SESが転職できないは誤解!転職のタイミングや注意点を解説
2025年10月23日更新
SES(システムエンジニアリングサービス)は、「転職が難しい」と言われることのある働き方のひとつです。確かに、SESはプロジェクトごとに担当業務や開発環境が異なるため、スキルの専門性が見えにくく、キャリアの方向性を描きづらいという課題を抱えやすいとされています。
しかし、計画的にスキルを磨き、これまでの経験を適切に整理・発信できれば、SESから事業会社や自社開発、ITコンサルタントなどへキャリアを広げることは十分に可能です。
本記事では、「SESは転職できない」と言われる背景を解説しつつ、転職成功のために必要な準備や判断軸、タイミングについてわかりやすく紹介します。
さらに、SESから一歩踏み出してキャリアアップを実現した事例を取り上げ、理想の働き方へ近づくための実践的なステップも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
著者

蓬田 和己
Yomogita Kazuki
早稲田大学卒業後、レバレジーズ株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして開発、データ職種のエンジニアの方の支援に従事。歴代最速で事業部内単月支援者数、売上1位を獲得し、組織目標の達成に大きく貢献。社内での異動、キャリアアップ、転職もどれが良いのか単純には決められないので、お客様にとって最善の選択肢を一緒に考えていきたいという思いから、MyVisionに参画。
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監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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「SESは転職できない」は誤解
結論からお伝えすると、「SESは転職できない」というのは誤解にすぎません。
確かに、SESはクライアント先に常駐して業務を行うため、担当するプロジェクトや使用技術が頻繁に変わり、スキルの専門性が見えにくくなる傾向があります。その結果、転職活動では自身の強みを整理しにくく、「何をアピールすべきかわからない」と感じる方が多いのも事実です。
しかし、SESで培った柔軟な対応力や課題解決力、現場での実務経験は、事業会社・自社開発・ITコンサルティングなど、さまざまな領域で高く評価されるスキルといえます。転職を検討する際に重要なのは、これまでの経験を客観的に整理し、「自分はどんな価値を提供できるのか」を明確に言語化することです。
適切な準備と戦略を立てれば、SES出身者でもキャリアアップ転職を実現することは十分に可能です。 自分の市場価値を把握し、戦略的にキャリアを設計することで、次のステージへと確実にステップアップできるでしょう。
「SESは転職できない」と言われてしまう理由
SESからの転職が難しいと言われる背景には、共通するいくつかの課題があります。
SESが「転職しづらい」といわれてしまう代表的な理由は、次のとおりです。
「SESは転職できない」と言われてしまう理由
- 特定領域のスキルや専門性が浅くなりがち
- なんとなくで働いてしまい、キャリアパスが不明瞭
- コミュニケーション能力が不足している
- 自己評価と市場価値にズレがある
それぞれの内容を詳しくみていきましょう。
特定領域のスキルや専門性が浅くなりがち
SESは、クライアント先のプロジェクトに応じて担当業務や使用技術が変わることが多く、特定の分野に深く携わる機会が限られがちです。そのため、スキルの一貫性や専門性が見えにくく、「どの分野のプロなのか」を明確に示しづらいという課題があります。
また、プロジェクトによってはサポート的な業務が中心になる場合もあり、上流工程や要件定義などの経験を積むチャンスが得られないケースも珍しくありません。その結果、幅広い業務に対応できるという強みはあるものの、即戦力としてどのポジションを任せられるかの判断がしづらく、採用選考で不利になる恐れがあります。
なんとなくで働いてしまい、キャリアパスが不明瞭
SESでは、配属先や担当案件が会社の営業状況やタイミングに左右されることが多く、自分の希望や得意分野を反映しにくい傾向があります。そのため、目の前の業務をこなすうちに「気づけば数年経っていた」というケースも少なくありません。結果として、どのスキルを深めたいのか、将来どんなエンジニアを目指すのかといった方向性が見えづらくなってしまいます。
キャリアの軸が定まっていないと、転職活動でも企業への志望理由や将来のキャリア像に関する質問に的確に答えにくくなります。たとえ経験が豊富でも、キャリアの一貫性や目的が示せなければ評価にはつながりにくいため、できるだけ早い段階で目指す方向性を意識しておくことが重要です。
コミュニケーション能力が不足している
SESでは、クライアント先に常駐して業務を行うことが多く、チームの一員というより外部のサポート要員として扱われるケースもあります。そのため、現場の人間関係を築きにくく、報連相や意見交換といったコミュニケーションの機会が限られやすい環境です。結果として、自ら提案したり、主体的に行動したりする経験が乏しく、コミュニケーション力やリーダーシップが育ちにくくなる傾向があります。
一方で、転職市場では技術力だけでなく、チームで協働しながら成果を出せる力が重視されます。受け身の姿勢が続いたり、発信の経験が乏しかったりすると、面接で評価されにくくなる可能性があります。日頃から業務報告や情報共有を意識し、課題に対して自分の考えを発信する習慣を身につけておくことが、転職後のキャリアアップにも大きく役立つでしょう。
自己評価と市場価値にズレがある
SESとして複数の現場を経験していると、携わった案件の数や稼働年数をそのままスキルレベルと捉えてしまう傾向があります。しかし、実際のプロジェクト内容が運用・保守や定型業務に偏っている場合、技術的な成長や専門性の向上につながっていないケースも少なくありません。
このように、自己評価と企業が求める実務レベルとの間にギャップが生じると、経験年数のわりにスキルが不足していると判断されてしまう恐れがあります。さらに、最新の技術動向や開発手法へのキャッチアップを怠ると、競争力が下がり市場価値が低下してしまうリスクもあるでしょう。
転職を有利に進めるためには、年数や担当案件の多さではなく、どのような技術を使って、どのような成果を生み出したのかといった具体的なエピソードを整理し、客観的にスキルを証明できるように準備しておくことが重要です。
SESから転職した後に失敗しやすいパターン
SESからの転職はキャリアアップのチャンスである一方で、「思っていた環境と違った」「転職後の方が大変になった」といったように後悔するケースも少なくありません。
しかし多くの場合、転職自体に問題があるのではなく、環境の変化に対する理解や準備が不足していたことが原因で、理想と現実との間に大きなギャップが生じてしまいます。
代表的な失敗のパターンは、次のとおりです。
SESから転職した後に失敗しやすいパターン
- 人間関係やコミュニケーションに気を遣うケースが増える
- 転職することが優先となり、評価を上げられない
- 業務領域と責任が大きくなり、仕事が大変になる
- 業務外の時間に勉強をしないとついていけない
それぞれのパターンについて詳しくみていきましょう。
人間関係やコミュニケーションに気を遣うケースが増える
SESから事業会社や自社開発の環境へ転職すると、働き方や人との関わり方が大きく変わります。SES時代はクライアント先の一員としてサポート業務を担うことが多く、チーム内で深い関係を築く機会が限られていた方も少なくありません。
一方で、転職後の現場ではチームワークや意思疎通がより重視されます。日々の報連相や雑談、ミーティングでの意見共有といった何気ないコミュニケーションが、信頼や評価につながる場面も多くみられます。
特に転職直後は、技術力以上に関係づくりの姿勢が評価を左右します。現場の雰囲気を観察しながら、小さなやり取りを大切にしながら関係を築いていくことで、職場にもスムーズに馴染み、信頼される存在へと成長できるでしょう。
転職することが優先となり、評価を上げられない
転職という目標を強く意識しすぎるあまり、入社後の成果や信頼構築よりも「次のキャリアステップ」に気持ちが向いてしまうケースもあるでしょう。その結果、任された業務をこなすだけになり、周囲から主体性が感じられないと見られてしまう恐れがあります。
多くの企業では、与えられた仕事を正確にこなすだけでなく、自ら工夫し、より良い方法を模索する姿勢が高く評価されます。業務の中で改善点を見出し、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献する意識が、信頼や評価につながる重要なポイントです。
転職後は、与えられた仕事を確実に遂行しながら、周囲へのサポートや気配りを意識することが大切です。結果を出すだけでなく、チームに貢献する姿勢を見せることが、早いタイミングで評価を得る近道となるでしょう。
業務領域と責任が大きくなり、仕事が大変になる
SESから事業会社や自社開発企業、または上流工程のポジションへ転職すると、担当する業務範囲が広がり、求められるスキルや責任の重さも増します。要件定義や設計、進行管理など、開発以外の工程にも関わることが多くなり、タスクの数や判断すべき場面が増えるため、想定以上に忙しく感じるケースも珍しくありません。
さらに、成果物の品質・納期・コスト管理までが責任範囲に含まれる場合も、ひとつのミスがプロジェクト全体に影響を及ぼす恐れもあります。優先順位の判断や関係者との調整など、技術以外のスキルも求められる場面が増え、精神的な負担を感じる方も少なくないでしょう。
こうした変化に対応するためには、入社前に業務内容や担当範囲を具体的に確認しておくことが大切です。あわせて、スケジュール管理やタスク整理のスキルを身につけておくと、効率よく作業を進めやすくなります。事前に求められる役割と責任を理解しておけば、転職後の環境にもスムーズに適応できるでしょう。
業務外の時間に勉強をしないとついていけない
転職後は、担当する領域が広がったり、新しい技術やツールの習得を求められたりすることで、業務時間内だけではスキルを十分に伸ばせない場面が増えます。特に、新しいプログラミング言語やフレームワーク、設計手法、インフラ構築など、未知の分野に取り組む際は、業務外での学習が欠かせません。
しかし、仕事の忙しさや疲労から勉強の時間を確保できず、学習が後回しになってしまう人も少なくありません。そのまま知識の更新が滞ると、最新技術に追いつけず、同僚とのスキル差や評価の差が広がってしまう恐れもあります。
こうしたギャップを防ぐには、転職前から自己学習の習慣をつけておくことが大切です。入社後も、週に数時間でも学ぶ時間を確保し、業務で得た課題をもとに学習内容を選ぶことで、実践に直結するスキルアップができます。無理のないペースで継続できる環境を整えておくことが、長く成長し続けるための土台づくりにつながるでしょう。
SESから転職を検討するタイミング
SESとして働く多くのエンジニアにとって、転職するタイミングは悩みやすいポイントのひとつです。
結論からお伝えすると、転職のベストタイミングは「年数」ではなく、「スキルの習熟度」と「今後のキャリアプラン」によって大きく異なります。ただし、年次によって転職市場での立ち位置や採用側が重視するポイントは変化するのも事実です。
ここでは、入社1年目から3年目のそれぞれのタイミングで転職を検討する際の判断基準や注意点を詳しくみていきましょう。
新卒1年目
新卒1年目は、実務経験の少なさという弱みがあっても、「ポテンシャル採用」が活用できる貴重なタイミングです。たとえSESとしての経験が1年未満であっても、明確な志向や成長意欲があれば、十分に転職のチャンスはあります。
ただし、短期離職と見なされないように注意が必要です。面接では「なぜ早期に転職を決意したのか」「入社後どう成長して貢献するか」をポジティブに語れるかが重要なポイントといえます。
新卒1年目で転職を考える場合、次のポイントを意識するのがおすすめです。
新卒一年目の転職において意識すべきポイント
- 今の現場でスキルが得られていないと感じたら見切りをつける
- 未経験枠と経験者枠の中間として扱われるチャンスを活かす
- 転職理由を前向きに整理しておく
このように、1年目からキャリアに対して、自ら判断して行動できるかどうかが、その後の成長を左右すると覚えておきましょう。
2年目
SESでの2年目は、基礎的なスキルが身につき、少しずつ現場にも慣れてくる時期です。一方で、今の環境でこのままキャリアを積むべきか、より成長できる職場に移るべきかを考え始める方も多いでしょう。
まだポテンシャルを評価してもらえる余地がある一方で、経験者としての実績も求められ始める時期でもあるため、転職を検討するには比較的良いタイミングといえます。しかし、具体的に行動する前に、自分が何を得たいのか、どんな経験を積みたいのかを明確にしておくことが大切です。
2年目の転職で意識すべきポイント
- 自分の得意領域を明確にし、基礎スキルを一段深める
- これまでの案件でどんな成果や役割を担ったかを具体的に整理する
- 転職理由と今後のキャリア方向を一貫して説明できるようにする
2年目は、ポテンシャルを評価してもらえる機会がまだ残されている時期です。そのため、漠然とした不安で転職を急ぐのではなく、自分が今後どんな分野で成長したいのかを明確にしておくことが、納得のいくキャリア選択につながります。
この段階でSESとしての経験を整理し、自分の強みや課題を客観的に把握しておくことで、次に選ぶ環境をより的確に判断できるでしょう。
3年目
3年目は、SESから転職を考えるうえでひとつの分岐点となる時期です。一定の経験を積み、即戦力として評価されやすくなる一方で、専門性やキャリアの方向性が曖昧なままだと評価が伸び悩むケースも少なくありません。
3年目で転職を検討する際は、次のポイントを意識しておくとよいでしょう。
3年目で転職を考える際に意識すべきポイント
- 主体的に進めたタスクを明確にし、どのように設計や改善に関わったかを整理しておく
- 自分が得意とする分野や技術領域を明確にしておく
- 現在のスキルセットと市場のトレンドとの間にギャップがないかを確認する
- 定期的に市場価値を見直し、次のステップを計画的に検討する
この時期は、これまでの経験を整理しながら、自分がどんなエンジニアとして成長していきたいのかを明確にすることが重要です。転職を視野に入れる場合も、現在の職場でスキルを高め続ける場合も、進むべき方向がはっきりしていれば、迷わず行動できるでしょう。
また、3年目以降は後輩の指導やプロジェクトの一部を任される場面が増え、求められる役割も広がっていきます。
技術力だけでなく、チーム全体に貢献する姿勢やリーダーシップも評価の対象となるため、日々の業務のなかで主体的に取り組む姿勢を意識することが大切です。責任ある業務に積極的に関わる経験が、次のキャリアの可能性を大きく広げるきっかけとなるでしょう。
SESからの転職としておすすめの業界・職種
SESとしての経験を活かしながら、より安定した環境や成長のチャンスを求めて転職を考える方は少なくありません。実際、SESで培った開発経験や現場対応力は、他のIT職種でも高く評価されるスキルです。
転職先として特に人気が高いのは、次のような業界・職種です。
SESからの転職としておすすめの業界・職種
- 自社開発
- SIer
- 社内SE
- ITコンサルタント
- 他のSES企業
それぞれの業界や職種について詳しくみていきましょう。
自社開発
自社開発企業は、クライアント案件ではなく、自社で「企画・設計・開発・運用」までを一貫して行うのが特徴です。
自社サービスやプロダクトの成長を自分たちの手で作り上げていくため、長期的な視点で開発に取り組める点が大きな魅力です。短期的な納期に追われることが少なく、安定した環境で腰を据えて働ける傾向があります。
自社開発に携わるメリットは、次のとおりです。
自社開発に携わるメリット
- 開発工程のすべてに携われることで技術力を体系的に高められる
- 評価や年収アップにつながりやすい
- 社内でのキャリアパスも明確である
主なメリットとしては、開発工程のすべてに携われることで技術力を体系的に高められる点が挙げられます。そして、成果が事業の成長や収益に直結するため、評価や年収アップにつながりやすい点も魅力です。
さらに、社内でのキャリアパスも明確で、スペシャリスト・マネジメント双方の道が用意されているケースも少なくありません。
ただし、技術選定が会社の方針に左右されることが多く、最新技術に触れる機会が限られるケースもあります。さらに、サービスが成熟期に入ると保守・運用業務の割合が増え、新しい技術や機能開発に携わる機会が少なくなる場合もあります。そのため、入社前には開発体制や今後の事業展開の方針についても事前に確認しておくことが重要です。
自社開発は、安定した環境でスキルを磨きたい方や、サービスづくりを通してユーザーに価値を届けたいエンジニア向けのキャリア選択といえるでしょう。
SIer
SIer(システムインテグレーター)は、企業や自治体などのクライアントから依頼を受けて、システムの「企画・設計・開発・導入・運用」を一括して担う業態です。クライアントの業務課題を整理し、最適なシステムを提案・構築していくため、技術力だけでなくビジネス理解や調整力も求められます。
SIerで働くメリットは、次のとおりです。
SIerで働くメリット
- 要件定義や設計など上流工程に携われる機会が多く、マネジメントスキルが身につく
- 大規模案件に関わることで、幅広い技術や業務知識を習得できる
- 取引先やチームとの連携を通して、コミュニケーション力を高められる
SIerで働く大きな魅力は、システム全体を俯瞰しながら上流工程から関われる点にあります。クライアントの要望を整理し、要件を設計に落とし込む過程で、課題解決力やリーダーシップが自然と鍛えられるでしょう。そのため、将来的にプロジェクトマネージャー(PM)やITコンサルタントを目指す人にも向いている環境です。
一方で、SIerは請負契約が中心のため、納期や仕様変更への対応で業務量が増えるケースも珍しくありません。また、プロジェクト単位で関わるため、開発後の改善や運用フェーズに関与しにくい点も注意が必要です。
SIerは、技術とビジネスの両方を理解しながら、組織の中心でプロジェクトを動かしていきたい方に向いているキャリアです。上流工程への関心があるエンジニアにとって、成長と実績を積みやすい選択肢といえるでしょう。
社内SE
社内SEは、外部クライアントではなく、自社のシステムやネットワークを支える社内向けのエンジニアです。
具体的には、社内インフラや業務システムの企画・構築・運用・改善などを担当し、業務効率化やセキュリティ強化などを通じて会社全体の生産性向上に貢献します。現場部門との調整が多く、ITと業務の橋渡し役を担うポジションです。
社内SEに転職するメリット
- 業務課題を解決する立場として、ITを通じて社内効率化を直接的に実現できる
- 社内システムの企画・導入から保守まで幅広く関われるため、運用から改善まで経験を積める
- 社内に常駐するため、リモート勤務や勤務時間のコントロールがしやすいケースもある
社内SEの魅力は、社内ユーザーとの距離が近く、自分の施策が会社全体の効率化に直結する点です。成果が見えやすく、感謝される機会も多いため、やりがいを実感しやすい仕事といえるでしょう。
一方で、扱うシステムの規模が限られることから、最新技術に触れる機会の少ない場合があります。また、保守・運用が中心の企業では、開発スキルを磨く機会が限られるケースも少なくありません。さらに、部門間の調整や交渉が多いため、技術力だけでなく説明力・調整力も必要です。
社内SEは、安定した環境で腰を据えて働きたい方や、ITを通じて社内の仕組みをより良くしたい方に向いたキャリアです。転職を検討する際は、企業のIT体制や内製化の方針を事前に確認し、自分の成長方向と合っているかを見極めましょう。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、クライアント企業の経営課題や業務要件を踏まえて、IT戦略の立案やシステム導入の計画・支援を行う職種です。
システムを構築する立場ではなく、それをどのように活用して事業を成長させるかを考えるポジションであり、技術力に加えてビジネス理解や課題解決力、提案力が求められます。
ITコンサルタントに携わるメリット
- クライアントの戦略・課題に近い位置で働けるため、経営や事業理解が深まる
- 提案・設計フェーズに関われるため、上流志向のスキルが磨ける
- PJ(プロジェクト)を横断して関わるケースが多く、業界や領域の幅を広げやすい
ITコンサルタントの魅力は、技術をビジネスに結びつけ、経営課題の解決に直接関われる点です。プロジェクトを通じて業界構造や市場動向を学べるため、エンジニアからビジネス視点を身につけたい人にとって大きな成長機会となるでしょう。
一方で、高いコミュニケーション力や論理的思考力が求められ、成果責任・提案責任の重いプロジェクトも担当するケースも少なくありません。業務によってはマネジメントや戦略立案の比重が高く、技術に直接関わる機会が減る恐れもあるでしょう。
ITコンサルタントは、技術とビジネスの両面で成長したいエンジニアに適したキャリアです。転職を目指す際は、ドメイン知識や提案スキル、論理構成力を磨き、経営を支える視点を養っておくことが重要です。
他のSES企業
他のSES企業への転職は、キャリアアップにつながらないと感じてしまう方も多いでしょう。しかし、実際はキャリアの質を高めるチャンスにもなります。常駐先の環境や契約形態、担当する技術領域、評価制度が変わることで、働きやすさやスキルアップの機会が大きく広がる可能性があるためです。
他のSES企業へ転職するメリットは、次のとおりです。
他のSES企業へ転職するメリット
- 案件や技術領域が変わり、より幅広い経験を積める
- 契約形態や待遇が改善され、働きやすさや報酬が向上する可能性がある
- 自社開発や上流工程の案件を多く扱う企業なら、将来的なキャリアアップにもつながる
一方で、環境を変えただけではキャリアが停滞してしまうリスクもあります。勤務条件やプロジェクト内容が現職と大きく変わらない場合、成長の実感を得にくいケースもあるため注意が必要です。
転職を成功させるためには、企業がどのような案件を扱っているか、自分が希望する工程や技術分野に携われるかを事前に確認することが重要です。アサインの仕組みやサポート体制、スキルアップ支援制度などを比較し、成長できる環境を見極めましょう。
他のSES企業への転職は、目的を明確にしたうえで行動すれば、スキルとキャリアの両面で着実に成長できる手段といえるでしょう。
SESからの転職を成功させるためのポイント
SESから転職を成功させるためには、明確な目的と戦略を持って行動することが重要です。
転職活動を始める前に、次のポイントを意識して準備を進めていきましょう。
SESからの転職を成功させるためのポイント
- 今後のキャリアパスを自己分析
- 転職先企業に求める条件を整理
- キャリアパスを踏まえて企業分析
- スキルの棚卸しと不足スキルの習得
- 転職理由や志望動機の作り込み
- 実践を想定した面接対策
- IT業界に強い転職エージェントの活用
それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
今後のキャリアパスを自己分析
転職を成功させるためには、将来的にどのようなキャリアを築きたいのかを明確にすることが大切です。まずはこれまでの経験を振り返り、得意な分野や関心のある技術、働くうえで大切にしたい価値観を整理してみましょう。
SESで培った現場対応力や課題解決力をどの方向に活かすのか、どんな専門性を伸ばしていきたいのかを具体的にイメージすることで、キャリアの軸が定まりやすくなります。目指す方向が定まれば、転職活動全体に一貫性が生まれ、企業選びや面接でも自分の強みをより具体的に伝えられるでしょう。
転職先企業に求める条件を整理
転職を成功させるためには、まず自分がどんな環境で働きたいのかを明確にしておくことが大切です。会社の規模や開発体制、評価制度、使用する技術、働き方や教育制度など、重視するポイントを整理しておきましょう。
あらかじめ希望する条件を整理しておくことで、応募先企業を比較しやすくなり、入社後のギャップやミスマッチを未然に防げます。自分に合った環境を選べれば、転職後の満足度やモチベーションの維持にもつながるでしょう。
キャリアパスを踏まえて企業分析
目指すキャリアが定まったら、理想のキャリアを実現できそうな企業を見極めましょう。事業内容、開発体制、成長戦略、IT投資方針を確認し、自分の狙う領域で経験を積めるかをチェックします。
あわせて、社員のキャリアモデルや昇進・異動の実績、育成制度・研修支援の有無も重要です。成長を後押ししてくれる仕組みがあるかどうかによっても、入社後の伸びしろは大きく変わります。
こうした企業分析を丁寧に行うことで、その会社でどんな未来を描けるかを事前に把握でき、転職後のミスマッチを大きく減らせるでしょう。
スキルの棚卸しと不足スキルの習得
転職を成功させるためには、まず自分のスキルを客観的に把握することが大切です。これまでの案件内容や使用技術、担当業務、成果などを整理し、自分の得意分野と課題を明確にしましょう。職務経歴書に具体的な実績として落とし込める形でまとめておくと、書類選考や面接においても説得力が増します。
さらに、希望する職種や企業で求められるスキルと照らし合わせ、不足している部分を補う準備を始めていきましょう。オンライン講座や技術書、実践的なハンズオン学習などを活用すると効果的に学習を進められます。特定の分野で専門性を示すために、関連資格の取得を目指すのもおすすめです。
転職理由や志望動機の作り込み
転職理由や志望動機は、採用担当者が特に注目するポイントです。これまでの経験や価値観、今後のキャリアビジョンを整理し、なぜその企業・職種を選ぶのかを筋道を立てて伝えられるように準備しましょう。
志望動機を考える際は、次の点を意識することが大切です。
志望動機を考える際のポイント
- IT業界を志望する理由を自分の経験と結びつけて説明する
- 数ある企業の中でなぜその会社を選んだのか、他社との違いを踏まえて語る
- 入社後にどのように貢献し、どんな成長を目指すのかを描く
- これらを支える具体的なエピソードや成果を交えて話す
自己分析や企業理解、将来像を一貫させた志望動機を構築することで、発言に説得力が生まれ、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
実践を想定した面接対策
面接で重視されるのは、単なる技術力だけではありません。実際の現場でどのように行動し、チームとどのように協働できるかを見極める質問が多く出されます。想定質問をもとに自分の回答を準備し、模擬面接などで対話の流れに慣れておくことが大切です。
また、これまでのプロジェクト経験をストーリーとして語れるようにしておくと、説得力が高まります。成果だけでなく、直面した課題や工夫した点、改善のプロセスなどを整理し、リーダーシップや問題解決力・チームワークといった行動面も具体的に伝えられるように準備しておきましょう。
IT業界に強い転職エージェントの活用
IT業界に特化した転職エージェントを活用すると、自力では見つけにくい非公開求人や好条件のポジションに出会える可能性が高まります。エージェントはあなたのスキルや希望条件をもとに最適な求人を提案してくれるほか、企業とのマッチング、面接日程の調整、年収交渉など、転職活動全体をサポートしてくれます。
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まとめ
SESでの経験は、エンジニアとしての基礎力や現場対応力を磨くうえで大きな財産です。しかし、長期的なキャリアを築くためには、自分に合った働き方や成長できる環境を選ぶことが欠かせません。
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