使いたい技術や上流工程へ能動的にアプローチするために自社開発を目指す人もいます。
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SESはシステム納品後の運用改善に関われないから
自分が作ったシステムやサービスを継続的に育てたいと考え、自社開発を目指すエンジニアもいます。
システムやアプリは、リリース後のユーザーの反応をもとに改善を繰り返すことで成長していくものです。しかし、SESは開発の特定フェーズのみを契約で請け負うケースが多く、納品後は別案件へ移ることが一般的です。
そのため、リリース後にユーザーからどのような評価を得られたのか、知る機会は多くありません。また、運用改善や機能追加などに継続的に関わりにくいため、自分の開発がサービス成長へどう貢献したのかを実感しづらい点にものたりなさを感じる人もいます。
一方、自社開発では、リリース後にユーザーの反応や数値データを見ながら改善を繰り返していくため、サービスを育てている実感を得やすいです。こうした手触り感のある開発に魅力を感じ、自社開発への転職を目指すエンジニアも多く見られます。
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SESから自社開発へ転職は可能?現実的な転職難易度
SESから自社開発への転職は、決して不可能ではありません。
ここでは、SESから自社開発へ転職する現実的な難易度や、転職成功に必要な考え方について解説します。
実務経験があれば転職は可能
SESでの実務経験があれば、自社開発企業への転職は可能です。未経験者と比べて即戦力・ポテンシャル採用の対象になりやすく、選択肢も広がります。
ただし、自社開発では仕様書どおりの実装力だけでなく、自ら課題を見つけて解決する自走力が重視されます。そのため、SESでの実績を主体的に取り組んだ経験としてアピールできるかが重要です。
また、個人開発などでの設計・運用経験があると、より適性を示せます。ポートフォリオを提出する場合は、単なる学習成果にとどめず、サービスの意図や設計理由まで説明できることが求められます。
転職難易度は年齢と経験フェーズで変わる
SESから自社開発への転職難易度は、年齢やこれまで担当してきた業務領域によって大きく変わります。20代と30代では、企業側が見ている評価ポイントに以下のような違いがあります。

20代であれば、経験が浅くても学習意欲や将来性の高さなど、ポテンシャルをアピールできれば、採用される可能性があります。
一方、30代以降になると、単なる製造経験だけではなく、担当フェーズやプロジェクト上での役割が重要です。単なる経験年数だけでは評価されにくく、製造に関する深い知識や、設計や顧客折衝といった上流工程の経験が求められます。
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SESから自社開発に成功する人の共通点3パターン
SESから自社開発への転職に成功する人には、共通する特徴があります。具体的には、以下のような人ほど、転職できる可能性が高いです。
- 現場の業務範囲を主体的に広げていた人
- 業務外でも個人開発や技術学習を継続していた人
- 「なぜ自社開発へ行きたいのか」を具体的に語れる人
SESから自社開発へ転職できる人は、与えられた業務をこなすだけでなく、自ら経験を積みに行く姿勢を持っているのが特徴です。
現場で主体的に役割を広げた経験や、業務外での継続的な技術キャッチアップは、自社開発で重視される自走力の証明に役立ちます。また、志望理由においてもSESの不満ではなく、自社開発で何をしたいかを語れる人ほど、主体性を評価されます。
SESから自社開発は「難しい」「やめとけ」といわれる理由
SESから自社開発への転職は可能ですが、「難しい」「やめとけ」といわれることもあります。
ここでは、SESから自社開発への転職が難しいとされる主な理由を解説します。
企画から運用まで一貫した開発経験が懸念されるから
SESから自社開発への転職が難しいとされる理由のひとつに、開発全体を通した経験不足を懸念されやすい点があります。自社開発では、企画やニーズ調査からリリース後の運用改善まで、あらゆるフェーズを横断する働き方が一般的です。
一方、SESは開発の一部工程のみを請け負うケースが多く、特定のフェーズに限定した経験しか積めないことがあります。そのため自社開発企業からは、開発工程全体への理解という点を厳しく見られます。
また、関わるフェーズが広がれば、フェーズごとに異なる技術への理解が必要です。
- UI/UX設計:Figma
- 開発:プログラミング言語、フレームワーク、GitHub
- 運用:AWS、Docker、監視ツールなど
こうした背景から、採用面接では経験した工程の範囲や、フェーズごとに利用されるツールや技術に対する理解度が強く重視されます。
ビジネス視点が足りないと判断されやすいから
SESエンジニアは、採用面接において「ビジネス視点が不足している」と判断されるケースがあります。
SESの多くは「決められた作業を正確に遂行すること」が重視されるため、サービスそのものの売上やユーザー満足度を直接意識する場面は多くありません。開発の一部工程のみを担当することも多く、サービス向上の方法を考えるなど、ビジネス的な視点を持ちにくい環境です。
一方、自社開発企業では、サービスの成長や利用者数がダイレクトに会社の利益へと直結します。そのためエンジニアであっても、ユーザー離脱を減らすための改善などビジネス視点を持つことが必要です。
こうした環境の違いがあるため、採用側からは「技術力はあっても、ビジネスの成長まで考えて動けないのではないか」という懸念を抱かれます。
他部署等との折衝経験がないと見られやすいから
SESエンジニアは、社内外における調整や折衝の経験が少ないと判断されやすい傾向があります。
SESでは仕様書に沿った正確な実装や運用が中心となるため、顧客や他部署との要件調整に直接関わらないケースが多いです。そのため、どうしても作業者という立場にとどまりやすく、矢面に立つ経験が不足しているとみなされることがあります。
一方、自社開発ではエンジニアだけで業務が完結することはまずありません。デザイナー、マーケター、営業など、多様な職種と密に連携しながらサービスを形にしていきます。そこでは技術的な実装方法だけでなく、「ビジネス側の要望をどう着地点へ導くか」「非エンジニアへ技術的な話をどう分かりやすく伝えるか」といった折衝力が不可欠です。
エンジニア以外との円滑な合意形成の経験不足が、転職時の高い壁になる場合があります。
自走力がなくついていけないと判断されやすいから
自社開発企業では、自走力が強く求められるため、SES経験者は環境への適応面を不安視されることがあります。ユーザーが満足するサービスを育てるためには、機能の必要性や改善案などをエンジニア自身が考え、能動的に動かなければなりません。
また、多様なフェーズをまたぐ自社開発では、未経験の技術や領域に直面する場面も多くあります。最初からすべてを完璧に理解している人はいないからこそ、わからないことを自ら調べ、キャッチアップしていく力が重要です。
一方、SESでは仕様書に沿った正確な開発や運用が中心となりやすく、サービス改善まで主体的にコミットする機会は限られます。こうした環境の違いから、「指示がないと動けないのではないか」「仕様が曖昧な状況では自発的に行動できないのでは」と懸念されます。
【テックゴー編集部の見解】 SESから自社開発に転職して「ついていけない」と後悔する人をテックゴー編集部が分析した結果、「完璧な仕様書がないと手が止まってしまう」という特徴があることがわかりました。自社開発の現場は仕様が流動的で、ドキュメントが未整備な中でも自ら情報を拾い集め、形にする力が不可欠です。
実際、エージェントの視点でも、面接官は「技術的な不明点に直面した際、自力でどこまで調べ、どう解決したか」のプロセスを厳しくチェックしています。選考では、業務外での個人開発や、未経験の技術を独学でキャッチアップした具体的なエピソードを提示し、能動的な学習姿勢を証明することが内定への近道です。
SESから自社開発への転職に求められるスキルと実務経験
SESから自社開発へ転職するためには、単なる製造経験だけでは不十分です。
ここでは、自社開発企業で評価されやすいスキルや実務経験について解説します。
運用までを見据えた開発思想や手法の知識
自社開発では、運用や保守までを見据えた開発思想が求められます。
自社開発のサービスは「作って終わり」ではなく、長期間にわたり改善を繰り返しながら育てていくのが一般的です。そのため、目先の機能を満たすだけではなく、将来的な仕様変更のしやすさを考慮した設計が重要です。
たとえば、可読性の高いコードを書く意識や、変更に強いオブジェクト指向設計は、多くの自社開発企業で重視されます。また、品質を担保しながらスピード感を持って開発を進めるために、テスト駆動開発や、アジャイル開発といったモダンな手法への理解も評価対象のひとつです。
これらを実務で深く経験していなくても、「なぜその手法や設計が必要なのか」の本質を理解し、自主的に学んでいる姿勢を示せれば、高い適性をアピールできます。
プログラミングスキルとフレームワークの知識
自社開発への転職を果たすためには、応募先企業が採用している言語やフレームワークへの理解と実装力が不可欠です。自社開発企業は即戦力の人材を求める傾向が強いため、土台となる基礎的な開発力は欠かせません。
なお、求められる水準は年齢によって異なります。20代であれば、公式ドキュメントを読み解きながらエラーを自己解決し、自力で実装を進められる基礎力を持つことが目安です。
一方、30代以降になると、単に仕様書どおりにコードが書けるだけでは不十分です。設計やコードレビューの経験、技術選定への関与、さらには顧客折衝など、より深みのある実務能力や周辺知識が求められます。
そのため、自分がどのフェーズまで実務で主導してきたのかを棚卸しし、具体的なエピソードとともに説明できるようにしておくことが重要です。
バージョン管理やコミュニケーションツールの知識
自社開発では、円滑なチーム開発を前提としたツールの知識や運用経験も重視されます。自社開発企業で主に使用されるツールと、求められるスキルの目安は以下のとおりです。
とくにGitやGitHubを用いたバージョン管理の実務経験はほぼ必須です。単にコードをコミットできるだけでなく、Pull Requestを通じたコードレビューの経験まで求められるケースもあります。
さらに、リモートワークや非同期コミュニケーションを取り入れる企業が多い自社開発では、SlackやNotionなどを活用したテキストでの情報共有能力も重要です。非対面でも円滑に意思疎通ができるコミュニケーションスキルは、自社開発の現場において高く評価されます。
ユーザー視点に立ったサービス設計の知識
自社開発ではユーザー視点でサービスを考える力が求められます。
単に機能を実装するのではなく、ユーザーにとっての使いやすさを常に意識しながら開発を進めることが重要です。そのため、UI/UXの考え方や、ユーザーの行動心理を意識した設計知識があると評価されます。
また、自社開発では機能要件を決める上流段階からエンジニアが関わるケースも多いです。そこでは、提示された仕様をそのまま受け入れるのではなく、ビジネスサイドやデザイナーとプロダクトの価値について対等に議論できるレベルの理解力が求められます。
技術的な実装力にとどまらず、サービスをユーザー目線で育てる視点を持っていることは、自社開発企業への転職において欠かせないスキルです。
自分から課題解決を図った経験
SESの現場であっても、与えられた役割だけに固執せず、自ら経験を積みに行った実績は強力なアピール材料になりえます。たとえば、以下のような能動的なアクションは、自走力や学習意欲の何よりの証明です。
- バックエンド担当だったが、プロパー社員へ直談判してフロントエンド実装にも関わった
- AWSの知見を深めるためにインフラ構築タスクへ立候補した
そもそもSESは、契約によって担当範囲が限定されやすい働き方です。しかし、その制約の中でも自発的に考えて行動してきた人は、自社開発に移っても自ら課題を見つけて活躍できる人材として信頼を得られます。
主体的に業務領域を広げた経験
自社開発への転職では、自ら現場の課題を見つけて改善へと導いた経験も重要な評価ポイントです。たとえば、以下のような実績は、面接でも高く評価されます。
- 手作業でおこなっていたテストを自動化するスクリプトを作成した
- 属人化していた業務を改善するためにナレッジ共有ルールを整備した
自社開発では、より良いサービスへ改善し続ける姿勢が日常的に求められるため、こうした課題発見力や改善提案力は欠かせません。また、これらの行動は単なる技術力の証明にとどまらず、チーム全体の生産性や利益を意識して動ける人材としてビジネス視点のアピールにも役立ちます。
【テックゴー編集部の見解】 一般公開されている情報や個人の体験談だけでは、「とにかくプログラミングスキルさえ磨けば自社開発に行ける」と思い込んでしまうかもしれません。しかし、テックゴー編集部が多くのエンジニアの転職を支援してきた中で重視するポイントは、単なる技術習得の有無ではなく、「制約のある環境下で、いかに主体的に自分の役割を広げてきたか」という姿勢です。
自社開発企業の採用担当者は、SESとしての契約上の制限がある中でも、プロパー社員に粘り強く掛け合って開発範囲を広げたり、自社の営業担当に相談して上流工程や運用フェーズに関わらせてもらったりといった「泥臭い交渉と行動」を非常に高く評価します。受動的な「実務3年」よりも、自ら動いて勝ち取った「濃い3年」の方が、自社開発で不可欠な自走力の証明になるからです。今の現場でできる最大限の工夫を言語化し、自分の「市場価値の広げ方」を面接で語れるように準備しましょう。
SESから自社開発に転職するためのポイント
SESから自社開発への転職を成功させるためには、事前準備やアピール方法が重要です。
ここでは、自社開発企業への転職成功率を高める具体的なポイントについて解説します。
転職市場における自分の価値を確認する
SESから自社開発への転職を目指す際は、まず現在の自分の市場価値を客観的に把握することが重要です。
今のスキルセットや実務経験が転職市場でどう評価されるかを知ることで、目指すべき企業のレベル感や、不足しているスキルが明確になります。また、「今すぐ転職活動をはじめるべきか」「今の現場でもう少し経験を積むべきか」といった今後の動き方の判断材料にもなるでしょう。
客観的な強みや改善点を整理するには、転職エージェントとの面談や市場価値診断ツールの活用が有効です。ただし、一部の市場価値診断ツールは、経験の浅い状態でも実態とかけ離れた高年収を提示するなど、必ずしも正確な結果を返すとは限りません。
そのため、現実的な立ち位置やリアルな採用需要を把握するには、IT業界の転職事情に詳しいエージェントへ直接相談し、フィードバックを得るのが最も確実です。
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応募企業の「製品・サービス理解」を徹底的に深める
自社開発企業へ転職する際は、応募先が手がける製品やサービスへの理解を徹底的に深めることが重要です。
自社開発企業の面接では、「なぜ数ある企業の中で当社なのか」「なぜこのプロダクトに関わりたいのか」という熱意や志望動機が厳しく見られます。そのため、応募前には実際にサービスを使い込み、主要な機能やUI、ターゲット層などを肌感覚で理解しておくことが欠かせません。
また、「自分ならここをこう改善したい」「この機能を追加すればさらに価値が高まる」といった、エンジニア目線での具体的な仮説まで用意しておくと評価はより高まります。
プロダクトに強い当事者意識を持てるエンジニアであることを証明するためにも、サービスへの理解を深めておきましょう。
評価される「ポートフォリオ」を作りこむ
自社開発への転職において、ポートフォリオの作成は極めて有効なアピール材料です。
最も重視されるのは、「誰の、どのような課題を解決するためのサービスなのか」という企画背景までロジカルに説明できるかという点です。たとえば、「特定の業務効率化を目的としたタスク管理アプリ」や「個人事業主向けの請求管理ツール」など、ターゲットと課題設定が明確なプロダクトは、ビジネス視点を評価されます。
また、自社開発ではサービス運用も重視されるため、インフラにAWSを採用するなど、実務を意識したアーキテクチャを取り入れることも重要です。GitHubでソースコードを公開する際も、READMEを丁寧に作り込み、開発環境の構築手順まで整理しておくことで、自走力の高さを証明できます。
さらに、単体・結合テストまで網羅し、想定した運用リスクと対策まで語れるレベルに仕上げられると、即戦力人材としてより高い評価を得られます。
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志望理由は自社開発でなければならない強烈な理由を語る
自社開発企業の選考を勝ち抜くためには、「なぜ自社開発でなければならないのか」を明確に語ることが重要です。
単に「SESの客先常駐が嫌だから」といった現状への不満を動機にすると、採用側の評価は一気に下がってしまいます。自社開発企業が求めているのは、技術力以前に、自社サービスに対してどれだけ強い当事者意識を持てるかだからです。
そのため志望理由は、以下のように前職の経験を活かした前向きなストーリーへ落とし込む必要があります。
- SESで多様な業界のシステムに触れる中で、ひとつのプロダクトを継続的に改善していく重要性を痛感した
- ユーザーの反応をダイレクトに捉えながら、サービスを育てる側に回りたいと思った
さらに、応募企業のビジョンやプロダクトが掲げる世界観に共感し、自分の培ってきたスキルがそこにどう貢献できるかまで結びつけて語れると、説得力はより高まります。
履歴書と職務経歴書は技術要件を満たせているかをアピール
書類選考は転職活動の第一関門であり、自社開発企業では「自社の開発環境で即戦力として動けるか」を厳しくチェックされます。
また、履歴書と職務経歴書では役割が異なるため、それぞれで何をアピールすべきかを整理して作成することが重要です。
履歴書の書き方ポイント
履歴書では、「なぜ自社開発を志すのか」「なぜその企業でなければならないのか」という熱意を明確に伝えることが重要です。
志望動機や自己PR欄には、単に「こういう開発がしたい」という希望を並べるだけでなく、自分のスキルを活かしてどうプロダクトを成長できるかまで記載しましょう。
【志望動機の記載例】 「SESとして多様な現場を経験する中で、システムを『作って納品して終わり』ではなく、ユーザーの反応を見ながら継続的にサービスを改善していく重要性を痛感し、自社開発への転身を志しました。貴社のプロダクトは〇〇という課題を抱えるユーザーから熱い支持を得ていますが、エンドユーザーの声をダイレクトに反映できる貴社の環境でこそ、私が培ったバックエンドの設計スキルを活かし、より強固で拡張性の高いシステムへと成長させる貢献ができると考え、志望いたしました。」
【自己PRの記載例】 「私の強みは、開発の枠にとどまらず現場の課題を自発的に解決する『自走力』です。前職の常駐先では、テスト工程が手動でおこなわれ属人化している点に課題を感じ、自ら立候補して自動化スクリプトを作成しました。結果として、チーム全体のテスト工数を30%削減し、リリースの迅速化に貢献しました。貴社においても、いわれたとおりに実装するだけでなく、運用の効率化やプロダクトの価値向上につながる課題を自ら見つけ、能動的に行動していきます。」
応募先のサービスに対する深い共感や、エンジニア目線での提案・視点を盛り込める内容に仕上げると、書類選考での評価を大きく高められます。
職務経歴書の書き方ポイント
職務経歴書では、これまでの実務経験や技術スキルを具体的に棚卸しし、自社開発の現場でも即戦力として活躍できることを証明する必要があります。単に使用言語やフレームワークを列挙するだけでなく、以下のようにどのフェーズをどのレベルで担当できるかまで詳細に落とし込みましょう。
- 基本設計からテストまでを担当
- GitHubを用いたコードレビュー経験あり
また、実績をアピールする際は、「APIのレスポンス速度を〇〇%改善した」など、具体的な数値を用いると説得力が高まります。なお、SESエンジニアの職務経歴書の具体的な書き方は、以下を参考にしてください。
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逆質問で熱意と自走力をアピールする
面接の終盤に設けられる逆質問は、熱意や自走力を直接アピールできる機会です。以下のように、自発的に働く姿勢や開発環境への強い関心を示せると、評価を高められます。
- 現在の開発チームが直面している一番の技術的課題は何ですか
- 御社のモダンな開発体制に最短で貢献するために、入社までにキャッチアップしておくべき領域はありますか
一方で、年収や残業時間、リモートワークの頻度といった「条件面・働き方」の確認も、ミスマッチを防ぐためには欠かせません。
ただし、面接の場でこれらをストレートに聞きすぎてしまうと、面接官の印象を損ねてしまうリスクがあります。そのため、デリケートな条件面の確認や交渉は転職エージェントを介しておこなうのが鉄則です。
▼SES面談での逆質問については、以下の記事で詳しくまとめています。

SES面談で「逆質問なし」は落ちる?好印象を与える例文10選とNG集を解説
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SESからの転職ロードマップ|おすすめのキャリアと選考突破の実践ノウハウ
SESからの転職を実現するために選ぶべき企業の特徴
SESから自社開発への転職を成功させるためには、企業選びも非常に重要です。
ここでは、SES経験者が転職先として選ぶべき企業の特徴について解説します。
自社開発割合が高い
転職先を選ぶ際は、自社開発に携われる企業であるかを見極めることが重要です。表向きは「自社開発企業」と謳っていても、実際のビジネスモデルは受託開発やSES事業の売上比率が大半を占めているケースもあります。
とくに「最初はSESで現場経験を積み、成果次第で自社開発へ異動」といったステップを提示する企業には注意が必要です。この場合、実際には慢性的な人手不足などから、長期間にわたって社外のSES案件に出向させられるリスクがあります。
面接の場では、現在の正確な開発体制や社内のエンジニア比率、配属方針などを質問し、自分が本当に自社開発に関われるかを冷静に見極めましょう。
スキル要件が極端に低くない
転職先を選ぶ際は、スキル要件が極端に低すぎないかも確認することが重要です。
「未経験歓迎」「簡単な作業からスタート」といった求人は、一見入りやすく見えます。しかし、実際にはテスト業務やカスタマーサポートが中心で、開発経験を積みにくいケースもあります。
とくに、技術要件がほぼ設定されていない企業は、実際は開発エンジニアの採用ではなく、人員確保を優先している可能性が高いです。
一方で、一定レベルの技術要件が設定されている企業は、実際に開発へ携わるエンジニアを求めていることがうかがえ、若手でも開発案件へ参加しやすい傾向があります。面接の際は、採用後に関わる具体的な案件や技術スタックを確認しておきましょう。
担当フェーズが明確に示されている
転職先を選ぶ際は、入社後にどの開発フェーズを担当できるのかが明確な企業を選ぶことが重要です。
求人票に「上流工程に携われる」と記載されていても、実際には経験不足を理由に、長期間テストや運用保守のみを担当するケースもあります。そのため、面接では以下の点まで具体的に確認しておきましょう。
- 入社直後に担当する工程
- 設計や要件定義へステップアップする条件
- キャリアアップまでのおおよその期間
- 評価制度と昇格基準
とくに自社開発企業では、評価制度と担当フェーズが連動している場合も多くあります。「どのような実績を積めば次の工程へ進めるのか」を逆質問し、将来的なキャリアパスを具体的にイメージできる環境かを見極めることが大切です。
コードレビューなど育てる文化がある
成長を重視するなら、コードレビューなど技術的なフィードバック文化がある企業を選ぶことが重要です。
とくに20代の若手エンジニアにとって、成長スピードは「受けるフィードバックの質」で決まります。自社開発はスクールではないため自走が必要ですが、レビュー文化があれば「なぜこの設計なのか」「保守性をどう高めるか」という実践的な知見を日常的に吸収できます。
一方、レビュー文化がない現場では、「動けば問題ない」という場当たり的な開発になりやすく、成長がしにくい環境の可能性が高いです。面接を通じてレビュー体制やフィードバック文化を確認しておくことが重要です。
まとめ
SESから自社開発への転職は、決して不可能ではありません。
重要なのは、SESで培った経験を整理したうえで、自社開発企業が求める人物像を理解して転職活動を進めることです。とくに自社開発企業では、開発スキルだけでなく、自走力やチーム開発への適応力、サービス視点なども重視される傾向があります。
そのため、ポートフォリオの作り込みや、企業・サービスへの理解を踏まえた志望理由、主体的に行動した経験を具体的にアピールすることが重要です。
また、「自社開発」を掲げていても、実際はSESや受託開発が中心の企業も存在します。入社後に担当できる工程や、レビュー体制、成長できる環境が整っているかまで確認し、自分に合った企業を見極めることが大切です。
SESから自社開発への転職では、単に環境を変えることだけを目的にするのではなく、「どのようなエンジニアを目指したいのか」を明確にしたうえで転職先を選びましょう。
