有名SIer12社の年収を紹介!未経験から年収アップを狙うコツも解説
2026年03月26日更新
SIerへの転職を考えるとき、「実際のところ年収はいくらなのか」という疑問は誰もが持つはずです。求人票には「年収400万〜800万円」のような幅広い記載が多く、自分がどのあたりに着地するのかイメージしにくいのが実情でしょう。
本記事では、有名SIer12社の平均年収を種類別に紹介したうえで、未経験からSIerに転職した場合の初年度年収の相場や、年収を上げるための具体的な戦略まで解説します。転職先選びの判断材料として役立ててください。

著者
笠原 英樹
(Kasahara Hideki)
法政大学を卒業後、開発企業での技術職経験を経て、サイバーエージェントの子会社へ転職。技術領域に深くコミットしてきた経験を武器に、入社半年でプロジェクトリーダーを兼任する。「圧倒的なコミットメント力」、そして培ったリーダーとしての専門性をもって一貫して高い成果と信頼性を証明してきました。 この確かな技術的バックグラウンド、そして「誰かを支え、その人の強みを最大限に引き出すリーダー」としての経験を活かし、求職者の方々が心から納得できる「次の挑戦」をサポートしたい、という思いで転職エージェントMyVisionに入社しました。
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監修者
江原 万理
(Ehara Mari)
大学を卒業後、事業会社を楽天グループにてマーケティングコンサルタントとしてMVPを受賞。ITエンジニアやCRM領域からIT系コンサルファームへの転職支援に強みを持つ。特に面接対策を強みとしており、量・質ともに業界トップクラスの転職成功率を有する。
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目次
CONTENTS
【種類別】有名SIerの平均年収を紹介
SIerとひと言で言っても、大手・ユーザー系・メーカー系・独立系と種類によって年収水準は異なります。
ここでは有名12社の年収を種類別に紹介します。
大手SIer 3社の年収
大手SIerは業界の中でも高い年収水準を誇り、コンサルティング機能を持つ企業ほど平均年収が上振れしやすい傾向があります。
以下の3社は、いずれも業界内でとくに知名度と年収水準が高い企業です。
野村総合研究所(NRI)
野村総合研究所(NRI)は、国内最大手のシンクタンク兼ITサービス企業で、コンサルティングとシステム開発の両方を手がける点が特徴です。有価証券報告書によると、平均年収は約1,242万円と、SIer業界の中でも突出した水準です。
コンサルタント職の比率が高く、上流工程から携われる機会が多いことが高年収の背景にあります。未経験から入社する場合は子会社や関連会社を経由するルートも存在しますが、本体採用を狙うなら相応のポテンシャルが求められます。
日本アイ・ビー・エム(IBM)
日本IBMは、外資系ながら日本市場に深く根ざした大手SIerで、金融・官公庁・製造業向けの大規模システム開発に強みを持ちます。平均年収は約880〜900万円前後とされており、外資系特有の成果主義評価が年収を押し上げる要因のひとつです。
コンサルティング部門やクラウド関連のポジションでは、さらに高い水準を狙えます。英語力や専門スキルが評価されやすい環境であるため、市場価値を高めながらキャリアを積みたい人に向いています。
NTTデータ
NTTデータは、公共・金融・法人分野を中心に国内最大規模のSIビジネスを展開し、グローバルでも50カ国以上に拠点を持ちます。平均年収は約905万円で、大手SIerの中でも上位に位置します。
上流工程からプロジェクト管理まで幅広く担う機会があり、大規模システムの開発経験を積みたいエンジニアにとって魅力的な環境です。NTTグループの安定した経営基盤を背景に、福利厚生や研修制度も充実しており、長期的なキャリア形成を考える人にとって有力な選択肢といえます。
ユーザー系SIerの年収
ユーザー系SIerは、金融・商社・通信など特定業界の情報システム部門が独立した企業です。
親会社の事業基盤が安定しているため、年収水準も総じて高めに維持されやすい傾向があります。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、伊藤忠商事グループのITサービス企業です。ネットワーク・セキュリティ・クラウドなど幅広い領域に強みを持ち、平均年収は約830万円前後とされています。
親会社である伊藤忠商事のグループ企業ということもあり、商社系特有の安定した事業基盤を背景に待遇が整っています。高付加価値のインフラ案件やセキュリティ案件を多数手がけることが、相対的に高い年収水準の維持につながっています。
電通総研
電通総研は、電通グループのITコンサルティング・システム開発企業で、広告・マーケティング領域と親和性の高いDX支援に定評があります。平均年収は約890万円前後と業界内でも高い水準です。
上流のコンサルティングからシステム構築まで一貫して担う案件が多く、クライアントとの距離が近い環境でビジネス理解とシステム設計の両方を磨くことができます。若手からプロジェクトに主体的に関われる機会が多い点も、成長志向の人材に評価される要因のひとつです。
三菱総合研究所
三菱総合研究所は、三菱グループのシンクタンクとしての側面を持ちながら、ITソリューション事業も展開する企業です。官公庁・インフラ・社会政策系のプロジェクトを多く手がけ、政策立案から実装まで携われる点が特徴といえます。
平均年収は約900万円前後とされており、リサーチ・コンサルティング機能を持つ分、純粋なSIerよりも年収水準が高めに出やすい傾向があります。政策やデータ分析に関心がある人にとっては、特有の専門性を身につけられる環境です。
メーカー系SIerの年収
メーカー系SIerは、ハードウェアメーカーがシステム開発部門を分社化した企業が多く、製造業を中心とした幅広い業種のシステム開発・運用に実績を持ちます。
日立製作所
日立製作所はメーカー系SIerの中でも最大規模の企業で、社会インフラ・エネルギー・製造・金融など多岐にわたる分野でシステム開発から運用まで一貫して担います。平均年収は約830〜850万円前後です。
近年はデジタルエンジニアリング事業に注力しており、グローバルプロジェクトへの参画機会も増えています。ハードウェアとソフトウェアの両方を理解するエンジニアが活躍しやすい環境で、製造業のDX支援に関心がある人にはとくに向いているといえます。
富士通
富士通は、国内有数の総合ITサービス企業であり、公共・金融・流通・製造など幅広い業界のシステム開発・クラウド移行・DX支援を手がけます。平均年収は約840〜860万円前後とされています。
近年は「フジトラ(富士通トランスフォーメーション)」と呼ばれる社内改革を推進しており、旧来の大手SIer的な文化からアジャイル・クラウドネイティブな開発スタイルへの移行が進んでいます。変化の中でキャリアを築きたいエンジニアにとって、選択肢のひとつとして検討に値する企業です。
NEC
NECは、通信・社会インフラ・セキュリティを中核とした大手SIerで、官公庁・自治体・交通インフラ系のプロジェクト実績が豊富です。平均年収は約780〜800万円前後とされています。
顔認証技術やAIを活用したスマートシティ関連ソリューションでも国際的な評価を受けており、社会課題の解決に技術で貢献したいエンジニアに向く環境といえます。
独立系SIerの年収
独立系SIerは特定の親会社を持たず、複数業界の案件を横断的に受注するのが特徴です。
顧客との距離感や担当工程によって年収水準に差が出やすいため、企業選びの際は商流の位置をよく確認することが重要です。
オービック
オービックは、自社パッケージ「OBIC7」を中心に中堅・大手企業向けのERPシステムを展開する独立系SIerです。自社製品を軸にビジネスを展開しているため、顧客との距離が近く利益率が高い構造を持ちます。
平均年収は約810万円前後で、独立系の中ではトップクラスの水準です。
TIS
TISは、金融・流通・製造など幅広い業種を対象に、システム開発から運用・BPOまで一貫してサービスを提供する独立系SIerです。
TISインテックグループの中核企業として規模も大きく、平均年収は約660〜680万円前後とされています。未経験者向けの研修制度が充実している企業のひとつで、入社後のキャリア形成をサポートする体制が整っています。
SCSK
SCSKは、住友商事グループの独立系SIerで、金融・製造・流通・公共の各分野でシステム開発・運用・BPOを手がけます。平均年収は約720〜730万円前後です。
業界内で「働き方改革の先進企業」として知られており、残業削減や有給取得率の高さで評価されています。年収と働き方のバランスを重視する人にとって、比較検討する価値のある企業といえるでしょう。
IT未経験者がSIer転職で手にする「初年度年収」の相場
未経験でSIerに転職した場合、初年度の年収はどの程度になるのでしょうか。種類や規模によって差はありますが、全体の傾向を押さえておくことが重要です。
ここでは実際の相場感と、初年度年収に影響する要因を解説します。
SIerの仕事内容などが知りたい人は、以下の記事からご確認ください。

SIerとは?仕事内容・年収・将来性を徹底解説|Web系との違いやキャリアパスまで
異業種から転職した場合の平均的なスタート額(300万〜450万円)
IT未経験で異業種からSIerに転職した場合、初年度の年収はおおむね300万〜450万円の範囲に収まるケースが大半です。
企業規模や種類によって差はあり、大手・ユーザー系SIerでは400万円台からスタートできる場合も珍しくありませんが、独立系の中小SIerや下請け企業では300万円前後になるケースもあります。
未経験入社は即戦力としての期待値が低い分、初年度年収は抑えめに設定されることが多いのが実情です。
ただし、SIerは年次を重ねると昇給しやすい業種でもあります。3〜5年後の年収水準を見据えたうえで、初年度の条件だけで判断しないことが重要です。
なぜ未経験でも「前職の給与」が考慮される場合があるのか
SIerへの転職では、前職の給与を参考に初年度年収が決まる「前職考慮型」の採用方針を取る企業が一定数あります。これは、前職での年収水準が本人の市場価値や業界での評価を反映しているとみなされるためです。
たとえば、金融機関や大手商社出身の転職者は、前職の年収が比較的高いケースが多く、未経験でも400万円以上からスタートできることがあります。
ただし、すべての企業がこの方針を取るわけではなく、職種別の固定賃金テーブルを採用している企業では前職の給与が反映されにくい場合もあります。転職エージェントを通じて、企業の給与決定方式を事前に確認しておくとよいでしょう。
2026年の新基準:AIツール活用能力が初任給を左右する
2026年現在、一部のSIerでは採用時の評価基準にAIツールの活用能力が加わりつつあります。GitHub CopilotやChatGPTなどの生成AIツールを業務に活用した経験や、プロンプト設計の基礎知識を持っている場合、未経験であっても評価が上乗せされるケースが出てきました。
背景にあるのは、AIツールの活用によって開発・ドキュメント作成の生産性が変わるという企業側の認識の変化です。
従来の「プログラミング経験の有無」という軸だけでなく、「AIをどう使いこなすか」という視点が、未経験者の初任給や採用可否に影響を与えはじめています。転職前にAI活用スキルを意識的に身につけておくことが、今後の差別化につながります。
SIerに入れば年収はどこまで上がる?
入社後の年収がどのように推移するかは、転職先を選ぶうえで欠かせない視点です。同じSIerでも、担当工程や役職の変化によって昇給のペースは変わります。
ここでは、年収の伸び方を左右する要因を具体的に整理します。
20代・未経験入社からの「昇給カーブ」の実態
未経験でSIerに入社した20代の昇給カーブは、おおむね以下のような推移をたどります。
入社1〜2年目は研修や現場習得期間が中心となり、300万〜400万円前後で推移するケースが多いです。3〜5年目にかけて実務経験が積み上がると、開発工程の担当範囲が広がり450万〜550万円程度まで上昇するのが一般的な目安です。
この時期に要件定義や基本設計などの上流工程に関われるかどうかが、その後の昇給スピードを左右する分岐点です。上流工程に食い込めたエンジニアは、5年目以降に600万円台へ到達するルートが見えてきます。
役職による年収の壁:SEからPM(プロジェクトマネージャー)への転換点
SIerのキャリアにおいて、年収が一段階跳ね上がるのはSEからPMへの転換点です。SEとして技術を積み上げた後、チームリードやプロジェクト全体の管理を担うPMポジションに就くと、年収は700万〜900万円台に入ることが多いです。
PMに求められるのは技術力だけでなく、スケジュール管理・予算管理・クライアントとの折衝力です。この役割を担えるかどうかが「年収の壁」となるため、早い段階からプロジェクトの調整業務やリーダー経験を積む意識を持つことが重要です。
30代未経験からでも最短で年収500万円を突破するルート
30代で未経験からSIerに転職した場合でも、年収500万円を突破するルートは存在します。鍵を握るのは、前職で培った「ドメイン知識(業界・業務の専門知識)」をITに掛け合わせることです。
たとえば、金融業界出身者であれば勘定系システムや会計領域の上流工程に、医療・製薬出身者であれば電子カルテや医薬品管理システムの案件に、早期から食い込める可能性があります。
技術は入社後に習得するとしても、業務知識を持つ人材は希少性が高いため、同世代の完全未経験者より評価されやすい傾向があります。入社後2〜3年で500万円台に乗せるためには、「得意業界×IT」の掛け合わせを意識したポジション選びが近道です。
【種類別】未経験者が狙うべきSIerと避けるべき企業
未経験でSIerへの転職を目指す場合、どの種類の企業を選ぶかが年収と成長のカギを握ります。
種類によって教育体制・商流の位置・年収水準が異なるため、特徴を理解したうえで選択することが重要です。
ユーザー系SIer:親会社の年収に準ずる。倍率は高いがリターンも最大
ユーザー系SIerは親会社の事業基盤を背景に年収水準が高く、初年度から400万円台後半を提示するケースもあります。リターンは大きい半面、採用倍率が高く、未経験者にとってはハードルが高いのも事実です。
採用されるためには、前職の業界知識を活かせる軸を持つこと、もしくはIT資格を事前に取得して最低限の学習姿勢を示すことが有効です。
また、親会社の業界に精通した人材は内部評価されやすく、入社後のキャリアパスも描きやすい傾向があります。「倍率が高い」という印象で諦める前に、自分の業務経験と企業の事業領域の親和性を確認してみることをおすすめします。
大手独立系SIer:教育体制が充実。未経験からの「年収上げ」に最適
TISやSCSKのような大手独立系SIerは、未経験者向けの研修制度が整っており、入社後のキャリア形成をサポートする体制が比較的手厚いです。特定の親会社に縛られないため、多様な業界・工程の案件を経験しやすく、汎用性の高いスキルを身につけやすい点が強みです。
年収水準は大手やユーザー系ほど高くはないものの、上流工程に早期から食い込める環境が整っていれば、5年後には600万円台を狙えるルートも現実的です。採用時のハードルも大手に比べると低めなケースが多く、未経験からキャリアをスタートする場として検討に値します。
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大手SIerとは?企業例とその年収、キャリアパスや転職するためのポイントについて解説
「SES・3次請け以下」の低賃金ループに陥らないための見極め方
SES企業や3次請け以下のポジションに入ると、年収が低い水準に固定されやすく、スキルも上流工程とは無縁なまま時間が経過するリスクがあります。このループを避けるためには、求人票の段階でいくつかの点を確認することが重要です。
確認すべき観点として、「自社開発案件の比率」「常駐先が指定されているか否か」「元請け割合の記載があるか」「入社後に担当できる工程の具体的な記載があるか」などが挙げられます。求人票だけでは判断できない場合は、転職エージェントを通じて企業の商流ポジションを確認することが現実的な対策です。
MyVision編集部では、「未経験歓迎」という求人の文言だけを基準に転職先を選ぶことは推奨していません。実際に、入社後に担当できる工程や商流の位置を確認しないまま転職したことで、テストや単純作業に固定されてしまい、数年経っても年収が上がらないケースがあるためです。
研修体制・元請け割合・入社後のキャリアパスの実績も合わせて確認することで、より納得のいく転職につながりやすくなります。
「SIerはやめとけ」を回避|未経験者が直面する年収のリスク
SIerへの転職を検討する中で、「SIerはやめとけ」という声を目にした人もいるでしょう。
この声のすべてが事実ではありませんが、未経験者が陥りやすい年収リスクが実在することは確かです。
ここでは、その実態を整理して紹介します。
多重下請け構造の「中抜き」が給与を削る仕組み
SIer業界の多重下請け構造では、元請けが受注した案件が2次請け・3次請けへと段階的に委託されるたびに、受注単価が削られていきます。
3次請け以下の企業に在籍すると、案件の利益が積み上がる前段階で中間マージンが抜かれているため、エンジニアに支払われる給与の上限も必然的に低くなります。同じ技術力・同じ工数を提供していても、在籍する企業の商流の位置によって年収に100万〜200万円以上の差が生まれるケースは珍しくありません。
転職先を選ぶ際は、「元請け率が高いか」「どの企業と直接契約しているか」を意識することが、この構造的なリスクを回避する第一歩です。
スキルが身につかない現場では「数年後の市場価値」が上がらない
下請け中心の現場では、担当する工程がテストや単純なコーディングに限定されやすく、設計・要件定義といった上流工程の経験が積みにくい実情があります。
スキルの幅が広がらないまま年数を重ねると、市場価値が上がらず、転職時の交渉力も弱くなります。「年収を上げる転職」が難しくなるという意味で、これは年収リスクのひとつです。
数年後の自分の市場価値を意識するなら、入社時点で「どの工程を担当できるか」「上流工程にアサインされる実績が会社にあるか」を確認することが不可欠です。
AIに仕事を奪われる層、AIを使いこなして年収を上げる層
AIの普及によってSIer業界でも変化が起きており、単純なコーディングやドキュメント作成の一部はAIツールが代替しはじめています。
一方で、要件定義・システム設計・クライアントとの折衝といった上流工程はAIによる代替が難しく、むしろAIを活用しながらこれらの業務をこなせるエンジニアへの需要は高まっています。
年収が上がりにくくなるのは、AIに代替されやすい下流工程に固定されたまま「AIも使えない」状態の人材です。逆に言えば、入社後にAIツールを積極的に活用し、上流工程の経験も積んでいける環境を選べば、AIの波は年収アップの追い風となります。
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未経験からSIerで「高年収」を勝ち取るための3つの戦略
未経験からSIerに転職して年収を上げるためには、入社後の頑張りだけでなく、転職前の準備と戦略が重要です。
ここでは、実際に年収アップにつながりやすい3つの戦略を紹介します。
戦略1:前職の「ドメイン知識(業界知識)」をITに掛け合わせる
SIerの採用現場において、「ITの技術力」だけを売りにする未経験者は多くいますが、「業界知識×IT」という組み合わせを持つ人材は希少性が高く評価されやすいです。
たとえば、銀行員出身者が金融系SIerに転職した場合、勘定系や融資管理システムの要件整理においてドメイン知識が即戦力として機能します。製造業出身者であれば、生産管理・在庫管理システムの上流工程に食い込みやすくなります。
このように、前職の知識をITに接続することで、純粋な未経験者より高いポジション・高い年収でのスタートを狙いやすくなります。転職先を選ぶ際は、自分の業界知識が活かしやすい分野を扱うSIerを選ぶことが、戦略的な選択です。
戦略2:入社前に取得すべき「年収直結型」のIT資格
未経験でSIerに転職する前に資格を取得しておくことは、採用評価の向上と入社後の年収交渉の両面で効果があります。とくに有効な資格として、IPAが提供する「ITパスポート」と「基本情報技術者試験」があります。
ITパスポートはITの基礎知識を証明するもので、未経験者が学習姿勢をアピールする手段として機能します。基本情報技術者試験はシステム開発の基礎を網羅しており、取得していると入社後の配属や給与テーブルで有利に働くケースもあります。
さらに、クラウドに関心がある人はAWSの「Cloud Practitioner」など入門レベルのクラウド資格を加えると、選考通過率が上がりやすい傾向があります。資格そのものよりも「何を理解しているか」を面接で説明できる状態にしておくことが、最終的な差別化につながります。
戦略3:商流(1次請け・2次請け)を一段階上げる転職のタイミング
SIerに入社して実務経験を積んだ後、意図的に商流を一段階上の企業へ転職することが、年収を引き上げるうえで直接的な手段のひとつです。2次請け・3次請けの企業で要件定義や基本設計の経験を積んだエンジニアは、1次請けのSIerやプライムポジションを持つ企業に転職する際に「即戦力」として評価されやすくなります。
この「商流の階段上り」は、技術力だけでなく、クライアントとの折衝経験・設計書の作成経験・プロジェクトのリード経験を証明できることがポイントです。転職のタイミングとしては、入社3〜5年目に上流工程の経験が一定積み上がった段階が目安です。
例として、2次請けの独立系SIerで実務経験を積んでいる人が、1次請けのユーザー系SIerのSEポジションに転職した場合、想定されるキャリアパターンは以下のとおりです。
- 転職直後(30歳前後):上流工程の担当範囲が広がり、年収550万〜650万円台へ
- 転職3〜5年後:PM・リードSEへ昇格し、年収700万〜900万円台を視野に
- その後:コンサル系企業やITコンサルタント職へのキャリアチェンジも選択肢に
このパターンをたどることで、30代後半から40代前半にかけてSIer内でも高水準のキャリアへとつながる可能性があります。
ただし、商流を上げる転職は「転職すればすぐに年収が上がる」ものではなく、上流工程での実績が評価されてはじめて年収に反映されます。転職のタイミングと自分のスキルの成熟度を、転職エージェントと相談しながら見極めることをおすすめします。
ホワイト高年収SIerを見極めるためのチェックリスト
年収の高さだけを基準に転職先を選ぶと、入社後に「年収は高いが働き方が厳しい」「昇給制度が不透明」といったミスマッチが起きることがあります。
ここでは、高年収と働きやすさを両立できる企業を見極めるための具体的な確認ポイントを紹介します。
研修期間中の給与保証と昇給規定の透明性
未経験入社の場合、研修期間中の給与がどう設定されているかは重要な確認事項です。研修期間中も本採用と同等の給与が保証されているか、それとも研修期間は低い給与に設定されているかを事前に確認しましょう。
また、昇給の基準が明文化されているかどうかも見極めポイントです。「年1回の査定で昇給」とだけ記載されている場合、その基準が不透明な可能性があります。
「何年後にどの役職で年収がどの程度になるか」のモデルケースを採用担当者や人事に確認できる企業は、昇給制度への透明性が高い傾向にあります。
住宅手当・家族手当など「隠れた年収」の充実度
求人票に記載される年収はあくまで基本給・賞与の合計であることが多く、住宅手当・家族手当・交通費などの各種手当を加えた「実質的な年収」はより高くなる場合があります。
たとえば、月2〜3万円の住宅手当がある企業とない企業では、年間で24〜36万円の差が生まれます。手当の充実度は企業規模や親会社の影響を受けやすく、大手・ユーザー系SIerほど手当が充実している傾向があります。
転職活動の際は、額面の年収だけでなく「手当を含めた実質年収」を比較する視点を持つことをおすすめします。
平均勤続年数と30代のモデル年収が公開されているか
企業の長期的な待遇水準を測るうえで、平均勤続年数と30代のモデル年収を参考にしましょう。平均勤続年数が短い企業は離職率が高い可能性があり、年収や職場環境に問題が潜んでいるケースもあります。
一方、平均勤続年数が長い企業は、社員が長く働き続けられる環境が整っている可能性が高いといえます。
また、30代のモデル年収を公開している企業は、キャリアパスと報酬の設計に一定の透明性があると判断できます。こうした情報は有価証券報告書や就職情報サイトのほか、転職エージェント経由で確認できる場合もあります。
未経験から高年収を狙える・ホワイトなSIerに転職したいならテックゴーへ
SIerへの転職を成功させるためには、求人票に記載された年収だけを比較する以上の情報が必要です。同じ「SIer」でも、商流の位置・担当できる工程・研修体制・昇給の設計によって、数年後の年収水準は変わります。
テックゴーでは、SIerへの転職を検討している人に対して、スキルや経験に応じた求人の提案と、どの環境が将来の市場価値向上につながるかを踏まえた支援をおこなっています。
「未経験から挑戦したい」「前職の知識を活かして年収を上げたい」「ホワイト環境で長く働きたい」といった相談に幅広く対応しています。まずは、お気軽にご相談ください。
まとめ
SIerの年収は企業の種類・商流の位置・担当工程によって異なり、同じ「SIer転職」でも選び方次第で5年後の年収に数百万円の差が生まれます。
未経験からSIerに転職する場合、初年度の年収だけに目を向けるのではなく、「どの工程を経験できるか」「上流工程に食い込める環境か」を軸に企業を選ぶことが重要です。
前職で培った業界知識をITに掛け合わせ、商流の高い企業でキャリアを積むという戦略は、決して難しいものではありません。本記事の内容を参考に、まずは自分の業務経験がどの業界のSIerと親和性があるかを整理するところから、転職活動をスタートさせてみてください。
SIerの年収に関するよくある質問
こちらではSIerの年収に関するよくある質問にお答えします。
まったくの未経験ですが、入社1年目から年収400万円以上は狙えますか?
企業規模や種類によっては、未経験でも入社1年目から400万円以上を提示するケースはあります。とくに大手・ユーザー系SIerや教育体制が整った大手独立系SIerでは、固定の初任給テーブルが設けられており、400万円台からスタートできる場合があります。
ただし、400万円以上を狙うためには、IT資格の取得や前職の業界知識の整理など、事前の準備が採用評価に影響します。求人票の「固定給」「研修期間中の給与」の記載を必ず確認し、疑問点は選考前に転職エージェントを通じて確認しておくとよいでしょう。
「SIer」と「Web開発企業」未経験ならどちらが最終的な年収は高くなりますか?
一概にどちらが高いとは言えませんが、傾向としてはそれぞれの特徴があります。大手・コンサル系SIerは、上流工程やPMポジションに就いた場合に800万〜1,000万円超を狙えるケースがあり、安定した昇給カーブが描きやすい環境です。
一方、自社開発のWeb系企業は実力主義の傾向が強く、スキルによっては早期に年収が跳ね上がるケースもありますが、企業規模・収益によるばらつきも大きいといえます。未経験からの場合、SIerのほうが研修制度が整っていて年収の伸び方が読みやすい傾向があります。
最終的な年収の高低は、どちらの業種かよりも「どの企業・どの工程を担当できるか」で決まる部分が大きいです。
2026年、AIの普及で未経験エンジニアの需要や給料は減りますか?
AIの普及によって、単純なコーディングやドキュメント整理の一部はツールが代替しはじめているのは事実です。しかし、これはSIerにとって「未経験者の採用を絞る理由」にはなりにくく、むしろ「AIを活用できる人材をどう育てるか」という観点で採用が継続している傾向があります。
重要なのは、入社後にAIツールを積極的に使いながら、上流工程の経験も積み上げていけるかどうかです。AIに代替されにくい要件定義・ステークホルダーとの折衝・業務知識に基づく設計判断は、人間にしかできない領域として今後も高く評価され続けるでしょう。
