サーバーエンジニアが転職するには?求められるスキルや市場価値とあわせて、転職するためのポイントを解説
2025年10月14日更新
サーバーエンジニアは企業のITインフラを支える重要職種として、IT業界で高い需要と人気を誇ります。
しかし近年は、クラウドサービスやセキュリティ分野の拡大によって、キャリアの選択肢が多様化しています。
「このままサーバーエンジニアとしてキャリアを積むべきか」 「若いうちに、クラウドエンジニアやセキュリティエンジニアといった別の職種にも挑戦したい」
このように考える方も少なくないでしょう。
本記事では、サーバーエンジニアの転職事情をはじめ、求められるスキルや年収水準、キャリアアップの実現に向けて押さえておきたいポイントまでを解説します。
著者

蓬田 和己
Yomogita Kazuki
早稲田大学卒業後、レバレジーズ株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして開発、データ職種のエンジニアの方の支援に従事。歴代最速で事業部内単月支援者数、売上1位を獲得し、組織目標の達成に大きく貢献。社内での異動、キャリアアップ、転職もどれが良いのか単純には決められないので、お客様にとって最善の選択肢を一緒に考えていきたいという思いから、MyVisionに参画。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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サーバーエンジニアの転職事情のリアル
サーバーエンジニアは、IT業界のなかでも将来性の高い職種の一つです。
DXの推進や技術革新により、業界を問わずIT導入が進み、システムを構築・運用するためにはサーバーの存在が必要不可欠です。
さらに、IT人材全体の不足も予測されているため、今後も需要がなくなることはないでしょう。
ただし、今後はオンプレミスだけでなく、クラウドサービスを用いた環境構築が主流となるため、クラウド技術を身につけられるかどうかが、サーバーエンジニアとして生き残れるかどうかの分かれ道となるでしょう。
将来性の高い職種である一方で、以下のような理由から転職を検討するケースも増えています。
サーバーエンジニアから転職する主な理由
- 技術スキルアップのため
- 給与アップのため
- 就業環境の改善のため
もちろん、給与面や労働環境の改善を目的に新たな職種に転職する方も少なくありません。
しかし、これまで培ってきた専門知識や運用経験をさらに発展させ、新たな職種へ挑戦するケースも増えています。
サーバーエンジニアからの代表的なキャリアパスを整理すると次のとおりです。
キャリアパス | 主な役割 | 活かせる経験・求められるスキル | 特徴・将来性 |
---|---|---|---|
インフラエンジニア | サーバーやネットワーク、クラウド基盤の設計・構築・運用を担当する | サーバー運用経験・クラウド知識(AWS/Azure/GCP)・仮想化技術など | サーバーエンジニアの経験を広く活かせる・クラウド需要拡大により安定した需要が期待できる職種 |
プロジェクトマネージャー(PM) | 開発やインフラ構築のプロジェクト全体を管理する | マネジメント経験・要件定義・設計・進行管理・調整力 | 上流工程に関与できる・年収水準が高く、キャリアの幅が広がる |
ITコンサルタント | 顧客の課題を分析し、最適なIT戦略やシステム導入を提案する | サーバー・インフラ知識・課題解決力・コミュニケーション力 | DX推進によって需要が拡大している・IT技術とビジネス視点を活かせる職種・年収水準も高い |
フリーランス・独立 | 専門スキルを武器に案件を受注する | 特定分野の深い知識(クラウド・セキュリティなど)・営業力・人脈 | 報酬アップの可能性が高い・働き方も自由度が高い一方で、案件を獲得できない恐れも |
このように、サーバーエンジニアとしての経験は、インフラ領域に限らず、マネジメントやコンサルティングといった幅広い職種に応用できます。
もちろん、どのキャリアパスにおいてもメリットとデメリットはつきものです。
「安定性」「収入」「成長機会」「働きやすさ・自由度」など、自分の優先順位を明確にしたうえで、転職後のキャリアについて考えていきましょう。
キャリアアップを目指すサーバーエンジニアが転職時に求められるスキル
サーバーエンジニアから転職をする場合、インフラについての専門知識だけでなく、クラウドやセキュリティなど新しい領域への対応力がキャリア形成のカギとなります。
特に近年は、従来の運用スキルに加えて、以下の3つのスキルや経験が重要視される傾向にあります。
- クラウド・仮想化技術の習得
- セキュリティ対策についての知識・スキル
- マネジメントスキル
ここでは、サーバーエンジニアからの転職を有利に進めるために押さえておきたい具体的なスキルを詳しく見ていきましょう。
クラウド・仮想化
ここ数年で、企業のシステムは物理サーバーからクラウドへと急速に移行しています。
例えば、Amazonが提供する世界最大規模のクラウドサービス「AWS」をはじめ、Microsoft AzureやGCPなどが代表例です。
これらのクラウドプラットフォームを活用すれば、物理サーバーを購入、設置せずに、必要なときに必要なだけサーバーやデータベース、ストレージを利用できます。
近年ではサーバーレスコンピューティングやコンテナ技術の導入も進んでいることから、従来のように物理サーバーを設置して管理するだけではなく、より効率的で柔軟にシステムを構築・運用する知識やスキルが求められるようになりました。
また、クラウドの基盤を支える「仮想化技術」も、サーバーエンジニアとして欠かせないスキルの一つです。
VMwareやHyper-Vを用いたサーバー統合・運用の経験は、多くの企業で即戦力として評価されます。
たとえクラウド経験が浅くても、仮想化の知識や実務経験をしっかりとアピールできれば、転職時に大きな強みとなるでしょう。
サーバーエンジニアが転職で高く評価されるには、クラウド環境の設計・構築・運用に関する実務経験が重要です。
また、TerraformなどのIaC(Infrastructure as Code)を用いたインフラ自動化スキルを持っていれば、効率化やコスト削減の観点から重宝されるでしょう。
また、複数のクラウドサービスを同時に利用する「マルチクラウド」を活用し、サービスごとの特性を理解して最適な提案ができる知識も市場価値を大きく高めるポイントといえます。
さらに、AWS認定ソリューションアーキテクトやMicrosoft Azure認定資格といったクラウド関連の資格を取得しておくと、自分のスキルを客観的に証明できます。
資格は学習意欲や基礎知識の習得を示す指標にもなるため、採用担当者からの信頼性が高まり、転職活動での強力なアピール材料になるはずです。
クラウドと仮想化の分野は今後も確実に拡大していくと予想されています。
サーバーエンジニアからキャリアアップを図るうえで欠かせない武器となり、長期的な成長にも直結するといえるでしょう。
セキュリティ対策
サーバーエンジニアには、システムの安定稼働に加えて、セキュリティに対する高い意識と専門スキルが求められます。
サーバーエンジニアが取り扱う情報のなかには、個人情報や顧客情報、企業の機密データといった、外部に漏れてはならない重要なものが数多く含まれています。
そのため、「不正アクセス」や悪意のあるソフトウェアによる「マルウェア攻撃」を防ぐための対策はもちろんのこと、内部不正や設定ミスを防ぐための運用ルールづくりも、サーバーエンジニアに課せられた重要な役割です。
そのため、サーバーエンジニアとして、次のようなセキュリティ分野の知識やスキル、経験を持っておくことが期待されています。
- ファイアウォールやIDS/IPSの活用
- 脆弱性診断やアクセス権限管理などの基礎知識
- クラウド環境におけるセキュリティ設計
- ゼロトラストモデルの理解
これらを習得していれば、企業からも信頼できる人材として評価されるだけでなく、転職市場においても大きなアピールポイントとなるでしょう。
プロジェクトやメンバーのマネジメントスキル
サーバーエンジニアからのキャリアアップを目指す場合、システムの構築や運用にとどまらず、プロジェクト全体を見渡すポジションを任されるケースが増えていきます。
その際に欠かせないのが、進行管理やリソース調整といった「プロジェクトマネジメントスキル」です。
具体的には、進行管理や予算・スケジュールの調整、関係部署とのコミュニケーションを通じてプロジェクトを円滑に進める力が求められます。
さらに、メンバーの役割分担や育成を行い、チーム全体として成果を最大化できるリーダーシップも必要です。
マネジメントスキルを身につけることで、技術者としての枠を超えて組織全体の成果に影響を与えられる人材へと成長できます。
結果として市場価値が高まり、より多くのキャリア選択肢が得られるでしょう。
さらに、マネジメントスキルとサーバーエンジニアとして培った技術的な視点を組み合わせることで、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントといった上流の職種への転職にもつなげられるはずです。
このように、サーバーエンジニアとしての専門性を土台にしながら、計画立案やチーム運営の経験を積んでいくことで、市場価値はさらに高まり、キャリアの選択肢も大きく広がっていくでしょう。
サーバーエンジニアの転職市場での評価を年収面から解説
大手転職サイトdodaによると、サーバーエンジニアの平均年収は459万9,000円とされています。
一方、国税庁が発表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本国内で1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は460万円でした。
この数字を比較すると、サーバーエンジニアの平均年収は国内全体の平均とほぼ同じで、特別高収入とは言えません。
しかし、クラウドやセキュリティといった専門性の高いスキルを身につければ、年収600万円以上、場合によっては1,000万円近い求人に挑戦することも可能です。
つまり、サーバーエンジニアは基礎的な収入の安定性を確保しつつ、スキル次第で大幅な収入アップを狙える職種だといえるでしょう。
サーバーエンジニアが転職するためのポイント
転職を成功させるには、ただ求人に応募するだけではなく、しっかりと戦略を立てたうえで転職活動を進める必要があります。
ここでは、サーバーエンジニアからの転職を成功に導くために押さえておきたい3つのポイントを詳しく見ていきましょう。
自分の市場価値を把握する
転職活動を成功させるためには、まず自分が市場からどのように評価されているかを客観的に把握することが大切です。
そうすることで、自分の強みだけでなく、今後伸ばすべきスキル・分野が明確となり、キャリアアップにつなげやすくなります。
現在のスキルや経験がどの程度通用するのかを知ることで、転職のタイミングやキャリアアップに向けた準備を進めやすくもなるでしょう。
市場価値を客観的に確かめるためには、次のような方法があります。
- 同業種・同職種の求人情報をリサーチする
- スキル診断・市場価値診断ツールを活用する
- 社内・社外のエンジニアと比較してみる
- 転職エージェントにキャリア相談をする
市場価値を正しく把握できれば、転職活動の軸が定まり、無駄のないキャリア戦略を立てられるようになります。
「今すぐ転職すべきか」、それとも「現職で経験を積んでから挑戦すべきか」を見極める大切な指標となり、将来のキャリアをより確実に描きやすくなるでしょう。
足りないスキルや経験を補う
自分の市場価値を把握できたら、不足しているスキルや経験を意識的に補っていきましょう。
サーバーエンジニアをはじめとするITエンジニアは、常に新しい技術や知識の習得が求められる職種です。
今のスキルセットに満足してしまうと、数年後には市場での価値が下がってしまうリスクも大いにあります。
そのため、日々の業務だけでなく、学習や資格取得を通じて自分をアップデートし続ける姿勢が欠かせません。
不足しているスキルを補うための具体的な方法としては、次のようなものがあります。
- 市場価値を踏まえて、伸ばすべき分野に対応する資格を取得する
- 現職で関連する業務を積極的に担当し、実務経験を広げる
- 資格を取得したら、それを活かせる業務に携わって知識を実務に落とし込む
資格があるだけでは「知識がある」にとどまりますが、知識やスキルを実際の業務で活かせるようになって初めて「使えるスキル」として評価されます。
こうした経験を積み重ねることで、企業から安心して業務を任せられる人材として認められるようになり、キャリアアップにも直結していくでしょう。
転職エージェントを活用する
転職活動をすべて一人で進めるのは、決して簡単なことではありません。
求人情報を収集したり、自身のスキルが市場でどの程度評価されるのかを客観的に判断したりするのはとても難しいものです。
さらに企業ごとの選考対策や年収交渉までを担うとなると、大きな負担となるでしょう。
その結果、十分な準備ができずに希望する企業へのチャンスを逃してしまうリスクが高まります。
こうした課題を解消するためにおすすめなのが、転職エージェントの活用です。
転職エージェントを利用すると、次のようなメリットがあります。
転職エージェントを利用するメリット
- 公開されていない非公開求人を紹介してもらえる
- 応募企業ごとの面接対策や職務経歴書の添削を受けられる
- 年収や条件交渉を代わりに対応してもらえる
- 業界に詳しいキャリアアドバイザーから客観的な意見を得られる
- 自分の市場価値を正しく把握しやすくなる
自力では見つけられないような非公開求人の紹介を受けられるほか、応募先ごとの面接対策や職務経歴書の添削、さらには年収や労働条件などの交渉サポートまで対応してもらえます。
また、業界に精通したキャリアアドバイザーから客観的な意見をもらうことで、自分の市場価値を把握しやすくなるのも大きなメリットです。
転職エージェントは数多くあるため、どこを選ぶかが大切です。
選ぶ際には、次の点を意識しましょう。
サーバーエンジニアにおすすめの転職エージェント選びのポイント
- IT・エンジニア領域に強みがあるか
- 担当者が希望するキャリアや働き方を理解してくれるか
- 求人数や非公開求人の多さ
- 面接対策や書類添削などサポートの手厚さ
- 実際に利用した人の口コミや評判
転職活動を進めるのには限界があります。
特にサーバーエンジニアのように専門性が高い職種では、客観的な意見や最新の求人情報を得られる転職エージェントの活用が有効です。
転職エージェントごとに得意分野やサポートの質には大きな違いがあります。
自分に合った転職エージェントを選んで、転職活動をスムーズに進めていきましょう。
サーバーエンジニアが転職するならテックゴー
サーバーエンジニアとして培ったスキルを次のキャリアにつなげたいと考えるなら、専門性の高い転職エージェントの活用がおすすめです。
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まとめ
サーバーエンジニアは、将来性の高い仕事ではあるものの、キャリアアップや新たな挑戦を目指して転職を考える方も少なくありません。
転職を成功させるためには、自分の市場価値を正しく把握し、不足するスキルを補いながら計画的に行動することが大切です。
さらに、転職エージェントを活用すれば、自分だけでは見つけられない非公開求人や専門的な選考対策のサポートを受けられるため、理想のキャリア実現につなげられるでしょう。
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