ITストラテジストの年収は?仕事内容やキャリアパス、転職するためのポイントを解説
2025年10月27日更新
ITストラテジストは、IT技術を駆使しながら、企業の経営戦略を立案し、実行のサポートまでを担うITの専門家です。一般的なITコンサルタント以上に経営層に近い立場であることが特徴で、高度な知識や多角的な視点を持った問題解決能力が求められます。
一方で、ITストラテジストの名前で呼ばれることは少ないため、「どんな仕事をしているのか」「PMとは違うのか」「どのくらいの年収なのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
また、ITストラテジスト試験という国家資格があることも、注目すべきポイントです。
本記事では、ITストラテジストの仕事内容、年収レンジ、必要スキル、キャリアパスまでをわかりやすく解説します。さらに、ITストラテジストを目指す方法やおすすめの資格、転職成功のポイントも紹介します。
著者

蓬田 和己
Yomogita Kazuki
早稲田大学卒業後、レバレジーズ株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして開発、データ職種のエンジニアの方の支援に従事。歴代最速で事業部内単月支援者数、売上1位を獲得し、組織目標の達成に大きく貢献。社内での異動、キャリアアップ、転職もどれが良いのか単純には決められないので、お客様にとって最善の選択肢を一緒に考えていきたいという思いから、MyVisionに参画。
プロフィール詳細を見る
監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
プロフィール詳細を見る
目次
全部見る
ITストラテジストとは?
「ITストラテジスト」という言葉には2つの意味があります。
一つは「ITの専門家」。この場合、ITに関する専門知識が豊富な人材を意味し、保有している資格などは問われません。
二つ目は、IPAが実施している情報処理技術者試験「ITストラテジスト試験」に合格した人材のことです。
どちらの場合でも実際にITストラテジストと呼称されることは少なく、ITコンサルタントやCIOなどとして、ITを活用しながら経営戦略の実現に向けて動く人材であることが大半です。
ここでは、ITストラテジストについて、仕事・資格の両面から概要を解説します。なお、本記事は資格試験ではなく、職種としてのITストラテジストについての解説がメインです。
仕事としてのITストラテジストの概要
ITストラテジストの仕事は、超上流工程における「ITを活用した経営戦略の立案」と「システム開発の段取り」までが基本です。本来の意味でのITストラテジストの場合、システム開発作業に携わることはほとんどありません。
他の職種と比べると、以下のような違いがあります。
- ITストラテジスト:開発すべきシステムやツールを決定する
- プロジェクトマネージャ(PM):スケジュールおよび工程管理
- ITアーキテクト:システム開発のための基盤を整える
ただし、実際には「ITストラテジスト」ではなくITコンサルタントや情報システム部門に属することが多いため、幅広い業務を任されるようになるでしょう。
また、後述するITストラテジスト試験への合格は必須ではありませんが、この資格保有者は企業のCIOや情報システム部門長、ITコンサルタントなどのポジションで活躍するケースが多く見られます。
非常に難易度が高い試験のため、高度なスキルと経験を持ち合わせていることの証明となり、経営層に近い立場で採用されることが少なくないのです。
また、フリーランスのITコンサルタントとしてクライアント企業と仕事をしたり、会社員として社内でIT装備戦略の企画と実行を行ったりなど、ITストラテジストは立場もさまざまです。
資格としてのTIストラテジストの概要
ITストラテジスト試験は、IPAが実施している情報処理技術者試験の一つで、国家資格です。技術者を対象としたIPAの試験は数多くありますが、ITストラテジスト試験はもっとも難易度が高いものとして知られています。
ITストラテジスト試験は4つの異なる試験で構成されており、その全てに合格しなければいけません。まずは以下で、試験概要をチェックしていきましょう。
| 試験日程 | 毎年1回、4月第3日曜日 |
|---|---|
| 受験費用 | 7,500円(税込) |
| 試験時間 | ①午前Ⅰ:50分 ②午前Ⅱ:40分 ③午後Ⅰ:90分④ 午後Ⅱ:120分 |
| 午前Ⅰ | 多肢選択式 / 応用情報技術者試験(AP)から出題 |
| 午前Ⅱ | 多肢選択式 / システム戦略や経営戦略、セキュリティなどの分野における専門知識/ 問題 |
| 午後Ⅰ | 記述式 / 各設問に20~45字で解答 |
| 午後Ⅱ | 論述式 / 500字程度の問題文に対して論文形式で記載(約3000字) |
| 合格基準 | ・午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ各試験において100点満点中60点以上・午後Ⅱの試験においてA~Dランクの4評価中、Aランク |
令和6年度の合格率は*15.8%*で、過去の合格率も平均して15%前後に留まります。ITに関する幅広い知識だけではなく、自身の経験をもとにした論文作成があることも、難易度を高めている理由です。
ITストラテジスト資格の保有は専門知識とスキルを証明するため、自身の市場価値を高められることが最大のメリットです。名刺などにも記載でき、ITコンサルタントとして信頼されやすくなるでしょう。
また、日本ITストラテジスト協会(JISTA)の正会員として入会できることも、ITストラテジストの資格を取得する大きな魅力です。同協会はIT戦略に関する情報交換や相互研さんなどを目的としているため、人脈を広げるきっかけとなります。
各企業のスペシャリストやハイスキル人材が多く集まるため、キャリアアップを目的とした転職を検討する場合にも、同協会での交流が良い影響を与えます。
ITストラテジストの仕事内容
ITストラテジストの仕事は、ITの専門家としての立ち位置から企業の経営戦略を立案・実行することです。扱うテーマ一つひとつにおいて、細かい分析から始まり、最適なシステムの導入や業務プロセスの改善、IT投資の方向性までを総合的に検討します。
ここでは、ITストラテジストがどのような領域で活躍しているのか、具体的な仕事内容とともに見ていきましょう。
クライアントや自社の課題抽出
ITストラテジストの代表的な仕事のひとつが、経営課題や業務上の問題点などの洗い出しです。具体的には、現状のシステムと業務プロセスを分析し、問題を特定していきます。
基本的にはデータや指標に基づいて進められますが、関係部門のスタッフやステークホルダー、マネジメント層へのヒアリングも欠かせません。実際に現場で扱っている人たちとの対話から課題点を明らかにすることも、ITストラテジストの重要な役割といえるでしょう。
このため、ITストラテジストには、必要なことを聞き出し、現場のスタッフが感じていることを言語化できる優れたヒアリング能力が求められます。
フリーランスや外部企業からの依頼を受ける場合には、業務内容を十分に理解した上で、システムやITの観点から「どのような改善ができるか」を明確に伝える能力も問われます。
同時に課題抽出と改善策の提案の際には、経営戦略や事業目標と照らし合わせ、優先度を付けていく分析力も重要です。
システム戦略の立案
ITストラテジストの「ストラテジスト(Strategist)」は「戦略家」という意味を持つため、システム戦略の立案はITストラテジストとしての中核的な役割となります。
システム戦略とは、IT技術をどのように活用し、どのような状態に持っていくのかを示すプランです。具体的なシステム戦略の目的には、「業務効率化」「生産性向上」「コスト削減」「セキュリティリスクマネジメント」などがあります。
しかし闇雲に新しいシステムやツールを導入するだけでは、必要以上のコストがかかる、導入後の運用がスムーズにいかないなどの懸念もあります。そのためITストラテジストは、すでに導入されているITインフラの状況や市場のトレンド、現行システムの強みと弱みを洗い出す作業から始めることが重要です。
このようにシステム戦略の立案は、単なる計画作成に留まるものではありません。経営層や現場の各部門との調整を行いながら、現場の業務実態に即した提案内容にしていくスキルが求められる仕事です。
システム開発計画の策定
具体的なシステム開発計画の策定では、前述した立案内容から、より詳細なプランニングへと発展させていきます。まず重要なことは、開発スケジュールとリソース計画の作成です。
大まかな戦略の軸はできあがっている段階ですので、必要な人材や設備、資金といったリソースを適切に割り当てるために、システム開発の目的や内容を分かりやすく関係者に伝えていきます。
実際の現場では、従来のやり方を変えることに消極的な人や新しいシステム導入に不安や戸惑いを感じる人も少なくありません。システム開発のメリットや目的を正しく理解されないまま進めてしまうと、導入後の定着がうまくいかないリスクとなります。
そのためITストラテジストには、現場が新しいツールやシステムを使いこなすためのサポート体制を整えるなど、プロジェクト全体を円滑に進める役割も求められるでしょう。
また、社内のリソースが不足している場合には、DX推進のための外部サポートの導入や外部パートナーとの連携を検討する必要もあります。
戦略の実行とモニタリング
ITストラテジストの仕事は、システム戦略の立案や策定だけではありません。策定したシステム開発を実行に移し、現場での運用定着、ツールの有効活用など、戦略実行後のモニタリングも重要な役割です。
計画段階で確認した目的が達成されるようにプロジェクトを進めることが、もっとも重要なポイントとなるでしょう。そのためには、実行プロセスを継続的に検証しながら、リスクの分析や軽減策を講じることも役割のひとつです。
システム実装後には、丁寧にモニタリングする必要があります。具体的にはKPIなどの指標を用いて評価し、業務効率やコスト削減における効果測定やフィードバックを行います。また、業務の変化を伴うため、現場での教育やサポートも引き続き求められるでしょう。
トラブルや不具合の発生時には、迅速な対応を行うと同時に、再発防止策も検討しなければなりません。このようにITストラテジストは、システム実装後にも地道な検証と改善を積み重ね、企業全体への成長へとつなげることが重要な仕事のひとつです。
最新の技術動向のキャッチアップ
ITの専門家として、ITストラテジストの役割を果たすためには、常に最新の技術動向をキャッチアップし、積極的に新しい知識やスキルを取り入れていく姿勢が欠かせません。
社内外のセミナーや学会を通じて情報収集を行い、クラウドやAI、IoTといった最新IT技術のキャッチアップを継続していきましょう。また、常に「最新技術を経営戦略にどう活かしていくか?」を考えることも重要です。
それぞれの企業に合ったIT戦略を立てるためには、技術動向だけでなく、業界全体の動向を追いかける必要もあるでしょう。あるいは、経営陣側の立場となり、法律や知的財産に関する知識が求められるケースもあることを想定し、幅広い分野への理解を深めておくことも大切です。
ITストラテジストの年収
難易度の高いITストラテジスト試験に挑戦する以上は、資格取得後の年収が気になることでしょう。しかし、「ITストラテジスト」とはあくまで知識や技術力を持つ優れた人材のことであり、職種として定義されているわけではありません。
一般的には、事業会社やITコンサルティングファーム、SIerなどに所属してIT戦略を行っている人材に多く含まれます。
人や企業によってバラつきがあるITストラテジストの年収を明確に算出することはできませんが、ここでは各種情報サイトのデータを総合し、「会社員」「フリーランス」に分けて解説していきましょう。
会社員としての年収
会社員のITストラテジストの場合、年収は600万円~1,200万円程度が見込まれます。年収1,000万円以上を目指すには、より高度なスキルと豊富な経験が求められますが、一般的なITエンジニアの平均年収が550~600万円程度のため、かなり高い水準です。
一方で、会社員の場合には、各企業で定められている給与体系に準ずることとなり、個人の能力で大きく左右される可能性はほとんどありません。そのため転職の際には、各企業の給与体系や評価制度を十分に確認し、納得のいく年収で入社することが重要です。
フリーランスとしての年収
フリーランスのITストラテジストは、会社員とは異なり、実力やスキルが年収にダイレクトに反映される働き方です。活動を始めたばかりの段階では高収入を得るのは難しいですが、資格を活かして経験と実績を重ねることで、やがて高額な報酬で契約を望む企業から声がかかる可能性は高いでしょう。
例えばITコンサルタントとして活動した場合、平均年収は900万円程度とされています。月100万円を越える単価の案件も多く、ITストラテジストの市場価値を加えると年収2,000万円以上も決して夢ではありません。
ただし、その分求められる仕事の難易度も高くなるため、自身の理想の働き方やワークライフバランスを考えた上でのキャリア設計を行っていきましょう。
ITストラテジストの将来性
企業のIT化やDX化が推進される現代において、IT技術を経営戦略に落とし込めるITストラテジストは、各分野・業種で需要があります。
特に注目すべきは、IT技術の導入を希望する一般企業が増えていることです。一般企業でITを戦略的に活用できる人材は限られており、専門性の高さや経営層と技術部門の橋渡しができる能力を持つITストラテジストの需要は今後ますます高まっていくでしょう。
また、キャリアパスの側面からも、ITストラテジストは将来性が十分に備わっている仕事です。例えば現時点で会社員として属している場合でも、情報システム部門やDX推進部門のリーダーなど、企業内での昇進が期待できます。
あるいは、経営層やフリーランスのITコンサルタントなど、挑戦しがいのあるキャリアパスの道も拓けるでしょう。
ITストラテジストに求められるスキルや素養
ITストラテジストは資格がなくても名乗れるものですが、システム開発や運用のスペシャリストとして活動するためには、それ相応のスキルと素養が求められます。
ここでは具体的に必要となるスキルを解説していきますので、自身の強みや弱みと照らし合わせてみてください。
ITに関する広い知見
ITストラテジストは単なる「ITに詳しい人材」ではありません。経営視点に立った上で、IT技術を実務や経営戦略に応用する方法を導き出す役割を担います。
そのため、各企業が抱える課題や目的に見合ったシステム開発を行うためにも、セキュリティやクラウドなど幅広いIT知識は絶対に欠かせないスキルです。実際にプログラミングを行う場面は少ないとされるITストラテジストですが、IT技術に対する深い知見は常に必要となるでしょう。
経営や事業運営に関する理解
常に経営視点に立ってプロジェクトを進めるのが、ITストラテジストの仕事です。会社員やフリーランスなど、どのような立ち位置であっても、各企業の経営や事業運営の仕組みを理解することが第一歩となります。
例えば、財務諸表の分析や顧客からのフィードバック収集などを通じ、会社の状況を正確に把握することが重要です。業界動向や競合分析も踏まえ、経営ノウハウも取り入れながらの提案を行うことが求められるでしょう。
コミュニケーション能力
ITストラテジストは、戦略立案段階での経営層とのすり合わせや各部門との連携、システム導入後のモニタリングなど、全工程においてさまざまな立場の人との交流があります。
そのため専門的な内容を伝える際には分かりやすく噛み砕いたり、相手の意向を正確に把握したりなど、常に円滑に進めていく姿勢が重要です。また、相手の立場やリテラシーに応じた専門用語の使い分け、あるいは経営層に向けてのプレゼンテーション能力なども問われます。
問題解決能力/論理的思考力
ITの専門家として、尚且つ経営視点を持ってシステム戦略の立案から実行までを担うITストラテジストには、問題解決能力や論理的思考力も欠かせません。初期段階における「クライアントや自社の課題抽出」では、複雑なシステム上の課題に対し、原因を特定するところまでが求められます。
本質的な原因を見極めるためには、データ分析や業務プロセスへの理解を深め、論理的に課題を整理していくことが重要です。また、意思決定の場面やシステム実装後のトラブル発生時などには、迅速かつ論理的な筋道を立てて結論に至る力が求められます。
プロジェクトマネジメント力
ITストラテジストは、戦略の立案から実行までを担う立場になることが多いため、プロジェクトマネジメント力も問われます。特に抱えるチームやプロジェクトの規模が大きいほど、関係する部門も増えるため、タスク調整やリソース配分、進捗管理などが重要となります。
ITストラテジストのキャリアパス
ここからは、ITストラテジストのキャリアパスについて解説します。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは代表的なキャリアパスのひとつで、そもそも「ITコンサルタント」と「ITストラテジスト」に職務上の大きな違いはありません。
どちらも名乗る上でも必要な資格はなく、企業内あるいはフリーランスのITコンサルタントがITストラテジストの資格を取得し、市場価値を高めるケースも多くあります。
例えば、企業内のIT部門で経験を積みながら資格を取得し、ITコンサルファームへ転職したり、フリーランスのITコンサルタントとして独立するキャリアも選択肢のひとつです。業界問わず、ITストラテジスト資格は、ITコンサルタントが仕事を得る上で非常に有利な資格となるでしょう。
CIO
CIO(Chief Information Officer/最高情報責任者)は、企業内ITストラテジストのキャリアパスにおける最上位ポジションです。情報システム部門の責任者よりも立場が上となり、CEOやCOOと並ぶ経営層の一員として企業全体のIT戦略を統括します。
CIOの役割は、IT投資の方向性やDX推進などを総合的に取りまとめ、全体をリードしながら組織のITガバナンスを確立していくことです。
総務省によると、日本国内でCIOを設置している企業は約10%とされていますが、昨今の急速なDX推進によりCIOの必要性が注目されているため、需要は高まっていくでしょう。
情報システム部門の管理職
CIOへのステップアップとして、あるいは自身の理想とする働き方などによっては、情報システム部門の責任者として活躍する選択肢もあります。CIOと似た立場として重なる業務内容もありますが、CIOよりも現場に近い立ち位置で働けることが特徴です。
経営層と現場をつなぐ役割も担い、それぞれの視点に立ちながら最適なIT環境を整えることが求められます。そのため、コミュニケーションスキルを活かし、リーダーシップを発揮したい方に向いていると言えるでしょう。
ITストラテジストになるためのポイント
自己分析でキャリアプランを検討
まずは闇雲に資格取得を目指すのではなく、自身のキャリアプランを明確にすることから始めましょう。ITストラテジストと一口に言っても、社員として企業に属するのか、フリーランスのITコンサルタントとして独立するのかなど、幅広い選択肢があります。
特に現時点で「将来への漠然とした不安を抱えている」「なんとなく年収をあげたいけどどうしたらいいか分からない」などの状況にいる人は、キャリアプランを整えることで目標が明確になり、漠然とした不安の原因も見えてきます。
また、得意分野や強みを整理しながら長期的なキャリアプランを立てると、身につけるべきスキルや資格取得の目標期限なども把握できるため、モチベーションも高まっていくでしょう。
ITストラテジストの資格を取得
ITストラテジストは資格なしでも名乗れますが、プロフェッショナルとしての力を証明するためには、やはり資格を取得するのがおすすめです。ただし、ITストラテジスト試験に合格するためには計画的な学習が欠かせないので、試験日を把握した上でしっかりとスケジュールを立てましょう。
ITストラテジスト試験と同じIPAが主催する「応用情報技術者試験」に合格すると、ITストラテジスト試験午前Ⅰの免除資格を取ることができます。10月に実施される「応用情報技術者試験」を受験し、翌年4月のITストラテジスト試験を目指すのが王道と言われるコースです。
勉強方法については、それぞれが持つ知識と経験によっても異なりますので、一概に「これが正解」とは言えません。論述問題など実務経験を活かした解答が求められる場面もあり、まずは現時点で備わっている知識や経験を整理することが重要です。
『情報処理技術者 ITストラテジスト完全対策』や過去問題集、オンライン教材などを活用し、計画的に進めていきましょう。
選考を受ける企業を選定し、企業分析
キャリアの方向性が決まったら、次は選考を受ける企業を選定していきます。IT業界は特に「入社後のギャップ」で転職後に後悔するケースが多いため、事前の情報収集が欠かせません。
企業ごとに異なる業務内容は多岐に渡り、ITストラテジストあるいはITコンサルタントなど採用ポジションによって業務範囲は大きく異なるため、自身がどの範囲まで関与する役割なのかを明確に把握しておくことが大切です。
また、社風や働き方なども重要なポイントです。企業ごとの独特のカルチャーに自身がマッチするかどうか、企業の公式サイトや口コミ、社員インタビューなどもくまなくチェックし、企業分析を深めていきましょう。
実戦を想定した面接対策
ITストラテジストは、ITコンサルタントなどのポジションで採用面接を受けることが多いです。競争が激しい業界ですが、ITストラテジストの資格を保有していれば、他者との差別化を大きく測れます。
一方で、ただ資格保有をアピールするだけでは十分な対策とは言えません。各企業の事業内容や強み、理念などを深く理解した上で、各企業にマッチするように自己PRや志望動機をカスタマイズすることが重要です。
また、ITストラテジストであることを強調するためには、過去のプロジェクト経験や成果を論理的に説明し、即戦力として活躍できることをアピールしていきましょう。企業によってはケーススタディ面接となる場合もあるため、実践を想定しながらの対策が結果を左右します。
IT業界に強い転職エージェントの利用
転職エージェントの活用は大きな助けとなりますが、IT業界やコンサルティング業界に強いエージェントを選ぶことが重要です。技術の移り変わりが激しいIT業界において、最新の動向や情報を把握している特化型のエージェントは、非常に強い味方となります。
IT業界やコンサルティング業界出身のスタッフも多く、あなたの適性に合った求人の提案や、将来を見据えたキャリア相談を行ってくれる点も魅力です。
さらに、選考を進める過程では書類添削だけでなく、より実践的な面接対策や企業側との交渉までサポートしてくれます。「ITストラテジストとして転職したい」と希望しているなら、特化型の転職エージェントを活用し、効率的に進めるのがおすすめです。
まとめ
ITストラテジストは、企業のIT戦略を立案し、経営課題やDX推進をリードするITの専門家です。本来は戦略立案までがITストラテジストの業務ですが、実際にはシステム導入後のサポートなど、幅広い役割を担っています。
また、一般的なITコンサルタントとは一線を画す高度なIT知識と論理的思考力、コミュニケーション能力などが求められる立場です。国家資格の「ITストラテジスト試験」に合格することで、ITストラテジストとしての信頼性を高められるでしょう。
簡単になれる職種ではありませんが、その先にはCIOやITコンサルタントなど多様なキャリアが拓けてきます。これまでの経験を活かしつつ、IT業界でさらなるキャリアアップを望む方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
あなたもコンサルタントとして
働きませんか?
コンサルタントへの転職をお考えの方は、
是非MyVisionにご相談ください。
ファームとのコネクションを活かし、
あなたの理想の転職が実現するよう転職先の紹介から面接対策に至るまで、
徹底的にサポートいたします。
