フルスタックエンジニアの年収はどれくらい?仕事内容・キャリアパス・将来性まとめ
2026年01月05日更新
幅広い技術の領域をカバーするフルスタックエンジニアは、開発現場で高い需要を誇ります。しかし「実際の年収はどれくらいだろうか」「そもそも何ができたらフルスタックエンジニアと名乗れるのか?」などの疑問を感じる人もいるでしょう。
本記事では、フルスタックエンジニアの仕事内容や年収、将来性などを分かりやすく解説します。
フルスタックエンジニアを目指している方はもちろん、エンジニアとしてどんなキャリアを描いたらいいか分からないと悩んでいる方も、ぜひご一読ください。
著者

山村 優
Yu Yamamura
新卒で福祉系企業に入社。その後株式会社リクルートに転職し、約6年間法人営業として従事。新規開拓からはじまり既存顧客への業績拡大のための深耕営業も経験。個人目標を60ヶ月連続達成、事業部全体での通期表彰も獲得。直近ではプレイングマネージャーとして、自身の業績拡大と並行してチームの業績管理・ピープルマネジメントを担当。自分自身のキャリア形成を考える中で芽生えた「人生を豊かにする企業との出会いをより多くの方に届けたい」という強い思いから、MyVisionへ参画。
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監修者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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目次
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フルスタックエンジニアの仕事内容
フルスタックエンジニアというと、”なんでもできるエンジニア” とイメージする人が多いでしょう。しかし、実はその定義は明確にされておらず、システム開発に必要なすべての工程をカバーできるエンジニアのことを指しています。
具体的には、フロントエンド、バックエンド、インフラ(クラウド)の3つの領域にまたがり、1人で対応できることが基本的な条件とされていると考えておきましょう。
- フロントエンド:UI/UXの実装、SPA開発、パフォーマンスの最適化など
- バックエンド:API設計、ビジネスロジックの実装、データベース(DB)設計など
- インフラ、クラウド:AWS/GCP等のクラウド構築、CI/CD環境の整備、運用保守など
ここで押さえておくべき重要なポイントは、フルスタックエンジニアに求める担当領域が企業ごとに異なることです。「フロントエンドとバックエンドができればOK」とする企業もあれば、「上流から下流まですべての工程を担当できる」を条件とする企業もあります。
企業規模においては、どちらかと言えばフルスタックエンジニアは小規模やスタートアップで求められることが多く、規模が大きくなるほど “なんでもできるフルスタックエンジニア” よりも “特化型のエンジニア” の方が評価されやすくなります。
実際にフルスタックエンジニアとして転職活動をおこなう際には、自分のスキルと企業側が求める条件がマッチするかどうかを確かめることが重要です。
フルスタックエンジニアの年収
フルスタックエンジニアは正式な職種名ではなく、「どこまで対応できるか」を示すスキルの呼び方であり、役割や評価は企業によって異なります。前述のとおり定義も曖昧なため、明確な年収相場を算出することは困難です。
転職サイトdodaの「平均年収ランキング」を参考にすると、フルスタックエンジニアにつながる職種の平均年収は下記です。
- データベースエンジニア:463万円
- システムエンジニア/プログラマー:425万円
- Webサービスエンジニア:446万円
- ネットワークエンジニア:447万円
- サーバーエンジニア:464万円
- システム開発/運用:486万円
参考:duda
これらはそれぞれが独立した専門領域ですが、フルスタックエンジニアの場合は、複数の領域を1人で担当することもあります。企業側としても、複数の専門家を雇うコストを削減できるため、上記した職種よりはやや高い年収が期待できるでしょう。
また、実際に公開されている求人情報を見ると、PwCコンサルティング合同会社やボストン・コンサルティング・グループ合同会社などの大手では、予定年収が600万円~2,000万円と提示されています。中小企業の場合には、400万円~500万円程度を提示しているケースが中心です。
参考:duda
したがって、日本国内におけるフルスタックエンジニアの年収レンジは、以下が目安となるでしょう。
- 中央値:600万円~1,000万円
- 若手(~3年):450万円~600万円
- ミドル層(3~7年):700万円~900万円
- シニア層(7年以上):1,000万円以上
また、フルスタックエンジニアの中でも、設計やインフラまで一気通貫でカバーできるスキルがある場合には、提示される年収が一気に跳ね上がったり、より裁量の大きなポジションを任されるケースも少なくありません。
一方で、「フルスタックエンジニア」という肩書きだけでは、希望の年収を得られないばかりか、選考を突破することすら難しくなることも。フルスタックエンジニアとして年収を上げるためにできること、需要が高いフルスタックエンジニアの特徴などを、次の項目で解説していきます。
フルスタックエンジニアとして年収をあげるには?
フルスタックエンジニアは、幅広く対応できる一方で、戦略を持たずに経験を積むと「器用貧乏」で終わってしまうリスクもあります。
長期的に活躍したい、あるいはキャリアの選択肢を広げたい場合には、意識的に専門性を育てるなど、戦略的なキャリア設計が欠かせません。
この項目では、フルスタックエンジニアとして年収を上げるポイントを4つ解説しますので、あなたの強みや理想の働き方を照らし合わせながら参考にしてください。
バックエンドまたはインフラ周りの専門性を高める
フルスタックエンジニアは “なんでもできる人材” であることが強みである一方で、軸となる専門性がなければ、高い評価や年収につながりにくいことも事実です。
軸とする強みをどの技術領域に置くか迷ったら、おすすめはDB設計、スケーラビリティ、セキュリティといったバックエンド・インフラ領域です。これらに関する深い知識は、システム全体に影響を与えるため、ニーズが高まります。
とくに「フロントエンド+バックエンド」「バックエンド+インフラ」の組み合わせは互いに連携しあうことから、転職市場でも高く評価されやすい傾向があります。
クラウド資格の取得や実務経験を積む
近年では多くの企業が、クラウドサービスをインフラ構築の手段として活用しています。そのため、フルスタックエンジニアの年収には、クラウドサービスの知見と実務経験が大きく影響します。
とくに三大クラウドサービスと呼ばれる「AWS」「GCP」「Azure」においては市場シェア率が非常に高く、これらを使いこなし、設計から構築・運用まで対応できるエンジニアの需要は年々高まっています。
「AWS」「GCP」「Azure」は、それぞれ独自の資格取得制度を設けており、基礎から高度な概念までを体系的に学べることが特徴です。
もちろん、資格を取得しただけで年収が大きく上がるわけではありませんが、実務経験とセットでアピールできれば、クラウド領域のスキルを客観的に証明できます。
とくに転職時には、どのクラウドをどのレベルで使えるのかを具体的に説明できることが、給与交渉など年収を左右するポイントです。
アーキテクチャ設計に踏み込み
フルスタックエンジニアとして、さらに年収を大きく伸ばすためには、システムの骨組みや構造そのものに当たるアーキテクチャ設計にまで踏み込む姿勢も重要です。
実装だけをおこなうエンジニアと設計者では、当然ながら担う責任範囲が異なります。全体の構成、将来的な拡張性まで考慮できるエンジニアは、プロジェクトの中核を担う存在として評価されやすく、結果として高い年収につながります。
また、フルスタックエンジニアとして幅広い領域で積み重ねた経験は、技術選定や構成設計の判断に活かしやすい強みです。既存システムの見直しなどの場面でも、積極的に設計に関わりながら、市場価値を高めていきましょう。
フリーランスとして独立する
年収アップのためのキャリアパスのひとつに、フリーランスとしての独立もあります。フリーランスのフルスタックエンジニアの年収は、960万円~1,500万円程度と言われており、会社員よりも高い水準です。
単価相場はフロントエンドエンジニアで平均72万円、ITアーキテクトで平均90万円と、職種によってバラつきがあるため、フルスタックエンジニアならカバーできる領域次第で、高単価の交渉もできるでしょう。
フルスタックエンジニアは1人で完結できることが強みで、フリーランスになると案件獲得の面で有利に働きます。とくに、少人数体制のプロジェクトやスタートアップ案件では重宝される傾向にあります。
一方で、フリーランスは常に高単価案件が獲得できるとは限らないことが注意点です。思ったよりも低い単価や契約終了など、収入が不安定になりやすいことも。
フリーランスとして独立する前には、自分の専門性を明確にして、高単価を狙えるスキルセットを築くことが重要です。
フルスタックエンジニアからのキャリアパスと想定年収
フルスタックエンジニアからのキャリアパスには、どのような選択肢があるのでしょうか。想定年収を含め、おすすめのキャリアパスの特徴や求められるスキルを解説します。
ITアーキテクト
ITアーキテクトは、ITとビジネスを結びつけながらシステム全体設計を担う役割です。経営戦略に基づいたIT企画の立案から関わるため、ITエンジニアの中でも上級職とされています。
全体最適を見据える立場にあり、各領域の特性を理解した設計判断が求められます。そのため、フルスタックエンジニアの各領域の横断的な経験が存分に活かされる仕事です。
経済産業省による調査『我が国におけるIT人材の動向(2021年)』では、ITアーキテクトのオファー年収は700万円〜900万円と出ています。能力や企業規模次第では、1,000万円を超えることも珍しくありません。
SRE・クラウドアーキテクト
SREやクラウドアーキテクトは、クラウド環境の最適化を担うポジションで、クラウドサービスの導入から管理・運用までを幅広く担当します。近年はクラウド移行をおこなう企業が増えていますが、いまだIT人材の不足は続いているため、注目されている職種です。
フルスタックエンジニアの中でも、とくにバックエンドとインフラに深い知識を持つ人であれば、アプリの中身を理解した上で “正常に稼働し続けられるインフラ構成” までを見据えられるため、マッチしやすいキャリアパスのひとつです。
年収水準も比較的高く、クラウドエンジニアとしての平均年収は660万円程度です。未経験では500万円台が一般的な水準ですが、フルスタックエンジニアとしての経験を積んでいれば、平均年収は目指せるでしょう。
テックリード・EM・CTO
技術だけでなく、マネジメントにも興味がある人には、テックリードやEM、CTOといったキャリアパスも向いています。
テックリードはまだ新しいポジションで馴染みのない人も多いかもしれませんが、開発チームの技術面におけるリーダーです。同時に、チーム内でのスケジュール管理や関係部署とのすり合わせも行います。一方で、EM(エンジニアリングマネジャー)は技術面ではなく、採用活動やメンバーの評価、チームビルディングを担う役割です。
フルスタックエンジニアはシステム全体を俯瞰することも求められるポジションですので、異なる部署間の調整や育成といった役割へのステップアップは比較的スムーズでしょう。
年収レンジは規模によって異なるものの、1,000万円以上を目指せるポジションです。
フリーランス・起業
フリーランスの年収については前述したため割愛しますが、年収を高める以上に、働き方やキャリアの主導権を自分で握れる点が大きな魅力です。とくに会社員として働く中で、ある種の窮屈さを感じている人にとっては、柔軟なキャリア形成ができるため、今以上のやりがいを実感できるでしょう。
自分の軸となる専門分野に集中して案件を選んだり、業界を絞って市場価値を高めたりなど、理想のキャリア像に沿った選択肢を自ら広げていけます。
一方で、フリーランスは自分の力で仕事を継続して生み出していかなければなりません。とくに技術の進化スピードが速いIT業界では、常にトレンドを追い、知識やスキルをアップデートすることが求められます。
同時に、契約更新の判断や稼働調整など、自己管理能力も重要です。もしフリーランスや起業を目指す場合には、会社員のうちに専門性や実績を築き上げ、強みを言語化できる状態に整えておくことで、独立後も案件獲得やキャリア形成をスムーズに進めやすくなります。
フルスタックエンジニアの将来性
フルスタックエンジニアは、技術の組み合わせや判断ができるため、AIや自動化の進展が進む現代でも高い価値を持ち、今後も安定した需要が見込まれます。
とくにスタートアップや少人数チームにおいては、1人で幅広く対応できる人材が非常に重宝され、フルスタックエンジニアの「全体を俯瞰できる強み」が存分に活かすことができます。
一方で、大規模な企業では専門領域ごとに細分化される傾向があり、スペシャリストの方が優先される場面も少なくありません。したがって、フルスタックエンジニアとしてのスキルが最大限に活かせる環境を選ぶことが重要です。
フルスタックエンジニアとして長期的に市場価値を維持するためには、”幅広くなんでもできる人” であることよりも、システム全体を設計・判断できるスキルを持つことが求められます。
フルスタックエンジニアになるには
ここからは、フルスタックエンジニアになるためのステップを、5つに分けて解説します。これまでお伝えしてきたとおり、フルスタックエンジニアには明確な定義はありません。一般的に必要とされるスキルを身に付けつつ、自分の強みとなる専門領域を確立していくことが重要です。
基本的なプログラミングスキルを習得する
フルスタックエンジニアとして活躍するためには、基本的なプログラミングスキルの習得が欠かせません。フルスタックと名乗るからには、開発全体の工程で使用されるプログラミング言語の知識は必須とも言えるでしょう。
- フロントエンドで必要な言語:JavaScript、TypeScriptなど
- バックエンドで必要な言語:Python、Ruby、Java、PHP、Goなど
初心者の場合は、まず1つの言語に絞って基礎を学ぶことが大切です。基礎が固まっていないうちに次へ次へと進むと、呪文を読んでいる気分になってしまい、挫折しやすくなります。
実践的なスキル習得にはには、最低でも1年程度かかりますので、挫折対策を行い、学ぶ楽しさを感じながらモチベーションを保つことが重要です。
また、学習を進める際にはチュートリアルやオンライン教材、実際に手を動かせる環境を活用することで、知識を「使えるスキル」に変えていくことができます。
フロントエンドかバックエンドの専門性を高める
高年収を得たり、市場価値が高いフルスタックエンジニアに共通しているのは、軸となる専門領域があることです。
幅広い知識を持つことがフルスタックエンジニアの条件ではあるものの、最初からすべてを学ぼうとせず、フロントかバックどちらかの専門性を極めた方が、結果的に即戦力として活躍しやすく、他領域の学習もスムーズに進められます。
たとえば、UIを構築するためのフロントエンドの専門性を高めると、デザインの意図を正確に反映しつつ、操作性の高い画面を作れるようになります。一方でバックエンドに強みを持つと、データベース設計やAPI開発など、システム全体の安定性や効率を高めるスキルが身につきます。
どちらもオンライン上の学習サイトなどを利用しながら体系的に学べるので、まずは自分で触ってみながら、向いている専門領域を見つけるのがおすすめです。
基礎技術に加えてクラウドの知識・スキルを積む
フルスタックエンジニアとしてのキャリアを築くなら、クラウド技術も欠かせません。AWS、GCP、Azureなどのクラウド基礎知識や運用経験を積むことで、開発だけでなくシステム全体の設計や運用にも関われるようになります。
つまり、クラウドの知識やスキルがあると、開発したサービスを実際に稼働させて最適化するまでを一気通貫で担当できるようになります。
昨今では、コスト削減などの観点からクラウド移行を推進する企業が多いため、「クラウドまでカバーできるフルスタックエンジニア」は重宝されるでしょう。
独立やキャリアアップを見据えている場合には、実務での経験を通じて判断力を磨きながら、資格取得も視野に入れるのがおすすめです。
Webサービスを自作してポートフォリオを充実させる
とくに転職を視野に入れている人は、学んだ知識をポートフォリオという形にしていくことをおすすめします。エンジニア系の採用面接で重視されるポートフォリオは、単にスキルを示すだけでなく、あなたの考え方・問題解決能力などを伝える有効な手段で、採用担当者にとっても貴重な判断材料です。
初めてポートフォリオの作成にチャレンジする場合には、無料で使えるプラットフォームを活用しながら、”まずは完成させること” を目標にしましょう。完璧な状態でなくても、0から自分の力で作り上げることが重要です。
完成したポートフォリオは、実際の転職活動時にも活用でき、その都度ブラッシュアップしていくと、常に最新の実力を企業にアピールできる強力な武器になります。
IT業界特化の転職エージェントを利用する
フルスタックエンジニアは幅広いスキルを持つからこそ、「自分の本当の強みってなんだろう?」「どうやって実績を伝えるのがいい?」と悩みやすい面を持っています。
そうした悩みに直面している人は、IT業界特化のエージェントを活用するのがおすすめです。IT業界特化の転職エージェントは、業界特有の市場動向や求められる人物像、トレンドのスキルなどを深く理解しています。
そのうえで、あなたのスキルを正しく評価し、相性のいい領域や業界を具体的にアドバイスしてくれる点が魅力です。
転職を視野に入れはじめた人はもちろんですが、「長期的な視点でのキャリア相談がしたい」と考えている方も、積極的に利用していきましょう。
テックゴーが選ばれる理由
IT業界特化の転職エージェント「テックゴー」は、業界の最新トレンドや企業の技術スタックに精通しているアドバイザーが多く在籍し、年収や待遇の話にとどまらず、将来的なキャリア形成まで見据えた具体的な提案が可能です。
あなたの経験や強みの棚卸を行いながら、「どの専門性を深めると市場価値が上がるか」「〇〇の経験はどこで評価されやすいか」など、一人ひとりの状況に最適な道筋を示します。
また、条件の良い非公開求人やフルスタック向けの高単価案件にアクセスできるほか、スキルに応じた条件交渉や調整代行も可能です。
フルスタックエンジニアとしてのキャリアに不安がある方や、年収アップ、市場価値向上を目指したい方は、ぜひお気軽にご相談ください!
まとめ
フルスタックエンジニアは幅広い領域を横断的にカバーできる人材として、今後も需要が高まるポジションです。
正式な職種ではなく、企業によって定義も異なるため、平均年収を算出することはできませんが、高年収を得るポイントは「軸となる専門性」を持っていること。
まずフロントまたはバックエンドの専門性を軸に深め、クラウド知識や実務経験を積むことで、着実なキャリアを築いていけます。
同時に、自分の強みやマッチする企業を見極めるなど、戦略的にスキルを積み上げることが、フルスタックエンジニアとして長期的に活躍するポイントです。
