SEが年収1,000万円を達成するまでの道のりを転職事例や求人例をもとに解説
2025年10月15日更新
SE(システムエンジニア)はIT業界に欠かせない存在ですが、年収1,000万円を超える人はほんの一握りです。
一般的にSE職の平均年収は500万円前後とされており、誰もが簡単に高収入を得られるわけではありません。
本記事では、SEの平均年収や年代別の水準、職種ごとの違いを整理しながら、年収1,000万円を目指すためのキャリア戦略を紹介します。
実際の転職事例や求人例を交えながら、収入アップのヒントを具体的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
著者

蓬田 和己
Yomogita Kazuki
早稲田大学卒業後、レバレジーズ株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして開発、データ職種のエンジニアの方の支援に従事。歴代最速で事業部内単月支援者数、売上1位を獲得し、組織目標の達成に大きく貢献。社内での異動、キャリアアップ、転職もどれが良いのか単純には決められないので、お客様にとって最善の選択肢を一緒に考えていきたいという思いから、MyVisionに参画。
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監修者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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目次
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SEで年収1,000万円はどれぐらい難しい?SEの年収に関するデータを紹介
SEが年収1,000万円に到達できるかどうかを考えるうえで、まず押さえておきたいのは平均年収や年代別の水準です。
一般的なSEの年収相場は500万円前後とされており、十分高い水準ですが、年収1,000万円との間には大きな差があります。
ここでは統計データや職種別の傾向をもとに、SEの年収実情について詳しく見ていきましょう。
平均年収
厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」では、平均年収はおよそ574万円とされています。
国税庁が公表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、日本全体の平均給与年収460万円と比べて、100万円以上高い水準です。
SEは高度な専門知識とスキルが求められる職種であることから、比較的高収入の職種といえます。
さらに、近年はIT業界全体で人材需要が高まっていることも収入水準を押し上げている要因の一つです。
ただし、すべてのSEが高収入を得られるわけではなく、担当する業務領域や企業規模、スキルの幅によって収入には差があり、キャリアの積み方によって大きく変動するのも特徴です。
キャリアの積み方次第でさらに収入アップを狙える職種といえるでしょう。
年代別平均年収
SEの年収はキャリアの進み方に応じて段階的に上昇していきます。
厚生労働省が提供する職業情報提供サイトjobtagに掲載されているスキルレベル別データを参考に年代へ置き換えた平均年収の目安は、次のとおりです。
想定されるスキルレベル(ITSS目安) | 年収レンジ(中央値ベース) | 特徴 | |
---|---|---|---|
20代前半 | レベル1〜2(初級・基礎) | 350〜500万円 | プログラミングやテストなど基礎業務が中心 |
20代後半 | レベル2〜3(中級) | 450〜650万円 | 設計や要件定義に関わり始め、収入が伸びやすい |
20代後半 | レベル2〜3(中級) | 450〜650万円 | 設計や要件定義に関わり始め、収入が伸びやすい |
30代 | レベル3〜4(上級SE・リーダー) | 600〜800万円 | プロジェクト管理やリーダーを任される時期 |
40代 | レベル4〜5(スペシャリスト・管理職) | 700〜900万円 | 専門性やマネジメント力が評価される |
50代 | レベル5以上(部長クラス・高度専門職) | 800〜950万円 | 規模や役職次第で年収1,000万円に到達するケースも |
20代前半はプログラミングやテストなど基礎的な仕事が中心のため、年収は350〜500万円ほどに収まります。
30代に入ると設計や要件定義を任されたり、チームをまとめるポジションについたりする人も増え、収入は600万〜800万円台へと大きく伸びていくケースも少なくありません。
40代になると専門分野に強みを持つエンジニアや管理職として働く人が多く、年収は700万〜900万円前後に達するケースが目立ちます。
さらに50代になると部長クラスや高度な専門職に就くと、年収1,000万円の大台に届く可能性も広がるでしょう。
年収が高い職種
SEといっても、所属する企業や働き方によって年収の水準は大きく変わります。
自社システムの保守や改善を担う社内SEは、安定性の高さが魅力で腰を据えて働きやすい職種です。
ただし、平均年収はおよそ470万円と控えめで、大幅な収入アップを目指すには昇進やスキルの幅を広げる工夫が欠かせません。
顧客企業の要望に応じてシステム開発や導入を行うSIerのSEは、担当するプロジェクトの規模や工程によって収入に幅があり、年収相場は450万〜650万円です。
特に要件定義や設計といった上流工程に携われるようになると、より高い報酬を得られる可能性が高まります。
さらに、案件単位で契約して働くフリーランスSEは、500万〜800万円と比較的高めの収入を期待できる働き方です。
自由度が大きな魅力ですが、案件の確保やスキルアップを自ら続けていく必要があり、安定性の面では注意しなければなりません。
このように年収相場を比較すると、SIerやフリーランスSEのほうが社内SEより高い水準にあるケースが多いといえます。
ただし、最終的な年収は経験やスキル、マネジメント能力などによって大きく変動するため、自分がどの働き方で市場価値を高めたいのかを見極めることが重要です。
SEが年収1,000万を達成するための選択肢
SEとして年収1,000万円を目指す方法は一つではありません。
業界や企業ごとに給与テーブルが異なるため「これさえやれば必ず達成できる」という明確な基準は存在しませんが、キャリアを築く中で到達を狙えるルートはいくつか存在します。
SEが年収1,000万円を達成するための選択肢
- 現職で昇進をして年収1,000万円を目指す
- 転職して年収1,000万円を目指す
- 独立・起業して年収1,000万円を目指す
それぞれの選択肢について詳しく見ていきましょう。
現職で昇進をして年収1,000万円を目指す
SEが高収入を目指すうえでまず考えたいのは、現職でキャリアを積み、役職を上げていくという方法です。
企業によっては給与テーブルや役職ごとの報酬レンジがある程度定められているため、その仕組みを理解したうえで昇進を狙うのが効率的といえるでしょう。
SEとしての技術スキルに加え、マネジメント力やビジネス部門との調整力を身につければ、評価の対象が広がり役職アップにつながりやすくなります。
最終的には、要件定義や設計、プロジェクト全体を統括する立場に立つことで、年収1,000万円に到達できる可能性も高まるはずです。
転職して年収1,000万円を目指す
「現職において昇進ポジションが限られている」「評価制度が十分に機能していない」という理由で社内における年収アップが難しい場合には、転職が有効な手段となります。
これまでの経験で培った実績やスキルを上手にアピールできれば、転職をきっかけに大幅な年収アップを狙えるケースも珍しくありません。
そのためには、まず年収1,000万円以上を提示している企業や求人をリサーチし、どのようなスキルや経験が求められているのかを把握しておくことが大切です。
さらに、現職で必要な実績を一つひとつ積み重ねていくことで、転職時により高い評価を得やすくなります。
外資系企業のSE募集をはじめ、大手SIer、ITコンサルティングファームといったハイクラス求人のなかには、初年度から高い給与レンジが設定されているケースも多く見られます。
転職活動を通じて自らの市場価値を客観的に把握して、キャリアの可能性を広げていきましょう。
独立・起業して年収1,000万円を目指す
企業に属さず、フリーランスとして独立したり、法人を立ち上げて案件を請け負ったりしながら、年収1,000万円を目指す道もあります。
会社員時代と比べて報酬単価は上がりやすい一方で、案件を安定して確保する力や継続的なスキルアップが必要です。
特に、既に取引先や人脈があり「独立後も仕事を得られる」という見通しがある方にとっては、最短で高収入を狙える手段といえるでしょう。
ただし、企業に勤める場合と比べてリスクが大きいため、慎重な判断が欠かせません。
MyVisionでは、安定したキャリアアップや転職による年収アップを中心にサポートをしております。
独立を検討する際も、まずは転職エージェントに相談をして、自身の市場価値を把握することから始めてみましょう。
SEが年収1,000万円達成するまでの道のり
SEとして年収1,000万円を実現するには、ただ目標を掲げるだけではなく、計画的にキャリアを積み重ねていくことが大切です。
SEが年収1,000万円を目指すための流れは、次のとおりです。
SEが年収1,000万円達成するまでの道のり
- 市場を理解する
- 自身のキャリアパスを考える
- 自身に必要なスキル・経験をつける
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
市場を理解する
SEが年収1,000万円を目指すうえでの第一歩は、まず外部の市場を知ることです。
どの業界や企業が高収入を提示しているのか、そしてどのスキルや経験が評価されているのかを把握することで、自分の進む方向性が見えてきます。
たとえば、外資系IT企業や大手SIer、コンサルティングファームは高い給与レンジが設定されているケースが多くあります。
さらに、AIやクラウド、セキュリティといった成長分野では専門スキルを持つ人材の需要が高く、高収入につながりやすい傾向があります。
市場を理解することで、自分の強みや不足しているスキルを客観的に把握しやすくなります。
そのうえで「どのスキルを伸ばせば次のステップにつながるのか」「どの業界を狙うべきか」といった指針を得られるでしょう。
実際の求人条件や給与水準を確認するために、転職エージェントや求人サイトを活用するのもおすすめです。
自身のキャリアパスを考える
市場の全体像を把握したら、次は自分自身のキャリアをどう描くかを考えていきましょう。
「どのような業界や企業で働きたいのか」「5年後、10年後にどのようなポジションについていたいのか」といった中長期的なキャリア像をイメージすることで、今後積むべき経験や強化すべきスキルが明確に見えてくるはずです。
ただし、自分一人で考えてしまうとどうしても視野が狭くなったり、方向性が曖昧になったりすることも珍しくありません。
そのようなときは、同じくSEとして働いている人や、すでにエンジニアとして年収1,000万円を達成した人に直接相談してみるのがおすすめです。
実際の体験談や具体的なアドバイスは、自分の進むべき道を検討するうえで大きなヒントになります。
また、直接相談できる相手がいない場合でも、オンラインセミナーや業界イベント、エンジニア向けのキャリアコミュニティを活用する方法もあります。
こうした機会によって得られる成功事例やキャリアの考え方を参考にして、自分なりのキャリアパスを描くための材料を増やしていきましょう。
自身に必要なスキル・経験をつける
市場の動向や自分の理想のキャリアパスが明確になったら、自分に足りないスキルや経験をどう補うかを考えていきましょう。
SEとしてのスキルアップや経験値を上げるためには、次のような方法が挙げられます。
- 現職で希望する領域のプロジェクトに積極的に参画する
- 専門資格の勉強を進める
- 外部の勉強会やセミナーに参加する
- 個人開発に取り組む
大切なのは、自分にとって無理なく続けられる手段を選んで、継続的に取り組む姿勢です。
特に大切なのは、学んだ知識を実務で活かして、成果につなげることです。
たとえば、資格で得た知識をプロジェクトで活用する、個人開発で作成したものをポートフォリオとして示すといった工夫をすれば、スキルは単なる知識にとどまらず「評価される実績」となるはずです。
こうして実務と結びつけた経験を積み重ねることで、市場価値を着実に高め、年収1,000万円の達成に向けて大きく前進できるでしょう。
SEが年収1,000万円を目指すにあたって知っておきたいこと
SEとして年収1,000万円を達成するためには、スキルの習得だけでなく、キャリアの積み方や戦略を考えることが重要です。
具体的には、次のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。
SEが年収1,000万円を目指すにあたって知っておきたいこと
- マネジメント経験は積んでおくことが理想
- 年収は業界や職種によって左右される
- 資格はあくまで加点要素であり、それだけで年収が大きく上がることはない
- 転職エージェントを利用して、年収が高い求人に応募する
それぞれの内容を詳しく解説します。
マネジメント経験は積んでおくことが理想
SEとしてキャリアを積むなかでは、上流の設計やプロジェクトの進捗管理だけでなく、チームメンバーをまとめるマネジメントを担う機会も少なくありません。
自分一人で業務をこなすだけでなく、チーム全体の進行を把握し、関係者と連携しながら成果を導く力が求められます。
こうしたマネジメントスキルを備えたSEは、単なる技術者にとどまらず、組織を動かせる人材として市場価値が高く評価されます。
特に、現職でメンバーを率いてプロジェクトを成功に導いた経験や、チーム全体の成果を高めた実績を具体的に伝えられると、転職活動において大きな強みになるでしょう。
マネジメント経験は必ずしも大規模プロジェクトでなくても構いません。
小規模なチームであっても「リーダーとしてメンバーを支え、成果を出した」という事実は十分に評価されます。
日々の業務で後輩を指導したり、チーム内の進捗管理を任されたりといった小さな経験の積み重ねも、将来的なキャリアアップや年収アップにつながると意識しておきましょう。
年収は業界や職種によって左右される
SEの年収は、同じ職種であっても業界や企業の特徴、担当する工程によって大きな差が出るものです。
特に、テストや運用といった下流工程よりも、要件定義や設計といった上流工程を担う企業、さらに一次請けとして直接案件を受ける企業の方が高い年収につながりやすい傾向にあります。
そのため、収入アップを目指したい場合は、上流工程や一次請けの案件を扱う企業にキャリアをシフトしていくのがおすすめです。
短期的には年収1,000万円に届かなくても、将来の成長を見据えたキャリア選択によって、長期的に収入を大きく伸ばせる可能性があります。
たとえば、成長段階にあるスタートアップに早期から参画し、経験を積んでCTOや役員といったポジションを目指すという道もあります。
もちろんリスクは伴うものの、企業の成長に合わせて年収が飛躍的に伸びるチャンスがあり、大きなリターンを期待できる挑戦といえるでしょう。
資格はあくまで加点要素であり、それだけで年収が大きく上がることはない
SEが年収1,000万円を目指すうえで、資格は「評価を後押しする材料のひとつ」と捉えることが大切です。
ある程度のキャリア層になると、資格を持っているだけで高く評価されるケースは少なく、むしろ技術力やマネジメント力、上流工程での経験などが重要視されます。
もちろん、資格は自分のスキルを客観的に示す手段として有効であり、求人によっては資格手当が支給されるケースもあります。
ただし、それだけで年収が大幅に上がるわけではありません。
だからこそ、資格取得のために長い時間をかけるのではなく、上流工程への関与やマネジメント経験の積み重ねに注力することが、キャリアアップを実現するうえで欠かせないポイントといえるでしょう。
転職エージェントを利用して、年収が高い求人に応募する
SEとして年収1,000万円を目指すなら、転職エージェントの活用は欠かせません。
エージェントを通じて、一般には出回らないハイクラス求人に出会える可能性が高く、現実的に年収アップを狙いやすくなります。
自分に不足しているスキルや経験についても、市場を熟知したアドバイザーから具体的なアドバイスをもらえる点も大きな魅力です。
さらに選考対策や職務経歴書の添削、さらには年収交渉まで一貫してサポートを受けられるため、転職活動を有利に、かつ効率的に進められます。
特に、IT業界に強くハイクラスの案件紹介に実績のあるエージェントを選べば、年収1,000万円に近づける可能性が大きく広がるでしょう。
SEから年収1,000万円を目指すならテックゴー
SEとして年収1,000万円を実現するには、個人の努力だけでなく、正しい戦略と専門的なサポートを得ることが不可欠です。
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まとめ
SEとして年収1,000万円を目指すためには、上流工程へのキャリアアップやマネジメント経験の積み重ねに加えて、 転職活動を“戦略的”に進めることが重要です。
資格や技術力だけでなく、ビジネス理解・課題解決力・チームリーダーとしての実績が評価されることで、ハイクラス層への道が開けます。
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