Azureエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性・必要な資格を徹底解説
2026年02月28日更新
Azureエンジニアは、Microsoftが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を活用し、システムの設計・構築・運用をおこなう専門職です。
DXが加速する中、多くの企業が基幹システムをクラウドへ移行しています。とくにMicrosoft製品との親和性が高いAzureは、大手企業を中心に支持を得ており、それを支えるエンジニアの需要は右肩上がりで推移しています。
本記事では、Azureエンジニアの仕事内容や年収相場、未経験からの目指し方まで、初心者の人にもわかりやすく解説します。
著者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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監修者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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目次
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Azureエンジニアとは?
まずは、Azureエンジニアの役割や特徴について解説します。
Azureエンジニアの役割
Azureエンジニアの主な役割は、クラウド上で強固かつ効率的なITインフラを構築し、ビジネスの成長を技術面から支えることです。
具体的には、サーバー、ネットワーク、データベースなどの設備を「仮想的」に構築し、企業のニーズに合わせた最適な環境を提供します。単に環境を作るだけでなく、サイバー攻撃から守るセキュリティ設計や、クラウド利用料を最適化するコストマネジメントも重要な任務です。
また、近年ではAzure OpenAI ServiceなどのAI技術を既存システムに統合する役割も期待されており、ITインフラの枠を超えた幅広い貢献が求められています。
Microsoft Azureの特徴
Microsoft Azureは、世界中で利用されているクラウドサービスのひとつです。最大の特徴は、WindowsやMicrosoft 365(旧Office 365)といったMicrosoft製品との親和性の高さにあります。
多くの企業が業務でWindowsを利用しているため、既存の認証基盤(Active Directory)をそのままクラウドへ拡張できる点は、Azureならではの強みです。
また、ハイブリッドクラウド(オンプレミスとクラウドの併用)に強く、堅牢なセキュリティ基準を満たしているため、官公庁や金融機関といった高い信頼性が求められる領域で選ばれ続けています。
AWS・GCPエンジニアとの違いは?
クラウド市場には、AzureのほかにAWS(Amazon Web Services)とGCP(Google Cloud Platform)という主要な競合が存在します。Azureエンジニアがこれらと異なるのは、主に「ターゲット層」と「技術的な強み」です。
| サービス | 主なターゲット・強み | エンジニアに求められる傾向 |
|---|---|---|
| Microsoft Azure | 大手企業、官公庁。MS製品との連携が強力 | エンタープライズ向けの堅牢な設計力 |
| AWS | 全業界。シェア世界一で、汎用的なサービスが豊富 | 広範なサービス群の組み合わせ・最適化スキル |
| GCP | スタートアップ、データ分析、AI活用に強み | データ解析基盤やコンテナ技術の専門知識 |
Azureエンジニアは、組織の基盤となるID管理やガバナンス設計に深く関わる機会が多く、ビジネスの根幹を支えるやりがいを感じやすいポジションといえます。
Azureエンジニアの主な仕事内容
Azureエンジニアの仕事は多岐にわたり、単なる「サーバー構築」に留まりません。Azureエンジニアが担当する主な領域は以下のとおりです。
クラウドインフラの設計・構築(IaaS/PaaS)
企業の要件に合わせて、仮想サーバー(Azure Virtual Machines)やデータベース(Azure SQL Database)などのインフラ基盤を構築します。
近年はサーバーを意識せずに開発できる「PaaS」の利用が増えており、アプリケーション実行環境であるAzure App Serviceなどの選定・設定も重要な業務です。
インフラを物理的なハードウェアから解放し、変化に強い柔軟なシステムをつくり上げることが求められます。
Azure OpenAI Serviceを活用したAI基盤構築
最新のトレンドとして、生成AIを自社システムに組み込む案件が急増しています。
Azure OpenAI Serviceを利用し、セキュアな環境でChatGPTなどのモデルを動かすためのインフラ設計を担います。
具体的には、AIが学習・参照するデータを厳重に保管するストレージ設計や、AIの応答速度を担保するネットワーク構成などが含まれます。インフラエンジニアであっても、AIの基礎知識が不可欠な時代です。
オンプレミス環境からのクラウド移行
自社でサーバーを保有する「オンプレミス」から、Azureへの移行(クラウドマイグレーション)を支援します。
単にデータを移すだけでなく、「リフト&シフト」と呼ばれる手法を用い、クラウドのメリットを最大限に活かせるよう構成を再設計します。
移行時のダウンタイム(システム停止時間)を抑えるための緻密な計画立案が、エンジニアの腕の見せどころです。
セキュリティ設計とID管理
Azureのセキュリティの要となるのが、Microsoft Entra ID(旧称:Azure Active Directory)によるID管理です。これを使用し、誰が、どのデバイスから、どのデータにアクセスできるかを厳密に制御する「ゼロトラスト」の考え方に基づいた設計をおこないます。
外部からの攻撃を防ぐだけでなく、内部不正のリスクも考慮した堅牢なアクセス権限の設定が、企業の信頼を守ることにつながります。
運用・保守およびコスト最適化
システムはつくって終わりではありません。昨今とくに重視されているのが「コスト最適化(FinOps)」です。
クラウドは従量課金制のため、不要なリソースを放置するとコストが膨れ上がります。Azure Cost Managementなどのツールを活用し、無駄な出費を削りながらパフォーマンスを維持する運用が求められます。
また、24時間365日の安定稼働を支える監視体制の構築も欠かせません。
Azureエンジニアに求められるスキルと資格
Azureエンジニアとして活躍するためには、クラウド特有の概念を理解したうえで、周辺技術を習得する必要があります。
【必須】Azureの基幹サービス(仮想マシン・ストレージ・ネットワーク)の知識
まずは、Azureの土台となる「Compute(計算資源)」「Storage(保存領域)」「Network(通信)」の3要素をマスターすることが必須です。
Virtual Network(VNet)をどのように区切り、確実に通信経路を確保するかといったネットワークの知識は、すべての構築業務の基本です。これらの基礎が疎かだと、重大な不具合や情報漏洩を招くリスクがあるため、徹底した理解が求められます。
【推奨】コンテナ技術の理解
現代の開発現場では、アプリケーションを「コンテナ」として管理する手法が主流です。Azure Kubernetes Service (AKS) などのコンテナ実行環境を構築・運用できるスキルは高く評価されます。
コンテナ技術を習得することで、システムの拡張性(スケーラビリティ)が高まり、急激なアクセス増加にも耐えうるインフラを提供できます。
【推奨】IaCによるインフラ自動化スキル
手動でAzureポータルを操作するのではなく、コードによってインフラを定義する「IaC (Infrastructure as Code)」のスキルも重要です。
BicepやTerraformといったツールを使いこなすことで、構築ミスを防ぎ、同じ構成を迅速に再現できます。自動化の仕組みを導入できるエンジニアは、開発効率を劇的に向上させられるため、市場価値が高いです。
推奨される認定資格ロードマップ
Microsoftは、スキルの証明となる「Microsoft認定資格」を体系化しています。以下の順序で取得を目指すのが一般的です。
初級:AZ-900 (Fundamentals)
クラウドの基本概念とAzureの全体像を学ぶための入門資格です。非エンジニアや未経験者が最初に受けるべき試験であり、Azureで何ができるのかを俯瞰的に理解するのに適しています。
中級:AZ-104 (Administrator Associate)
Azureエンジニアとしての実務能力を証明する、重要度の高い資格です。ID管理、ストレージ、仮想ネットワークなどの管理・運用に関する知識が問われます。この資格を保有していることで、実務の基礎ができていると判断されるケースが多いです。
上級:AZ-305 (Solutions Architect Expert)
ビジネス要件を具体的な技術構成に落とし込む「設計」のプロであることを示す最上位資格です。コスト、信頼性、パフォーマンスのバランスを考えた最適なアーキテクチャを提案する力が求められます。
高年収を目指すなら、ぜひ取得しておきたい資格です。
Azureエンジニアの年収相場
Azureエンジニアの年収は、担当する工程やスキルの希少性によって大きく変動します。
平均年収と経験年数別の目安
Azureエンジニアの一般的な年収目安は以下のとおりです。
- 実務未経験〜2年(初級): 400万〜550万円
- 実務3〜5年(中堅): 550万〜800万円
- 実務5年以上(設計・上流工程): 800万〜1,200万円以上
Azureはエンタープライズ(大手企業)向けの案件が多いため、ほかクラウドと比較しても給与水準は安定して高い傾向にあります。とくに上流工程での設計経験は、市場で高く評価されます。
「Azure × AI」「Azure × セキュリティ」による年収アップの傾向
単なるインフラ構築だけでなく、プラスアルファの専門性を持つことで年収はさらに上がります。
とくに「Azure OpenAI Serviceを活用したAI基盤の構築経験」や、「Microsoft Defenderを用いた高度なセキュリティ対策の実装スキル」は、2026年時点の転職市場で引き合いが強い分野です。
これらを掛け合わせることで、年収1,000万円を超えるケースもあります。
MyVision編集部で仮の条件で年収をシミュレーションしてみると、30歳のAzureエンジニア(リーダー候補)は、約750万円。40歳のシニアアーキテクト(設計責任者)の場合は、約1,100万円あたりの年収が想定できます。
リーダー候補の場合はAZ-104などの実務スキルに加えてプロジェクト管理能力が、シニアアーキテクトの場合は、複雑なエンタープライズ環境でのガバナンス設計や最新のAI技術統合などの実績が年収に影響します。
自身の経験がどの帯域に属するか、一度棚卸ししてみるのがよいでしょう。
Azureエンジニアの将来性
結論からいえば、Azureエンジニアの将来性は明るいといえます。その理由は以下の3点に集約されます。
企業のMicrosoft 365利用に伴うシェア
世界中の企業の多くが Microsoft 365(TeamsやExcelなど)を業務の基盤としています。
これらのツールとシームレスに連携できるAzureは、企業にとって「導入ハードルが低いクラウド」であり続けています。
このエコシステムが存在する限り、Azureの需要が消えることは考えにくいでしょう。
エンタープライズ領域におけるAzure採用の加速
銀行や保険会社、製造業などの大手企業が、既存のWindowsサーバー群を順次クラウドへ移行しています。こうした大規模プロジェクトは数年単位で続くことが多く、安定した仕事の供給源だといえます。
AI/データ活用基盤としての優位性と需要の継続性
MicrosoftはOpenAI社と強力なパートナーシップを結んでおり、Azureは「世界最先端のAIを使えるクラウド」としての地位を確立しました。
今後、あらゆるシステムにAIが組み込まれる中で、その土台を支えるAzureエンジニアの役割はさらに重要性を増していきます。
一般公開されている情報だけを見ると、年収や将来性が転職の決め手となるかもしれません。しかし、MyVision編集部が重視するべきポイントは別にあります。
- 案件の『深さ』(単なる構築か、AI統合まで含むか)
- 企業の『内製化率』
- マルチクラウドへの『柔軟性』
業界のメリットばかりを見ていると、企業単位での環境にまで目が向かないこともあります。十分に注意しましょう。
Azureエンジニアのキャリアパス
Azureエンジニアの経験や知識があれば、多様なキャリアを形成できます。
- クラウドアーキテクト: システム全体の設計を担う専門家。技術選定からコスト設計まで幅広く担当
- SRE(Site Reliability Engineering): サイトの信頼性を高めるため、自動化やモニタリングを極める職種
- AIエンジニアへのキャリア拡張: AzureのAIサービスを使いこなし、データ活用まで踏み込んだ開発をおこなう
- ITコンサルタント・PM: 企業の経営課題をクラウド技術で解決する、よりビジネスに近い立場を目指す
キャリアパスが幅広い点も、Azureエンジニアの特徴です。
未経験からAzureエンジニアになるには?ロードマップを解説
未経験からAzureエンジニアへ挑戦する場合、まずは「動かしてみること」が転職成功の近道です。
こちらでは、未経験からAzureエンジニアになるためのロードマップを確認しましょう。
ステップ1:Azure無料アカウントでのハンズオン実施
Azureには一定期間無料で使える枠が用意されています。まずはアカウントを作成し、実際に仮想マシンを立ち上げたり、Webサイトを公開する「ハンズオン(実体験)」をおこないましょう。座学だけでは得られない感覚を養うことができます。
ステップ2:AZ-104の取得を目指した体系的学習
ある程度操作に慣れたら、認定資格「AZ-104」の勉強をはじめましょう。試験勉強を通じて、ネットワークの仕組みや権限管理のルールなど、プロとして必須の知識を体系的に学べます。
ステップ3:実務を想定したポートフォリオ作成
学んだ技術を組み合わせて、「自動でバックアップが取れるWebサーバー構成」などを実際につくり、それを構築手順書や構成図としてまとめましょう。これをポートフォリオとして提示することで、採用担当者に実力を客観的に示せます。
Azureエンジニアのキャリア相談ならテックゴーへ
Azureエンジニアとしての道は多岐にわたり、どのプロジェクトに参画するかで数年後の市場価値が大きく変わります。
テックゴーでは、単に求人を紹介するだけでなく、「AIスキルを身につけたい」「大規模マイグレーションに関わりたい」といったあなたの理想のキャリアから逆算した提案をおこないます。
Microsoft製品に強い企業とのコネクションを活かし、あなたの強みを最大化できる環境への転職をサポートします。
まとめ
Azureエンジニアは、Microsoftの強固な基盤と最新のAI技術を武器に、企業の未来を支える魅力的な職種です。
求められるのは、単なる操作スキルだけではありません。基盤となるネットワークの知識、ID管理によるセキュリティ、最新のAI統合まで、学び続ける姿勢が評価につながります。
クラウド市場の成長は止まりません。今、Azureという強力な技術を身につけることは、あなたのエンジニア人生にとって大きな資産となるはずです。
【FAQ】Azureエンジニアに関するよくある質問
こちらでは、Azureエンジニアに関するよくある質問に答えていきます。
AWS経験があればAzureエンジニアとして即戦力になれますか?
はい、十分になれます。クラウドの基本概念(仮想化、ネットワーク、ストレージ)は共通しているため、AWSでの経験はAzureでも活かせます。
各サービスの名称や仕様の違い(例:AWSのVPC=AzureのVNetなど)を整理するだけで、スムーズにシフトできるでしょう。
Azureエンジニアは「きつい」「やめとけ」と言われる理由は?
主に「覚えることの多さ」と「OSアップデートの速さ」が原因と考えられます。
しかし、これは変化の激しいIT業界全般にいえることであり、裏を返せば「常に最新技術に触れられる」というメリットでもあります。
学習を楽しめる人にとっては、むしろ飽きることのない環境です。
Azureエンジニアの仕事はいずれAIに自動化されてなくなりますか?
定型的な構築作業はAIによって自動化されていくでしょう。しかし、「どのサービスを組み合わせてビジネス課題を解決するか」という設計や意思決定、AIそのものを動かすインフラの管理は、人間にしかできません。
AIを「敵」ではなく、自らの業務を効率化する「道具」として使いこなせるエンジニアの価値は、今後ますます高まっていくでしょう。

