40代エンジニアでも転職は可能?成功する人の特徴とキャリア戦略を徹底解説
2025年11月27日更新
40代の転職では、年齢そのものが強みとして働く場面と、慎重な準備が必要になる場面が存在します。
若手よりも経験が豊富である一方で、技術の変化や組織フェーズとの相性によって選考結果は大きく変わります。たとえば「このままプレイヤーを続けるべきか」「マネジメントに振り切るべきか」と迷い、求人を見ても基準が定まらない40代エンジニアは珍しくありません。
本記事では、40代の転職市場の実態や評価されるスキル、失敗を避けるための視点、そしてキャリアを再構築するための戦略までを体系的に解説します。
著者

蓬田 和己
Yomogita Kazuki
早稲田大学卒業後、レバレジーズ株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして開発、データ職種のエンジニアの方の支援に従事。歴代最速で事業部内単月支援者数、売上1位を獲得し、組織目標の達成に大きく貢献。社内での異動、キャリアアップ、転職もどれが良いのか単純には決められないので、お客様にとって最善の選択肢を一緒に考えていきたいという思いから、MyVisionに参画。
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監修者

北野 雄大
Kitano Yudai
株式会社MyVision取締役
名古屋大学を卒業後、トヨタ自動車、デロイトトーマツコンサルティング、エクサウィザーズを経てコンサルティング業界特化のエージェントに入社。その後、株式会社MyVisionを設立。 大企業~コンサル、スタートアップまでの幅広い経験を活かしたキャリア支援に強みを持つ。
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目次
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40代エンジニアでも転職は可能?市場のリアルを解説
40代の転職市場では、若手中心の採用とは異なる基準が存在します。経験・業務理解・リスク管理力などの再現性の高い成果が重視されます。この章では、40代がどのように評価されるのかを整理します。
40代エンジニアの転職は「可能」だが戦略が必要
40代エンジニアの採用は、専門性と成果の再現性を求める企業を中心に一定の需要があります。
たとえば、インフラ運用一筋20年のエンジニアが、運用改善プロジェクトで「月間障害対応工数を30%削減」した実績を整理した結果、事業会社の情報システム部門に転職した例があります。
若手のようにポテンシャルで評価されるのではなく、 「どのような価値を提供できるか」 を明確化できる人ほど選考が通りやすくなります。
ポイントは以下です。
- 「これまで何をやってきたか」ではなく「何ができる人か」を可視化する
- プロジェクトの成果を数値化し、再現性を説明できるようにする
- 役割の曖昧さを残さず、プレイヤー寄りかマネジメント寄りかを明確に伝える
この整理ができる40代は、書類選考通過率が変わってくることもあります。
採用ニーズがある業界・職種とは?
採用ニーズは領域ごとに差があります。
- クラウド(AWS / Azure)関連職種→ 移行・運用設計・コスト最適化の経験がある40代は強い
- セキュリティエンジニア→ 組織全体のリスク管理経験が評価される領域
- SaaS企業の開発・プロダクト部門→ 技術理解×プロジェクト推進力の両軸を持つ40代が求められる
- 情報システム・IT企画(事業会社)→ 業務理解と調整力が重要になるため、経験が活きやすい
たとえばクラウド領域では、「オンプレ環境からAWSへの移行プロジェクトを段階的に推進した経験」がそのまま採用ニーズに直結します。
社内SE領域は、年齢よりも業務理解・管理能力・調整力が評価されるため、40代と相性が良い職種のひとつです。
40代が評価されるポイント(経験値・安定感・マネジメント力)
40代の採用は領域によって傾向が異なりますが、クラウド、セキュリティ、情報システム部門などでは、経験者が選考対象となることが多くあります。
- 経験の深さと業務理解
- 組織やプロジェクトに対する安定感
- リスク管理やステークホルダー調整力
たとえば、システム障害が発生した場面で「原因調査と影響範囲の整理」「経営層への説明」「復旧対応のリード」を同時に進めた経験は、40代ならではの価値として評価されます。また、チームの心理的安全性を高める働きかけができる点も、若手には真似しにくい強みです。
若手との評価基準の違いを理解する
企業の評価基準は以下のように明確に変わります。
| 観点 | 若手 |
|---|---|
| 学習速度 | 高いことを期待 |
| 技術力 | 伸び代含めて評価 |
| 成果 | 個人での貢献 |
企業が40代に期待するのは「即効性」「再現性」「安定性」です。 たとえば若手には「新技術を学ぶ速度」が評価されますが、40代には「新技術をプロジェクトで適切に活かす設計力」や「リスクを見越した判断力」が求められます。
40代エンジニアが転職で苦戦しやすい理由
40代の転職は、若手と比べて選考基準が明確に異なります。経験が豊富な一方で、スキルやポジションの選び方によってはミスマッチが起こりやすい点が特徴です。
最新技術へのキャッチアップ不足
マネジメントが増えると、コードを書いたり環境を触ったりする機会が減り「ここ数年、新技術を実務で扱っていない」という状態になりがちです。
企業は以下をチェックしています。
- GitHubや技術ブログ等で学習の継続性があるか
- 技術選定の原理原理が説明できるか
- クラウドやセキュリティの基礎が最新か
技術から離れていた期間が長い場合、選考で不利になる可能性があります。
プレイヤーとマネジメントの中間層問題
40代は「プレイングマネージャー」の割合が最も多い世代です。このため、企業からすると「どの役割を期待すべきか分からない」という曖昧さが発生しやすくなります。
以下のようなケースは典型例です。
- PM経験は浅いが“マネジメント経験あり”と伝えてしまう
- プレイヤー志望だが「手を動かす経験」が最近ない
- 面接で役割の軸が定まっていないため印象がぼやける
役割の軸を明確化しないと、書類で落ちる確率が上がります。
年収・ポジション・カルチャーのミスマッチ
40代では、年収や役割の期待値が高くなりやすく、企業側との認識が一致しにくいことがあります。
以下は、そのような認識のずれが生じやすいケースです。
- 前職が管理職だったため同等ポジションを希望
- しかし企業側は「現場で動けるリーダー」を求めている
- 条件がすれ違って選考が進まない
特にベンチャー企業は「技術を理解し、手も動かせる人材」を求めるため、過去の肩書きだけでは評価につながりません。
40代エンジニアが評価されるスキル・経験
40代の採用では、技術力だけでなく、組織全体の成果に関わるスキルが重視されます。
若手では補完しきれない領域で価値を発揮できる点が評価されやすく、これまでの実務経験をどのように活用できるかが重要な判断材料になります。この章では、特に評価されやすいスキルを整理します。
チームリード・プロジェクトマネジメント経験
40代では、複数のプロジェクトに携わり、チームをまとめてきた経験が強みになります。企業は、マネジメント経験の有無だけでなく、プロジェクトの成功要因や再現性を確認します。
要件定義や進行管理、他部門との調整などの経験は、即戦力として評価されやすくなります。組織課題に対する改善提案ができる点も価値として見られます。
例:
- 5〜10名規模の開発プロジェクトをリード
- ベンダー選定・進行管理・課題コントロールを担当
- 納期・品質・予算の三要素のバランスを取った実績
DX推進やクラウド移行などの業務改善実績
企業のIT戦略が拡大する中で、業務改善やDX推進に関する実績は重要な評価項目です。
業務プロセスの見直しや、クラウド移行に伴う設計・推進経験は、専門領域を超えて組織全体の成果に寄与します。技術選定から運用設計まで一連のプロセスを担当した経験は、企業が求める役割と一致する場面が増えています。現場と経営の双方を理解した視点が評価につながります。
例:
- Excel業務をSaaSへ移行し工数40%削減
- オンプレ→AWS移行を主導、運用コスト20%削減
- 業務フローを見直し、属人化プロセスを解消
マネジメント+技術理解の両立スキル
40代エンジニアでは、技術とマネジメントのバランスを取れるスキルが重視されます。
技術トレンドの理解を保ちながら、チームへの落とし込みができる点が強みになります。また、プレイヤーと管理の境界が曖昧な場面でも柔軟に対応できる力が求められます。
組織規模やプロジェクトの特性に応じて役割を調整できることが、採用企業にとって価値になります。「技術とビジネスの橋渡しができる人材」は、どの業界でも希少です。
例:
- 技術的な議論に参加できる
- 経営層にはビジネス視点で説明できる
- チームには落とし込みと教育ができる
40代エンジニアにおすすめの転職先
40代では、技術力に加えて業務理解や調整力が求められるため、選ぶべき転職先は20〜30代とは異なります。
これまでの経験を活かす方向性と、新しい領域に挑戦する方向性の両方があり、キャリアの軸を明確にすることで選択肢が広がります。この章では、40代が特に活躍しやすい職種とキャリアパスを整理します。
社内SE・情報システム部門(安定型キャリア)
社内SEや情報システム部門は、事業理解や調整力が重視されるため、40代の経験が活かされやすい領域です。
自社の業務フローを理解しながら、システム選定や運用改善を推進する役割が求められます。開発経験がある場合は、要件整理やベンダーコントロールで強みを発揮できます。長期的なキャリア形成を志向する人に適した職種と考えられます。
例:POS・勤怠・ECなど複数システムを横断管理する業務を、社内外の調整含めスムーズに行った
ITコンサルタント・プロジェクトマネージャー(マネジメント型キャリア)
ITコンサルタントやプロジェクトマネージャーは、経験に基づく判断力が重視されるため、40代でも採用ニーズが高い領域です。
要件定義やプロジェクト設計の経験は、企業の変革を支える役割に直結します。また、複数のプロジェクトを俯瞰しながら進行できる点が評価されます。マネジメント志向が強い人や、組織横断の課題解決に携わりたい人に向いています。
例:売上数十億規模プロジェクトで、クライアント折衝、課題管理、ベンダーコントロールなどを行う役割。
クラウド・セキュリティ・SREエンジニア(専門特化型キャリア)
専門領域でのキャリアを志向する場合は、クラウドやセキュリティなどの専門職が選択肢になります。
特にAWSやAzureに関する設計・運用経験、セキュリティ対策やSRE領域の実務経験は高い需要があります。継続的に技術を学び続ける意欲が評価されるため、専門性を磨きたい人に適した方向性です。今後の市場成長を見据えたキャリア設計が可能です。
例:AWS移行計画を策定し監視設計やコスト最適化まで担当した
フリーランス・業務委託(独立型キャリア)
フリーランスや業務委託として働く選択肢は、経験豊富な40代との相性が良い場合があります。
プロジェクト単位での参画が中心となるため、スキルセットと実績が直接収入に反映されます。特定領域での専門性が高い場合は、案件の選択肢が広がることがあります。自律性を重視し、働き方の自由度を高めたい人に適したキャリアパスです。
例:週3稼働で2社の案件を掛け持ちつつ、空いた時間で学習や複業を行った経験がある
40代エンジニアが転職を成功させるための戦略
40代の転職では、キャリアの方向性を明確にし、経験を適切に整理することが重要です。若手と異なり、採用企業が求める役割が限定されるため、戦略的に準備を進めることで選択肢が広がります。この章では、40代が意識すべき具体的な行動を整理します。
キャリアの棚卸しと「再定義」を行う
40代では、経験が多岐にわたるため、スキルや実績を再整理し、採用側が評価しやすい形にまとめることが重要です。
特に、プロジェクトの成果や役割を数値や手順で説明できるようにすると、再現性を示すことができます。過去の経験を「技術」「管理」「業務理解」などに分類することで、自分の強みを明確にできます。キャリアの再定義は、応募先とのミスマッチを防ぐために有効です。
まずは簡単に、以下の内容を主要プロジェクトを整理してみることもおすすめです。
- プロジェクト名
- 期間
- 担当フェーズ
- チーム規模
- 主要課題
- 成果(数値)
- 再現性(なぜ成功したか)
市場価値を上げる資格・スキルを取得する(AWS・PMPなど)
技術変化が速い領域では、最新スキルの習得が評価につながります。AWS認定資格、情報処理技術者試験、PMPなどの資格は、知識の裏付けとして活用できます。
学習意欲やキャッチアップ力を示せる点も評価されやすいポイントです。特にクラウド領域の資格は需要が高く、専門性の補強として有効です。また、学習習慣そのものが評価対象になります。
下記は資格の一例です。
- AWSクラウドプラクティショナー
- 基本〜応用技術者
- PMP・情報セキュリティ関連資格
- 各クラウドのアーキテクト資格
面接・年収交渉でのアピールポイントを明確にする
40代の面接では、経験の「幅」よりも「深さ」が重視されます。具体的な成果や課題解決プロセスを説明し、即戦力であることを示すことが重要です。
下記の順番で話すと40代ならではの経験の深さが伝わりやすくなることもあります。
- 課題 → 行動 → 結果(数値) → 再現性 → 学び
年収交渉では、過去の報酬よりも市場相場を基準に条件を整理することで、ミスマッチを避けられます。求められている役割を理解し、必要なスキルと実績を端的に伝える準備が必要です。
求人の見極め方(若手採用中心企業との違い)
40代の採用は、各企業が求める役割やカルチャーによって成果が異なります。
若手中心の組織では、経験が評価につながりにくい場合があります。採用背景や組織規模、技術領域を確認し、自分の経験が活かせる環境を選ぶことが重要です。ポジションの期待値が明確であるかどうかを見極めることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
下記は確認しておくとよい質問の一例です。
- 「このポジションの1年後の期待値」
- 「成功している人の共通点」
40代エンジニア転職で後悔しないために
40代の転職では、条件面だけで判断すると入社後のギャップが生まれやすくなります。キャリアの方向性や働き方について事前に整理することで、長期的な満足度につながります。この章では、後悔を避けるために意識したいポイントをまとめます。
転職の目的を明確にする
40代では、目的が曖昧なまま転職を進めると、想定とは異なる役割を期待されることがあります。
「年収」「働き方」「ポジション」など、優先順位を明確にすることが重要です。目的が整理されていると、求人の選択基準が定まり、ミスマッチを防ぐことができます。長期的にどのようなキャリアを描くのかを事前に整理することが求められます。
下記は自分の中で整理しておくことがおすすめです。
- 譲れない条件
- できれば満たしたい条件
- 妥協できる条件
「年収アップ」だけでなく「やりがい」「働き方」も重視する
40代では、年収に目が向きやすい一方で、仕事の負荷や役割の曖昧さが課題になることがあります。年収だけで判断すると、働き方やカルチャーとの相性にギャップが生じることがあります。
仕事の裁量や求められる責任範囲を確認し、自分に合った働き方を基準として考えることが重要です。複合的な観点で判断することで、納得度の高い選択ができます。
現職を活かせるキャリアチェンジを意識する
40代では、現職で積み上げた経験をどの程度活かせるかが、転職後の成果に影響します。全く新しい領域へ進む場合は難易度が上がるため、経験との接続点がある役割を選ぶことが重要です。
業務理解やドメイン知識を活かせる環境は、スムーズに成果を出しやすい傾向があります。経験の延長線上でキャリアを再設計することで、安定した移行が可能になります。
例:
- 金融系システム経験→フィンテック企業
- 製造業向けシステム経験→製造業のIT企画
40代エンジニアが転職エージェントを活用すべき理由
40代の転職活動では、求人の選び方や役割の期待値が複雑になるため、専門家の支援を活用することで判断がしやすくなります。特にキャリアの整理や条件交渉は、自分だけで進めるよりも効果的に進められる場面があります。この章では、エージェントを利用するメリットを整理します。
年齢・経歴に合った求人提案を受けられる
40代では、経験や実績が企業ごとに異なる評価基準で判断されるため、適切な求人を見極めることが重要です。
転職エージェントは、業界ごとの採用傾向を踏まえて、年齢やスキルに適した求人を提案します。求められる役割が明確な企業を選びやすくなり、ミスマッチのリスクを減らすことができます。
また、エージェントとの面談を通じて「PMだけでなくIT企画も向いている」など、自分では気づけない選択肢が見つかるケースがあります。
書類添削・面接対策などの個別支援
40代の選考では、書類や面接で過去の実績を具体的に示すことが求められます。
エージェントは経験や成果の整理をサポートし、企業ごとに適したアピール方法を提案します。面接対策や想定質問への準備が進めやすくなり、選考通過率の向上につながります。選考ポイントを客観的に整理できる点がメリットです。
非公開求人・ハイクラス案件にアクセスできる
40代では、公開されている求人だけでは選択肢が限られることがあります。エージェントを利用することで、ハイクラスや専門職などの非公開求人にアクセスできます。
ポジションの期待値や条件面を事前に確認できるため、年収や役割の交渉を進めやすくなります。市場に出にくいポジションを選べる点が大きな利点です。
テックゴーが選ばれる理由
テックゴーは、40代エンジニアが直面しやすい転職課題を理解したうえで、キャリア整理から選考対策までを一貫して支援しています。
経験の棚卸しやスキルの可視化を行い、即戦力として評価されやすいアピール方法を提案することが特徴です。クラウド、セキュリティ、PM領域などの専門分野に精通したアドバイザーが担当し、業界動向や企業の採用背景を踏まえた求人紹介が可能です。
書類添削や面接対策だけでなく、入社後のフォローまで行うため、中長期的な視点でキャリア形成を相談しやすい支援体制が整っています。
また、40代を対象とした非公開求人やハイクラス案件を多数保有しており、役割や期待値を事前に確認したうえで応募できる点も強みです。
まとめ
40代エンジニアの転職は、市場のニーズや評価基準を理解したうえで戦略的に進めることで成功につながります。若手とは異なる期待が設定されるため、経験の棚卸しやスキルの再整理が必要になります。
特に、プロジェクトマネジメントや業務改善の実績、クラウドやセキュリティなどの専門性は、高い評価を受けやすい領域です。一方で、年収やポジションの期待値がずれるとミスマッチが起こりやすく、目的が曖昧な転職では入社後のギャップが生じることがあります。キャリアの方向性を明確にし、自分の経験が活かせる環境を選ぶことが重要です。
テックゴーでは、40代に必要なキャリア戦略や選考対策をもとに、一人ひとりに合った求人提案とサポートを提供しています。自分の強みを適切に伝え、納得度の高いキャリアを実現したい人にとって、効率的に転職活動を進められる環境が整っています。
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