PHPエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性から転職すべきかを解説
2026年02月28日更新
PHPエンジニアは、Webサービスの裏側を支えるシステムの設計・開発を担う専門職です。世界中のWebサイトの約7割以上でPHPが利用されており、SNSやECサイト、業務システムなど、私たちが日常的に触れるサービスの多くがPHPによって動いています。
2026年現在、PHP 8.x系への進化により実行速度と型定義の堅牢性が飛躍的に向上したことで、大規模開発における信頼性もさらに高まっています。
本記事では、PHPエンジニアの役割、必要なスキルセットや年収相場、そしてAI時代の将来性について解説します。
著者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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監修者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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目次
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PHPエンジニアとは?
PHPエンジニアとは、オープンソースのスクリプト言語「PHP」を用いて、Webアプリケーションのロジックやデータベース連携を実装するエンジニアのことです。
PHPエンジニアの役割とWeb開発での立ち位置
PHPエンジニアの役割は、単にコードを書くことではなく、ユーザーの操作に対して「正しく適切に」データを処理する仕組みを維持することです。
Web開発の現場において、PHPはフロントエンド(HTML/CSS/JavaScript)とデータベース(MySQLなど)を仲介する「バックエンド」の中核を担います。
開発効率が非常に高いため、リリース速度を重視するスタートアップ企業から、安定稼働が求められる大規模な自社サービスまで、幅広い領域で重宝される立ち位置にあります。
サーバーサイド開発におけるPHPの特徴(動的コンテンツ生成)
PHPの最大の特徴は、HTMLに直接プログラムを埋め込める「HTML埋め込み型」の言語であることです。
これにより、固定のページを表示するだけでなく、ユーザーの入力内容やデータベースの情報に基づいて「そのときだけの専用ページ」を瞬時に生成できます。
たとえば、AmazonのマイページやTwitterのタイムラインのような動的コンテンツの生成において、PHPは無類の強さを発揮します。この「動的な処理」こそが、現在のWeb体験の根幹を支えている技術です。
Ruby on RailsやJava、Pythonエンジニアとの違い
PHPはほかの言語と比較して「Web開発への特化」と「環境構築の容易さ」で一線を画しています。
| 言語 | 主な特徴 | Web開発における傾向 |
|---|---|---|
| PHP | Web特化、学習が容易 | 求人数が非常に多く、案件の幅が広い |
| Ruby | 直感的な記述、Railsが強力 | スタートアップでの採用が多いが、求人数はPHPに劣る |
| Java | 堅牢、大規模システム向け | 銀行などの大規模基幹システムに強いが、学習難易度が高い |
| Python | AI・データ分析に強い | Web開発もできるが、日本では機械学習領域が中心 |
PHPはWebに特化して進化してきたため、ほかの言語よりもサーバーへの導入がスムーズで、コストを抑えた開発ができます。
PHPエンジニアの仕事内容
PHPエンジニアの仕事は多岐にわたりますが、中心となるのは「ユーザーが求める機能を形にし、安定して動かし続けること」です。
開発対象は新規のWebアプリから、世界シェアNo.1のCMSであるWordPressのカスタマイズ、さらには数十年続く基幹システムのリプレイスまで、多種多様なフェーズが存在します。
Webアプリケーション・CMS(WordPressなど)の開発
代表的な業務のひとつが、フレームワークを用いたWebアプリ開発やWordPressの構築です。
現在は「Laravel(ララベル)」というフレームワークを使った開発が主流で、認証や決済、通知といった複雑な機能を効率よく実装します。
また、全世界のWebサイトの約4割を占めるWordPressの裏側もPHPで動いているため、独自のプラグイン開発やテーマのカスタマイズといった案件も絶え間なく存在します。
小規模店舗のサイトから数百万ユーザーを抱えるメディアまで、手がける対象は非常に広範です。
データベース連携(MySQL/PostgreSQL)とAPI構築
PHPエンジニアは、蓄積されたデータを活用するための「データ連携」のプロでもあります。
ユーザー情報を保存するMySQLやPostgreSQLといったデータベースと通信し、必要な情報を高速に引き出す処理を書きます。
また、近年はフロントエンド(React/Vue.js)やスマートフォンアプリとデータをやり取りするためのAPIの構築が主な業務であり、単なる画面作成を超えた、システム全体の設計能力が求められます。
既存システムの保守・リプレイス対応
PHPには長い歴史があるため、過去につくられたシステムの「保守・リプレイス(つくり直し)」も重要な仕事です。
古いバージョン(PHP 5.xや7.x)で書かれたコードを、最新のPHP 8.x系へ移行したり、セキュリティホールを修正する業務は、企業の資産を守るうえで欠かせません。
既存の複雑なロジックを解読し、モダンな構成へとアップデートしていくこの作業は、エンジニアとしての深い洞察力と「設計の良し悪し」を学ぶ絶好の機会でもあります。
パフォーマンスチューニングとセキュリティ対策
Webサービスの成長にともない、アクセス集中に耐えるためのパフォーマンス改善が求められます。
具体的には、キャッシュの活用やSQLの最適化をおこない、ページの表示速度を1秒でも短縮する工夫を凝らします。同時に、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といったサイバー攻撃からユーザーを守るためのセキュリティ対策も必須です。
2026年現在は、開発の初期段階から堅牢性を組み込む「セキュアコーディング」の徹底が現場のスタンダードです。
PHPエンジニアに求められるスキル
2026年の市場で評価されるPHPエンジニアになるには、言語そのものの知識だけでなく、周辺技術やモダンな開発手法への理解が不可欠です。
【必須】主要フレームワークの習得(Laravel/Symfony/CakePHP)
現在のPHP開発において、フレームワーク、とくに「Laravel」の習得は必須条件といえるでしょう。
Laravelは全世界で非常に高いシェアを誇り、多機能かつ書きやすいため、多くの求人で採用されています。一方で、大規模開発で好まれるSymfonyや、国内のレガシー案件に多いCakePHPの知識があれば、対応できるプロジェクトの幅が格段に広がります。
【必須】インフラ・コンテナ知識(Docker / AWS)
「コードさえ書ければいい」という時代は終わり、現在はインフラ知識も必須スキルに含まれます。
とくにDockerを用いたコンテナ型の開発環境構築は、チーム開発において当たり前のスキルとなりました。また、作成したアプリを動かすところとしてAWS(Amazon Web Services)やGoogle Cloudといったクラウドサービスの知識も求められます。
サーバーの構築・運用まで考慮したコードが書けるエンジニアは、どの現場でも高く評価されます。
【必須】オブジェクト指向プログラミングとデザインパターンの理解
中長期的な保守性を担保するために、オブジェクト指向プログラミング(OOP)の深い理解が求められます。
コードを部品化し、再利用しやすく整理する技術は、大規模なチーム開発で不可欠です。あわせて「デザインパターン」という先人の知恵(設計の型)を身につけることで、誰が読んでも理解しやすく、変更に強いプログラムを書けます。
【推奨】ユニットテスト(PHPUnit)とCI/CDの知識
品質を担保するための「テストの自動化」スキルは、高年収を狙うための強力な武器になります。
PHPUnitを用いたユニットテストを書くことで、コード変更時のデグレード(不具合の再発)を未然に防げます。また、GitHub Actionsなどを用いたCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)の仕組みを構築できると、開発の生産性が劇的に向上します。
【推奨】フロントエンド(Vue.js / React)との連携スキル
バックエンドだけでなく、フロントエンドの技術に精通していると「フルスタック」に近い動きができます。
とくにLaravelはVue.jsやReactとの親和性が高く、Inertia.jsなどを用いたモダンなSPA(シングルページアプリケーション)開発の現場が増えています。
APIを介してフロントエンドとどのようにデータをやり取りするのが最適かを提案できるレベルになれば、単なる作業員ではなく「技術選定ができるエンジニア」として重宝されます。
PHPエンジニアの年収相場
PHPエンジニアの年収は、担当できる工程の広さと技術的な深さに比例します。
言語の習得が比較的容易な分、ベースラインは安定していますが、上流工程(設計)やモダンな開発環境の経験があるかどうかで、数百万円単位の差が生じるのがPHPエンジニアの特徴です。
経験年数別の平均年収と最高水準の目安
2026年時点での、経験年数に応じた一般的な年収目安は以下のとおりです。
- 実務未経験〜2年程度: 350万〜500万円
- 実務3〜5年程度: 500万〜750万円
- 実務5年以上/テックリード級: 800万〜1,100万円以上
実務経験が3年以上あれば、月収70万〜100万円(年収換算で840万〜1,200万円)を狙うことも十分に可能です。ただし、給与を上げるには「最新のPHP 8.4以降の知見」や「高負荷対策の経験」が求められます。
MyVision編集部で仮の条件で年収をシミュレーションしてみると、25歳のジュニアクラス(PHP実務2年)の場合は約450万円、30歳のバックエンドリーダー(Laravel経験5年)は約780万円あたりの年収が想定できました。
自身のスキルが市場のどの位置にあるかを把握することが、年収アップの第一歩です。
開発案件の傾向:受託開発と自社開発企業での年収差
所属する企業のビジネスモデルによって、年収の伸び方や評価軸が異なります。
- 自社プロダクト企業: サービスの成長に貢献する設計力や改善提案が評価されやすく、年収が高くなる傾向がある
- 受託開発企業: 案件の単価が年収に直結する。下請け構造の末端では年収が伸び悩むこともある
PHPエンジニアの将来性
「PHPはもう古い」という声は10年以上前からありますが、2026年現在もその需要は堅調です。むしろ、モダン化したPHPは「Web開発の最適解」のひとつとして再評価されています。
「PHPはオワコン」は本当か?最新シェアと需要
結論からいえば、PHPがオワコンになる未来は当面訪れないでしょう。世界のWebサイトの大多数がPHPで構築されており、それらの保守・拡張・リプレイス需要が消えることはありません。
また、PHP 8.0以降、JITコンパイラの導入などで処理速度が改善されたため、性能面でもほかのモダン言語に引けを取りません。求人倍率も依然として高く、エンジニアにとって「食いっぱぐれのない」言語であり続けています。
Laravelの普及による開発効率と保守性の向上
Laravelの登場は、PHPのイメージを「古臭い言語」から「モダンな開発ができる言語」へと塗り替えました。
Laravelは、現在の開発に求められる機能(認証、ルーティング、ORMなど)を網羅しており、チーム間で統一感のある美しいコードを書きやすい仕組みが整っています。このエコシステムの強さが、企業の採用意欲を支えています。
基幹システムからスタートアップまで幅広い採用事例
PHPエンジニアは、その柔軟性からあらゆるフェーズの企業で採用されています。
- スタートアップ: 爆速でMVP(最小機能版)をリリースするために、開発効率の高いPHPが選ばれる
- エンタープライズ: 歴史ある企業の基幹システムや大規模ECサイトでの採用実績が多く、安定運用に貢献できる
この「裾野の広さ」こそが、景気変動に左右されにくいPHPエンジニアの強みです。
PHPエンジニアのキャリアパス
PHPを極める道もあれば、そこを起点に領域を広げる道もあります。
PHPスペシャリスト・テックリードへの道
ひとつは、PHPの専門性を追求し、技術的な意思決定をおこなうテックリードやアーキテクトを目指す道です。
最新の言語仕様や内部構造に精通し、大規模トラフィックを捌くための設計を指揮します。特定の言語を極めた「深い専門性」は、技術選定の場面で強力な武器となります。
フルスタックエンジニア(フロントエンド・インフラへの拡張)
PHPを主軸にしつつ、TypeScript(React/Next.js)やクラウドインフラ(AWS)まで守備範囲を広げるキャリアです。
フロントからバックエンド、インフラまで一気通貫で開発できる人材は、とくに少人数のチームや新規事業開発において「価値の高い人材」として重宝され、年収も上がる傾向にあります。
PM(プロジェクトマネージャー)やVPoEへの転身
技術を理解したうえでチーム管理や事業成長にコミットする、マネジメント職への転身も一般的です。
PHP開発を通じて「事業と技術のバランス」を学んだエンジニアは、現実的で精度の高いプロジェクト管理ができるため、PMとしての適性が高い傾向にあります。
一般公開されている情報だけでは、ただ年収が高い企業への転職を考えてしまうかもしれません。しかし、MyVision編集部が重視するポイントはそこではありません。
- モダンなPHP環境(8.x〜)での開発ができるか
- インフラやフロントエンドへの領域拡大を許容する文化か
- 技術的負債への向き合い方
これらのポイントを見極め、自分のなかの目的や優先度と合致するかを判断しましょう。年収や社名だけで選んでしまうと、ミスマッチを感じることもあるため、注意しましょう。
PHPエンジニアを目指すためのロードマップ
こちらでは、未経験から、または他職種からPHPエンジニアを目指すための具体的な4ステップを紹介します。
ステップ1.PHPの基本構文とWebの仕組みを理解する
まずは、PHPの基本(変数、条件分岐、ループ、関数)を学びます。同時に、HTTPリクエストやレスポンス、クッキーやセッションといった「Webブラウザとサーバーがどう通信しているか」の仕組みを理解しましょう。
ステップ2.オブジェクト指向とLaravelの習得
基本が身についたら、オブジェクト指向の考え方を学び、Laravelでの開発に挑戦しましょう。MVC(Model-View-Controller)の概念を理解し、簡単なCRUD(作成・読み取り・更新・削除)機能を実装できるようになることが目標です。
ステップ3.ポートフォリオとしてのWebアプリ制作をおこなう
学習した内容を形にするため、自分なりのWebアプリ(掲示板、タスク管理ツール、EC風サイトなど)を自作します。ただつくるだけでなく、GitHubにコードを公開し、Dockerを使ったりテストコードを書くことで、実務に近いレベルであることを証明します。
PHPエンジニアへの転職・キャリア相談ならテックゴーへ
PHPエンジニアとして理想のキャリアを築くためには、単に「PHPが使える」という条件だけで求人を選ばないことが肝要です。市場にはモダンなLaravel環境での新規開発もあれば、レガシーなシステムの保守に追われる現場も混在しているからです。
テックゴーでは、業界に精通したアドバイザーがあなたのスキルを棚卸しし、次のようなポイントを細かく確認したうえで最適な企業を提案します。
- PHP 8.x系やLaravelなどのモダンな環境を導入しているか
- インフラ(AWS/Docker)やフロントエンド(React/Vue.js)へ領域を広げられるか
- 技術的負債への理解があり、リプレイスや改善に前向きな文化か
同じPHPエンジニアという職種でも、選ぶ環境によって3年後の市場価値は大きく変わります。あなたが「レガシーな保守要員」ではなく「事業を技術でリードするエンジニア」としてステップアップできるよう、戦略的な転職を支援します。
まとめ
PHPエンジニアは、2026年現在もWeb業界の屋台骨を支える非常に安定した職種です。
求められるのは単なるコーディング能力ではなく、Laravelを駆使した効率的な開発、データベースやインフラを意識した設計、そして最新の言語仕様を追う学習姿勢です。未経験からの参入障壁が低い一方で、極めれば高年収と自由な働き方を手に入れられる「夢のある職種」でもあります。
自身のキャリアをどこまで広げたいのか、どのような環境で技術を磨きたいのかを明確にし、次の一歩を踏み出しましょう。
PHPエンジニアに関するよくある質問
こちらでは、PHPエンジニアに関するよくある質問にお答えします。
PHPエンジニアは「きつい」「やめとけ」と言われるのはなぜですか?
過去のレガシーなシステムや、単価の低い下請け案件に関わると、保守が困難で疲弊しやすいためです。最新のLaravel環境や自社開発企業を選べば、クリエイティブで働きやすい環境が手に入ります。
WordPressエンジニアとPHPエンジニアの違いは何ですか?
WordPressエンジニアはCMSの構築・カスタマイズに特化した人を指し、PHPエンジニアはより広範なWebシステムの開発全般を担う人を指します。後者のほうが、システム設計やアーキテクチャへの理解がより深く求められます。
AI(GitHub Copilotなど)の普及でPHPエンジニアの仕事はなくなりますか?
なくなりません。AIは「コードを書く作業」を補助してくれますが、「ビジネス要件を正しく理解してシステムを設計する」「複雑なバグの原因を論理的に特定する」といった役割は、引き続きエンジニアの人間にしかできない重要な仕事です。
