SES脱出の現実的なルート|転職を成功させる5ステップと避けるべき現場
2026年05月29日更新
SES企業で働く中で、「このまま客先常駐を続けていてよいのか」「1年目・2年目の浅い経験でもSESから抜け出せるのか」と悩んでいるエンジニアも多いのではないでしょうか。とくにテスト業務や保守運用ばかりで開発経験を積めない状況が続くと、将来のキャリアや市場価値に不安を感じることもあります。
結論、実務経験が浅い1年目・2年目でも、SESから脱出することは可能です。ただし、勢いだけで転職活動を進めるのではなく、これまでの経験やスキルを整理し、自分が求める環境や身につけたい経験を明確にすることが重要です。
本記事では、SES脱出は本当に可能なのかをはじめ、抜け出すための具体的なステップや検討すべき常駐先の特徴、SES後のおすすめ転職先まで詳しく解説します。

著者
飯尾 洸太
(Iio Kota)
大学を卒業後、IT企業の営業職として新卒入社。1~2年目で全ての半期において優績者表彰を獲得し、2年目には全社MVPを受賞。3年目に管理職へ昇進し、組織運営や数値管理を担当。就任時は全国最下位だった支店を立て直し、5年目には全国1位へと導く。その後、仕事を通じて輝ける人を1人でも増やしたいと考えキャリアアドバイザーに転身し、技術職ならではの志向やキャリアパスを踏まえた伴走支援を徹底することでITエンジニアの転職支援を得意としている。転職を通じて志願者の方々がより豊かな生活を送れるよう、誠実かつ丁寧なサポートが信条。
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監修者
串田 聡太
(Kushida Sota)
明治大学卒業後、富士通株式会社にて、自社製品に加えSAPやSalesforce導入、DX提案などを経験。その後、パーソルキャリア株式会社にて、ITエンジニアの転職支援を担当。業界トップクラスの実績を有する。
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目次
CONTENTS
SES脱出は可能?1年目・2年目から抜け出すための現実的な結論
SESから脱出しようと考えると、自身のスキルレベルの浅さなどが不安になり、なかなか動き出せないことも多いです。ここでは、SES脱出は本当に可能なのかをはじめ、現実的に求められるスキルや考え方について解説します。
浅い経験でもSES脱出は可能だが実績は必要
実務経験1〜2年程度の若手エンジニアであっても、第2新卒枠やポテンシャル採用枠を活用してSESから脱出することは可能です。ただし、完全なノースキルでは難しく、テスト業務やバグ修正、小規模実装など、実務での担当領域を具体的に説明できることが重要になります。
また、SESの現場で、主体的に動いた経験があることも大切です。単に今の会社が嫌などの理由では、面接の際に主体性がなく、他責思考と判断される可能性があります。たとえば、「開発案件に携われないか営業へ相談した」「AWS資格を取得した」など、自ら経験の幅を広げようと行動していた実績があると、経験の浅さをカバーできます。
積極的に挑戦していたものの、現在の環境では希望するキャリアを実現できないため転職を決意した、という流れで説明できると、面接でも納得してもらいやすいでしょう。
【テックゴー編集部の見解】 テックゴー編集部が「SES脱出の転職活動で選考に落ち続ける人」を分析した結果、面接で『今のSES企業の環境が悪い』といった他責思考や、ネガティブな転職理由をそのまま伝えてしまう特徴があることがわかりました。
実際にエージェントの視点でも、受け身の姿勢や環境への不満ばかりが目立つ場合は、面談官から「自社開発や元請けに来ても主体的に活躍できない」と判断される傾向があります。こうしたマイナス評価による影響が出ないように、事前に「なぜその技術を学びたいのか」「今の環境の中でどのような工夫をしてきたか」を確認し、面接対策を通じてポジティブな志望動機に変換しておくのがおすすめです。
現場を変えるという選択肢もあり
SESから脱出したいと感じた場合は、「SESという働き方そのもの」が嫌なのか、「今の常駐先や案件」が合わないだけなのかを冷静に切り分けることが重要です。
もし会社自体のサポート体制や還元率に大きな不満がなく、単に現在の現場がミスマッチなだけであれば、営業担当へ案件変更を相談する選択肢もあります。実際、現場が変わることで、開発工程へかかわれるようになったり、働き方が改善されたりするケースも多くあります。
また、いきなり転職活動へ踏み切るよりも、まずは社内調整で環境改善を図ったほうがリスクを抑えやすいです。現職に残りながらキャリアの停滞を防げる可能性もあるため、まずは営業担当へ率直に希望を伝えてみることをおすすめします。
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SESを脱出するための具体的な5ステップ

SESから脱出するためには、勢いだけで転職活動を進めるのではなく、キャリアの方向性を整理したうえで段階的に準備を進めることが重要です。ここでは、SES脱出を成功させるための具体的な5つのステップを解説します。
転職理由を明確にする
SESから脱出する際は、まずSESをやめたい理由を明確にすることが重要です。以下の点について不満をノートに書き出し、悩みの根本原因を整理しましょう。
- 給与や単価還元率
- 使用している技術
- 残業や人間関係などの労働環境
- 昇給に関する評価制度
転職理由が曖昧なままだと、次の会社選びの軸もブレてしまい、転職後に同じ悩みを抱える可能性があります。そのため、今の会社で実現できない点や次の会社で重視したい点を具体化しておくことが大切です。
希望する働き方やキャリアを明確にする
SESから脱出する際は、5年後・10年後にどのようなエンジニアになりたいのかを整理しておくことが重要です。将来像によって、身につけるべき知識や経験、選ぶべき会社は大きく変わります。
また、キャリアだけでなく、リモートワークの有無や残業時間など、希望する働き方も整理しておきましょう。自分が目指すキャリアを実現しやすく、かつ無理なく働ける環境を選ぶことが大切です。
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エンジニアのキャリアパス戦略|市場価値を上げる選択肢と身につくスキルとは
履歴書・職務経歴書を作成する
書類選考は転職活動の最初の関門であり、ここを突破しなければ面接で熱意を伝えることもできません。とくにSESエンジニアは複数の現場を経験しているケースが多いため、「この人は何ができるのか」を採用担当者がひと目で理解できる構成にすることが重要です。
ここでは、履歴書と職務経歴書の作成方法を解説します。
履歴書は経験や勉強意欲をPRする
履歴書では、これまでの経験から何を学び、今後どのように成長したいのかを伝えることが重要です。実務経験だけでなく、資格取得の勉強など、業務外で自発的に取り組んでいる内容まで具体的に記載しましょう。
自己PR文では、以下のようにまとめることで、主体性や学習意欲をアピールできます。
【自己PR文】 SES企業にてテスト業務や小規模改修を中心に経験を積んできました。 現在はJavaやAWSの学習を継続しており、Java Silver取得に向けて勉強を進めています。 また、個人開発としてWebアプリ制作にも取り組み、GitHubで継続的にアウトプットをおこなっています。 今後は、より開発工程に深く携わりながら、設計やクラウド領域にも挑戦していきたいと考えています。
このように、実務経験だけでなく、自ら学習して成長している姿勢まで伝えることが重要です。
職務経歴書は時期や技術などを詳細に書く
職務経歴書では、参画したプロジェクトごとに「期間」「システム概要」「チーム人数」「担当工程」などを整理し、自分の担当領域を明確に記載することが重要です。
使用した言語やフレームワーク、DB、ツール、OSなどの技術環境も、詳細に記載しましょう。
【記載例】 ●案件概要 期間:2024年4月〜2025年3月 案件概要:物流管理システムの改修・保守運用 チーム人数:10名 担当工程:詳細設計、実装、テスト、保守運用
●業務内容 ・Java/Spring Bootを用いた画面改修およびAPI改修 ・SQLを用いたデータ抽出・不具合調査 ・テストケース作成および単体・結合テスト実施 ・既存処理の見直しをおこない、一部バッチ処理時間を約20%短縮
●技術環境 Java/Spring Boot/MySQL/Git/Linux/AWS
このように、期間や担当工程だけでなく、実際に何を改善・工夫したのかまで具体的に記載すると、自身の技術レベルが採用担当者に正確に伝わります。
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SESエンジニアの職務経歴書の書き方|応募先(自社開発・優良SES)別の書き分け術
書類選考と面接をおこなう
書類が完成したら企業へ応募し、並行して面接対策も進めていきます。
SESからの転職面接では、「なぜ転職したいのか」「なぜその会社を志望するのか」が重視されます。そのため、「SESが嫌だった」ではなく、「より開発工程へ携わりたい」「クラウド領域へ挑戦したい」など、前向きな転職理由として整理しておくことが重要です。
また、客先常駐で培った適応力やコミュニケーション力なども、具体的なエピソードを交えて説明できるよう準備しておきましょう。面接慣れしていない場合は、転職エージェントなどと模擬面接をおこない、事前に受け答えを整理しておくことがおすすめです。
退職に向けた引き継ぎなどをおこなう
内定を獲得したら、所属するSES企業へ退職の意思を伝え、退職日や有給消化のスケジュールを調整します。
SESは常駐先との契約期間があるため、トラブルを避けるためにも、契約満了の1〜2ヶ月前には営業担当へ相談することが重要です。また、後任向けの引き継ぎ資料を作成し、常駐先にも最後まで責任を持って対応することで、円満退職につながります。
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SESからの転職ロードマップ|おすすめのキャリアと選考突破の実践ノウハウ
SES脱出を検討すべき常駐先の特徴3つ
SESから脱出したいと感じる背景には、常駐先の環境や案件内容への不満が関係しているケースも多くあります。ここでは、キャリア停滞につながりやすく、SES脱出を検討すべき常駐先の特徴を解説します。
テストや雑務のみで開発業務に一切関われない現場
仕様書に沿って画面操作とスクリーンショット取得を繰り返すテスター業務や、PCのアカウント発行、電話対応などのヘルプデスク業務ばかりを任される現場は注意が必要です。
こうした業務はIT現場を支えるうえで重要ではあるものの、長期間続くと開発スキルを伸ばしにくくなります。設計や実装経験が積めないまま年齢を重ねてしまうため、エンジニアとしての市場価値が一向に高まらない危険性もあります。
その結果、転職したくても評価されるスキルや経験が不足し、キャリアの選択肢が狭まってしまう可能性が高いです。開発工程などのスキルアップ業務に携われる見込みがない場合は、案件変更や転職も含めて早めにキャリアを見直すことが重要です。
古い技術の保守運用から抜け出せない現場
何十年も前に構築されたレガシーシステムの保守運用や、古いフレームワークのパッチ対応ばかりを続ける現場では、技術的な成長が停滞しやすくなります。
こうした現場では業務知識や運用ノウハウは身につくものの、Web系やクラウド、アジャイル開発といった市場価値の高い技術へ触れる機会がありません。世の中の技術トレンドとスキルが乖離しやすく、転職市場で評価されにくくなるケースが考えられます。
また、現場独自の知識に依存しすぎると、その現場でしか通用しないエンジニアになってしまうリスクも高いです。将来的なキャリアの選択肢を広げるためにも、技術的な成長が見込める環境へ移ることを検討すべきでしょう。
評価制度が不透明で自社から放置されている現場
常駐先で高い評価を得て単価が上がっているにもかかわらず、給与や賞与へ還元されない企業は転職を検討すべきです。とくに自社の営業や上司が現場の状況を把握しておらず、定期面談すら実施されない環境では、適切なキャリア相談や案件調整も困難になります。
こうした企業はエンジニアを「単なる労働力」として扱っているケースが多く、個人の成長やキャリア形成は後回しにされがちです。その結果、スキルアップの機会を逃したまま時間を消費してしまい、将来的な市場価値に悪影響を及ぼすリスクが高まります。
正当な評価制度やサポート体制が整っていないことに不満を感じているのであれば、自身のキャリアを守るためにも、よりエンジニアファーストな環境への転職を視野に入れるべきでしょう。
SESのあとのおすすめ脱出先

SESは多様な現場経験が積めるため、転職先にはさまざまな選択肢があります。ここでは、SES経験を活かしやすい代表的な転職先を解説します。
自社開発企業
自社開発企業は、自社でWebサービスやアプリを企画・開発・運営している企業です。自分たちでサービスを育てていく当事者意識を持ちやすく、最新技術や設計思想に触れられる機会に恵まれやすいのが特徴です。
また、自社開発では複数人で長期的に同じサービスを改善していくため、コードレビューやチーム開発をおこないます。その過程で、設計内容やコードの可読性などの観点でフィードバックを受けられるため、設計力や品質意識も身につけられます。
一方で、ユーザーからの問い合わせ対応や障害対応、リリースプレッシャーなども発生するため、SES以上に主体性やスピード感が重要です。自社開発企業を目指す場合は、個人開発や学習を通じて、自走できるレベルのプログラミングスキルを身につけておくことが欠かせません。
元請けSIer企業
元請けSIer企業は、多重下請け構造の上流に位置し、クライアントから直接案件を受託して要件定義や基本設計などを担当する企業です。開発の製造工程などは協力会社へ委託するケースが多く、顧客折衝やプロジェクトマネジメントのスキルを身につけやすい特徴があります。
若いうちから上流工程やマネジメント経験を積みやすく、SESと比較して給与水準が高い傾向にある点も魅力です。「将来的にPMやPLを目指したい」「上流工程へかかわりたい」と考えている人に向いている転職先といえます。
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優良SES企業
SESの働き方自体が合っている場合は、高還元率や案件選択制度、直請け案件中心などを強みとする優良SES企業もおすすめです。
優良SES企業では、自分で案件を選べたり、単価アップが給与へ反映されたりするため、納得感を持って働きやすい魅力があります。また、自社開発企業や大手SIerと比較すると入社難易度が低い傾向があり、経験の浅いエンジニアでも挑戦しやすい点もメリットです。
そのため、「まずは開発経験を積める現場へ移りたい」「キャリアを真剣に考えてくれる企業に転職したい」と考える人にとって、現実的な選択肢になりやすいです。将来的に自社開発や上流工程を目指す場合でも、優良SESで経験を積むことでキャリアの幅を広げられます。
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優良SES企業の見極め方|未経験におすすめの優良企業も一挙紹介
社内SE
社内SEは、一般企業の情報システム部門などに所属し、社内システムの運用やDX推進、社員向けのITサポートなどを担当する職種です。
自社社員と直接かかわる機会が多いため、感謝されやすく、SESやSIerのように厳しい納期や顧客対応へ追われにくい点が魅力です。また、残業が比較的少なく、休日も安定している企業が多いため、ワークライフバランスを重視したい人にもおすすめできます。
一方で、開発よりも運用保守や社内調整が中心になるケースも多く、技術的な挑戦を求める人には物足りなく感じる場合もあります。「働きやすさを重視したい」「腰を据えて安定して働きたい」と考える人に向いている転職先といえるでしょう。
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社内SEとは?仕事内容・年収・転職の実態をわかりやすく解説
【テックゴー編集部の見解】 ネットやSNSでは、「SESを辞めて自社開発企業へ行くべき」といった意見を目にすることがあります。しかし、実際には「SESか自社開発か」だけで判断するのではなく、自分がどの環境でスキルを伸ばせるかを見極めることが重要です。
テックゴー編集部では、特に次のようなポイントを重視しています。
- 自社開発でも、レガシー技術の保守中心でスキルが停滞しないか
- SESでも、要件定義から携われる一次請け案件を持つ優良企業ではないか
- 評価制度が、技術力や成果を正当に反映する仕組みになっているか
「今の環境から抜け出したい」という気持ちだけで転職先を決めてしまうと、入社後に「思っていた働き方と違った」と後悔するケースもあります。
実際に、年収ダウンを受け入れて自社開発企業へ転職したものの、古い開発環境や限定的な業務内容によってスキルが伸びず、数年後にキャリアの選択肢が狭まってしまった例もあります。
そのため、「SESを辞めること」自体を目的にするのではなく、
- 今後どんなスキルを伸ばしたいのか
- どの工程に携わりたいのか
- 将来的にどんなキャリアを目指したいのか
といった判断軸を、自分の中で言語化しておくことが大切です。
【要注意】SESから客先に転職(引き抜き)は可能?
SESで常駐先の環境に満足している場合、「このまま客先へ転職したい」と考えることもあるでしょう。ここでは、SESから客先へ転職する際の注意点や、引き抜きによるリスクについて解説します。
契約上の「引き抜き防止条項」によるトラブルになる
多くのSES契約には「引き抜き防止条項」が盛り込まれており、所属会社を通さずに直接転職交渉を進めることは禁止されています。契約を無視して独断で客先への転職活動を進めてしまうと、最悪の場合は損害賠償請求などの法的問題へ発展するケースもあります。
そのため、客先への転職を希望する場合は、常駐先から自社営業へ正式に相談してもらうなど、ビジネス上の手順を踏むことが重要です。独断で動いてしまうと、今後のキャリアにも悪影響を与えかねないため、慎重に進める必要があります。
常駐先のプロパーとSES出身者の待遇格差が起こりやすい
仮に常駐先へ円満に転職できたとしても、もともと在籍していた正社員と同じ待遇を受けられるとは限りません。
SES時代は外部の技術要員として評価されていても、正社員になると、社内調整力やマネジメント力、自社への理解度など別の軸で評価されるケースも多いためです。
また、企業によっては給与テーブルや賞与制度の違いにより、転職直後に年収が下がる可能性もあります。実際、責任範囲や残業が増えた一方で、SES時代より手取りが減ってしまうケースも存在します。
客先転職を検討する際は、「雰囲気が良いから」だけで判断せず、待遇や評価制度まで事前に確認することが重要です。
まとめ
SESは、1年目・2年目といった経験の浅い段階であっても、実績や学習意欲を整理できていれば十分に脱出可能です。
ただし、「今の現場が嫌だから」といった感情だけで転職活動を進めると、転職後も同じ悩みを繰り返す可能性があります。そのため、なぜSESをやめたいのか、次の環境でどのようなスキルや働き方を実現したいのかを整理したうえで、キャリアの方向性を明確にすることが重要です。
また、SESには案件や企業による差も大きく、現場変更や優良SESへの転職によって環境が改善するケースもあります。もし「開発経験を積めない」「評価されない」「キャリアが停滞している」と感じる場合は、自分の市場価値を高められる環境へ早めに動くことをおすすめします。
SESから脱出する際のよくある質問
ここでは、SES脱出に関するよくある質問について解説します。
SESは将来なくなるって本当?
SESというビジネスモデル自体が将来完全になくなる可能性は低いです。
日本のIT業界は慢性的な人材不足が続いており、企業がプロジェクト状況に応じて柔軟にエンジニアを確保できるSESの需要は今後も一定数存在すると考えられています。実際、経済産業省の「IT人材の需給に関する調査」でも、2030年には最大で約80万人規模のIT人材不足が発生すると試算されています。
一方で、単純作業だけをおこなう低単価・ロースキルSESは、AIの伸長によって厳しくなる可能性が高いです。そのため、今後は上流工程や高い技術力を持つ優良SESと、それ以外のSES企業で二極化が進んでいくと考えられるでしょう。
SESは何年で辞める人が多い?
SES業界では、1〜3年程度のタイミングで転職するエンジニアが多い傾向があります。実際、厚生労働省が令和6年に公表した「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」でも、経験年数0〜4年の層は転職経験者の割合が高いことが示されています。
これは、新卒や未経験で入社したエンジニアが、常駐先で基礎スキルや社会人経験を身につけたあと、より良い待遇やモダンな開発環境を求めてステップアップしていくためです。
また、この期間に資格取得や個人開発などの自己研鑽をおこなっていた人ほど、転職市場でも評価されやすく、自信を持って転職活動をおこなえる傾向があります。そのため、SESで数年経験を積んだ後にキャリアアップを目指す流れ自体は、珍しくありません。
参考:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」
なぜSESはやめとけと言われるの?
SESがネットで「やめとけ」と言われる理由には、以下が挙げられます。
- 案件を自由に選べない
- 多重下請け構造による低賃金
- 客先常駐による孤独感
とくに、営業力が弱い下請けSES企業では、希望しない案件へアサインされたり、スキルアップにつながりにくい現場へ長期間配属されたりするケースも見られます。そのため、SESに対してネガティブなイメージを持つ人が多いのも事実です。
一方で、案件選択制度や高還元率を導入し、エンジニアファーストを掲げる優良SES企業も存在します。「SES=すべて悪」と決めつけるのではなく、直請け割合や還元率、案件内容などを見極めることが、後悔しないキャリア選択につながります。
