大手SIerとは?企業例とその年収、キャリアパスや転職するためのポイントについて解説
2025年10月28日更新
IT業界でキャリアを築くうえで、「大手SIerで働く」という選択肢は多くの人にとって憧れの一つです。
しかし一口に「大手SIer」といっても、企業によって事業領域・プロジェクト規模・求められるスキルは大きく異なります。
本記事では、SIerの基本的な仕組みから、国内を代表する大手企業の特徴、年収相場、キャリアパス、そして転職を成功に導くポイントまでを体系的に解説します。
読み進めることで、「自分に合ったSIer企業とはどのような環境か」「どんな準備をすれば理想のキャリアを実現できるか」が明確になるはずです。
まずは、そもそも「SIer」とは何をする企業なのか、その役割と分類を整理しておきましょう。
著者

蓬田 和己
Yomogita Kazuki
早稲田大学卒業後、レバレジーズ株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして開発、データ職種のエンジニアの方の支援に従事。歴代最速で事業部内単月支援者数、売上1位を獲得し、組織目標の達成に大きく貢献。社内での異動、キャリアアップ、転職もどれが良いのか単純には決められないので、お客様にとって最善の選択肢を一緒に考えていきたいという思いから、MyVisionに参画。
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監修者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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目次
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そもそもSIerとは?分類や事業内容などを解説
SIer(エスアイヤー)とは「System Integrator(システムインテグレーター)」の略で、企業の課題をITの力で解決する専門企業を指します。
業務システムやインフラ構築を通じて、企業の業務効率化や生産性向上を支援する存在です。
ここでは、SIerの主な事業内容や業務プロセス、分類ごとの特徴を整理します。
さらに、混同されやすいSE(システムエンジニア)との違いもあわせて解説し、業界全体の構造を理解できるようにします。
SIerの事業内容
SIerの主な役割は、クライアント企業の要望をもとに、業務システムやITインフラを企画・設計・構築することです。
単にシステムを「作る」だけでなく、業務課題を分析し、最適なソリューションを提案・導入する点に特徴があります。
たとえば、銀行・メーカー・自治体など多様な業界で、基幹システムや業務システムの開発を担当します。
こうした取り組みを通じて、SIerは「ITを通じて企業の経営を支援する存在」といえるでしょう。
SIerの業務プロセス
SIerの業務は、大きく「要件定義」「設計」「開発」「テスト」「運用・保守」の5つのフェーズに分かれます。
上流工程では、クライアントとの打ち合わせを通じて課題を整理し、要件を明確化する力が求められます。
一方、下流工程では、プログラミングやテストなど実装に関する技術スキルが必要です。
このように、SIerはプロジェクト全体を俯瞰しながら、複数フェーズを連携・統括する役割を担っています。
SIerの分類とその特徴
SIerは、大きく以下の5つの系統に分類されます。
それぞれの強みや働き方を理解しておくことで、自分に合ったキャリアを選びやすくなります。
- ユーザー系SIer:親会社やグループ企業のシステム開発を担当。安定した経営基盤とワークライフバランスの良さが魅力
- メーカー系SIer:ハードウェアや通信など、自社技術を活かしたソリューションを展開。技術志向の人に向いている
- 独立系SIer:特定企業の系列に属さず、幅広い業界・業種の案件に携われる。自由度が高く、多様な経験を積みやすい
- 外資系SIer:グローバル案件が多く、英語力や海外チームとの連携が求められる。成果主義で年収水準が高い傾向
- コンサル系SIer:IT戦略や業務改革を含む上流工程に強み。論理的思考力やビジネス視点が求められる
自分の志向性やキャリアプランに合わせて、どの系統のSIerが適しているかを見極めることが重要です。
SEとの違い
SIerと混同されやすい職種に「SE(システムエンジニア)」があります。
SEはシステム開発の実務を担う技術者を指し、SIerはそれらの技術者が所属する企業そのものを意味します。
つまり、「SIerという企業の中でSEとして働く」という構図が一般的です。
SIerには、SEを含めた営業・プロジェクトマネージャー(PM)・ITコンサルタントなど多様な職種が在籍しています。
この違いを理解しておくことで、自分がどの立ち位置でキャリアを築きたいのか、より明確にイメージできるようになります。
大手SIerとは?
大手SIerとは、売上規模・取引先の多さ・案件のスケールなどで国内トップクラスに位置するシステムインテグレーターを指します。
国家レベルのプロジェクトや大企業の基幹システム構築など、社会インフラを支える大規模案件を手がける点が特徴です。
数千人〜数万人規模のエンジニアを抱え、要件定義から運用・保守まで一貫して担う体制を整えています。
安定した経営基盤と豊富な実績を背景に、技術力だけでなくマネジメント力・提案力も磨ける環境が整っています。
大手SIer企業を特徴と合わせて解説
大手SIerは、日本のIT産業を支える中核的な存在です。
ここでは、代表的な11社について事業の特徴・得意分野・働く上での魅力を紹介します。
それぞれの企業文化や強みを理解することで、自分に合ったキャリアパスを明確に描けるようになります。
富士通
富士通は日本を代表する総合ITベンダーで、官公庁・金融・製造など幅広い分野でシステム構築を展開しています。
「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を軸に、クラウド・AI・データ分析などの先端技術を活用。教育・研修制度が充実しており、長期的にキャリアを築ける環境が整っています。
安定した経営基盤のもと、社会全体に影響を与えるプロジェクトに携われる点が魅力です。
NTTデータ
NTTデータは国内最大規模のSIerであり、官公庁・金融機関・インフラ企業などの基幹システムを多数担当しています。
グローバル展開にも積極的で、海外拠点との連携を通じて国際的なプロジェクト経験を積むことが可能です。
プロジェクトマネジメント力やチームで課題を解決するスキルが磨かれる環境で、安定性とスケールの両方を求めるエンジニアに適した職場といえます。
NEC
NECは公共・社会インフラ領域に強く、官公庁・自治体システムで高いシェアを誇ります。
AIやセキュリティ、5Gなどの先端分野にも注力しており、社会課題の解決を技術で支える企業です。
社風は穏やかでチームワークを重視し、安定したキャリアを築きたい人に向いています。「社会に貢献しながら技術を磨きたい」人に最適な環境です。
日立製作所
日立製作所はハードウェアとソフトウェアの両軸を融合させたソリューションを提供しています。
製造・エネルギー・交通などの社会基盤を支えるプロジェクトが中心で、「社会イノベーション事業」を掲げて環境分野のDXにも注力しています。
モノづくりとITを融合させた、社会貢献型プロジェクトに携わりたい人におすすめです。
パナソニック コネクト
パナソニック コネクトは、製造業を中心としたBtoBソリューションに強みを持つSIerです。
AIカメラやIoTを活用した現場支援ソリューションなど、データと現場をつなぐIT活用が進んでいます。
クライアントとの協働を重視し、課題解決に寄り添うスタイルが特徴で、技術を通じて現場の変革に貢献したい人に適した職場です。
大塚商会
大塚商会は、IT機器販売からソフトウェア導入・運用支援までを一貫提供する独立系SIerです。
中小企業から大企業まで幅広い顧客を抱え、営業力とサポート力の強さで知られています。
顧客とのやり取りを通じて培われる提案力・調整力は、キャリアの大きな武器になります。人と関わる仕事を通じてITスキルを活かしたい人に向いています。
NRI
NRI(野村総合研究所)は、コンサルティングとシステム開発の両軸で価値を提供するハイブリッド型企業です。
金融・流通・公共分野の大規模案件を多数手がけ、上流工程の戦略立案に強みを持ちます。
論理的思考力・課題発見力が求められる環境で、経営視点を持ったキャリア形成が可能です。IT×戦略の分野でプロフェッショナルを目指したい人に最適です。
IBM
IBM(日本アイ・ビー・エム)はグローバルIT企業として、AI・クラウド・データ活用を軸に多様なソリューションを展開しています。
外資系ならではの成果主義とスピード感があり、自らの専門領域を深めたい人に向いています。
英語を使う機会や海外プロジェクトへの参加チャンスも多く、グローバル志向の人に人気です。最先端技術を駆使し、世界水準のITプロジェクトに挑戦したい人におすすめです。
伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は商社系SIerとして、幅広い業界に対しITインフラやアプリケーション開発を提供しています。
伊藤忠グループのネットワークを活かし、国内外の最新技術を柔軟に取り入れる点が強みです。
エンジニアの裁量が大きく、提案から実装まで一貫して携われる案件も多いです。多様な業界に関わりながら、技術の幅を広げたい人に向いています。
TIS
TISは金融・製造・公共分野に強い独立系SIerで、デジタル社会を支えるインフラ企業として知られています。
クライアントの経営課題に深く踏み込み、コンサルティング要素の強いプロジェクトにも参画可能です。
若手のキャリア支援や研修制度が整っており、挑戦を後押しする社風です。自らの意見を活かしながらプロジェクトを動かしたい人におすすめです。
SCSK
SCSKは住友商事グループのIT企業として、金融・製造・流通など幅広い業界で事業を展開しています。
働き方改革を積極的に進めており、残業削減・テレワーク推進など社員の働きやすさにも注力。システム開発に加えてコンサルティングやクラウド導入支援など、上流工程比率も高いのが特徴です。
ワークライフバランスを大切にしながら専門性を磨きたい人に最適です。
大手SIerの年収
業種別の平均給与を見ると、SIerを含む「情報通信業」の平均年間給与は約660万円と報告されています。 国税庁|令和6年分 民間給与実態統計調査
同調査によれば、給与所得者全体の平均年収は約486万円であるため、SIerが属する情報通信業は、国内平均と比べて高水準の給与帯に位置していることがわかります。 下記の表に、口コミサイトOpenWorkに寄せられた、大手SIerの平均年収額をまとめます。
| 企業 | 平均年収 | 年収レンジ |
|---|---|---|
| 富士通株式会社 | 724万円 | 200〜2,700万円 |
| NTTデータ株式会社 | 768万円 | 280〜2,600万円 |
| NEC | 722万円 | 250〜2,000万円 |
| 日立製作所 | 735万円 | 250〜1,800万円 |
| パナソニック コネクト | 664万円 | 260〜1,600万円 |
| 大塚商会 | 667万円 | 250〜1,900万円 |
| NRI(野村総合研究所) | 1013万円 | 326〜11,000万円 |
| IBM(日本アイ・ビー・エム) | 912万円 | 240〜3,400万円 |
| CTC(伊藤忠テクノソリューションズ) | 756万円 | 300〜1,579万円 |
| TIS | 609万円 | 240〜6,000万円 |
| SCSK | 611万円 | 300〜1,500万円 |
参考:OpenWork
上記データからは、大手SIerの中でも平均年収に大きな幅があり、企業・職種・役職によって数百万円単位の差が見られます。
全体としては「600万円〜700万円台」がおおよその基準水準であり、特に上流工程やマネジメント職、戦略系SIerなどでは800万円以上も十分に現実的な水準です。
ただし、年収を転職判断の主軸とする場合は、職種や担当領域に加え、残業時間・評価制度・インセンティブの有無といった条件もあわせて確認することが重要です。
これらを見落とすと、想定していた年収を下回ったり、成果が適正に評価されない環境に転職してしまうリスクがあります。
大手SIerで働くメリットとデメリット
大手SIerでのキャリアには、安定した環境でスキルを磨ける一方、プロジェクト体制の大規模さゆえの制約も存在します。
ここでは、代表的なメリットとデメリットを整理しながら、働くうえでどのような点に魅力や課題を感じるかを具体的に見ていきましょう。
大手SIerで働くメリット
大手SIerで働く主なメリットは、次の4点です。
経営が安定しており、福利厚生が手厚い
大手SIerの多くは、親会社やグループ企業の支援を受けており、経営面での安定性が非常に高いのが特徴です。
賞与・退職金・住宅手当といった福利厚生も整備されており、将来を見据えた働き方が実現しやすい環境です。
特に官公庁や大手企業を取引先とする案件が多いため、景気変動の影響を受けにくい点も安心材料といえます。
「腰を据えて長期的にキャリアを築きたい」という人に最適な職場です。
汎用性のあるスキルが高いレベルで身につく
大規模プロジェクトに参画することで、要件定義から設計・運用までのプロセスを体系的に経験できます。
その過程で、技術スキルだけでなくチームマネジメントや課題解決など、どの業界でも通用するスキルを磨けます。
加えて、研修制度や資格取得支援が充実している企業も多く、成長意欲のある人にとって学びの機会は豊富です。
多面的なスキルを高い水準で身につけたい人にとって、理想的な環境といえるでしょう。
幅広い業界のプロジェクトに携われる
SIerのクライアントは金融・製造・通信・公共など多岐にわたり、さまざまな業界の課題解決に関われます。
これにより、業務知識や業界構造の理解が自然と深まり、特定分野で専門性を発揮できるようになります。
異なる業界経験を積むことで、提案力や課題把握力の幅が広がり、キャリアの柔軟性も高まります。
「特定領域に縛られず経験を広げたい」という方に向いている環境です。
キャリアアップしやすい
大手SIerでは、評価制度やキャリアパスが明確に定義されており、努力や成果が昇進・昇給に反映されやすい仕組みです。
プロジェクトリーダーやマネージャーといった管理職への昇格はもちろん、ITコンサルタントや企画職などへのキャリア転換も可能です。
さらに、社内異動制度を活用することで、技術職からマネジメント職へとステップアップする道も開かれています。
中長期的にキャリアの幅を広げたい人にとって、挑戦と成長の機会が整った環境といえるでしょう。
大手SIerで働くデメリット
一方で、大手SIerには安定性の裏側にいくつかの課題も存在します。
特に「技術の深掘りがしにくい」「配属の自由度が低い」「業務負荷が高い」といった点は、転職を検討する際にしっかり理解しておくべきポイントです。
開発の実務力は身につきにくい
大手SIerでは上流工程を担当することが多く、コーディングや細かな実装作業は外部パートナーに委託されるケースが一般的です。
そのため、実務を通じて技術力を磨きたいエンジニアにとっては、やや物足りなさを感じる場面もあるでしょう。
一方で、プロジェクト全体を俯瞰する視点やマネジメントスキルは確実に向上するため、ITコンサルタントやPM職を目指す人には有利な環境です。
自身が「技術志向」か「マネジメント志向」かを明確にし、キャリア方針に合うポジションを選ぶことが重要です。
希望する領域の仕事ができるとは限らない
大手SIerではプロジェクトの規模が大きく、個人の希望だけで配属先を決めることは難しい場合があります。
担当業務やフェーズは、企業の事業戦略やクライアント案件の状況に応じて決定されるケースが多いです。
また、部署異動やグループ内転勤が発生することもあり、柔軟な対応力が求められます。
自分の得意領域や志向を反映させたい場合は、定期面談や社内公募制度を積極的に活用し、意思を可視化しておくと良いでしょう。
ハードワークになる可能性がある
大規模案件ではスケジュールがタイトになりやすく、納期前は残業や休日対応が発生することもあります。
さらに、関係部門や外部ベンダーなど多くのステークホルダーと調整を行う必要があり、精神的なプレッシャーを感じる場面も少なくありません。
ただし、近年は多くの企業で働き方改革が進み、テレワークや残業削減の施策が浸透しつつあります。
転職時には、制度面だけでなく「実際の運用状況」まで確認し、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
大手SIerに転職するために求められるスキルや素養
大手SIerへの転職では、IT知識だけでなく、プロジェクトを動かす力も問われます。
上流工程を担うポジションが多いため、論理的思考力やマネジメント力、チームをまとめる調整力といったビジネススキルも欠かせません。
ここでは、選考や実務の現場で高く評価される主要スキルと、その具体的な身につけ方を解説します。
IT全般に関する基礎知識
大手SIerでは、クライアントの課題をITの力で解決するため、幅広い技術知識が必要です。
ネットワーク・クラウド・データベースなど、基盤技術の理解を深めることで、要件定義や提案の場で説得力が高まります。
「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」などの国家資格は、知識を体系的に整理し、客観的にスキルを証明できる手段です。
資格取得を通じてITの基礎を固めることで、「技術理解のあるビジネス人材」としてアピールしやすくなります。
論理的思考力/問題解決能力
SIerの仕事では、顧客の課題を整理し、最適な解決策を導き出す構造的な思考力が求められます。
単に要望を実現するだけでなく、「何のために、どのように解決するか」を論理的に考える姿勢が不可欠です。
日頃からケーススタディやフレームワーク分析などを行い、問題解決プロセスを習慣化するのが効果的です。
論理的思考力を磨くことで、要件定義やプレゼンなどの上流工程でも信頼される人材になれるでしょう。
コミュニケーション力
大手SIerでは、エンジニア・営業・顧客など多様な関係者と協働しながらプロジェクトを進めます。
そのため、相手の理解度に合わせて伝える力や、利害を調整する力が求められます。
特に、非エンジニア層に技術的な内容をわかりやすく説明できることは、上流工程で大きな強みとなります。
傾聴力や要約力、論点整理のスキルを磨くことで、プロジェクトの進行を円滑にし、信頼関係を築くことができます。
プロジェクトマネジメント力
大手SIerでは、数十名〜数百名規模のチームを統括する機会も多く、計画力と統率力が求められます。
進捗管理・課題管理・リスクマネジメントを体系的に行うスキルは、プロジェクトの成否を左右する重要な要素です。
PMP(Project Management Professional)やITILといった資格は、マネジメントの理論を実務で応用するうえで効果的な指標になります。
これらのスキルを高めることで、将来的にプロジェクトマネージャーや部門リーダーなど、上位職へのキャリアアップが見えてきます。
大手SIerからのキャリアパス
大手SIerで培った経験は、他業界や上位職への転職市場で高く評価されます。
特に、マネジメント力・提案力・業界理解といったスキルは、ITコンサルタントやプロジェクトマネージャーなどの上流職種に直結します。
ここでは、大手SIer出身者が実際に選択することの多い3つのキャリアパスを紹介します。
PM
大手SIerで培った進行管理・チームマネジメントの経験は、PM(プロジェクトマネージャー)職へのキャリアアップに最も直結します。
複数のベンダーやクライアントを調整しながら、数十人規模のプロジェクトを動かす力は、どの業界でも評価が高いスキルです。
特に、スケジュール・コスト・リスクの3要素をバランス良く管理できる人材は、上級マネジメント層への昇格も見込めます。
「事業全体をリードしたい」「チームをまとめる立場で価値を出したい」と考える人に最適なキャリアです。
ITコンサルタント
SIerでの要件定義や課題分析の経験は、ITコンサルタント職でも大きな武器となります。
システム開発だけでなく、経営課題の特定からIT戦略の立案・実行支援まで関われる点が魅力です。
上流工程での経験が豊富な人ほど即戦力として評価されやすく、外資系や総合系ファームでは高年収を実現するケースも増えています。
「技術を超えて企業の変革に携わりたい」「より経営に近い立場で働きたい」という方に向いています。
他のSIer
大手SIer出身者の中には、独立系・ユーザー系SIerへの転職を選ぶ人も少なくありません。
中堅SIerではプロジェクトの裁量が大きく、自らの判断で意思決定できるスピード感が得られます。
また、SIerで培ったIT知識と業務理解を活かし、メーカー・金融・通信・事業会社のIT企画職へ転身するケースもあります。
「安定から挑戦へ」「上流から事業側へ」と、自身の志向に合わせてキャリアの幅を広げられるのが、大手SIer出身者ならではの強みです。
大手SIerに転職するためのポイント
大手SIerは人気が高く、選考倍率も比較的厳しい傾向にあります。
そのため、漠然と応募するのではなく、戦略的な準備と情報収集が成功のカギとなります。
十分な準備を怠ると、せっかくのチャンスを逃したり、理想と異なる環境に転職して後悔するリスクもあります。
ここでは、大手SIerへの転職を成功に導くための4つのステップを解説します。
自己分析で自身のキャリアプランを考える
転職活動の第一歩は、自分のキャリアの軸を明確にすることです。
「技術を極めたいのか」「マネジメントやITコンサルティングを目指すのか」によって、選ぶべき企業やポジションは大きく異なります。
これまでの経験・強み・志向性を整理し、自身の価値を言語化することで、企業とのマッチ度を高めることができます。
ここを曖昧にしたまま転職を進めると、入社後に「思っていた働き方と違った」と感じるリスクが高まります。キャリアビジョンが明確になるほど、志望動機や面接での説得力も自然と高まります。
志望する企業について深くリサーチする
「大手SIer」と一括りにされがちですが、企業ごとに得意分野やカルチャーは大きく異なります。
メーカー系・ユーザー系・独立系など、自分のキャリア志向に合う企業タイプを見極めることが大切です。
公式サイトや有価証券報告書のほか、社員インタビューや口コミなどを活用すれば、現場の実態を具体的に把握できます。
徹底した企業研究を行うことで、「なぜこの会社を選ぶのか」を明確に語れるようになります。
実践を想定した面接対策
大手SIerの面接では、技術力よりも論理的思考力とコミュニケーション力が重視されます。
過去に担当したプロジェクトを題材に、「課題 → 対応 → 成果」の流れでエピソードを整理し、論理的かつ一貫性のある説明ができるよう準備しましょう。
また、ケース面接やプレゼン課題が行われる企業もあるため、想定質問をもとにロールプレイ形式で練習しておくのが効果的です。
自分の経験を再現性のある成果として語れれば、面接官からの評価を得やすくなります。
IT業界に強い転職エージェントを利用する
大手SIerへの転職を成功させるには、IT・コンサル領域に特化した転職エージェントの支援を受けるのが効果的です。
非公開求人や大手企業の最新動向を得られるだけでなく、職務経歴書のブラッシュアップや面接対策を通じて、選考通過率を高められます。
業界特化型のエージェントであれば、求人票だけでは分からない「職場環境」「キャリアパス」「働き方」などのリアルな情報も把握できます。
自分一人では見えにくい選択肢を広げ、本来の実力を発揮するためにも、理想のキャリア実現へ最短ルートで近づける手段といえるでしょう。
まとめ
大手SIerは、安定した経営基盤と多様なプロジェクト経験を両立できる、将来性の高いキャリアパスです。
ただし、配属の自由度や働き方など、入社前に理解しておくべきポイントも存在します。
転職を成功させるには、「自己分析」「企業研究」「面接対策」「専門エージェントの活用」という4つのステップを戦略的に進めることが重要です。
十分な準備と情報収集を行えば、あなたの経験とスキルを最大限に発揮できる環境が必ず見つかるでしょう。
テックゴーが選ばれる理由
テックゴー(TechGo)は、IT・コンサル業界に特化した転職支援サービスです。
元エンジニアや元コンサルタントのキャリアアドバイザーが在籍し、技術面とビジネス面の両視点から最適なキャリアプランを提案します。
NTTデータ・富士通・日立製作所など、大手SIerとの強固なネットワークを活かした非公開求人も多数保有。さらに、面接対策や職務経歴書の添削、年収交渉までを一貫してサポートします。
「大手SIerでキャリアを伸ばしたい」「ITコンサルへステップアップしたい」という気持ちに寄り添い、最短距離で理想の転職を実現できるのがテックゴーの強みです。
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